このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
新撰組異聞 〜 初見草 〜
〜 後編 〜
沖田総司と子供達が、少女のもとへ向かっている最中の事。
沖田総司は子供達に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃんと話しをしていた人は、誰だかわかるかな?」
子供達は沖田総司に心配そうに話し出す。
「平助という名前のお兄ちゃんだと思う。」
沖田総司は子供達を不安そうな微笑みで見た。
子供達は沖田総司を不安そうに見た。
残っている子供達は、少女に心配そうに話し掛ける。
「お姉ちゃん。大丈夫?」
「お姉ちゃん。総司お兄ちゃんか、はじめお兄ちゃんが、来てくれるよ。もう少しだけ待っていてね。」
少女は子供達に返事をせずに、辛そうに地面に座り込んでいる。
沖田総司と子供達は、少女のもとへと到着した。
少女は辛そうに地面に座り込んでいる。
沖田総司は少女の様子を見ると、心配そうに話し掛ける。
「鈴ちゃん。大丈夫?」
少女は沖田総司を見ると、辛そうな表情をしながらも、微笑んで話し出す。
「私は大丈夫です。総司さん。今日はお仕事ですよね。ここに居ても大丈夫ですか?」
沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。
「任務はさっき一段落したんだ。隊服もさっき脱いだよ。だから安心していいよ。」
少女は沖田総司に辛そうにもたれ掛かってきた。
沖田総司は少女を受け止めると、心配そうに話し掛ける。
「鈴ちゃん。大丈夫? 何が遭ったの?」
少女は沖田総司の腕の中で、辛そうに話し出す。
「何もありません。ご心配をお掛けして申し訳ありません。」
沖田総司は少女を心配そうに抱いている。
少女は沖田総司の腕の中で辛そうにしている。
沖田総司は少女を抱きながら、子供達を見ると、微笑んで話し出す。
「みんな。ありがとう。戻って良いよ。」
子供達は沖田総司と少女を見ながら、心配そうに頷いた。
沖田総司は少女を抱きながら、子供達を微笑んで見ている。
少女は沖田総司の腕の中で辛そうにしている。
子供達は心配そうな表情をしながら、その場から居なくなった。
沖田総司は少女を支えながら、木の下へと連れて行った。
沖田総司は少女を支えながら、木の下に着いた。
少女は辛そうに座り込んだ。
沖田総司は少女を心配そうに抱きしめた。
少女は顔色が悪いまま、沖田総司の腕の中で、直ぐに目を閉じた。
暫く後の事。
少女は沖田総司の腕の中で、ゆっくりと目を開けた。
沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに様子を見た。
少女の顔色は少しずつ落ち着いてきている。
沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。
「鈴ちゃん。大丈夫? 家に帰れる?」
少女は沖田総司の腕の中で、小さく頷いた。
沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し掛ける。
「送るよ。一緒に帰ろう。」
少女は沖田総司の腕の中で、微笑んで話し出す。
「総司さんのお仕事の邪魔を、これ以上は出来ません。一人で帰ります。」
沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。
「何もないのに調子が悪くなったんだよね。帰る途中に、また調子が悪くなるかもしれないよ。一人で居る時に倒れたら困るよね。だから一緒に家に帰ろう。」
少女は沖田総司の腕の中で、微笑んで話し出す。
「私は大丈夫です。一人で帰れます。総司さんは、お仕事に早く戻ってください。」
沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。
「京の町に住んでいる人達を守る事も、私の大切な任務なんだよ。調子の悪い人を放っておいて何か遭ったら困るだろ。だから、鈴ちゃんを家に送っていく事は、任務の一つになるんだ。」
少女は沖田総司の腕の中で、申し訳なさそうに話し出す。
「私は総司さんに迷惑ばかり掛けています。」
沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんは迷惑を掛けていないよ。だから、辛い事があったら、無理をしないで話しをしてね。」
少女は沖田総司の腕の中で微笑んで頷いた。
沖田総司は少女をゆっくりと離した。
少女は沖田総司を微笑んで見ている。
沖田総司は少女を支えながら、ゆっくりと立ち上がった。
沖田総司と少女は、少女の家へと向かって、ゆっくりと歩き始めた。
沖田総司と少女は、少女の家の前に到着した。
少女は沖田総司に微笑んで礼をすると、家の中へと入っていった。
沖田総司は少女が家の入ったのを確認すると、一番組の隊士達のもとに向かって走り出した。
沖田総司は一番組の隊士達のもとに戻ってきた。
沖田総司が指示を出していた事や、大きな事件が起っていない事もあり、任務は順調に続いた。
沖田総司は厳しい表情で、一番組の隊士達と共に、残りの任務に就いた。
それから暫く後の事。
沖田総司は任務が終わり、屯所に戻ってきた。
片付けなどを急いで終わらせると、藤堂平助を探し始めた。
沖田総司は藤堂平助の姿を見つけた。
藤堂平助は一人で歩いている。
沖田総司は藤堂平助を僅かに厳しい表情で見た。
藤堂平助は沖田総司に気が付かずに、普段どおりに歩いている。
沖田総司は藤堂平助のもとへと、僅かに厳しい表情をしながら歩き出した。
沖田総司は藤堂平助の前に来ると、睨みながら小さい声で話し出す。
「平助。話しがある。」
藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見た。
沖田総司は藤堂平助を睨んでいる。
藤堂平助は沖田総司に普通に話し出す。
「わかりました。部屋で話しをしませんか?」
沖田総司は藤堂平助を睨みながら黙って頷いた。
沖田総司と藤堂平助は、傍に在る部屋の中へと入っていった。
沖田総司と藤堂平助が、部屋に入って直ぐの事。
沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴むと、睨みながら小さい声で話し出す。
「平助。彼女に何を言ったんだ?」
藤堂平助は沖田総司を驚いた様子で黙って見ている。
沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴んだまま、睨みながら小さい声で話し出す。
「黙っていないで、早く話しをしろ。」
藤堂平助は沖田総司に驚いた表情で話し出す。
「彼女と会ったのですか? なら、私が話しをしてなくても、沖田さんは、既にご存知なのではないですか?」
沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴んだまま、睨みながら小さい声で話し出す。
「私に迷惑が掛かると思って、彼女は何も言わないんだ。平助と話をした事が原因としか考えなれない。御託を並べずに、早く言え。」
藤堂平助は沖田総司に不機嫌そうに話し出す。
「山南さんの切腹についての話しを、彼女にしました。ですから、彼女に変な話はしていません。」
沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴んだまま、睨みながら小さい声で話し出す。
「彼女は武家の出ではないんだ。だから、詳しい話しは何もしていない。聞きたい事があるなら、私に直接聞けば良いだろ。彼女を巻き込むな。」
藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見た。
沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴んだまま、睨みながら小さい声で話し出す。
「彼女は平助が居なくなった後に、急に調子が悪くなった。平助が彼女に変な事を話したためとしか考えられない。」
藤堂平助は沖田総司に心配そうに話し出す。
「彼女は大丈夫なのですか?」
沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴みながら、睨んだまま小さい声で話し出す。
「今は落ち着いている。」
藤堂平助は沖田総司を安心した表情で見た。
沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴みながら、睨んだままで低い声で話し出す。
「ちょうど良い機会だから、はっきりと言っておく。これ以上彼女に変な事をしたら斬るぞ。」
藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見た。
沖田総司は藤堂平助の胸倉を掴みながら、睨んだまま低い声で話し出す。
「今の話は、冗談ではない。本気だ。平助。覚えておけよ。」
藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見ている。
沖田総司は藤堂平助を睨みながら、乱暴に放した。
藤堂平助は沖田総司を驚いた様子で見ている。
沖田総司は藤堂平助を黙って睨んでいる。
藤堂平助は驚いた様子のまま、沖田総司に話し掛けようとした。
沖田総司は藤堂平助から視線を外すと、部屋の外へと出て行った。
藤堂平助は沖田総司が居なくなると、軽く息をはいた。
部屋の中では、藤堂平助の息をはいた音だけが聞こえてきた。
藤堂平助は沖田総司の様子を見るために、静かに部屋の外に出た。
藤堂平助が部屋を出て直ぐの事。
傍に人の居る気配がした。
人の居る気配と同時に厳しい視線も感じる。
藤堂平助は不安そうに気配のする向へ視線を向けた。
藤堂平助の視線の先に居たのは、斉藤一だった。
斉藤一は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。
藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。
「山南さんと沖田さんの事で、聞きたい事があったので、彼女に声を掛けました。沖田さんは、なぜあんなに怒ったのでしょうか? 彼女はなぜ何も言わないのでしょうか?」
斉藤一は藤堂平助に普通に話し出す。
「総司に直接質問しろ。」
藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。
「私は、沖田さんが、山南さんの切腹の前も後も、辛そうな姿を見せない理由が知りたかった。沖田さんは、山南さんに生きていて欲しいとは、思わなかったのでしょうか? 武士なら切腹も介錯も当たり前の事です。でも、山南さんの切腹は、納得のいかない事がたくさんあります。知りたい事もたくさんあります。」
斉藤一は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。
藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。
「私は、沖田さんの山南さんに対する思いが知りたかった。だから彼女に声を掛けました。」
斉藤一は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。
藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。
「沖田さんは、これ以上彼女を巻き込むなと言いました。斉藤さんも同じ考えなのですか?」
斉藤一は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。
藤堂平助は斉藤一に恐る恐る話し出す。
「彼女は本当に何も知らないのですか?」
斉藤一は、藤堂平助の質問にほとんど返事をする事なく、その場から去っていった。
藤堂平助は斉藤一の去っていく様子を、複雑な表情で黙って見た。
斉藤一の姿は見えなくなった。
藤堂平助は複雑な表情のまま、自分の部屋へと向かって歩き出した。
それから少し後の事。
沖田総司は斉藤一の部屋を訪れた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で黙って見た。
沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。
「平助が鈴ちゃんに山南さんの切腹の話しをしたそうです。山南さんの切腹の日は、みんな元気が無かったですよね。でも、少し経ったら、みんなも明るく話しをしたり飲んだりしていますよね。私は、いつも辛そうにしていないと駄目なのでしょうか? いつも悩んでいないと駄目なのでしょうか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「普通に見ると、総司は、悩んでいるようにも辛そうにも見えないな。平助と山南さんの付き合い方からすると、疑問に感じても不思議ではないと思う。」
沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。
「私は平助に辛い姿を見せるつもりはありません。でも、そのために、鈴ちゃんがまた辛い思いをしてしまいました。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で黙って見ている。
沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。
「平助と会った直後に、鈴ちゃんの調子が悪くなりました。平助は私が話しをしていない事まで、言ったのかもしれません。私のせいで、鈴ちゃんが辛い思いをしてしまいました。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で黙って見ている。
沖田総司は斉藤一に辛そうに話し出す。
「平助から話しを聞いた鈴ちゃんは、私の事をどう思ったのでしょうか? 私の事を呆れたり蔑んだりしているのでしょうか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。悩むな。美鈴さんを信じろ。」
沖田総司は斉藤一を不安そうに見ている。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「明日時間を作って、美鈴さんの様子を確認しにいってみたらどうだ?」
沖田総司は斉藤一を見ながら不安そうに頷いた。
その翌日の事。
沖田総司は、いつもより遅い時間となってしまったが、少女の家を訪れた。
少女は沖田総司の突然の訪問を、少し驚いた様子で見ている。
沖田総司は少女に心配そうに話し掛ける。
「鈴ちゃん。調子はどう?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私は大丈夫です。総司さん。心配しすぎです。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「少し時間はあるかな? 鈴ちゃんの見たい花はある? 少しか時間がないけど、鈴ちゃんと一緒に花が見たいな。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんと一緒にお花が見られて嬉しいです。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
沖田総司と少女は、話をしながら出掛けて行った。
沖田総司と少女は、萩の花の咲いている場所に来た。
辺りには綺麗な萩の花がたくさん咲いている。
少女は萩の花を微笑んで見始めた。
沖田総司は少女の様子を微笑んで見ている。
少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。
「総司さん。萩には別な呼び方があります。ご存知ですか?」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「萩には別な呼び名があるんだ。早く知りたいな。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「初見草というそうです。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「はつみぐさ。良い名前だね。鈴ちゃんは物知りだね。」
少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。
「私の知っている事は、たいした事ではありません。総司さんは難しい事をたくさん知っています。凄い方だと思います。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私は凄くないよ。私は難しい話をほとんど知らない。近藤さんや土方さんは、難しい話をたくさん知っているよ。花の事も同じだよ。私は何も知らない。土方さんや斉藤さんは、とても詳しいよ。鈴ちゃんが花の事をいろいろと教えてくれるから、勉強になっているんだよ。鈴ちゃんには、いつも感謝しているんだ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私は知らない事が多過ぎます。総司さんは難しいお話しを、たくさん知っています。私が難しいお話しを理解できれば、総司さんのお話し相手になれるんですよね。総司さんのお話しが理解できるようになりたいのですが、教えて頂ける方を知らなくて・・・」
沖田総司は少女の話しを遮る様に優しく抱き寄せた。
少女は沖田総司の腕の中で不思議そうにしている。
沖田総司は少女を抱きながら、悲しそうに話し出す。
「鈴ちゃんはいろいろな事を知っているよ。無理をしては駄目だよ。自分を悪く言う必要もないよ。」
少女は沖田総司の腕の中で不安そうに黙っている。
沖田総司は少女を抱きながら、不安そうに話し出す。
「鈴ちゃん。昨日は迷惑を掛けごめんね。」
少女は沖田総司の腕の中で、小さく首を横に振った。
沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。
「鈴ちゃん。もし、これから昨日のような事が遭ったら、隠さずに教えてくれ。鈴ちゃんが一人で辛い思いをしたり、悩んだりする必要は無いよ。無理をする必要もないよ。無理をすると、倒れてしまうよ。」
少女は沖田総司の腕の中で、申し訳なさそうに話し出す。
「私は総司さんに迷惑ばかり掛けています。ごめんなさい。」
沖田総司は少女を抱きながら、悲しそうに話し出す。
「迷惑を掛けているのは私の方だ。鈴ちゃんに迷惑をたくさん掛けている。鈴ちゃんが謝る必要はないよ。謝るのは私の方だよ。」
少女は沖田総司の腕の中で心配そうに話し出す。
「私は大丈夫です。総司さん。無理をしないでくださいね。」
沖田総司は少女を抱きながら、不安そうに話し出す。
「鈴ちゃん。平助が話しをした、山南さんの切腹の事だけど、私が話しをしていない事まで、平助は話しをしたよね。驚いたよね。隠し事をしたと呆れているよね。怒っているよね。鈴ちゃんに隠し事をするつもりはなかったんだ。本当にごめんね。」
少女は沖田総司の腕の中で、微笑んで話し出す。
「総司さんがお話ししてくださった事と、ほとんど同じ事しか聞いていません。途中でわからないお話しが出てきました。なので、わからないとお返事しました。そうしたら、話しが終わりました。何も知らない事は、時には良い事もあるのですね。」
沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。ありがとう。」
少女は沖田総司の腕の中で微笑んだ。
沖田総司は少女を微笑んで抱いている。
ちょうど同じ頃の事。
藤堂平助は伊東甲子太郎の部屋を訪れた。
藤堂平助は伊東甲子太郎に不思議そうに話し出す。
「沖田さんに、山南さんの切腹について、話しを聞きたいと思いました。でも、話を聞く機会が、なかなか訪れませんでした。だから、沖田さんと仲の良い女の子と話しをしたくて、声を書けました。」
伊東甲子太郎は藤堂平助を普通の表情で黙って見ている。
藤堂平助は伊東甲子太郎に考え込みながら話し出す。
「でも、沖田さんと仲の良い女の子は、何も知らないと言いました。なので、詳しい話しをする事が出来ませんでした。斉藤さんと偶然に話しをする機会がありました。でも、斉藤さんも何も話をしてはくれませんでした。斉藤さんとの話しも直ぐに終わってしまいました。」
伊東甲子太郎は藤堂平助を普通の表情で見ている。
藤堂平助は伊東甲子太郎に考え込みながら話し出す。
「私は山南さんが切腹した事は、どう考えても納得がいきません。私は沖田さんの考えが知りたいと、ずっと思い続けています。あの子は何かを知っているようです。斉藤さんはあの子より、たくさんの事を知っているはずです。でも、二人とも何も話をしてくれません。」
伊東甲子太郎は藤堂平助に微笑んで話し出す。
「藤堂君。恐らくあの三人は、君が何を言ったとしても、山南さんの切腹についての話しはしないと思う。」
藤堂平助は伊東甲子太郎を不思議そうに見た。
伊東甲子太郎は藤堂平助に微笑んで話し出す。
「藤堂君がこの言葉の意味を理解できれば、もしかしたら三人は話しをするかも知れない。」
藤堂平助は伊東甲子太郎に真剣な表情で話し出す。
「伊東さんになら、三人は話しをするのでしょうか?」
伊東甲子太郎は藤堂平助に微笑んで話し出す。
「おそらく、私にも話はしないと思う。ただ、近藤さんや土方さんや井上さん辺りになら、状況しだいでは、話をする可能性はあると思う。亡くなった人になりますが、芹沢さんという方なら、状況しだいでは、話しをするかもしれない。後は、やはり亡くなった人になりますが、山南さんになら話をすると思う。私のわかる範囲で、三人が話しをすると考えられるのは、この人達だと思います。」
藤堂平助は伊東甲子太郎に微笑んで話し出す。
「伊東さんにも無理な事なのですね。伊東さんが名前をあげた方も、凄い人達ばかりです。私は、まだまだ未熟者ですね。」
伊東甲子太郎は藤堂平助を微笑んで見ている。
藤堂平助は伊東甲子太郎に微笑んで話し出す。
「そろそろ失礼します。お忙しいのに話を聞いて頂いて、ありがとうございました。」
伊東甲子太郎は藤堂平助を見ながら微笑んで頷いた。
藤堂平助は伊東甲子太郎に礼をすると、部屋を出て行った。
沖田総司は少女をゆっくりと離すと、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。そろそろ戻ろうか。」
少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「近い内に、斉藤さんと一緒に三人で、萩の花を見に出掛けよう。」
少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「楽しみだね。」
少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。
沖田総司は少女に手を差し出すと、微笑んで話し出す。
「暗くなって来たから手を繋いで帰ろう。」
少女は微笑んで沖田総司の手を握った。
沖田総司と少女は、手を繋ぎながら帰っていった。
〜 完 〜
はじめに
前編
後書き
目次
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |