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新撰組異聞 〜 鷺草 〜


〜 改訂版 〜


〜 前編 〜


今は夏。



ここは、京の町。



見渡す限り青空が広がっている。



ここは、落ち着いた雰囲気の場所。



木の下。



沖田総司は微笑んで居る。

少女も微笑んで居る。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。今の時季に咲く中で、好きな花を教えて。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「鷺草です。」

沖田総司は少女に不思議な様子で話し出す。

「鷺草?」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは鷺草が好きなんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「鷺草は大好きです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鷺草について教えてくれるかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「鷺草の花は、純白の鷺が飛ぶ姿に似ています。鷺草の花は、白くて綺麗です。鷺草の花が咲く頃が近付いています。鷺草の花を見る日が楽しみです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。鷺草が見られる場所を知っているかな?」

少女は沖田総司に申し訳なく話し出す。

「家には鷺草が有りますが、鷺草が見られる詳しい場所は分かりません。」

沖田総司は少女に慌てて話し出す。

「鈴ちゃん! 悩ませてごめんね! 気にしないでね!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司も少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「鷺草の花が咲いたら、総司さんと逢う時に用意します。総司さんが鷺草を気に入られたら差し上げます。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんと鷺草が見られるんだ! 楽しみだな!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私も総司さんと鷺草を見る日が楽しみです。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を微笑んで見た。



数日後の事。



ここは、京の町。



青空が広がっている。



ここは、小路。



少女は微笑んで歩いている。



男の子が勢い良く走ってきた。



少女は男の子を驚いて見た。



男の子は少女にぶつかった。



男の子は少女とぶつかった直後に後ろに転んだ。



少女は心配してしゃがみ込んだ。



男の子は少女を不安な様子で見た。

少女は男の子に心配して話し出す。

「怪我は無い? 大丈夫?」

男の子は少女を不安な様子で見ている。

少女は男の子を心配して見た。

男の子は少女に不安な様子で小さく頷いた。

少女は男の子を安心して見た。

男の子は少女を不安な様子で見た。



不機嫌な男性の声が、少女の後ろから聞こえた。

「邪魔だ! 退け!」



少女は後ろを心配して見た。



武士が少女を睨んで見ている。



少女は武士を不安な様子で見た。

男の子は武士を怯えて見た。



武士は少女に不機嫌に話し出す。

「早く退け!」



少女は不安な様子で立ち上がった。

男の子は恐る恐る立ち上がった。



武士は男の子に睨んで話し出す。

「体に当たっただろ! なぜ謝らない?!」

男の子は武士を怯えて見た。

武士は少女に不機嫌に話し出す。

「無関係な者は早く退け!」

少女は武士に小さい声で話し出す。

「すいません。」

武士は男の子を睨んだ。

男の子は武士を怯えて見ている。

武士は男の子に不機嫌に話し出す。

「早く謝れ!」

男の子は武士を怯えて見ている。

武士は少女を睨んだ。

少女は武士と男の子を不安な様子で見た。



僅かに後の事。



ここは、京の町。



沖田総司は普通に歩いている。



少し遠くから、沖田総司が一緒に遊ぶ子供達が、真剣な表情で走る姿が見えた。



沖田総司は子供達に向かって普通に歩いた。



子供達は真剣な表情で走ってきた。



沖田総司は普通に来た。



子供達は沖田総司に真剣な表情で話し出す。

「総司お兄ちゃん! お侍さんがお姉ちゃんを怒っているんだ! 助けてあげて!」

「お姉ちゃんは悪くないよ! 早く助けてあげて!」

沖田総司は子供達に真剣な表情で話し出す。

「鈴ちゃんの居る場所に案内してくれるかな?」

子供達は沖田総司に真剣な表情で頷いた。



子供達は真剣な表情で走り出した。

沖田総司も真剣な表情で走り出した。



少し後の事。



ここは、少女、男の子、武士が居る場所の傍。



沖田総司は真剣な表情で走っている。

子供達も真剣な表情で走っている。



男の子が怯えて走ってきた。



子供達は驚いて立ち止まった。

沖田総司は不思議な様子で立ち止まった。



男の子は驚いて立ち止まった。



子供達は沖田総司に真剣な表情で話し出す。

「総司お兄ちゃん! 僕達が話した子だよ!」

「お姉ちゃんと一緒に居た子だよ!」

沖田総司は男の子を真剣な表情で見た。

男の子は沖田総司と子供達を驚いて見た。

沖田総司は男の子に真剣な表情で話し出す。

「怪我は無いね。」

男の子は沖田総司に不安な様子で頷いた。

沖田総司は男の子に真剣な表情で話し出す。

「お姉ちゃんは、君が先程まで居た場所に居るのかな?」

男の子は沖田総司に不安な様子で話し出す。

「お姉ちゃんは僕を逃がしてくれたんだ。後の状況は分からない。」

沖田総司は男の子に真剣な表情で話し出す。

「君は早く家に帰りなさい。」

男の子は沖田総司に不安な様子で頷いた。

沖田総司は子供達に真剣な表情で話し出す。

「みんなで先に行くと危険かも知れない。私が一人で行く。みんなは早く安全な場所に行ってね。」

子供達は沖田総司に不安な様子で頷いた。



男の子は不安な様子で走って居なくなった。



子供達も不安な様子で走って居なくなった。



沖田総司は真剣な表情で走り出した。



同じ頃。



ここは、少女と武士が居る場所。



少女は武士を不安な様子で見ている。

武士は少女を睨んでいる。



武士は少女に不機嫌に話し出す。

「なぜ逃がした!」

少女は武士を不安な様子で見た。

武士は少女を近くの壁に強く押した。

少女は壁に強く当たると同時に痛い表情をした。



少女は痛い表情でしゃがんみ込んだ。



武士は刀の鞘に手を掛けると、少女を睨んで話し出す。

「無関係なのに、逃がしたんだ。優しいな。優しさが命取りになったな。」



少女は目を瞑った。



少し遠くから、人が来る気配を感じる。



武士は刀の鞘に手を掛けて、辺りを不機嫌に見た。



少女は目を瞑っている。



少女の元に、武士の舌打ちが聞こえた。



少女は頭を強く殴られた。



少女は体を強く足蹴にされた。



少女は地面へと倒れこんだ。



武士の気配と足音を感じなくなった。



沖田総司は少女の傍に来た。



少女は地面に倒れている。



沖田総司は少女を驚いた表情で見た。

沖田総司は辺りを鋭い目付きで見た。



少し遠くを、武士が走っている。



沖田総司は武士を睨んだ。



武士は見えなくなった。



沖田総司は少女を心配して優しく起こした。

少女は青白い顔で気を失っている。

沖田総司は少女を抱くと、少女の怪我などを不安な様子で確認した。



少女は頭に酷くはないが怪我をしている。

少女の着物には蹴られた後が残っている。



沖田総司は少女を抱いて、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。しっかりして。」

少女は青白い顔で気を失っている。

沖田総司は少女を抱いて、少女を心配して見た。

少女は青白い顔で、ゆっくりと目を開けた。

沖田総司は少女を抱いて、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫?」

少女は青白い顔で、沖田総司に小さい声で申し訳なく話し出す。

「私は大丈夫です。総司さん。ご迷惑をお掛けしています。すいません。」

沖田総司は少女を抱いて、少女に心配して話し出す。

「迷惑じゃないよ。安心して。」

少女は青白い顔で、沖田総司に小さい声で申し訳なく話し出す。

「お仕事を続けてください。」

沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。

「京の町で困る人を助けるのも任務だよ。鈴ちゃん。心配しないで。」

少女は青白い顔で、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を抱いて、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。怪我をしているね。痛いよね。早く医者に行こう。」

少女は青白い顔で、沖田総司に微笑んで小さい声で話し出す。

「私は大丈夫です。」

沖田総司は少女を抱いて、少女を心配して見た。

少女は青白い顔で、辛い様子で目を閉じた。

沖田総司は少女を抱いて、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん! 大丈夫?!」

少女は青白い顔で、気を失っている。

沖田総司は少女を抱いて、少女を心配して見た。



暫く後の事。



ここは、医者の居る家。



一室。



沖田総司は少女を心配して見ている。

少女は床の中で、辛い表情で眠っている。



少女は床の中で、ゆっくりと目を開けた。

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。辛い?」

少女は床の中で、沖田総司に微笑んで小さい声で話し出す。

「総司さん。お仕事をしなくて良いのですか?」

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「私は鈴ちゃんを助ける内容の任務中だよ。鈴ちゃん。安心して。ゆっくりと休んで。」

少女は床の中で、沖田総司に微笑んで小さい声で話し出す。

「私は大丈夫です。お仕事に戻ってください。」

沖田総司は少女の手を握ると、少女に真剣な表情で話し出す。

「鈴ちゃん。任務のために必要な内容を話す。分かる範囲で答えてね。」

少女は床の中で、沖田総司の手を握り、不安な様子で小さく頷いた。

沖田総司は少女の手を握り、少女に真剣な表情で話し出す。

「鈴ちゃんを襲った人を覚えているかな? 鈴ちゃんが襲われるまでの状況を覚えているかな?」

少女は床の中で、沖田総司の手を握り、沖田総司を辛い様子で見た。

沖田総司が少女の手を握り、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。辛い内容の質問をしてごめんね。今の話は忘れて。少し休んで。」

少女は床の中で、沖田総司の手を握り、沖田総司に辛い様子で小さい声で話し出す。

「私は大丈夫です。お武家様を見れば分かりますが、説明が上手に出来ません。男の子が走っていて、私とぶつかりました。男の子は逃げる途中でした。お武家様はとても怒っていました。私は男の子が心配で離れられませんでした。男の子だけならば逃げられると判断して、男の子を逃がしました。お武家様は、私が男の子を逃がしたので、物凄く怒りました。お武家様は私を壁に強く押し付けました。痛かったです。怖かったです。辺りには、お武家様と私だけでした。お武家様は刀を抜こうとしました。怖かったです。人が近付く気配を感じました。お武家様は刀を抜くのを止めました。お武家様は私を殴って足蹴にしました。痛かったです。怖かったです。近付いた人は、総司さんでした。物凄く安心しました。安心したら、怖くて、痛くて、辛くて、悲しくなりました。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。嫌な出来事を思い出させてしまった。ごめんね。」

少女は床の中で、沖田総司の手を握り、静かに泣き出した。

沖田総司は少女の手を握り、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。ごめんね。ゆっくりと休んで。」

少女は床の中で、沖田総司の手を握り、沖田総司を静かに泣いて見た。

沖田総司は少女の手を握り、少女を心配して見た。



暫く後の事。



ここは、医者の居る家。



一室。



沖田総司は少女を心配して見ている。

少女は床の中で、辛い表情で眠っている。



少女は床の中でゆっくりと目を開けた。

沖田総司は少女を心配して見た。

少女は床の中で、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。少しの間だけ席を外したいんだ。」

少女は床の中で、沖田総司の手を不安な表情で握った。

沖田総司は少女の手を握ると、少女に微笑んで話し出す。

「私は部屋の外に行くだけだよ。鈴ちゃんの元に直ぐに戻るよ。安心して。」

少女は床の中で、沖田総司の手を握り、沖田総司を不安な表情で見た。

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは、一人で男の子を逃がして、一人で痛さと怖さを我慢して、一人で耐えた。一人で居ると不安だよね。気付かなくてごめんね。私は鈴ちゃんと一緒に居るよ。」

少女は床の中で、沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。直ぐに戻りますよね。」

沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。

「私は鈴ちゃんの傍に居るよ。」

少女は床の中で、沖田総司の手をゆっくりと放すと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。行ってらっしゃい。」

沖田総司は少女の手を放すと、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ありがとう。直ぐに戻るからね。」

少女は床の中で、沖田総司に微笑んで頷いた。



沖田総司は部屋を静かに出て行った。



僅かに後の事。



ここは、医者の居る家。



庭。



斉藤一は普通に居る。

子供達は心配して居る。



沖田総司は普通に来た。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を普通の表情で見た。

子供達が沖田総司に心配して話し出す。

「総司お兄ちゃんが見付からないと困るから、はじめ兄ちゃんも探したの。」

「お姉ちゃんは大丈夫?」

「はじめお兄ちゃんは念のために、僕達と帰らずに居てくれたんだ。」

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「みんな。斉藤さんを探したんだね。ありがとう。みんなが鈴ちゃんを助ける努力をしたから、鈴ちゃんは少しだけの怪我で助かったんだよ。医者が、鈴ちゃんは少しだけの怪我だから、直ぐに元気なると診立てたよ。みんな。ありがとう。」

子供達は沖田総司を僅かに安心した表情で見た。

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「みんな。鈴ちゃんを怪我させた武士について、覚えている内容を教えてくれるかな。」

子供達は沖田総司に真剣な表情で頷いた。

沖田総司は子供達を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と子供達を普通の表情で見た。



僅かに後の事。



ここは、医者の居る家。



庭。



沖田総司は普通に居る。

斉藤一も普通に居る。

子供達は沖田総司と斉藤一を心配して見ている。



沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「みんな。たくさんの情報を教えてくれてありがとう。今日は遅くなる前に帰ろう。」

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。

子供達は沖田総司と斉藤一に心配して頷いた。

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「みんな。気を付けて帰ってね。」

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。



子供達は心配な様子で居なくなった。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん。迷惑を掛けました。すいません。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「子供達から大体の話を聞いた。医者からは美鈴さんの診立てを聞いた。総司も美鈴さんも謝る必要は無い。」

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「鈴ちゃんは、殴られて足蹴にされて怪我をしました。相手は刀に手を掛けたそうです。私の到着が僅かでも遅ければ、と考えた直後に、続きを考えるのを止めました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。大丈夫か?」

沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。

「大丈夫です。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「私は鈴ちゃんの元に戻ります。私は鈴ちゃんを家に送ってから屯所に戻ります。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は屯所に戻る。」

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で頷いた。

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。



沖田総司は普通に居なくなった。



斉藤一も普通に居なくなった。





はじめに       後編       後書き

目次


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