新撰組異聞　〜　緑の紅葉と緑の銀杏　〜


〜　第三版　〜


ここは、京の町。


綺麗な緑の紅葉の葉が、たくさん茂っている。

綺麗な緑の銀杏の葉も、たくさん茂っている。


ここは、或る場所。


綺麗な緑の紅葉の葉が、たくさん茂っている。

綺麗な緑の銀杏の葉も、たくさん茂っている。


沖田総司と子供達は、綺麗な緑の紅葉の近くで、楽しく遊んでいる。

斉藤一は、綺麗な緑の銀杏の下で、座りながら、沖田総司と子供達を普通の表情で見ている。


斉藤一は綺麗な緑の銀杏を普通の表情で見た。


綺麗な緑の銀杏は、斉藤一を日差しから守るように木陰を作っている。


斉藤一の元に、綺麗な緑の銀杏の隙間から一瞬だけ陽の光が届いた。


斉藤一は、沖田総司と子供達を一瞥すると、綺麗な緑の銀杏を普通の表情で見た。


時は遡る。


ここは、京の町。


心地良い日が続いている。


綺麗な緑の紅葉の葉が、たくさん茂っている。

綺麗な緑の銀杏の葉も、たくさん茂っている。


ここは、或る場所。


綺麗な緑の紅葉の葉が、たくさん茂っている。

綺麗な緑の銀杏の葉も、たくさん茂っている。


沖田総司と子供達は、楽しく遊んでいる。


山南敬助は、沖田総司と子供達から少し離れた場所に、微笑んで来た。

斉藤一は、沖田総司と子供達から少し離れた場所に、普通に来た。


山南敬助は沖田総司と子供達を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司が子供達と楽しく遊んでいますね。」

斉藤一は沖田総司と子供達を見ると、山南敬助に普通に話し出す。

「総司は子供達と幾度も楽しく遊びますね。幾度も楽しく遊べる理由が分かりません。」

山南敬助は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「総司と子供達と遊ぶ姿を見ると、楽しい気持ちになりませんか？」

斉藤一は山南敬助を見ると、普通に話し出す。

「楽しい気持ちにはなりません。」

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「私は総司と子供達が遊ぶ姿を見ると、楽しい気持ちになります。」

斉藤一は山南敬助を普通の表情で見た。

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤君が楽しい気持ちになる時を教えてくれますか？」

斉藤一は山南敬助に普通に話し出す。

「刀を見る時です。」

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤君。機嫌が悪くなりましたか？」

斉藤一は山南敬助を普通の表情で見た。

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤君は機嫌が悪くないのですね。安心しました。質問の続きです。斉藤君は、刀を見る時の他に、楽しい気持ちになる時があれば教えてください。ただし、怖い内容は言わないでくださいね。」

斉藤一は山南敬助に普通に話し出す。

「山南さんにとっての怖い内容は何ですか？」

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤君に対して、失礼な内容の質問をしました。謝ります。」

斉藤一は山南敬助に普通に話し出す。

「俺は機嫌が悪く見えますか？」

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「難しい質問ですね。」

斉藤一は山南敬助を普通の表情で見た。

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤君。話の内容を変えます。」

斉藤一は山南敬助に普通の表情で軽く礼をした。

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司が羨ましいと思いませんか？」

斉藤一は山南敬助に普通に話し出す。

「思いません。」

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤君と総司は、外見も雰囲気も、全く違いますが、真の姿は、物凄く同じです。」

斉藤一は沖田総司を一瞥すると、山南敬助を普通の表情で見た。

山南敬助は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は山南敬助に普通に話し出す。

「俺と総司の物凄く同じ点は何ですか？」

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤君にも分かる時が訪れます。分かる時を楽しみに待っていてください。」

斉藤一は山南敬助を普通の表情で見た。

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「納得していない様子に見えます。」

斉藤一は山南敬助を普通の表情で見ている。

山南敬助は、沖田総司、斉藤一、子供達を微笑んで見た。

斉藤一は、山南敬助、沖田総司、子供達を普通の表情で見た。


沖田総司と子供達は、楽しく遊んでいる。


山南敬助は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「早く戻りましょう。」

斉藤一は山南敬助を見ると、普通に話し出す。

「総司と話すために来たのに、総司と話さずに戻るのですか？」

山南敬助は斉藤一に微笑んで話し出す。

「良く考えると、総司が屯所に戻ってから話しても間に合う内容でした。総司はある程度の時間が経てば戻ってきます。総司と子供達の過ごす楽しい時間を邪魔するのは悪いです。私達は先に戻りましょう。」

斉藤一は山南敬助に普通の表情で軽く礼をした。


山南敬助は微笑んで歩き出した。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は子供達と楽しく遊んでいる。


斉藤一は沖田総司を見ながら、普通の表情で呟いた。

「俺と総司が物凄く似ている。不思議だ。」


山南敬助は微笑んで歩いている。


斉藤一は僅かに早く歩き出した。


沖田総司と子供達は、楽しく遊んでいる。


斉藤一は山南敬助に普通に追い付いた。


山南敬助は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は山南敬助を普通の表情で見た。


山南敬助は微笑んで歩いた。

斉藤一は普通に歩いた。


辺りに心地良い風が吹いた。


綺麗な緑の紅葉の葉が、たくさん茂っている。

綺麗な緑の銀杏の葉も、たくさん茂っている。


時は戻る。


ここは、或る場所。


綺麗な緑の紅葉の葉が、たくさん茂っている。

綺麗な緑の銀杏の葉も、たくさん茂っている。


沖田総司と子供達は、綺麗な緑の紅葉の近くで、楽しく遊んでいる。


斉藤一は、綺麗な緑の銀杏の下に、座りながら、綺麗な緑の銀杏を普通の表情で見ている。


沖田総司の心配な様子の声が、斉藤一の横から聞こえた。

「斉藤さん。何かありましたか？」


斉藤一は横を普通の表情で見た。


沖田総司が座りながら、斉藤一を心配な様子で見ている。


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「何もない。安心しろ。総司。子供達と遊ぶ時間は終わったのか？」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「子供達は、私に斉藤さんへの挨拶を伝えた後に、元気良く帰りました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。銀杏と紅葉は、綺麗な緑色ですね。綺麗な緑色の銀杏や綺麗な緑色の紅葉を見ると、楽しい気持ちになりますね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「緑色の葉がたくさん茂る様子を見るだけだ。普通の気持ちだ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。綺麗な緑色の葉がたくさん茂る、が正しいです。斉藤さんも正しく話せば楽しい気持ちになると思います。私のように正しく話して、楽しい気持ちになりましょう。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「変わっている。」

沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。

「すいません。斉藤さんに対して、失礼な内容を話してしまいました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。

「斉藤さん。機嫌が悪く見えます。怒りましたか？」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一を心配そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「同じ内容を話している。変わっている。」

沖田総司は斉藤一を不安そうに見た。

斉藤一は綺麗な緑の銀杏を普通の表情で見た。


綺麗な緑の銀杏は、沖田総司と斉藤一を日差しから守るように、茂っている。


斉藤一は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「怒っていない。安心しろ。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「良かった！　今回も斉藤さんに変な内容を話して、斉藤さんを怒らせてしまったと思いました！　悩んで損しました！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「本当に似ているのか？」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「何が似ているのですか？」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「分からない。だから、知りたい。」

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。悩んで損したと言ったな。本当に悩めば損をしないな。」

沖田総司は斉藤一に大きな声で話し出す。

「斉藤さん！　今回は何をするのですか？！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「考え中。」

沖田総司は斉藤一を慌てて見た。


土方歳三が、沖田総司と斉藤一から少し離れた場所を、普通に歩いている。


沖田総司と斉藤一が話す姿が見えた。


土方歳三は歩きながら、沖田総司と斉藤一を見て、普通の表情で呟いた。

「総司の様子から判断すると、総司と斉藤に話しても大丈夫だな。」


土方歳三は、沖田総司と斉藤一に向かって普通に歩き出した。


沖田総司の視線に、土方歳三が沖田総司と斉藤一に向かって普通に歩く姿が見えた。


沖田総司は斉藤一を見ると、慌てて話そうとした。


斉藤一の姿が見えない。


沖田総司は辺りを慌てて見た。


土方歳三は沖田総司の傍に普通に来た。


沖田総司は土方歳三を僅かに慌てて見た。

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「斉藤の姿も見たと思ったが、斉藤は居ないな。俺の見間違いらしいな。今日は総司が一人なんだ。」

沖田総司は土方歳三に慌てて話し出す。

「斉藤さんも居ます！　一人ではありません！」

土方歳三は辺りを普通の表情で見た。


斉藤一の姿は見えない。


土方歳三は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「斉藤は居ないぞ。総司。今回も適当な内容を話したな。」

沖田総司は土方歳三に慌てた様子で話し出す。

「私は本当の内容を話しています！　斉藤さんも居ます！　子供達が帰ったので、斉藤さんと休憩を兼ねて話していました！」

土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。

「一人でも二人でも構わないから、総司は早く戻って来い。」

沖田総司は土方歳三に小さい声で話し出す。

「はい。」


土方歳三は普通に歩き出した。


沖田総司は土方歳三を複雑な表情で見た。


土方歳三の姿は見えなくなった。


沖田総司は辺りを複雑な様子で見た。


斉藤一の姿は見えない。


沖田総司は綺麗な緑の銀杏を複雑な様子で見た。


綺麗な緑の銀杏は、沖田総司を日差しから守るように茂っている。


斉藤一の普通の声が、沖田総司の横から聞こえた。

「総司。大きな銀杏の木だな。便利な銀杏の木だな。」


沖田総司は横を慌てて見た。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。


沖田総司は斉藤一に怪訝そうに話し出す。

「斉藤さん。まさかとは思いますが、土方さんが訪れる状況を知っていて、斉藤さんは土方さんが訪れる直前に隠れた、という状況ではないですよね？」

斉藤一は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「偶然だ。」

沖田総司は斉藤一に恐る恐る話し出す。

「斉藤さん。何もしませんよね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「面白い内容の展開を思い付いた。直ぐに帰る。」

沖田総司は斉藤一に慌てて話し出す。

「斉藤さん！　今回は何を思い付いたのですか？！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を動揺して見た。


斉藤一は普通に歩き出した。

沖田総司は落ち着かない様子で歩き出した。


沖田総司は斉藤一に落ち着かない様子で話し出す。

「斉藤さん！　なぜ黙っているのですか？！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。考えがまとまらない。少しだけで良いから黙っていてくれ。」

沖田総司は斉藤一に気が気でない様子で話し出す。

「斉藤さんの考えがまとまらないように話し続けます！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を落ち着かない様子で見た。


斉藤一は歩調を速めて歩き出した。

沖田総司は斉藤一を見ながら、歩調を速めて歩き出した。


斉藤一の姿は見えなくなった。

沖田総司の姿も見えなくなった。


辺りは静けさに包まれた。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は、以前に別な場所で掲載した同題名の物語を、ＨＰ掲載のために改訂し、更に改訂しました。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

「新撰組異聞　短編　雪見の想い出」の物語の中で、山南敬助さんが斉藤一さんに以前と変わったという内容を話す場面があります。

山南敬助さんが、斉藤一さんが変わったと感じる少し前か、斉藤一さんが変わってきたと感じる頃の、物語を書きたいと思いました。

斉藤一さんは、余り話さないという証言などがあるそうです。

そのような斉藤一さんですが、山南敬助さんならば、沖田総司さんと親しい証言などがあるので、話す機会が増えると考えて物語を書きました。

当初の物語の斉藤一さんは、少しきつい印象になるように物語を書きましたが、改訂する時に、斉藤一さんの会話や雰囲気を少し押さえて書きました。

そのため、この物語の斉藤一さんの雰囲気が、他の物語の斉藤一さんと余り差が無いように感じると思います。

山南敬助さんは、緑色の葉を繁らせる木々、日差し、などのイメージがあります。

そこから、緑色の葉が茂る頃の設定で書きました。

斉藤一さんが刀を見る時の他に楽しいと思う事は、山南敬助さんと斉藤一さんの会話に続きがあった場合の会話の展開は、皆様のご想像にお任せいたします。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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