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〜 雪月花 新撰組異聞外伝 編 〜


〜 大暑の頃 鎌倉の見越しの崎 〜


〜 後編 〜


それから少し後の事。

藤田五郎と敬一は、鎌倉に到着した。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「お父さん! 鎌倉に着いたね!」

藤田五郎は敬一を見ると、黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「お父さん! 最初は鶴岡八幡宮でお参りをしようよ!」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は鶴岡八幡宮に向かって嬉しそうに歩き出した。

藤田五郎は敬一の後ろを普通に歩き出した。

敬一は藤田五郎の少し先で立ち止まると、笑顔で話し出す。

「お父さん! 早く行こうよ!」

藤田五郎は普段どおりに歩きながら敬一の傍に来た。

敬一は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎と敬一は、一緒に歩き始めた。



藤田五郎と敬一は、鶴岡八幡宮に到着した。

大銀杏は青空の下で緑色の葉を繁らせている。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「お父さん! 大銀杏が見えるよ!」

藤田五郎は敬一を見ると、黙って頷いた。

敬一は大銀杏を見ると、藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「大銀杏の葉が太陽の光に当たって輝いているね!」

藤田五郎は大銀杏を一瞥すると、敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎を見ると、笑顔で話し掛ける。

「お父さん! 大銀杏が黄色くなった時も、きっと綺麗だよね!」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は大銀杏を見ると笑顔で呟いた。

「黄色くなった大銀杏を見たいな〜」

藤田五郎は敬一を黙って見ている。

敬一は藤田五郎を見ると、慌てた様子で話し出す。

「お父さん! 今の話は気にしないで!」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「確かに黄色くなった大銀杏も見てみたいな。」

敬一は藤田五郎を不安そうに見ている。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「今年は無理だと思う。だが、いつか一緒に見たいな。」

敬一は藤田五郎を見ながら笑顔で頷いた。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「早くお参りをしよう。」

敬一は藤田五郎を見ながら微笑んで頷いた。

藤田五郎と敬一は、参道を歩き出した。



藤田五郎と敬一は、大銀杏を横に見ながら階段を上った。

階段を上りきり本宮に到着した。

藤田五郎は礼をして拍手を打つと祈り始めた。

敬一も礼をして拍手を打つと祈り始めた。

藤田五郎が敬一を見ると、真剣な表情で祈っている。

敬一は祈り終わると、藤田五郎を見て微笑んで話し出す。

「お父さん。終わったよ。」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

藤田五郎と敬一は、大銀杏を横に見ながら階段を下り始めた。



藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。次はどこに行きたい?」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「由比ガ浜に行きたい!」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「この前の旅行でも由比ガ浜に出掛けたよな。他の場所に行かなくて良いのか?」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「海が見たいんだ!」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「段葛を歩いて由比ガ浜に行こうよ!」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

藤田五郎と敬一は、段葛を歩き始めた。



藤田五郎と敬一は、由比ガ浜に到着した。

海の上には青い空と白い雲が広がっている。

太陽の光は青い海を眩しいくらいに輝かせている。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「お父さん! 海が太陽の光に当たって輝いているね!」

藤田五郎は敬一見ると、黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「お母さんが海の物がお土産に欲しいんだって。綺麗な貝殻が欲しいと話しをしていたんだ。探してもいい?」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は浜辺へと歩き出した。

藤田五郎は敬一の後に続いて浜辺へと歩き出した。



敬一は砂浜を真剣な表情で探しているが、綺麗な貝殻が見付からない。

藤田五郎はさり気なく辺りを見回している。

藤田五郎と敬一が見ている範囲では、綺麗な貝殻は見付からない。

敬一は藤田五郎をを残念そうに見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。浜辺は暑い。無理するな。夕方に探そう。」

敬一は藤田五郎を見ると、残念そうに頷いた。



藤田五郎と敬一は、宿に着いた。

宿の人が敬一に微笑んで話し掛ける。

「お父さんと二人で旅行ですか?」

敬一は宿の人に笑顔で話し出す。

「はい!」

宿の人は藤田五郎と敬一を部屋へと案内をした。

敬一は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は敬一を普通の表情で黙って見た。

宿の人は藤田五郎と敬一の様子を確認すると、食事などについての説明を始めた。

敬一は宿の人の話を黙って聞いている。

藤田五郎は宿の人の話を頷きながら聞いている。

宿の人は説明が終わると、部屋から出て行った。



それから少し後の事。

少しずつ陽が落ちてきた。

藤田五郎と敬一は、部屋の中に居る。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「食事まで少しだけだが時間がある。夕方の海を見に行かないか?」

敬一は藤田五郎を見ると、笑顔で頷いた。

藤田五郎と敬一は、海を見に出掛けた。



藤田五郎と敬一の前に広がる海は、夕日の光に当たって輝いている。

空の色は綺麗な橙色になっている。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「お父さん! 海が夕日の光に照らされているね! とても綺麗だね!」

藤田五郎は敬一を見ると、黙って頷いた。



藤田五郎と敬一は、夕日に照らされている海を黙って見ている。

波の音が同じ間隔で響いている。

藤田五郎は敬一を見ると、普通に話し掛ける。

「敬一。鎌倉の地を詠った歌が何首かあるんだ。知っているか?」

敬一は藤田五郎を見ると、微笑んで話し出す。

「鎌倉を詠んだ歌があるんだ。知りたいな。お父さん。教えて。」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「鎌倉の 見越しの崎の 岩崩の 君が悔ゆべき 心は持たじ」

敬一は海を見ながら呟いた。

「鎌倉の 見越しの崎の 岩崩の 君が悔ゆべき 心は持たじ」

藤田五郎は敬一を黙って見ている。

敬一は藤田五郎を見ると、微笑んで話し掛ける。

「お父さん。見越しの崎ってどこにあるの?」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「見越しの崎は、“稲村ガ崎”ではないかと言われているんだ。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「ここから近いの?」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「今の歌はどんな字を書くの?」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「宿に戻ったら教える。」

敬一は藤田五郎を見ながら微笑んで頷いた。

藤田五郎と敬一は、宿へと戻っていった。



藤田五郎と敬一は、地元で取れる海の幸や季節の野菜がふんだんに使われている夕食を、食べている。

敬一は美味しそうに夕食を食べている。

藤田五郎は敬一の様子を確認しながら、いつもより量を控えて酒を飲んでいる。



夕日も海に沈み、辺りには星や月の輝きが見えるようになってきた。

敬一は少し眠そうなしぐさを見せた。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。明日も早い。早く寝たらどうだ?」

敬一は藤田五郎に眠そうな仕草を見せながら話し出す。

「まだ大丈夫。夜の海が見たい。」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「今から夜の海を見に行くか?」

敬一は藤田五郎を見ながら微笑んで頷いた。

藤田五郎と敬一は、夜の海を見に行った。



辺りには月明かりと星の光だけしかない。

同じ間隔の波の音が、藤田五郎と敬一を包み込むように響いている。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「波の音がはっきりと聞こえるね。」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「夜の海は暗いけど、怖く感じないよ。お父さんと一緒だから怖くないのかな?」

藤田五郎は敬一を黙って見ている。

敬一は稲村ガ崎の方向を見ると、呟いた。

「鎌倉の 見越しの崎の 岩崩の 君が悔ゆべき 心は持たじ」

藤田五郎は敬一を黙って見ている。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「朝になったら、お母さんのお土産を探してもいい?」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に寂しそうに話し出す。

「お父さん。お母さんと一緒に鎌倉の海を見たいな。」

藤田五郎は敬一を黙って見ている。

敬一は藤田五郎に寂しそうに話し掛ける。

「お母さんも鎌倉に着たら喜ぶと思うんだ。」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。鎌倉に居られる時間はあまり無いが、思い切り楽しめよ。お母さんが敬一を旅行に行かせた意味がなくなるぞ。」

敬一は藤田五郎を見ながら笑顔で頷いた。

藤田五郎と敬一は、月明かりと星明りの下を、波の音に包まれながら、宿へと戻っていった。



藤田五郎と敬一は、宿の部屋に戻ってきた。

敬一は疲れがでたのか、直ぐに床の中で眠ってしまった居。

藤田五郎は敬一を黙って見ている。

辺りが淡い光に包まれた。

藤田五郎は部屋の中を普通の表情で見回した。

沖田総司が藤田五郎の横に静かに姿を現した。

敬一は辺りの変化に気が付かずに、ぐっすりと寝ている。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で黙って見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「こんばんは。」

藤田五郎は沖田総司を見ながら黙って頷いた。

沖田総司は敬一を微笑んで見た。

敬一は沖田総司が傍に居る事に気が付かずに、ぐっすりと寝ている。

沖田総司は藤田五郎を見ると、微笑んで話し掛ける。

「敬一を旅行に誘っていただいて、ありがとうございます。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で黙って見ている。

沖田総司は敬一を微笑んで見た。

藤田五郎が不思議な気配を感じたので、部屋の中を見回した。

沖田総司の横に一人の女の子の姿が現れた。

女の子は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「こんにちは。お久しぶりです。」

藤田五郎は女の子を見ると、黙って頷いた。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「大姫ちゃんです。以前に会いましたよね。覚えていますか?」

藤田五郎は沖田総司を見ると、黙って頷いた。

大姫と呼ばれた女の子は、沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「敬一君はいつ見てもしっかりとしていますね。義高様と小太郎殿を見ているようです。」

沖田総司は女の子を見ると、微笑んで話し掛ける。

「大姫ちゃん。ありがとう。」

大姫は沖田総司を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し掛ける。

「以前は二人の男の子も一緒に来ていたよな。」

大姫は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「義高様と小太郎殿は、お出掛け中です。もう少ししたら戻ってきます。」

藤田五郎は大姫を見ながら黙って頷いた。



二人の男の子が部屋の中に静かに現れた。

大姫は二人の男の子を見ると、笑顔で話し出す。

「義高様! 小太郎殿! お待ちしていました!」

一人の男の子は大姫を見ながら黙って頷いた。

もう一人の男の子は大姫に微笑んで話し掛ける。

「大姫様。お待たせいたしました。」

一人の男の子が藤田五郎に普通に話し掛ける。

「源義高です。藤田さん。お久しぶりです。」

藤田五郎は源義高と名乗った男の子を見ると、黙って頷いた。

もう一人の男の子は藤田五郎に普通に話し掛ける。

「海野小太郎幸氏です。藤田さん。お久しぶりです。」

大姫は沖田総司と藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「これから義高様と小太郎殿と一緒に、由比ガ浜に宝物を隠してきます!」

沖田総司は大姫に微笑んで話し掛ける。

「行ってらっしゃい。」

源義高と海野小太郎幸氏は、沖田総司と藤田五郎を見ながら黙って礼をした。

藤田五郎は源義高と海野小太郎幸氏を見ると、黙って頷いた。

大姫、源義高、海野小太郎幸氏の三人は、静かに居なくなった。



沖田総司は敬一の寝顔を微笑んで見ながら、藤田五郎に話し掛ける。

「斉藤さん。敬一の事を頼みます。私はこれから鈴の様子を見てきます。」

藤田五郎は沖田総司を見ながら黙って頷いた。

沖田総司は藤田五郎の返事を確認すると、再び敬一の様子を微笑んで見た。

敬一は床の中でぐっすりと寝ている。

沖田総司は敬一の寝顔を微笑んで見ながら、静かに居なくなった。



美鈴は家に一人で居る。

夜空を見上げると、微笑んで呟いた。

「敬一は寝た頃かしら。」

月の光や星の輝きが辺りを淡く照らしている。

美鈴は夜空を見上げたまま、微笑んで呟いた。

「総司さん。美味しいと言ってくれる人が居ないと、料理をする張り合いがないの。」

夜空の月と星の輝きは、美鈴も淡く照らしている。

美鈴は夜空を微笑んで見ていたが、視線を下ろすと、家の中へと入っていった。



美鈴は繕い物をしている。

僅かに風が吹いた。

がらすの風鈴が涼しげな音を鳴らした。

庭から季節はずれの桜が咲いている姿が見えた。

美鈴は繕い物を止めると、辺りを不思議そうに見た。

辺りは変わった様子はない。

沖田総司が美鈴の近くに静かに現れた。

美鈴は沖田総司が近くに居る事に気が付かない。

沖田総司は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「美鈴。今夜は敬一の代わりに傍に居るよ。」

美鈴は不思議そうに辺りを見回すが、変わった様子はない。

沖田総司は美鈴を微笑んで見ている。

美鈴は辺りを見回しながら、微笑んで呟いた。

「明日には敬一が帰ってくるのよね。鎌倉で美味しい物を食べているだろうから、明日の夕飯は、張り切って作らないとね。」

沖田総司は美鈴を微笑んで見ている。

美鈴は寝る準備を始めた。

庭の桜は月と星の光を受けながら淡く光っている。

沖田総司は美鈴を微笑んで見ている。

美鈴は床の準備が終わると、横になり、直ぐに眠りに就いた。



朝になった。

敬一はゆっくりと床から起き上がった。

藤田五郎は既に床から起きている。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「お父さん。おはようございます。」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。



藤田五郎と敬一は、朝食が終わると、直ぐに荷物を片付け始めた。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。宿を出るまで、まだ少しだけ時間がある。由比ガ浜に行こう。」

敬一は藤田五郎を見ると、微笑んで頷いた。



藤田五郎と敬一は、由比ガ浜に向かった。

由比ガ浜は少しだけ時間が早いせいか、人がほとんど居ない。

敬一は砂浜をゆっくりと歩きながら、貝殻を探している。

藤田五郎は敬一の様子を見ながら、辺りを見回している。

敬一の目の前に綺麗な色をした貝殻が見えた。

しゃがみ込んで貝殻を拾った。

藤田五郎は敬一を黙って見ている。

敬一は藤田五郎のもとに走ってくると、貝殻を見せながら笑顔で話し出す。

「お父さん! 綺麗な貝殻を見つけたよ! お母さんは喜んでくれるよね!」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「お父さん! 宿に戻ろう!」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

藤田五郎と敬一は、宿へと戻っていった。



藤田五郎と敬一は、宿の部屋に戻って来た。

直ぐに宿を出る手続きをした。

藤田五郎と敬一は、荷物を持つと、宿を出た。



それから少し後の事。

藤田五郎と敬一は、陸蒸気に乗っている。

敬一は外の様子を笑顔で見ている。

藤田五郎は敬一の様子を黙って見ている。

丘蒸気は藤田五郎と敬一を乗せながら、東京へと向かって走っていく。



陸蒸気は駅に着いた。

藤田五郎と敬一は、陸蒸気を降りた。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「疲れたか?」

敬一は藤田五郎を見ながら笑顔で話し出す。

「大丈夫だよ!」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。行くぞ。」

敬一は藤田五郎を見ながら笑顔で頷いた。

藤田五郎と敬一は、駅を後にした。



それから少し後の事。

藤田五郎と敬一は、美鈴と敬一の家に到着した。

美鈴は藤田五郎と敬一を微笑んで出迎えた。

敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! ただいま!」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「敬一。お帰りなさい。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! ありがとうございました!」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一が礼を言うのは俺じゃない。美鈴さんだろ。」

敬一は美鈴を見ると、笑顔で話し出す。

「お母さん! ありがとう!」

美鈴は敬一を見ながら微笑んで頷いた。

藤田五郎は美鈴に普通に話し掛ける。

「美鈴さん。敬一。失礼する。」

美鈴は藤田五郎に心配そうに話し掛ける。

「斉藤さん。少し休んでいってください。」

藤田五郎は美鈴に普通に話し掛ける。

「休まなくても大丈夫だ。直ぐに帰る事にする。」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「本当にありがとうございました。気を付けてお帰りください。」

藤田五郎は美鈴を見ながら黙って頷いた。

藤田五郎は美鈴と敬一の見守るなか、自分の家へと帰って行った。



藤田五郎の姿は見えなくなった。

美鈴と敬一は、家の中へと入っていった。



敬一は荷物を広げると、貝殻を取り出した。

美鈴は敬一を微笑んで見ている。

敬一は美鈴に貝殻を差し出すと、笑顔で話し出す。

「お母さん! 約束した貝殻のお土産だよ!」

美鈴は敬一から貝殻を受取ると、微笑んで話し出す。

「綺麗な貝殻ね。敬一。素敵なお土産をありがとう。」

敬一は美鈴を笑顔で見ている。

美鈴は貝殻を微笑んで見ている。

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「お母さん。斉藤さんから鎌倉を詠んだ歌を教えてもらったんだ。」

美鈴は敬一を見ると、微笑んで話し掛ける。

「どんなお歌を教えてもらったの?」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「鎌倉の 見越しの崎の 岩崩の 君が悔ゆべき 心は持たじ」

美鈴は敬一を微笑んで見ている。

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「まだ鎌倉を詠んだ歌はあるんだって。どんな歌だろうね。」

美鈴は敬一を微笑んで見ている。

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「先に荷物を片付けるよ。後で鎌倉の話しをたくさんするからね。」

美鈴は敬一を見ながら微笑んで頷いた。

敬一と美鈴は、旅行の荷物の片づけを始めた。



藤田五郎と一緒に乗った陸蒸気。

藤田五郎と一緒に出掛けた鎌倉の地。

鎌倉の海辺で教えてもらった鎌倉の地を詠んだ歌。

由比ガ浜で拾った綺麗な貝殻。

敬一にとっては楽しい鎌倉旅行となりました。




〜 完 〜





はじめに       前編       後書き

目次


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