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新撰組異聞 〜 草木黄落 〜


〜 改訂版 〜


〜 前編 〜


今は秋の終わり。



ここは、京の町。



屯所。



山南敬助の部屋。



山南敬助は微笑んで居る。

沖田総司も微笑んで居る。



山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「明里と明るい時間に美味しい物を食べに行く約束をした。総司と斉藤君と美鈴さんも誘いたい。」

沖田総司は山南敬助に笑顔で話し出す。

「私は賛成です! 私は鈴ちゃんと斉藤さんに、都合の良い日の確認を取ります!」

山南敬助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。ありがとう。」

沖田総司は山南敬助を笑顔で見た。

山南敬助は沖田総司を微笑んで見た。



沖田総司は部屋を笑顔で出て行った。



僅かに後の事。



ここは、斉藤一の部屋。



斉藤一は普通に居る。



沖田総司は笑顔で訪ねてきた。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 山南さんが、明里さんと私と斉藤さんと鈴ちゃんと一緒に、美味しい物を食べに行こうと誘ってくれました! 都合の悪い日はありますか?!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で首を横に振った。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 私は鈴ちゃんに予定の確認をしてきます!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。



沖田総司は部屋を笑顔で出ていった。



少し後の事。



ここは、少女の家。



玄関。



沖田総司は笑顔で訪ねてきた。



少女は微笑んで現れた。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「山南さんが美味しい物を食べに行こうと誘ってくれたんだ。私と斉藤さんと明里さんも一緒に出掛けるんだ。山南さんは鈴ちゃんも誘っているんだ。鈴ちゃんの都合の悪い日を教えてくれるかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。みなさんのご都合に合わせます。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「予定が決まったら、直ぐに教えるね!」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。



数日後の事。



ここは、京の町。



京の町は普段と同じ雰囲気に包まれている。



明里は微笑んで歩いている。

明里の親しい遊女も微笑んで歩いている。



沖田総司と一番組の隊士達が歩く姿が見えた。



遊女は明里に微笑んで話し出す。

「明里さんの親しい方のお仕事仲間さんが見回り中ね。」

明里は遊女を見ると、微笑んで頷いた。

遊女は明里に微笑んで話し出す。

「今回の姿が見えるお仕事仲間さんの中で、一番の偉い方を、私の上客にするわ。明里さん。お名前を教えて。」

明里は遊女に心配して話し出す。

「偉い隊士さんが上客になると、他の隊士さんは、お客さんになるのを遠慮するわよ。」

遊女は明里に微笑んで話し出す。

「下の身分の隊士さんがたくさんお客さんになるより、幹部の隊士さんがお客さんになる方が良いわ。」

明里は遊女に言い難そうに話し出す。

「今回の一番に偉い方は、誰の上客にもならないわ。」

遊女は明里に不思議な様子で話し出す。

「なぜ誰の上客にならないの? もしかして、今回の一番に偉い方は、遊郭に余りお出掛けしない方なの?」

明里は遊女に困惑して頷いた。

遊女は明里に不思議な様子で話し出す。

「新撰組はお金に余裕が出来る度に、遊郭に徒党を組んで来るわよね。珍しい方ね。」

明里は遊女に困惑して話し出す。

「特定の方とお付き合いしているの。」

遊女は明里を残念な様子で見た。

明里は遊女を僅かに安心して見た。

遊女は明里に微笑んで話し出す。

「明里さん。せっかくの機会だから、今回の姿が見える方の中で、一番に偉い方の名前を教えて。」

明里は遊女に不安な様子で話し出す。

「一番組組長さんの沖田様。」

遊女は明里に微笑んで話し出す。

「一番組の組長さん。想像より偉い方が居るのね。沖田様は遊郭に来る機会が少ない方と聞いたわ。明里さん。今後のために、沖田様を教えて。」

明里は沖田総司を不安な様子で指した。

遊女は沖田総司を見ると、明里に僅かに驚いて話し出す。

「沖田様は若い方なのね。一番組の組長さんだから、年上の方を想像していたわ。」

明里は沖田総司を指すのを止めると、遊女を不安な様子で見た。

遊女は明里を見ると、微笑んで話し出す。

「明里さん。沖田様と話したいの。」

明里は遊女に不安な様子で話し出す。

「お願い。止めて。」

遊女は明里に不思議な様子で話し出す。

「上客になって欲しいと話すだけよ。沖田様が断れば、直ぐに諦めるわ。」

明里は遊女に不安な様子で話し出す。

「沖田様は誰の上客にはならない方よ。沖田様は真面目で誠実な方なの。お願いだから止めて。」

遊女は明里に微笑んで話し出す。

「沖田様に挨拶をしたら、直ぐに戻るわ。」

明里は遊女を慌てて止めようとした。



遊女は明里が制する前に微笑んで歩き出した。



明里は遊女を驚いて見た。



沖田総司は辺りを見ながら、真剣な表情で歩いている。

一番組の隊士達も辺りを見ながら、真剣な表情で歩いている。



沖田総司は一番組の隊士達を真剣な表情で見た。

一番組の隊士達も沖田総司を真剣な表情で見た。



一番組の隊士達は沖田総司から真剣な表情で離れた。



沖田総司は立ち止まると、辺りを真剣な表情で見た。



聞き慣れない女性の穏やかな声が、沖田総司の後ろから聞こえた。

「初めまして。沖田様ですよね。私は明里と同じ場所で働く者です。」



沖田総司は後ろを普通の表情で見た。



遊女が沖田総司を微笑んで見ている。



沖田総司は遊女を怪訝な様子で見た。

遊女は沖田総司の手を微笑んで握った。

沖田総司は遊女を驚いて見た。



遊女は沖田総司の手を握り、微笑んで歩き出した。

沖田総司は驚いた表情で歩き出した。



直後の事。



ここは、傍に在る小道。



遊女は沖田総司の手を握り、微笑んで来た。

沖田総司は驚いた表情で来た。



遊女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田様。初めまして。私は明里と同じ所で働く者です。明里と親しくしています。」

沖田総司は遊女に怪訝な様子で話し出す。

「本当に親しいのか?」

遊女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田様。訝しげなお顔ですね。私は本当に明里と親しくしています。今まで沖田様をお見掛けしていなかったので、ご挨拶が出来ませんでした。よろしくお願いします。」

沖田総司は遊女を怪訝な様子で見た。

遊女は沖田総司の手を握り、沖田総司に微笑んで話し出す。

「突然で申し訳ありません。実は、沖田様に頼みがあります。」

沖田総司は遊女に怪訝な様子で話し出す。

「申し訳ないが、手を早く放してくれ。」

遊女は沖田総司の手を放すと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「失礼しました。」

沖田総司は遊女を怪訝な様子で見た。

遊女は沖田総司に抱き付くと、沖田総司に寂しく話し出す。

「明里には山南先生が上客としていらっしゃいます。私には特定の上客がいません。沖田様。私の上客になって頂けませんか?」

沖田総司は顔を赤くして、遊女を見た。

遊女は沖田総司に抱き付いて、沖田総司に寂しく話し出す。

「お逢いして直ぐに失礼な内容を話しているのは分かっています。私は沖田様に上客になって頂きたくて、失礼を承知でお願いしています。」

沖田総司は顔を赤くして、遊女を見ている。

遊女は沖田総司に抱き付いて、沖田総司に寂しく話し出す。

「山南先生とお付き合いしている明里が、とても羨ましいです。」

沖田総司は遊女を、顔を赤くして見ている。

遊女は沖田総司に抱き付いて、沖田総司に寂しく話し出す。

「沖田様。駄目ですか?」

沖田総司は顔を赤くして、遊女を見ている。

遊女は沖田総司に抱き付いて、沖田総司から妖しい微笑みで視線を外した。

沖田総司は顔を赤くして、遊女を見ている。

遊女は沖田総司に抱き付いて、沖田総司から妖しい微笑みで視線を外している。

沖田総司は顔を赤くして、遊女を放した。

遊女は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は顔を赤くて、遊女に普通に話し出す。

「申し訳ないが、私は君の客にならない。私の他にも幹部の隊士が居る。私以外の幹部の隊士に頼んでくれ。」

遊女は沖田総司を寂しく見た。

沖田総司は顔を赤くして、遊女を普通の表情で見た。

遊女は沖田総司を見ながら、寂しくため息を付いた。

沖田総司は顔を赤くして、遊女を普通の表情で見ている。

遊女は沖田総司に寂しく話し出す。

「分かりました。沖田様以外の幹部の隊士に頼みます。」

沖田総司は顔を赤くて、遊女に普通の表情で頷いた。



明里が心配して来た。



遊女は明里を寂しく見た。

沖田総司は顔を赤くして、明里を普通の表情で見た。

明里は沖田総司に申し訳なく話し出す。

「沖田様。ご迷惑をお掛けして、申し訳ありません。」

沖田総司は顔を赤くして、明里に普通に話し出す。

「明里さん。私は誰の客にもなりません。」

明里は沖田総司に申し訳なく話し出す。

「沖田様。本当に申し訳ありません。彼女を許してください。」

沖田総司は顔を赤くして、明里に普通に話し出す。

「私は怒っていません。」

明里は沖田総司に安心して話し出す。

「ありがとうございます。」

沖田総司は顔を赤くして、辺りを不思議な様子で見た。

明里は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は顔を赤くして、辺りを見て、明里に不思議な様子で話し出す。

「少し前に、鈴の音が聞こえた気がしました。明里さん。鈴の音を聞きましたか?」

明里は沖田総司に不思議に様子で話し出す。

「私には鈴の音が聞こえませんでした。」

遊女は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「沖田様の話の通り、少し前に、鈴の音が鳴りました。鈴の音は、女の子が身に着けていた鈴から聞こえたと思います。女の子は私と沖田様を物凄く驚いた様子で見ていました。」

沖田総司は遊女に慌てて話し出す。

「女の子の特徴を早く教えてくれ!」

遊女は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「女の子の身なりから想像すると、良い育ちのお嬢様だと思います。物凄く驚いた様子だったので、女の子を長く見てしまいました。女の子は驚いた様子のまま、少し前に居なくなりました。」

沖田総司は遊女の肩を掴むと、遊女に真剣な表情で話し出す。

「女の子が去った方向を早く教えてくれ!」

遊女は沖田総司を驚いて見て、別な小道を指した。



沖田総司は遊女の肩を放すと、慌てて走り出した。



明里は沖田総司を驚いて見た。

遊女も沖田総司を驚いて見た。



沖田総司の姿は見えなくなった。



遊女は沖田総司の去った方向を見て、明里に不思議な様子で話し出す。

「沖田様の言動と女の子の言動を合わせると、強く想い合う二人を想像するわ。」

明里は遊女を見ると、遊女に不安な様子で話し出す。

「鈴を身に着けた女の子は、沖田様と物凄く親しい方かも知れないの。」

遊女は明里を見ると、不思議な様子で話し出す。

「女の子はとても驚いた表情をしていたけれど、慕う人の姿を見て驚いた様子ではなかったわ。女の子は驚いた様子のままだったけれど、普通に歩いて居なくなったわ。」

明里は遊女を不安な様子で見た。



明里と明里の親しい遊女の後ろから、土方歳三の普通の声が聞こえた。

「先程の女の子は、二人の話すとおりの女の子です。」



明里は後ろを驚いて見た。

遊女も後ろを驚いて見た。





はじめに       後編       後書き

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