このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

新撰組異聞 〜 鳴神月に降る雫 鈴の音鳴って 〜


〜 改訂版 〜


〜 後編 〜


翌日の事。



ここは、京の町。



斉藤一は警備を兼ねて普通の表情で歩いている。

斉藤一が率いる三番組の隊士達は、警備を兼ねて真剣な表情で歩いている。



斉藤一から少し離れた場所に、少女の姿が見えた。



少女は斉藤一を時折だが寂しく見る。



少女は、新撰組の関係者を見掛けても、沖田総司や斉藤一などの隊士側から話さない限り、少女から新撰組の関係者に滅多に話さない。



沖田総司は少女に、少女が沖田総司や斉藤一より先に気軽に話して、少女の身に危険が及ぶ、少女に悪い評判が立つ、少女が新撰組の関係者として苛められる、などが起きないように心配して説明していた。



斉藤一は三番組の隊士を普通の表情で見た。

三番組の隊士は斉藤一を真剣な表情で見た。

斉藤一は三番組の隊士に普通の表情で頷いた。



三番組の隊士は真剣な表情で居なくなった。



斉藤一は少女の元へと普通に歩き出した。



直後の事。



ここは、京の町。



少女は斉藤一を寂しく見ている。



斉藤一は少女の傍に普通に来た。



少女は斉藤一に小さく礼をした。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「少し道の奥に入って話そう。」

少女は斉藤一に小さく礼をした。



斉藤一は普通に歩き出した。

少女は不思議な様子で歩き出した。



直後の事。



ここは、小道。



斉藤一は普通に来た。

少女は不思議な様子で来た。



斉藤一は少女に普通に話し出す。

「俺に話があるのだろ。俺には余り時間が無い。直ぐに話せ。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「お仕事中にご迷惑をお掛けしました。お気遣いありがとうございます。総司さんに逢いたいと思いました。斉藤さんに総司さんのご都合を確認したいと思いました。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「総司の今日の任務が順調に進めば、今は終わる頃だ。俺の今日の任務が終わるのは、暫く後だ。俺の任務が終わった後に総司に話すと、総司と今日の間に逢うのは無理だと思う。」

少女は斉藤一を寂しく見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「総司は屯所に気軽に行くなと説明したと思うが、少し後に屯所に出掛けろ。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さんは、私が屯所を訪れて、私に悪い出来事が起きないように心配しています。私は、余程の出来事が起きない限り、屯所を訪れないと、総司さんと約束しました。総司さんの負担にならないためにも、私は余程の出来事が起きない限り、屯所を訪れません。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「今は余程の出来事が起きていないのか?」

少女は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「総司や俺を怖いと思わないのか?」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんも総司さんも優しい方です。怖くありせん。」

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと総司さんのお仕事が終わった後で構いません。私が総司さんに逢いたいと話していたと、伝えて頂けますか?」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「良く考えると、総司さんに私の話を伝えたら、総司さんがくつろげませんね。総司さんの迷惑になりますよね。斉藤さん。今の話は私の我がままです。総司さんに今の話は伝えないでください。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「総司に伝えたい話があるから、俺を見たのだろ。美鈴さんの伝えたい話は、総司に遠慮せずに伝えろ。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さんに、今まで迷惑をたくさん掛けてごめんなさい、と伝えてください。」

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

少女が斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。今の話も総司さんに伝えないでください。幾度も訂正してすいません。」

斉藤一は少女を普通の表情で見ている。

少女は身に着けている土鈴を微笑んで外した。

斉藤一は少女を普通の表情で見ている。

少女は斉藤一に土鈴を差し出すと、斉藤一に微笑んで話し出す。

「土鈴を総司さんに渡してください。私がずっと身に着けている土鈴です。土鈴に藤の花の絵が描かれて、縁起が良いので、私が気に入ってずっと身に着けていました。鈴は魔除けや厄除けに良いそうです。お守りの代わりにしてください。鈴を身に着けていると、総司さんがお出掛けする時やお仕事の時に、邪魔になります。普段は仕舞っておいてください。以上の内容を伝えてください。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さんにとって、大切な鈴だろ。総司に譲って良いのか?」

少女は斉藤一に土鈴を差し出しながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は少女から土鈴を受取ると、土鈴を丁寧に仕舞った。

少女は身に着けている鈴を指すと、斉藤一に微笑んで話し出す。

「私は鈴を二つ持っています。安心してください。」

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「普段は身に着けないようにお願いしたのに、お守り代わりに渡すのは変でしょうか?」

斉藤一は少女を見ながら、普通の表情で首を横に振った。

少女は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さんから預かった鈴は、総司に必ず渡す。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は斉藤一に微笑んで礼をした。



少女は微笑んで歩き出した。



斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さん。何か起きた時は、一人で悩まずに、俺か総司に直ぐに話せ。」



少女は斉藤一に今まで一番の綺麗な微笑みで頷いた。



斉藤一は少女を普通の表情で見た。



少女は斉藤一に微笑んで礼をした。



斉藤一は少女を普通の表情で見ている。



少女は微笑んで歩き出した。



斉藤一は少女を普通の表情で見ている。



少女の姿は見えなくなった。



斉藤一は普通に歩き出した。



少し後の事。



ここは、京の町。



斉藤一は警備をかねて、普通の表情で歩いている。

三番組の隊士達は、警備を兼ねて真剣な表情で歩いている。



暫く後の事。



ここは、屯所。



沖田総司の部屋。



沖田総司は考え込んでいる。



斉藤一は普通に訪ねてきた。



沖田総司は斉藤一に驚いて話し出す。

「斉藤さん! 任務が予定より早く終わったのですか?!」

斉藤一は沖田総司に土鈴を丁寧に差し出した。

沖田総司は土鈴を見ると、斉藤一に驚いて話し出す。

「鈴ちゃんに逢ったのですか?!」

斉藤一は沖田総司に土鈴を差し出して、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は土鈴を丁寧に受け取った。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は土鈴を大事に持ち、斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん! 鈴ちゃんが話した内容を教えてください!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんがいつも身に着けていた土鈴を、総司に渡して欲しいと話した。鈴は魔除けや厄除けになり、藤の花が描かれて縁起も良いから、総司にお守りの代わりにして欲しいと話した。出掛ける時や任務中に身に着けると迷惑になるから、普段は仕舞って欲しいと話した。」

沖田総司は土鈴を大事に持ち、斉藤一を真剣な表情で話し出す。

「鈴ちゃんは他の内容も話しましたよね!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は土鈴を大事に持ち、斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「鈴ちゃんが私に譲った土鈴は、形見の大切な土鈴だと教えてくれました! 鈴ちゃんが私に大切な鈴を譲るのは物凄く不思議です! 鈴ちゃんが話した他の内容を教えてください!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は土鈴を大事に持ち、斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「鈴ちゃんは普段と同じく、私は大丈夫です、私の心配はしないでください、と話しましたか?! 鈴ちゃんは他に鈴を身に付けていましたか?! 斉藤さん! お願いです! 教えてください!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんは、藤と桜の飾りの付いた鈴を、俺に見せた。美鈴さんは、美鈴さん本人の心配をしないように話していない。美鈴さんに、何か起きた時は、一人で悩まずに、俺か総司に直ぐに話せと話したら、俺を何も言わずに笑顔で見た。」

沖田総司は土鈴を大事に持ち、斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん! なぜ鈴ちゃんに逢ったと早く教えてくれなかったのですか?! なぜ鈴ちゃんが鈴を預かったと早く教えてくれなかったのですか?!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんが、俺や総司に迷惑を掛けないために、俺と総司の任務が終わってから伝えて欲しいと話したからだ。」



沖田総司は土鈴を大事に持ち、部屋を急いで出て行った。



暫く後の事。



ここは、京の町。



沖田総司は落ち着かない様子で、少女を捜している。



沖田総司は落ち着かない様子で、少女を捜しながら呟いた。

「鈴ちゃんの家を訪ねたけれど、鈴ちゃんは家に戻っていないと話していた。鈴ちゃん。何処に居るんだ?」



数人の話す声が聞こえた。

「女の子が川に身を投げたらしいぞ。」

「女の子と表現する年齢ならば、若いのだろ。辛い悩みがあったんだな。」

「見に行こう。」



数人の足音が少しずつ小さくなっていく。



沖田総司は慌てて走り出した。



僅かに後の事。



ここは、川の近く。



沖田総司は落ち着かない様子で走っている。



澄んだ鈴の音が小さく鳴った。



沖田総司は立ち止まると、辺りを不安な様子で見た。



少女が、裾や袖が濡れた着物で、疲れた様子で、目立たない場所に在る木の下に座っている。



沖田総司は少女の元に驚いて走り出した。



直後の事。



ここは、川の近くに在る目立たない木。



少女は、裾や袖が濡れた着物で、疲れた様子で、座っている。



沖田総司は少女の傍に慌てて来た。



少女は沖田総司を驚いた表情で見た。

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん! 大丈夫か?! 何が起きたんだ?!」

少女は沖田総司に申し訳なく話し出す。

「男の子が仔犬を助けるために川の中に入りました。男の子が仔犬を助けた後に、川で滑って転んでしまいました。私は男の子と仔犬を助けるために川に入ったので、濡れてしまいました。心配をお掛けして、申し訳ありません。」

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。怪我はしていないのか?」

少女は沖田総司に不安な様子で話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は辺りを見ると、少女に不思議な様子で話し出す。

「鈴ちゃん。男の子は何処に居るの?」

少女は沖田総司に不安な様子で話し出す。

「男の子はかなり前に帰りました。」

沖田総司は少女を見ると、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。男の子が暫く前に帰ったのに、なぜ着物が乾かずに濡れているんだ?」

少女が沖田総司に不安な様子で話し出す。

「男の子を助けるために川に入った時に、鈴を落としてしまいました。男の子は心配して一緒に探してくれましたが、鈴は見付かりませんでした。助けた仔犬を放って置けません。男の子には帰ってもらって、一人で鈴を探しました。」

沖田総司は少女を心配して見た。

少女は身に着けている鈴を触ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「時間は掛かりましたが、鈴は見付かりました。」



鈴は澄んだ音を小さく鳴らした。



沖田総司は少女に怒鳴った。

「鈴より鈴ちゃん本人が大事だろ!! 長く川に入って風邪をひいたら困るだろ!! 川の深い所に行って溺れたら困るだろ!! 家の人から鈴ちゃんが出掛けて戻っていないと聞いて、物凄く心配したんだぞ!! 鈴ちゃんが着物の濡れたまま木の下に座る姿を見た時は、物凄く心配したんだぞ!!」

少女は沖田総司に小さい声で話し出す。

「総司さんから頂いた大事な鈴です。何としてでも見付けたいと思いました。」

沖田総司は少女に怒鳴った。

「人を助けるために鈴を失くしたと話したら、私が怒ると思ったのか?!! 怒る訳がないだろ!! 鈴ちゃんは私をそれ程に酷い人物だと思っているのか?!!」

少女は沖田総司に小さい声で話し出す。

「総司さんは優しいです。総司さんから頂いた大事な鈴です。総司さんから頂いた大事な鈴を失くしたら、総司さんに逢えなくなります。だから、何としてでも、鈴を見付けたいと思いました。」

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。怒鳴ってごめんね。怖かったよね。」

少女は沖田総司に小さい声で話し出す。

「総司さんは怖くないです。総司さんは優しいです。」

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。鈴を失くして代わりの鈴が欲しければ、何度でも買うよ。だから、次からは無理はしないでね。」

少女は沖田総司に小さい声で話し出す。

「総司さん。ごめんなさい。」

沖田総司は少女を抱くと、少女に優しく話し出す。

「鈴ちゃんが無事で本当に良かった。」

少女は静かに泣き出した。

沖田総司は少女を抱いて、少女に優しく話し出す。

「鈴ちゃん。怒鳴ってごめんね。心配を掛けてごめんね。」

少女は沖田総司に静かに泣いて話し出す。

「総司さん。ごめんなさい。」

沖田総司は少女を抱いて、少女に優しく話し出す。

「鈴ちゃん。怖かったよね。辛かったよね。心配を掛けてごめんね。鈴ちゃんは何も悪くないよ。悪いのは、私だよ。」

少女は静かに泣いている。

沖田総司は少女を抱いて、少女に優しく話し出す。

「鈴ちゃん。本当にごめんね。」

少女は静かに泣いている。

沖田総司は少女を抱いて、少女を優しい表情で見た。



少し後の事。



ここは、川の近くに在る目立たない木。



木の下。



沖田総司は少女を優しく抱いている。

少女は静かに泣いている。



少女は静かに泣き止んだ。

沖田総司は少女を優しく抱いている。

少女は沖田総司から離れると、沖田総司に申し訳なく話し出す。

「すいません。総司さんまで濡れてしまいました。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「今の状態は、濡れた内に入らないよ。」

少女は沖田総司を心配して見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。いつも私の心配をしてくれてありがとう。藤の花は、斉藤さん。鈴は、鈴ちゃん。私の傍には藤の花と鈴が揃っている。この土鈴には、鈴ちゃんの健康と幸せを願って贈った人の想いが込められている。鈴ちゃんにとって大切な土鈴だよね。鈴ちゃんが持つべき鈴だよね。鈴ちゃんに土鈴を返すよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に土鈴を微笑んで渡した。

少女は沖田総司から土鈴を微笑んで受け取った。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。濡れた着物を長く着ると、風邪をひくよ。家に送るよ。今日は家に帰ったら、早く休んでね。」

少女は土鈴を身に着けると、沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、京の町。



沖田総司は微笑んで歩いている。

少女も微笑んで歩いている。



沖田総司は少女に申し訳なく話し出す。

「今回も、鈴ちゃんにたくさんの心配とたくさん迷惑を掛けてしまった。本当にごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「迷惑を掛けたのは、私です。総司さん。謝らないでください。」

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。次も逢ってくれるかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「次も逢って頂けるのですか? 総司さんと再びお話しが出来るのですね。とても嬉しいです。」

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。気を遣ってくれてありがとう。本当にごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。お互いに謝り続けていますね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんの言うとおりだ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司も少女を微笑んで見た。



暫く後の事。



ここは、屯所。



斉藤一の部屋。



斉藤一は普通に居る。



沖田総司は笑顔で訪れた。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司が斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! ありがとうございました!」

斉藤一が沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんが怒っていなくて良かったな。」

沖田総司が斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい! 斉藤さんにもたくさん迷惑を掛けてしまいました! すいませんでした!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司が斉藤一に笑顔で話し出す。

「土鈴は鈴ちゃんに返しました! 私には、藤の花が、斉藤さん、鈴は、鈴ちゃんが、傍に居ます! 私にとって斉藤さんと鈴ちゃんは、物凄く大切な友達です! これからもよろしくお願いします!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。美鈴さんに今の話の内容を話したのか?」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。美鈴さんを無理矢理に友達と思い込んでいるだろ。」

沖田総司は斉藤一を不思議な様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。部屋から早く出て行け。」

沖田総司は斉藤一に動揺して話し出す。

「私は斉藤さんに失礼な内容を話したのですか?!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を動揺して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺の部屋に居たい間は居ろ。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。



僅かに後の事。



ここは、少女の家。



少女の部屋。



少女は沖田総司からの贈り物の鈴を微笑んで見ている。



沖田総司が少女のために選んだ、桜と藤の飾りが付いた鈴。



少女は沖田総司からの贈り物の鈴を微笑んで鳴らした。



沖田総司からの贈り物の鈴は、澄んだ音を鳴らした。



少女は沖田総司からの贈り物の鈴を見ながら、鈴の音を微笑んで聞いた。





〜 完 〜





はじめに       前編       後書き

目次


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