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新撰組異聞 〜 初見草 〜


〜 後編 〜


沖田総司と子供達が、少女のもとへ向かっている最中の事。

沖田総司は子供達に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんと話しをしていた人は、誰だかわかるかな?」

子供達は沖田総司に心配そうに話し出す。

「平助という名前のお兄ちゃんだと思う。」

沖田総司は子供達を不安そうな微笑みで見た。

子供達は沖田総司を不安そうに見た。



残っている子供達は、少女に心配そうに話し掛ける。

「お姉ちゃん。大丈夫?」

「お姉ちゃん。総司お兄ちゃんか、はじめお兄ちゃんが、来てくれるよ。もう少しだけ待っていてね。」

少女は子供達に返事をせずに、辛そうに地面に座り込んでいる。



沖田総司と子供達は、少女のもとへと到着した。

少女は辛そうに地面に座り込んでいる。

沖田総司は少女の様子を見ると、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。大丈夫?」

少女は沖田総司を見ると、辛そうな表情をしながらも、微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。総司さん。今日はお仕事ですよね。ここに居ても大丈夫ですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「任務はさっき一段落したんだ。隊服もさっき脱いだよ。だから安心していいよ。」

少女は沖田総司に辛そうにもたれ掛かってきた。

沖田総司は少女を受け止めると、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。大丈夫? 何が遭ったの?」

少女は沖田総司の腕の中で、辛そうに話し出す。

「何もありません。ご心配をお掛けして申し訳ありません。」

沖田総司は少女を心配そうに抱いている。

少女は沖田総司の腕の中で辛そうにしている。

沖田総司は少女を抱きながら、子供達を見ると、微笑んで話し出す。

「みんな。ありがとう。戻って良いよ。」

子供達は沖田総司と少女を見ながら、心配そうに頷いた。

沖田総司は少女を抱きながら、子供達を微笑んで見ている。

少女は沖田総司の腕の中で辛そうにしている。

子供達は心配そうな表情をしながら、その場から居なくなった。

沖田総司は少女を支えながら、木の下へと連れて行った。



沖田総司は少女を支えながら、木の下に着いた。

少女は辛そうに座り込んだ。

沖田総司は少女を心配そうに抱きしめた。

少女は顔色が悪いまま、沖田総司の腕の中で、直ぐに目を閉じた。



暫く後の事。

少女は沖田総司の腕の中で、ゆっくりと目を開けた。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに様子を見た。

少女の顔色は少しずつ落ち着いてきている。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。大丈夫? 家に帰れる?」

少女は沖田総司の腕の中で、小さく頷いた。

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し掛ける。

「送るよ。一緒に帰ろう。」

少女は沖田総司の腕の中で、微笑んで話し出す。

「総司さんのお仕事の邪魔を、これ以上は出来ません。一人で帰ります。」

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「何もないのに調子が悪くなったんだよね。帰る途中に、また調子が悪くなるかもしれないよ。一人で居る時に倒れたら困るよね。だから一緒に家に帰ろう。」

少女は沖田総司の腕の中で、微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。一人で帰れます。総司さんは、お仕事に早く戻ってください。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「京の町に住んでいる人達を守る事も、私の大切な任務なんだよ。調子の悪い人を放っておいて何か遭ったら困るだろ。だから、鈴ちゃんを家に送っていく事は、任務の一つになるんだ。」

少女は沖田総司の腕の中で、申し訳なさそうに話し出す。

「私は総司さんに迷惑ばかり掛けています。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは迷惑を掛けていないよ。だから、辛い事があったら、無理をしないで話しをしてね。」

少女は沖田総司の腕の中で微笑んで頷いた。

沖田総司は少女をゆっくりと離した。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女を支えながら、ゆっくりと立ち上がった。

沖田総司と少女は、少女の家へと向かって、ゆっくりと歩き始めた。



沖田総司と少女は、少女の家の前に到着した。

少女は沖田総司に微笑んで礼をすると、家の中へと入っていった。

沖田総司は少女が家の入ったのを確認すると、一番組の隊士達のもとに向かって走り出した。



沖田総司は一番組の隊士達のもとに戻ってきた。

沖田総司が指示を出していた事や、大きな事件が起っていない事もあり、任務は順調に続いた。

沖田総司は厳しい表情で、一番組の隊士達と共に、残りの任務に就いた。



それから暫く後の事。

沖田総司は任務が終わり、屯所に戻ってきた。

片付けなどを急いで終わらせると、藤堂平助を探し始めた。



沖田総司は藤堂平助の姿を見つけた。

藤堂平助は一人で歩いている。

沖田総司は藤堂平助を僅かに厳しい表情で見た。

藤堂平助は沖田総司に気が付かずに、普段どおりに歩いている。

沖田総司は藤堂平助のもとへと、僅かに厳しい表情をしながら歩き出した。



沖田総司は藤堂平助の前に来ると、睨みながら小さい声で話し出す。

「平助。話しがある。」

藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見た。

沖田総司は藤堂平助を睨んでいる。

藤堂平助は沖田総司に普通に話し出す。

「わかりました。部屋で話しをしませんか?」

沖田総司は藤堂平助を睨みながら黙って頷いた。

沖田総司と藤堂平助は、傍に在る部屋の中へと入っていった。



沖田総司と藤堂平助が、部屋に入って直ぐの事。

沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴むと、睨みながら小さい声で話し出す。

「平助。彼女に何を言ったんだ?」

藤堂平助は沖田総司を驚いた様子で黙って見ている。

沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴んだまま、睨みながら小さい声で話し出す。

「黙っていないで、早く話しをしろ。」

藤堂平助は沖田総司に驚いた表情で話し出す。

「彼女と会ったのですか? なら、私が話しをしてなくても、沖田さんは、既にご存知なのではないですか?」

沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴んだまま、睨みながら小さい声で話し出す。

「私に迷惑が掛かると思って、彼女は何も言わないんだ。平助と話をした事が原因としか考えなれない。御託を並べずに、早く言え。」

藤堂平助は沖田総司に不機嫌そうに話し出す。

「山南さんの切腹についての話しを、彼女にしました。ですから、彼女に変な話はしていません。」

沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴んだまま、睨みながら小さい声で話し出す。

「彼女は武家の出ではないんだ。だから、詳しい話しは何もしていない。聞きたい事があるなら、私に直接聞けば良いだろ。彼女を巻き込むな。」

藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見た。

沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴んだまま、睨みながら小さい声で話し出す。

「彼女は平助が居なくなった後に、急に調子が悪くなった。平助が彼女に変な事を話したためとしか考えられない。」

藤堂平助は沖田総司に心配そうに話し出す。

「彼女は大丈夫なのですか?」

沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴みながら、睨んだまま小さい声で話し出す。

「今は落ち着いている。」

藤堂平助は沖田総司を安心した表情で見た。

沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴みながら、睨んだままで低い声で話し出す。

「ちょうど良い機会だから、はっきりと言っておく。これ以上彼女に変な事をしたら斬るぞ。」

藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見た。

沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴みながら、睨んだまま低い声で話し出す。

「今の話は、冗談ではない。本気だ。平助。覚えておけよ。」

藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見ている。

沖田総司は藤堂平助を睨みながら、乱暴に放した。

藤堂平助は沖田総司を驚いた様子で見ている。

沖田総司は藤堂平助を黙って睨んでいる。

藤堂平助は驚いた様子のまま、沖田総司に話し掛けようとした。

沖田総司は藤堂平助から視線を外すと、部屋の外へと出て行った。



藤堂平助は沖田総司が居なくなると、軽く息をはいた。

部屋の中では、藤堂平助の息をはいた音だけが聞こえてきた。

藤堂平助は沖田総司の様子を見るために、静かに部屋の外に出た。



藤堂平助が部屋を出て直ぐの事。

傍に人の居る気配がした。

人の居る気配と同時に厳しい視線も感じる。

藤堂平助は不安そうに気配のする向へ視線を向けた。



藤堂平助の視線の先に居たのは、斉藤一だった。

斉藤一は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。

藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。

「山南さんと沖田さんの事で、聞きたい事があったので、彼女に声を掛けました。沖田さんは、なぜあんなに怒ったのでしょうか? 彼女はなぜ何も言わないのでしょうか?」

斉藤一は藤堂平助に普通に話し出す。

「総司に直接質問しろ。」

藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。

「私は、沖田さんが、山南さんの切腹の前も後も、辛そうな姿を見せない理由が知りたかった。沖田さんは、山南さんに生きていて欲しいとは、思わなかったのでしょうか? 武士なら切腹も介錯も当たり前の事です。でも、山南さんの切腹は、納得のいかない事がたくさんあります。知りたい事もたくさんあります。」

斉藤一は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。

藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。

「私は、沖田さんの山南さんに対する思いが知りたかった。だから彼女に声を掛けました。」

斉藤一は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。

藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。

「沖田さんは、これ以上彼女を巻き込むなと言いました。斉藤さんも同じ考えなのですか?」

斉藤一は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。

藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。

「彼女は本当に何も知らないのですか?」

斉藤一は、藤堂平助の質問にほとんど返事をする事なく、その場から去っていった。

藤堂平助は斉藤一の去っていく様子を、複雑な表情で黙って見た。



斉藤一の姿は見えなくなった。

藤堂平助は複雑な表情のまま、自分の部屋へと向かって歩き出した。



それから少し後の事。

沖田総司は斉藤一の部屋を訪れた。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で黙って見た。

沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。

「平助が鈴ちゃんに山南さんの切腹の話しをしたそうです。山南さんの切腹の日は、みんな元気が無かったですよね。でも、少し経ったら、みんなも明るく話しをしたり飲んだりしていますよね。私は、いつも辛そうにしていないと駄目なのでしょうか? いつも悩んでいないと駄目なのでしょうか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「普通に見ると、総司は、悩んでいるようにも辛そうにも見えないな。平助と山南さんの付き合い方からすると、疑問に感じても不思議ではないと思う。」

沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。

「私は平助に辛い姿を見せるつもりはありません。でも、そのために、鈴ちゃんがまた辛い思いをしてしまいました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で黙って見ている。

沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。

「平助と会った直後に、鈴ちゃんの調子が悪くなりました。平助は私が話しをしていない事まで、言ったのかもしれません。私のせいで、鈴ちゃんが辛い思いをしてしまいました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で黙って見ている。

沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。

「平助から話しを聞いた鈴ちゃんは、私の事をどう思ったのでしょうか? 私の事を呆れたり蔑んだりしているのでしょうか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。悩むな。美鈴さんを信じろ。」

沖田総司は斉藤一を不安そうに見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「明日時間を作って、美鈴さんの様子を確認しにいってみたらどうだ?」

沖田総司は斉藤一を見ながら不安そうに頷いた。



その翌日の事。

沖田総司は、いつもより遅い時間となってしまったが、少女の家を訪れた。

少女は沖田総司の突然の訪問を、少し驚いた様子で見ている。

沖田総司は少女に心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。調子はどう?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。総司さん。心配しすぎです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「少し時間はあるかな? 鈴ちゃんの見たい花はある? 少しか時間がないけど、鈴ちゃんと一緒に花が見たいな。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんと一緒にお花が見られて嬉しいです。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

沖田総司と少女は、話をしながら出掛けて行った。



沖田総司と少女は、萩の花の咲いている場所に来た。

辺りには綺麗な萩の花がたくさん咲いている。

少女は萩の花を微笑んで見始めた。

沖田総司は少女の様子を微笑んで見ている。



少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「総司さん。萩には別な呼び方があります。ご存知ですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「萩には別な呼び名があるんだ。早く知りたいな。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「初見草というそうです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「はつみぐさ。良い名前だね。鈴ちゃんは物知りだね。」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「私の知っている事は、たいした事ではありません。総司さんは難しい事をたくさん知っています。凄い方だと思います。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私は凄くないよ。私は難しい話をほとんど知らない。近藤さんや土方さんは、難しい話をたくさん知っているよ。花の事も同じだよ。私は何も知らない。土方さんや斉藤さんは、とても詳しいよ。鈴ちゃんが花の事をいろいろと教えてくれるから、勉強になっているんだよ。鈴ちゃんには、いつも感謝しているんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は知らない事が多過ぎます。総司さんは難しいお話しを、たくさん知っています。私が難しいお話しを理解できれば、総司さんのお話し相手になれるんですよね。総司さんのお話しが理解できるようになりたいのですが、教えて頂ける方を知らなくて・・・」

沖田総司は少女の話しを遮る様に優しく抱き寄せた。

少女は沖田総司の腕の中で不思議そうにしている。

沖田総司は少女を抱きながら、悲しそうに話し出す。

「鈴ちゃんはいろいろな事を知っているよ。無理をしては駄目だよ。自分を悪く言う必要もないよ。」

少女は沖田総司の腕の中で不安そうに黙っている。

沖田総司は少女を抱きながら、不安そうに話し出す。

「鈴ちゃん。昨日は迷惑を掛けごめんね。」

少女は沖田総司の腕の中で、小さく首を横に振った。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。もし、これから昨日のような事が遭ったら、隠さずに教えてくれ。鈴ちゃんが一人で辛い思いをしたり、悩んだりする必要は無いよ。無理をする必要もないよ。無理をすると、倒れてしまうよ。」

少女は沖田総司の腕の中で、申し訳なさそうに話し出す。

「私は総司さんに迷惑ばかり掛けています。ごめんなさい。」

沖田総司は少女を抱きながら、悲しそうに話し出す。

「迷惑を掛けているのは私の方だ。鈴ちゃんに迷惑をたくさん掛けている。鈴ちゃんが謝る必要はないよ。謝るのは私の方だよ。」

少女は沖田総司の腕の中で心配そうに話し出す。

「私は大丈夫です。総司さん。無理をしないでくださいね。」

沖田総司は少女を抱きながら、不安そうに話し出す。

「鈴ちゃん。平助が話しをした、山南さんの切腹の事だけど、私が話しをしていない事まで、平助は話しをしたよね。驚いたよね。隠し事をしたと呆れているよね。怒っているよね。鈴ちゃんに隠し事をするつもりはなかったんだ。本当にごめんね。」

少女は沖田総司の腕の中で、微笑んで話し出す。

「総司さんがお話ししてくださった事と、ほとんど同じ事しか聞いていません。途中でわからないお話しが出てきました。なので、わからないとお返事しました。そうしたら、話しが終わりました。何も知らない事は、時には良い事もあるのですね。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ありがとう。」

少女は沖田総司の腕の中で微笑んだ。

沖田総司は少女を微笑んで抱いている。



ちょうど同じ頃の事。

藤堂平助は伊東甲子太郎の部屋を訪れた。



藤堂平助は伊東甲子太郎に不思議そうに話し出す。

「沖田さんに、山南さんの切腹について、話しを聞きたいと思いました。でも、話を聞く機会が、なかなか訪れませんでした。だから、沖田さんと仲の良い女の子と話しをしたくて、声を書けました。」

伊東甲子太郎は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。

藤堂平助は伊東甲子太郎に考え込みながら話し出す。

「でも、沖田さんと仲の良い女の子は、何も知らないと言いました。なので、詳しい話しをする事が出来ませんでした。斉藤さんと偶然に話しをする機会がありました。でも、斉藤さんも何も話をしてはくれませんでした。斉藤さんとの話しも直ぐに終わってしまいました。」

伊東甲子太郎は藤堂平助を普通の表情で見ている。

藤堂平助は伊東甲子太郎に考え込みながら話し出す。

「私は山南さんが切腹した事は、どう考えても納得がいきません。私は沖田さんの考えが知りたいと、ずっと思い続けています。あの子は何かを知っているようです。斉藤さんはあの子より、たくさんの事を知っているはずです。でも、二人とも何も話をしてくれません。」

伊東甲子太郎は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「藤堂君。恐らくあの三人は、君が何を言ったとしても、山南さんの切腹についての話しはしないと思う。」

藤堂平助は伊東甲子太郎を不思議そうに見た。

伊東甲子太郎は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「藤堂君がこの言葉の意味を理解できれば、もしかしたら三人は話しをするかも知れない。」

藤堂平助は伊東甲子太郎に真剣な表情で話し出す。

「伊東さんになら、三人は話しをするのでしょうか?」

伊東甲子太郎は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「おそらく、私にも話はしないと思う。ただ、近藤さんや土方さんや井上さん辺りになら、状況しだいでは、話をする可能性はあると思う。亡くなった人になりますが、芹沢さんという方なら、状況しだいでは、話しをするかもしれない。後は、やはり亡くなった人になりますが、山南さんになら話をすると思う。私のわかる範囲で、三人が話しをすると考えられるのは、この人達だと思います。」

藤堂平助は伊東甲子太郎に微笑んで話し出す。

「伊東さんにも無理な事なのですね。伊東さんが名前をあげた方も、凄い人達ばかりです。私は、まだまだ未熟者ですね。」

伊東甲子太郎は藤堂平助を微笑んで見ている。

藤堂平助は伊東甲子太郎に微笑んで話し出す。

「そろそろ失礼します。お忙しいのに話を聞いて頂いて、ありがとうございました。」

伊東甲子太郎は藤堂平助を見ながら微笑んで頷いた。

藤堂平助は伊東甲子太郎に礼をすると、部屋を出て行った。



沖田総司は少女をゆっくりと離すと、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。そろそろ戻ろうか。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「近い内に、斉藤さんと一緒に三人で、萩の花を見に出掛けよう。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「楽しみだね。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に手を差し出すと、微笑んで話し出す。

「暗くなって来たから手を繋いで帰ろう。」

少女は微笑んで沖田総司の手を握った。

沖田総司と少女は、手を繋ぎながら帰っていった。




〜 完 〜





はじめに       前編       後書き

目次


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