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新撰組異聞 〜 小春月 十月桜の秘密の記憶 〜


〜 改訂版 〜


〜 その後の物語 〜


先日の出来事になるが、少女が子供達の喧嘩に巻き込まれて怪我をした。

少女は大怪我ではなかったが、記憶を一時的に無くした。

沖田総司は少女を心配して毎日のように見舞った。

沖田総司が見舞えない日は、斉藤一が見舞った。

少女は記憶が無い間も沖田総司や斉藤一と逢える日を楽しみにしていた。

いろいろな出来事が起きた後に、少女の記憶は戻ったが、記憶の無い間の出来事は覚えていない状態となった。

少女が記憶の無い間の出来事を詳しく知る人物は、沖田総司と斉藤一になる。

沖田総司は、少女が記憶の無い間の出来事を知ると、周りの人達に気兼ねすると考えて、少女に黙っていようと提案した。

斉藤一は了承した。

少女は記憶の無い間の出来事を覚えていない状態が続いている。



以上のような出来事が起きてから何日か後の事。



今は冬。



ここは、京の町。



沖田総司と子供達が良く訪れる寺。



境内。



沖田総司と子供達が遊んでいる。



沖田総司は子供達に笑顔で話し出す。

「みんな! 休憩しよう!」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「はい!」

沖田総司は子供達を笑顔で見た。

子供達も沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「みんな。頼みがあるんだ。」

子供達は沖田総司を不思議そうに見た。

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「以前にみんなに頼んだ再確認になるけれど、鈴ちゃんが怪我をしていた間の出来事は秘密にしてね。」

子供達は沖田総司に微笑んで話し出す。

「心配で仕方が無いから、再確認しているんだね。」

「総司お兄ちゃんとの約束だから言わないよ。」

「総司お兄ちゃんが秘密にする理由は、お姉ちゃんが知ったら泣くからだよね。」

「なぜ怪我をしている間の話しをするとお姉ちゃんが泣くの? お姉ちゃんは総司お兄ちゃんとはじめお兄ちゃんに毎日のように逢っていたんだよね。お姉ちゃんの怪我が早く治ったのは、総司お兄ちゃんとはじめお兄ちゃんに毎日のように逢えたからだよね。」

「お姉ちゃんが、総司お兄ちゃんとはじめお兄ちゃんが無理していると気付いたら泣いてしまうから、心配しているんだよね。」

「でも、お姉ちゃんは既に知っている出来事だよね。」

「はじめお兄ちゃんも総司お兄ちゃんと同じ内容の頼みをしていたね。とても大切な秘密なんだね。」

「総司お兄ちゃんは、お姉ちゃんの笑顔をたくさん見るために、僕達に頼んでいるんだよね。」

「僕達も総司お兄ちゃんのために協力するから安心して。」

沖田総司は顔を赤くすると、子供達に微笑んで話し出す。

「みんな。気を遣ってくれてありがとう。」

子供達は沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司は顔を赤くして子供達を見た。



それから何日か後の事。



ここは、落ち着いた雰囲気の寺。



境内。



十月桜が咲いている。



沖田総司と少女は、十月桜の傍に居る。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。近い内に斉藤さんと一緒に出掛けようよ。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。調子が悪いの?」

少女は沖田総司に微笑みながら首を横に振った。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。私の前で無理をしないでね。一人で悩まないでね。」

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さん。私は大丈夫です。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「私はいつも鈴ちゃんを困らせているね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは優しくて頼りになる方です。」

沖田総司は少女を不安そうに見た。

少女は沖田総司に不安そうに話し出す。

「私は記憶の無い間の出来事を覚えていません。総司さんや斉藤さんにたくさん迷惑を掛けたはずです。心配です。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「何度も話しているけれど、鈴ちゃんは迷惑を掛けていないよ。」

少女は沖田総司を不安そうに話し出す。

「総司さんも斉藤さんも優しい方です。私に本当の話が出来なくて困っていないか不安になります。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんは記憶の無い間も私や斉藤さんを気遣ってくれたよ。鈴ちゃんは優しくて気配りが出来る子だから、迷惑は掛けていないよ。気にしたり悩んだりしないでね。」

少女は静かに泣き出した。

沖田総司は少女を心配そうに抱いた。

少女は静かに泣いている。

沖田総司は心配そうな表情のまま、少女を優しく抱きしめた。



それから暫く後の事。



ここは、屯所。



斉藤一の部屋。



斉藤一は普通に居る。



沖田総司は悲しそうな様子で訪れた。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんが記憶の無い間に起きた出来事を気にしています。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。

「私は鈴ちゃんの記憶が戻るだけで良いと思っていました。でも、記憶の無い間の出来事を覚えていない記憶は、ずっと覚えているのですね。私が心配しないように言っても不安になりますよね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんは優しくて気配りの出来る子だ。美鈴さんの性格ならば、総司が何を言っても不安になるだろうな。」

沖田総司は斉藤一を辛そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんはどのような状況でも一番に頼っているのは総司だ。総司。しっかりしろよ。」

沖田総司は斉藤一に緊張した様子で頷いた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。



その翌日の事。



ここは、小さな寺。



境内。



季節の花がたくさん咲いている。



少女は花を微笑んで見ている。



子供達が山門を潜って境内に元気良く来た。



少女は子供達を微笑んで見た。



子供達は少女の傍に笑顔で来た。



少女は子供達に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

子供達は少女に笑顔で話し出す。

「こんにちは!」

少女は子供達に微笑んで話し出す。

「私が怪我をしていた間は、みんなにもたくさん迷惑を掛けたと思うの。ごめんね。」

子供達は少女に笑顔で話し出す。

「お姉ちゃんは僕達に迷惑を掛けていないよ!」

少女は子供達を微笑んで見た。

子供達は少女に微笑んで話し出す。

「お姉ちゃん。鞠をぶつけた男の子が、ごめんなさいと話していたよ。」

少女は子供達に微笑んで話し出す。

「男の子に私が元気になったと伝えてもらえる?」

子供達は少女に微笑んで頷いた。

少女は子供達に微笑んで話し出す。

「みんなありがとう。」

子供達が少女に思い切ったように話し出す。

「お姉ちゃん! 僕達はお姉ちゃんの怪我が治ったと聞いた時は、とても嬉しかったよ! 総司お兄ちゃんとはじめお兄ちゃんもお姉ちゃんの怪我が治った時は、とても嬉しかったはずだよ!」

少女は静かに泣き出した。

子供達は少女に心配そうに話し出す。

「お姉ちゃん。大丈夫? もしかして、怪我が治っていないの?」

少女は静かに泣きながら、子供達に小さく首を横に振った。



それから少し後の事。



ここは、京の町。



数人の子供達が辺りを見回しながら歩いている。



沖田総司が一人で歩く姿が見えた。



子供達は沖田総司を確認するように見た。



沖田総司は子供達の傍に不思議そうに来た。



沖田総司は子供達に不思議そうに話し出す。

「何か遭ったのかな?」

子供達は沖田総司に心配そうに話し出す。

「お姉ちゃんの調子が悪いみたいなんだ。」

沖田総司は子供達に心配そうに話し出す。

「案内をしてくれるかな。」

子供達は沖田総司に心配そうに頷いた。



子供達は走りながら去って行った。

沖田総司も走りながら去って行った。



それから少し後の事。



ここは、子供達と少女が居る寺。



境内。



少女は静かに泣いている。

子供達は少女を心配そうに見ている。



数人の子供達は、子供達と少女の傍に心配そうに来た。

沖田総司も少女と子供達の傍に心配そうに来た。



子供達は沖田総司を心配そうに見た。

少女は沖田総司を静かに泣きながら見た。

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「みんな。ありがとう。」

子供達は沖田総司に心配そうに頷いた。

沖田総司は子供達を微笑んで見た。



子供達は心配そうに去って行った。



沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。調子が悪いの?」

少女は静かに泣いている。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。寺の中で少し休もう。」

少女は沖田総司に静かに泣きながら頷いた。



それから少し後の事。



ここは、寺の中。



沖田総司は少女を心配そうに抱いている。

少女は静かに泣いている。



沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに様子を見た。

少女は静かに泣き止んだ。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。何が遭ったの?」

少女は沖田総司に小さい声で話し出す。

「迷惑を掛けてごめんなさい。」

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんは迷惑を掛けていないよ。」

少女は沖田総司に小さい声で話し出す。

「総司さんはお仕事中なのに、私の元に来ました。私は怪我をして記憶の無い間は、総司さんや斉藤さんや子供達に心配を掛けたはずです。私は今も総司さんや子供達に迷惑を掛けています。」

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し出す。

「私は任務中ではないから心配しないで。鈴ちゃんが私達に申し訳なく思わないで。鈴ちゃん。一人で悩まずに私に話してくれないかな?」

少女は沖田総司に不安そうに話し出す。

「私は、記憶の無い間の発言と行動が全く分かりません。記憶が無い間について考えるといつも不安になります。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「自分の行動や発言が分からないと不安だよね。直ぐに気付かなくてごめんね。鈴ちゃんが記憶の無い間の出来事を、私に遠慮せずに質問をして良いよ。私が鈴ちゃんの質問に答えるよ。私に質問が出来ない内容は、斉藤さんに質問をして良いよ。私から斉藤さんに話しをしておくよ。」

少女は沖田総司に小さく頷いた。

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。一人で悩まずに一緒に悩もうね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。十月桜を見に行こうか?」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を微笑みながらゆっくりと放した。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司も少女を微笑んで見た。



それから少し後の事。



ここは、落ち着いた雰囲気の寺。



境内。



十月桜が咲いている。



少女は十月桜を微笑んで見ている。

沖田総司は少女と十月桜を微笑んで見ている。



少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「私は、鈴ちゃんに記憶の無い間の出来事について黙っていれば、いつか忘れると思ったんだ。鈴ちゃんの記憶の無い時期について黙っているのが、鈴ちゃんのためだと考えたんだ。結果は、鈴ちゃんの悩みを増やしてしまった。本当にごめんね。」

少女沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「総司さんが私のために考えて決めた結論です。私は総司さんや斉藤さんに迷惑を掛けました。私は記憶の無い間の出来事を考えるのは止めます。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。辛い時は無理をしては駄目だよ。」

少女は沖田総司を申し訳なさそうに見た。

沖田総司は少女に悲しそうに話し出す。

「私は頼りにならないよね。斉藤さんは頼りになる人だから、斉藤さんに質問をした方が安心だよね。私に遠慮せずに斉藤さんに質問をして良いよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは頼りになる方です。斉藤さんも頼りになる方です。気になった時は、総司さんか斉藤さんに質問をします。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ありがとう。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。家まで送っていくよ。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。



沖田総司は微笑んで歩き出した。

少女も微笑んで歩き出した。



その日の夜の事。



ここは、屯所。



斉藤一の部屋。



障子が半分ほど開いている。



縁の傍。



斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。



沖田総司が微笑んで訪ねてきた。



斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。こんばんは。話しをしても良いですか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「私が鈴ちゃんの記憶の無い間の出来事を黙っていようと提案した時に、斉藤さんは直ぐに返事をしませんでしたね。もしかして、その後に起きる出来事の想像が付いたから、直ぐに返事をしなかったのではないですか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「総司の提案に対して、周りも賛成しただろ。もし俺が総司に反対の意見を言ったら、総司は俺の意見に賛同したのか?」

沖田総司は斉藤一を困惑した様子で見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。

「私がいろいろな状況の想像が付けば、鈴ちゃんは何度も悩まなかったはずです。斉藤さんの助言があれば、私は考えを変えていたかも知れないと思ってしまいました。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「仮に、周りが美鈴さんに記憶の無い間の出来事を説明しても、美鈴さんは周りの気遣いに気付いて、不安になったり悩んだりしていたと思う。」

沖田総司は斉藤一を悲しそうに見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「総司。何度も話しているが、美鈴さんが信じて頼っているのは総司だ。総司がしっかりとしていれば、美鈴さんは安心するんだ。」

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で頷いた。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。お願いがあります。鈴ちゃんの不安を少しでも無くしたいです。鈴ちゃんが記憶の無い間の出来事を質問した時は、隠さずに答えてあげてください。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。ありがとうございます。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。大好きです。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「俺は男の総司に好きと言われても嬉しくない。だが、俺に好きと言えるならば、美鈴さんにも同じ言葉を言えるよな。美鈴さんが総司から先程の言葉を聞いたら喜ぶぞ。」

沖田総司は顔を赤くすると、斉藤一に少し大きな声で話し出す。

「斉藤さん! 鈴ちゃんは物凄く大切な友達です! 鈴ちゃんを困らせる訳にはいきません! 鈴ちゃんに絶対に言えません! 斉藤さんの発言は、無神経で酷すぎます!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。



沖田総司は顔を赤くしたまま、部屋から勢い良く出て行った。



斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、部屋の外を普通の表情で見た。



沖田総司の姿は見えない。



斉藤一は杯に酒を注ぐと、夜空を普通の表情で見た。



夜空には綺麗な月が浮かんでいる。



斉藤一は綺麗な月を見ながら、杯の酒を普通の表情で飲んだ。




*      *      *      *      *      *




ここまで読んで頂いてありがとうございます。

今回の物語で「新撰組異聞 中編 小春月 十月桜の記憶」は終わりとなります。

ここからは後書きになります。

今回の物語は、「新撰組異聞 中編 小春月 十月桜の記憶」の後日談です。

後日談が書きたいと思って書いた物語です。

今回の物語を別に掲載すると分かり難いと考えて、「新撰組異聞 中編 小春月 十月桜の記憶」の後日談として掲載しました。

「十月桜(じゅうがつざくら)」を巡る物語です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





はじめに       前編       後編       後書き  

目次


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