新撰組異聞　〜　下弦の月と上弦の月　〜


〜　改訂版　〜


〜　前編　〜


ここは、京の町。



お雪は美雪太夫と名乗っていた。

近藤勇が美雪太夫に想いを寄せた。

近藤勇が美雪太夫を身請けした。

美雪太夫はお雪に戻った。



お雪は近藤勇が用意した家に住み始めた。

お雪は近藤勇の想い人になる。

お雪には妹のお孝がいる。

お孝は近藤勇の想い人の妹になる。



幾日も過ぎた。



今は夏。



お雪は体調の良くない日が続いたため、医者に診てもらった。

医者はお雪が病を患っていると診立てた。

医者はお雪が年末までもつか分からないと伝えた。

近藤勇はお雪のために、妹のお孝を大坂から呼び寄せる手配をした。



秋が近付く頃の事。



お雪は近藤勇に一つの願い事を話した。

お雪は近藤勇に、沖田総司と少女の名前を伏せて、沖田総司と少女が一緒に過ごす姿を見たい、沖田総司と少女が気兼ねなく逢う手伝いをしたい、少女が沖田総司や新撰組について悩む時の相談相手になりたい、と話した。

近藤勇はお雪が沖田総司と少女について話したと分かった。

近藤勇はお雪の願い事を了承した。



近藤勇は、土方歳三と斉藤一に、沖田総司に話す前に、お雪の願い事を話した。

土方歳三は、沖田総司と斉藤一の任務などの調整について了承した。

斉藤一は、お雪の願い事の内容を確認するために、お雪の家を訪ねた。

お雪は、斉藤一には詳しく話した。



沖田総司は近藤勇からお雪の願い事の一部を聞いた。

沖田総司はお雪の願い事の内容を確認するために、お雪の家を訪れた。

お雪は沖田総司には願い事の一部を伏せて話した。



お孝が大坂から京の町に着た。



お孝はお雪から病について聞いた。

お孝はお雪から病について聞いた時は、様々な思いから不機嫌な言動をとったが、直ぐに普段どおりに戻った。

お孝はお雪から願い事を聞いた。

お孝はお雪の願い事を了承した。



お雪は、少女が沖田総司と気兼ねせずに逢って欲しいため、病について話していない。

お雪は、起きて動ける間は、少女に逢うと決めている。



お雪は、沖田総司と少女がたくさんの時間を逢って欲しいと願って過ごしている。



今は秋。



ここは、京の町。



山茶花が咲き始める気配を見せ始めた。



ここは、お雪の家。



お雪と手伝いの人は、は居る。

お孝は居ない。

沖田総司と少女は、お雪に逢うために訪れている。



縁。



沖田総司は微笑んで座っている。

お雪は微笑んで座っている。

少女は微笑んで座っている。



少女はお雪に不思議な様子で話し出す。

「今日もお孝さんが居ないのですか？」

お雪は少女に微笑んで話し出す。

「お孝は京の町に着てから、京の町を詳しく知りたいと言って、良く出掛けるの。」

少女はお雪を微笑んで見た。

沖田総司は庭を微笑んで見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「秋の月は綺麗ですよね。先日、月がとても綺麗に輝いていました。総司さんと月を見たいと考えていたら、少し寂しくなりました。」

沖田総司は庭を微笑んで見ている。

少女は庭を寂しく見た。

お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田さん。近い内に、斉藤さんも一緒に月を見て楽しみたいと思っています。任務に差し支えなければ、月を見て楽しみませんか？」

沖田総司はお雪に我に帰った様子で話し出す。

「私は大丈夫です！　よろしくお願いします！」

少女は庭を寂しく見ている。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。都合が悪くなければ、月を見て楽しもう。私が迎えにいくから、心配しないでね。」

少女は庭を寂しく見ている。

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。調子が悪いの？」

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「秋の月も冬の月も、とても綺麗だよね。鈴ちゃんと綺麗な月が見られる。嬉しいよ。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。



暫く後の事。



ここは、お雪の家。



玄関。



沖田総司は微笑んで居る。

お雪も微笑んで居る。

少女も微笑んで居る。



少女はお雪に微笑んで話し出す。

「たくさんお話しが出来て楽しかったです。」

お雪は少女に微笑んで話し出す。

「私もたくさん話しが出来て楽しかったわ。月を見る日が楽しみよ。」

少女はお雪に微笑んで話し出す。

「私も楽しみです。」

お雪は少女を微笑んで見た。

沖田総司はお雪と少女を微笑んで見た。



沖田総司は微笑んで居なくなった。

少女も微笑んで居なくなった。



お雪は辛い様子で軽く息をはくと、家の中にゆっくりと入って行った。



暫く後の事。



ここは、お雪の家。



玄関。



お孝が帰ってきた。



僅かに後の事。



ここは、お雪の家。



お雪の部屋。



お孝は部屋の中に普通に入った。



お雪が辛い様子で座っている。



お孝はお雪の傍に慌てて来た。



お雪は辛い様子だが、お孝を微笑んで見た。

お孝はお雪に心配して話し出す。

「大丈夫？」

お雪は辛い様子だが、お孝に微笑んで話し出す。

「大丈夫。」

お孝はお雪を安心して見た。



僅かに後の事。



ここは、お雪の家。



お雪の部屋。



お孝と手伝いの人は、お雪の床の準備を終えた。

お雪はお孝と手伝いの人を申し訳なく見ている。



手伝いの人は部屋から普通に出て行った。



お雪はゆっくりと床に横になった。

お孝はお雪が横になるのを丁寧に手伝った。

お雪は床の中で、お孝に微笑んで話し出す。

「お孝。心配しないで。」

お孝はお雪に普通に話し出す。

「心配していないわ。」

お雪は床の中で、お孝に微笑んで話し出す。

「みんなと雪の降る様子を見たいわ。私はみんなと雪の降る様子が見られるかしら。」

お孝はお雪を普通の表情で見た。

お雪は床の中で、お孝を微笑んで見た。

お孝はお雪に普通に話し出す。

「沖田さんや美鈴さんと会うのを止ないの？」

お雪は床の中で、お孝に微笑んで話し出す。

「私はみんなと逢うのがとても楽しみなの。誰が何を言っても止めないわ。」

お孝はお雪に普通に話し出す。

「次からは、私も家に居た方が良い？」

お雪は床の中で、お孝に微笑んで話し出す。

「手伝いの人が家に居るわ。お孝の考えに任せるわ。」

お孝はお雪に普通に話し出す。

「私は今まで通りに出掛けるね。」

お雪は床の中で、お孝に微笑んで頷いた。

お孝はお雪を微笑んで見た。



幾日か後の事。



ここは、お雪の家。



お雪、お孝、手伝いの人が居る。



近藤勇はお雪の見舞いを兼ねて、お雪に逢いに来ている。



お雪の部屋。



お雪は床の中で静かに横になっている。



近藤勇は部屋の中に微笑んで入ってきた。



お雪は床の上に体を起こすと、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「私に遠慮せずに横になって良いぞ。」

お雪は床の上に体を起こして、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤先生と逢うと嬉しくて元気になります。近藤先生と逢うと気分が良くなります。横にならなくて大丈夫です。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「辛くなった時は、私に遠慮せずに直ぐに横になってくれ。」

お雪は床の上に体を起こして、近藤勇に微笑んで話し出す。

「はい。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「今日もお雪の笑顔が見られた。嬉しい。」

お雪は床の上に体を起こして、近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤先生のお元気な姿が見られて嬉しいです。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「お雪は今も女の子と逢っているのか？」

お雪は床の上に体を起こして、近藤勇に微笑んで話し出す。

「はい。女の子と逢う日も体調が良くなります。女の子と楽しく逢えます。嬉しいです。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「総司と斉藤と女の子と、月を見るそうだな。」

お雪は床の上に体を起こして、近藤勇に微笑んで話し出す。

「はい。当日が待ち遠しいです。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「歳に、総司と斉藤の当日の予定の調整を頼んだ。歳は快く了承した。」

お雪は床の上に体を起こして、近藤勇に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「私もお雪の元気な姿を見ると嬉しくなる。女の子はお雪に元気を与えている。女の子に感謝している。」

お雪は床の上に体を起こして、近藤勇に微笑んで話し出す。

「本当に良い子です。私も感謝しています。」

近藤勇はお雪を微笑んで見た。

お雪は床の上に体を起こして、近藤勇を微笑んで見た。



少し後の事。



ここは、お雪の家。



縁。



近藤勇は微笑んで歩いている。



お孝は近藤勇を普通の表情で見ている。



近藤勇はお孝の傍に微笑んで来た。



近藤勇はお孝に微笑んで話し出す。

「お孝も落ち着かない出来事が増えたな。」

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さんは、江戸には奥様とお子様、京には体調の悪い姉さん、他にも親しい方が居るそうですね。近藤さんは公私共にとても忙しいから、私より落ち着きませんね。」

近藤勇はお孝を苦笑して見た。

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さんがたくさんの女性と親しくする出来事は、大坂でも知られています。私は今頃になって、驚きも怒りもしません。安心してください。」

近藤勇はお孝を苦笑して見ている。

お孝は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。姉さんがみんなと月を見る間について、お願いがあります。」

近藤勇はお孝を不思議な様子で見た。

お孝は近藤勇を微笑んで見た。



数日後の事。



ここは、お雪の家。



お雪は寝込む時間が多くなってきたが、沖田総司、斉藤一、少女と逢う日は、朝から明るい気持ちになる。

お雪は、沖田総司、斉藤一、少女と逢う日は、早めに床から起きて準備を始める。



お雪の部屋。



お雪は微笑んで居る。

お孝は普通に居る。

幾着もの着物が並べてある。



お雪は着物を見て、お孝に微笑んで話し出す。

「美鈴さんと逢う日の着物の柄を選ぶ時は、いつも迷うの。今日も着る着物が決まらないの。お孝。一緒に選んで。」

お孝はお雪に普通に話し出す。

「姉さんは元太夫だから、私より柄選びは上手よ。姉さんが一人で選ぶ方が、良い柄が選べるわ。美鈴さんも柄選びは上手よ。美鈴さんは、沖田さんや斉藤さんや姉さんと逢う時を想像して着物の柄を選んでいると思うわ。姉さんが一人で選んだ着物を着て逢う方が良いわ。」

お雪は一枚の着物を指すと、お孝に微笑んで話し出す。

「今夜に着たいと思う着物なの。」

お孝はお雪の指した着物を見ると、お雪に微笑んで話し出す。

「さすが。姉さん。良いと思うよ。」

お雪はお孝に微笑んで話し出す。

「今夜の着る着物が決まったわね。」

お孝はお雪に普通に話し出す。

「今夜に着る着物以外は仕舞うわ。選んだ着物を着るのは暫く後だから、横になって少し休んで。」

お雪はお孝に微笑んで頷いた。



お孝はお雪が選んだ着物以外を仕舞った。



お雪は床に微笑んで横になった。



お孝は部屋を普通に出て行った。



暫く後の事。



ここは、お雪の家。



お雪の部屋。



お雪は床の中で微笑んでいる。

お孝は普通に居る。

手伝いの人も普通に居る。



お孝はお雪に普通に話し出す。

「片付けを始める前に、話して良いかしら？」

お雪は床の中で、お孝に不思議な様子で頷いた。

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「近藤さんが楽しい所に連れて行ってくれるの。私は居ないけれど、気にせずに楽しんでね。」

お雪は床の中で、お孝に微笑んで話し出す。

「近藤先生に迷惑を掛けないようにね。」

お孝はお雪に微笑んで頷いた。

お雪は床の中で、お孝を微笑んで見た。

お孝は手伝いの人に微笑んで話し出す。

「今日も姉さんをお願いします。」

手伝いの人はお孝に微笑んで軽く礼をした。

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「私の話は終わりよ。片付けを始めるわね。」

お雪は床の中で、お孝と手伝いの人に微笑んで話し出す。

「いつもありがとう。」

手伝いの人はお雪に微笑んで軽く礼をした。

お孝はお雪を微笑んで見た。

お雪は床の中で、お孝と手伝いの人を微笑んで見た。





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