新撰組異聞　〜　竹林にて　〜


〜　第三版　〜


ここは、京の町。


竹林。


沖田総司は微笑んで来た。

原田左之助も微笑んで来た。


沖田総司は原田左之助に微笑んで話し出す。

「立派な竹林ですね。さすが京の町。雅ですね。」

原田左之助は沖田総司に笑顔で頷いた。

沖田総司は原田左之助に微笑んで話し出す。

「雅で美味しい筍が食べられますよね。物凄く楽しみです。さすが京の町。雅ですね。」

原田左之助は沖田総司に笑顔で頷いた。

沖田総司は原田左之助を微笑んで見た。


沖田総司は楽しそうに歩き出した。

原田左之助も楽しそうに歩き出した。


風が吹いた。


風で笹の葉が重なる音が聞こえた。


沖田総司は立ち止まると、竹林を笑顔で見た。

原田左之助も立ち止まると、竹林を笑顔で見た。


風で笹の葉の重なる音だけが、竹林の中に聞こえる。


沖田総司は原田左之助を見ると、微笑んで話し出す。

「さすが京の町。雅ですね。」

原田左之助は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「笹の葉の重なる音が雅だから、筍の味も雅だよな。筍を食べる日が待ち遠しいな。」

沖田総司は原田左之助に微笑んで話し出す。

「はい。」

原田左之助は沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司も原田左之助を笑顔で見た。

原田左之助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。静かで落ち着いた所は、一見すると、俺達以外は居ないように見えるが、実は誰か居る、という状況があるよな。」

沖田総司は原田左之助に苦笑しながら話し出す。

「原田さん。今の内容を話すと、本当に誰か居て、慌てる状況になりますよ。」

原田左之助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。辺りは静かだ。俺達以外の誰かが居るように思えない。」

沖田総司は原田左之助を苦笑しながら見た。

原田左之助は辺りを微笑んで見た。

沖田総司は原田左之助を微笑んで見た。

原田左之助は驚いた表情で視線を止めた。

沖田総司は原田左之助に不思議そうに話し出す。

「原田さん。何かありましたか？」

原田左之助は驚いた表情のまま、前を指差した。

沖田総司は前を不思議そうに見た。

原田左之助は前を指すのを止めると、沖田総司を困惑した様子で見た。

沖田総司は原田左之助を見ると、慌てた様子で、小さい声で話し出す。

「原田さん。なぜ近藤さんが竹林に居るのですか？　私達から近藤さんが見える状況は、近藤さんからも私達が見える状況になります。近くに隠れる場所はありませんか？」

原田左之助は慌てた様子で辺りを見た。

沖田総司も慌てた様子で辺りを見た。


沖田総司と原田左之助の近くに、段差になっている場所がある。


原田左之助は沖田総司を見ると、小さい声で話し出す。

「総司。近くに段差が在る。隠れるぞ。」

沖田総司は原田左之助を見ると、小さい声で話し出す。

「はい。」


原田左之助は走り出した。

沖田総司も走り出した。


その直後の事。


ここは、竹林に在る段差。


沖田総司は段差に素早く隠れた。

原田左之助も素早く段差に隠れた。


沖田総司と原田左之助からは、近藤勇が見えるが、近藤勇からは、沖田総司と原田左之助が見えない可能性が高くなった。


沖田総司は近藤勇を緊張した様子で見た。

原田左之助も近藤勇を緊張した様子で見た。


近藤勇は見知らぬ綺麗な女性と親しげに話している。


沖田総司は原田左之助を見ると、小さい声で話し出す。

「原田さん。近藤さんに見付かる前に早く逃げましょう。」

原田左之助は沖田総司を見ると、興味津々の様子で、小さい声で話し出す。

「総司。近藤さんと一緒に居る綺麗な女性を知っているか？」

沖田総司は落ち着かない様子で、原田左之助に小さい声で話し出す。

「私は初めて見る女性です。原田さん。早く逃げましょう。」

原田左之助は興味津々の様子で、沖田総司に小さい声で話し出す。

「総司。近藤さんは以前に見た綺麗な女性と、今は会っていないのかな？」

沖田総司は落ち着かない様子で、原田左之助に小さい声で話し出す。

「以前は二人で居る姿を何度も見ましたが、最近は二人で居る姿を見ていません。」

原田左之助は納得した様子で、沖田総司に小さい声で話し出す。

「俺も総司と同じだ。」

沖田総司は落ち着かない様子で、原田左之助に小さい声で話し出す。

「原田さん。別な場所で話の続きをしましょう。早く逃げましょう。」

原田左之助は近藤勇と綺麗な場所を興味津々の様子で見た。

沖田総司は原田左之助を落ち着かない様子で見た。


斉藤一の普通の声が、沖田総司と原田左之助の後ろから聞こえた。

「何をしている？」


沖田総司は驚いた様子で後ろを見た。

原田左之助は恐る恐る後ろを見た。


斉藤一は沖田総司と原田左之助を普通の表情で見ている。


沖田総司は安心した様子で、斉藤一に小さい声で話し出す。

「斉藤さん。驚かせないでください。」

原田左之助は斉藤一を見ながら、軽く息をはいた。


斉藤一は沖田総司と原田左之助を普通の表情で見た。


原田左之助は斉藤一に小さい声で話し出す。

「斉藤。早く隠れてくれ。」

沖田総司は斉藤一に小さい声で話し出す。

「斉藤さん。原田さんの言う通り、早く隠れてください。」


斉藤一は沖田総司の横に普通に来た。


沖田総司は斉藤一に小さい声で話し出す。

「斉藤さん。何をしているのですか？」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺の質問に先に答えろ。」

原田左之助は前を指すと、斉藤一に小さい声で話し出す。

「近藤さんが綺麗な女性と一緒に居るんだ。俺と総司は、初めて見る女性なんだ。」

斉藤一は近藤勇と綺麗な女性を一瞥すると、沖田総司に普通の表情で囁いた。

「総司。どうでも良い内容で俺を引き止めるな。」

沖田総司は斉藤一を困惑した様子で見た。

原田左之助は斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は原田左之助に普通に話し出す。

「急いでいるので失礼します。」

沖田総司は斉藤一を不安そうに見た。

原田左之助は沖田総司と斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司と原田左之助に普通に話し出す。

「言い忘れていたが、早くこの場所から去った方が良いぞ。」

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。

原田左之助も斉藤一を不思議そうに見た。


斉藤一は普通に居なくなった。


原田左之助は近藤勇と綺麗な女性を興味津々の様子で見た。

沖田総司は近藤勇と綺麗な女性を落ち着かない様子で見た。


土方歳三の不思議そうな声が、沖田総司と原田左之助の後ろから聞こえた。

「二人で何をしているんだ？」


沖田総司は後ろを驚いた表情で見た。

原田左之助は近藤勇と綺麗な女性を見ながら、興味津々の様子で、土方歳三に小さい声で話し出す。

「近藤さんと綺麗な・・・」

沖田総司は後ろを見ながら、原田左之助の話しを止めるように、原田左之助の腕を掴んだ。

原田左之助は話しを止めると、後ろを驚いた表情で見た。

沖田総司は後ろを見ながら、原田左之助の腕を困惑した様子で放した。


土方歳三は沖田総司と原田左之助を普通の表情で見ている。


土方歳三は沖田総司と原田左之助に普通に話し出す。

「総司と左之助が見ている先に誰か居るのか？」

原田左之助は土方歳三を困惑した様子で見た。

沖田総司も土方歳三を困惑した様子で見た。

土方歳三は沖田総司と原田左之助を不思議そうに見た。


近藤勇が普通に現れた。


沖田総司は近藤勇を驚いた表情で見た。

原田左之助も近藤勇を驚いた表情で見た。

土方歳三は近藤勇を普通の表情で見た。

近藤勇は沖田総司と原田左之助に不思議そうに話し出す。

「総司。左之助。何をしているんだ？」

沖田総司は近藤勇と土方歳三を困惑した様子で見た。

原田左之助は近藤勇と土方歳三を苦笑しながら見た。


斉藤一が普通に現れた。


斉藤一は近藤勇と土方歳三に話し出す。

「遅くなりました。」

近藤勇は斉藤一に普通の表情で頷いた。

土方歳三も斉藤一に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に助けを求めるように話し出す。

「斉藤さん！」

原田左之助も斉藤一に助けを求めるように話し出す。

「斉藤！」

斉藤一は沖田総司と原田左之助を普通の表情で見た。

原田左之助は近藤勇に助けを求めるように話し出す。

「近藤さん！　少し前まで、斉藤も居たんです！」

近藤勇は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「斉藤。総司や左之助とこの場所に居たのか？」

斉藤一は近藤勇に普通に話し出す。

「原田さんの話の意味が分かりません。」

沖田総司は斉藤一に助けを求めるように話し出す。

「斉藤さん！　先程まで私と原田さんと居ましたよね！　なぜ原田さんの話す意味が分からないのですか？！」

土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。総司も原田と同じ話をしているぞ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「総司の話の意味も分かりません。」

土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。少し遅れて来たな。何か遭ったのか？」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「任務の関係で少し遅れました。」

近藤勇は、沖田総司、斉藤一、原田左之助を普通の表情で見た。

斉藤一は近藤勇を普通の表情で見た。

沖田総司は助けを求めるように、近藤勇を見た。

原田左之助も助けを求めるように、近藤勇を見た。

近藤勇は沖田総司と原田左之助に呆れた様子で話し出す。

「総司。左之助。斉藤が総司と左之助と先程まで居たのならば、斉藤が私と歳の前に現れた行程と方法を説明しなさい。」

沖田総司は近藤勇を困惑した様子で見た。

原田左之助も近藤勇を困惑した様子で見た。

近藤勇は沖田総司と原田左之助に普通に話し出す。

「総司。左之助。私と歳と斉藤は、出掛ける。総司と左之助は、先に屯所に戻るように。私が戻ったら、二人で部屋に来てくれ。部屋でゆっくりと話しを聞かせてくれ。」

原田左之助は近藤勇に小さい声で話し出す。

「はい。」

沖田総司も近藤勇に小さい声で話し出す。

「はい。」

近藤勇は沖田総司と原田左之助に普通の表情で頷いた。

沖田総司は軽く息をはいた。

原田左之助も軽く息いた。

近藤勇は土方歳三と斉藤一に普通に話し出す。

「歳。斉藤。行くぞ。」

土方歳三は近藤勇に普通の表情で頷いた。

斉藤一も近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。


近藤勇は普通に歩き出した。

土方歳三も普通に歩き出した。

斉藤一も普通に歩き出した。


沖田総司は、近藤勇、土方歳三、斉藤一を、諦めた様子で見た。

原田左之助も、近藤勇、土方歳三、斉藤一を、諦めた様子で見た。


近藤勇、土方歳三、斉藤一は、見えなくなった。


沖田総司は原田左之助を見ると、ため息を付きながら話し出す。

「斉藤さんがこの場所から短時間で居なくなったのは、近藤さんと土方さんが、この場所に来るのを知っていたからなのですね。斉藤さんは私達に忠告をしてくれたのですね。」

原田左之助は沖田総司を見ると、ため息を付きながら頷いた。

沖田総司は原田左之助を見ながら、ため息を付いた。

原田左之助は沖田総司にため息を付きながら話し出す。

「斉藤はどのような方法で再び現れたのかな？」

沖田総司は原田左之助に不思議そうに話し出す。

「近くで人が隠れられる場所は、私達の居る段差ですよね。斉藤さんは再び現れるまで、何処に居たのでしょうか？」

原田左之助は沖田総司に考え込みながら話し出す。

「分からない。」

沖田総司は原田左之助を不思議そうに見た。

原田左之助は沖田総司に不思議そうに話し出す。

「斉藤は謎が多い人物だな。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに頷いた。

原田左之助は沖田総司にため息を付きながら話し出す。

「総司。帰ろう。」

沖田総司は原田左之助に心配そうに話し出す。

「近藤さんが帰ってきたら、怖い出来事が起きるように感じます。」

原田左之助は沖田総司にため息を付きながら話し出す。

「総司。考えるのは止めよう。」

沖田総司は原田左之助にため息を付きながら話し出す。

「はい。」

原田左之助はため息を付きながら、沖田総司を見た。


沖田総司はため息を付きながら、歩き出した。

原田左之助もため息を付きながら、歩き出した。


風が吹いた。


笹の葉の重なる音が聞こえる。


竹林の中で聞こえる音は、笹の葉の重なる音、沖田総司の足音、原田左之助の足音になる。


沖田総司は竹林の中に静かに溶け込んだ。

原田左之助は竹林の中に静かに溶け込んだ。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は、以前に別な場所で掲載していた物語を、ＨＰ掲載用に改訂し、更に改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのを止めました。

以上の点、ご了承願いします。

ここからは、改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

沖田総司さんと原田左之助さんが、近藤勇さんの恋愛関係らしい場面を見ます。

近藤勇さんは、正妻の「つね」さんが多摩に居ましたが、いろいろな方と付き合っていました。

別な物語で、近藤勇さんが付き合っている人が登場します。

正妻がいるのに、他の女性と付き合う、と感じる方がいると思います。

当時の裕福な人や身分のある人が、正妻以外の女性と付き合う事は、当然の事と考えていました。

近藤勇さんから竹をイメージしました。

近藤勇さんと空へと向かって伸びるような竹が重なりました。

今回の物語は、竹林を舞台にして書きました。

沖田総司さんと原田左之助さんは、近藤勇さん、土方歳三さん、斉藤一さんという怖い三人に見付かってしまいました。

この後に何が起きたかについては、皆様で想像してみてください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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