このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

新撰組異聞 〜 思いのままのその後に 〜


〜 第四版 〜


今は春。


沖田総司と少女と思いのままを巡る出来事から少し後の事。


ここは、京の町。


暦では春になるが、少し寒い日が続いている。


ここは、思いのままの咲く場所。


沖田総司と少女は、思いのままの傍で楽しそうに話している。


土方歳三と斉藤一は、沖田総司と少女から少し離れた場所で、隠れて様子を見ている。


沖田総司と少女は、土方歳三と斉藤一の存在に気付いていない。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「紅梅と白梅が一緒に咲く思いのままは、何度も見ても不思議で珍しい梅に思うんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。思いのままは好き?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私も思いのままは好きだよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司も少女を微笑んで見た。

少女は思いのままを微笑んで見た。

沖田総司は少女と思いのままを微笑んで見た。


土方歳三は沖田総司と少女を見ながら、斉藤一に呆れた様子で話し出す。

「総司らしいといえば総司らしいが、二人は本当に進展がないな。」

斉藤一は沖田総司と少女を見ながら、土方歳三に普通に話し出す。

「総司に期待するのは無駄です。土方さんと総司では、余りに違い過ぎます。」

土方歳三は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「斉藤の言う通りだが、あの子を見ていると可哀想に思う時が何度もあるんだ。」

斉藤一は土方歳三を見ると、普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司と少女を見ると、斉藤一に呆れた様子で話し出す。

「なぜ総司は抜刀する時のように素早く出来ないのかな。刀を持った時の鋭さがあれば、かなり進展するのに。」

斉藤一は沖田総司と少女を見ながら、土方歳三に普通に話し出す。

「土方さんと総司では、余りに違い過ぎます。総司に期待するのは無駄です。」

土方歳三は沖田総司と少女を見ながら、斉藤一に感心した様子で話し出す。

「話しは変わるが、あの時の斉藤は本当に凄かった。あれだけの行動をしておけば、あの時にこの場所を通った隊士達は他言が出来ないな。」

斉藤一は土方歳三を見ると、普通に話し出す。

「土方さん。俺は何もしていません。」

土方歳三は沖田総司と少女を見ながら、斉藤一に悔しがって話し出す。

「総司があの子に話し掛けずに黙って見ている。俺ならば間髪を容れずに話すぞ。」

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

土方歳三は沖田総司と少女を見ながら、悔しそうに話し出す。

「良い雰囲気になっているのに、総司はなぜ話し掛けないのかな? いや待てよ。この雰囲気だと、話し掛けるより抱いた方が良いな。」

斉藤一は土方歳三を見ると、普通に話し出す。

「土方さん。遠くから様子を見て俺に悔しがって話すのならば、総司に直に話した方が良いと思います。」

土方歳三は沖田総司と少女を見ながら、斉藤一に普通に話し出す。

「総司にこのような内容の話をすると大騒ぎになる。総司には黙っていた方が良いんだ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「なぜ俺を巻き込むのですか?」

土方歳三は斉藤一を一瞥すると、沖田総司と少女を見て普通に話し出す。

「斉藤と総司が似ているのが理由だよ。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「斉藤と総司は良く似ているぞ。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「さすがの斉藤も自分については気付かないか。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「以上のような状況から、当分の間よろしく頼むな。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「今日は総司と外で会う約束をしています。少し経つと、総司とあの子が近くを通ります。姿を見られると面倒なので、そろそろこの場所から去らせてください。」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。今日は何人の人物がこの場所を通る予定なんだ?」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「四人だと思います。」

土方歳三は楽しそうな様子で考え込んだ。

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さん。楽しそうですね。」

土方歳三は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「とても楽しいよ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「いつまで続ける気ですか?」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「当面の予定としては、飽きるまでだな。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「さて、今日はどうしようかな?」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。今回もよろしく頼むな。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さんは他人の心配をするより、先に心配しなければならない出来事がいろいろありますね。この前の女性は、以前の女性とは別な女性ですよね。詳細な関係をぜひ知りたいです。」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「俺は普通に過ごしているから、他人の心配をしても大丈夫なんだ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さんは、気付き過ぎて、早過ぎます。総司は、物凄く気付かなくて、遅過ぎます。二人共に困った事態になると俺を頼ります。土方さんと総司は、付き合う状況については極端過ぎです。ある意味になりますが、似ていますね。」

土方歳三は斉藤一を苦笑しながら見た。

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さん。話は終わったと判断して良いですか?」

土方歳三は斉藤一に感心した様子で話し出す。

「斉藤。やはり恐ろしいな。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は沖田総司と少女を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「思いのまま、か。」

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一を見ると、普通に話し出す。

「後で頼みたい内容がある。俺の部屋に来てくれ。」

斉藤一は土方歳三を見ると、普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に普通の表情で頷いた。


斉藤一は普通に去って行った。


土方歳三は斉藤一の姿が見えなくなった後に、普通に去って行った。


沖田総司と少女は、思いのままの傍で楽しそうに話している。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。そろそろ時間なんだ。送っていくよ。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんを送った後に、斉藤さんと出掛ける予定なんだ。」

少女は沖田総司を寂しそうな表情で見た。

沖田総司は少女に心配そうに話しだす。

「鈴ちゃん。何か遭ったの?」

少女は沖田総司に寂しそうに話し出す。

「総司さん。もう少しだけ一緒に居ても良いですか?」

沖田総司は少女を心配そうに見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「すいません。我がままを言ってしまいました。総司さん。今日もよろしくお願いします。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「長くは無理だけど、少しだけなら一緒に居られるよ。帰り道に綺麗な梅の木が在ったら一緒に見ようね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司と少女は、土方歳三と斉藤一が先程まで居た場所を、楽しそうに話しながら通り過ぎていった。


それから暫く後の事。


ここは、たくさんの梅の花が咲く場所。


思いのままの傍。


斉藤一は普通に居る


沖田総司は斉藤一の前に笑顔で走ってきた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「遅くなりました!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は思いのままを見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「この場所にも思いのままが在ったのですね。気付きませんでした。」

斉藤一は思いのままを普通の表情で見た。

沖田総司は思いのままを見ながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。思いのままと言う名前は、良い名前ですよね。」

斉藤一は沖田総司を見ると、普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を見ると、笑顔で話し出す。

「斉藤さんも同じように感じるのですね! 嬉しいです!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 近い内に、私と斉藤さんと鈴ちゃんの三人で、思いのままを一緒に見に行きませんか?!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「二人だけで思いのままを見たいと思わないのか?」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「先日の出来事になりますが、斉藤さんと鈴ちゃんが会いましたよね。鈴ちゃんは斉藤さんと話が出来てとても嬉しかったと話していました。鈴ちゃんは斉藤さんとたくさん話したいそうです。三人で出掛けたら、三人共に楽しい時間が過ごせるはずです。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺とあの子が一緒に話す姿を見ても平気なのか?」

沖田総司は斉藤一に強い調子で話し出す。

「斉藤さん! 鈴ちゃんには名前があります! しかも、私の大切な友達です! あの子という言い方は止めてください! 鈴ちゃんに失礼です!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を不機嫌そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。悪かった。話は戻るが、総司は、俺と美鈴さんが話す姿を見ても平気なのか?」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「私にとって、斉藤さんも鈴ちゃんも大切な友達です。鈴ちゃんも斉藤さんを優しい人だと話していました。鈴ちゃんは本当に優しくて良い子です。斉藤さんにも鈴ちゃんの良いところを早く知って欲しいです。後は、最近は忙しさを感じる時が増えてきて、鈴ちゃんを待たせそうになる回数が増えてきました。鈴ちゃんに申し訳なさや心配に思う回数が増えると思います。斉藤さんならば、鈴ちゃんを安心して任せられます。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。土方さんが、総司はなぜ刀を抜くように素早く出来ないのか、と話していたぞ。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「斉藤さんの話しの意味が分かりません。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に怪訝そうに話し出す。

「まさかとは思いますが、土方さんと斉藤さんの二人で、何か企んでいませんか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司と俺と美鈴さんで出掛けるのは、俺は構わない。総司が美鈴さんと会った時に予定の確認をしろ。」

沖田総司は斉藤一に怪訝そうに話し出す。

「斉藤さん。やはり何か企んでいますね?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司には俺が何か企んでいるように見えるのか? 話は変わるか、美鈴さんに早く予定の確認をしなくて良いのか?」

沖田総司は斉藤一を怪訝そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。土方さんの気分が良い状態がずっと続くように祈った方が良いな。」

沖田総司は斉藤一に怪訝そうに話し出す。

「斉藤さん。今の話しの意味も分かりません。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「言った通りだ。」

沖田総司は斉藤一を怪訝そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。どうでも良い内容で悩むな。早く美鈴さんに会って、約束を決めろ。」

沖田総司は斉藤一を怪訝そうに見ている。

斉藤一は沖田総司の肩を掴むと、反対側を向かせた。

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見ている。

斉藤一は沖田総司の背中を少し強めに押した。


沖田総司は斉藤一に背中を押された勢いで、勢い良く前に出た。


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「早く行け。」


沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんの家に出掛ける前に、確認しなければならない内容を思い出しました。斉藤さんの都合の悪い日を教えてください。」


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「ない。」


沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「分かりました! 詳しい話は屯所でしましょう!」


斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は笑顔で走りながら去っていった。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司の姿は見えなくなった。


藤一は思いのままを一瞥すると、前を見て普通に歩き出した。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は以前に別な場所で掲載をしていた同じ題名の物語を加筆訂正して、HPに掲載しました。

今回は更に改訂して掲載した物語を更に改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承ください。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

この物語は「新撰組異聞 短編 思いのまま」の後日談です。

物語の時間設定は、「新撰組異聞 短編 思いのまま」に登場する“思いのまま”が咲く間の物語です。

土方歳三さんと斉藤一さんの二人の物語が書きたくて考えました。

普段の土方歳三さんと斉藤一さんだと、仕事関係の会話が中心になる雰囲気なので、仕事関係以外の会話をしそうな時を想像して書きました。

沖田総司さんの恋愛を温かく見守っている雰囲気の土方歳三さんと斉藤一さんですが、土方歳三さんに巻き込まれている状態に近い斉藤一さんです。

土方歳三さんと斉藤一さんは、一人でも怖いのに、二人揃ったらどのような出来事が起きるかと想像すると、少し怖い感じもします。

史実の沖田総司さんの恋愛には、いろいろな逸話が伝わっています。

史実の沖田総司さんの恋愛は、近藤勇さんや土方歳三さんが関係していろいろな出来事が遭ったために成就していないようです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前            目次            次→


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください