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新撰組異聞 〜 初夢 〜
〜 第三版 〜
今は新年を迎えている。
ここは、京の町。
寒い日が続いている。
今日は珍しく朝から暖かい日になっている。
新年の行事で忙しい京の町の住人には、過ごしやすい日になっている。
ここは、屯所。
危険な気配を感じないため、落ち着いた雰囲気になっている。
穏やかな時間が流れている。
沖田総司の部屋。
縁の傍。
障子は開いている。
暖かい日差しが差している。
沖田総司は気持ち良く眠っている。
暖かい空気が沖田総司を包み始めた。
沖田総司には聞き慣れない少年の声が、沖田総司に穏やかに話し掛けた。
「沖田さん。起きてください。」
沖田総司はゆっくりと目を開けた。
沖田総司には見慣れない少年が居る。
少年は沖田総司を笑顔で見ている。
沖田総司は体を起こすと、辺りを不思議な様子で見た。
ここは、広い草原。
大きな木の下。
暖かい春の日差しが差している。
暖かく穏やかな空気に包まれている。
少年は沖田総司を微笑んで見ている。
沖田総司は少年を見ると、少年に不思議な様子で話し出す。
「貴方は誰ですか? 私が居る場所は何処ですか?」
少年は沖田総司に微笑んで話し出す。
「初めまして。私は“森成利”と申します。沖田さんと私が居る場所は、沖田さんの夢の中です。」
少年の名前は、“森成利”になる。
沖田総司が居る場所は、沖田総司の夢の中になる。
沖田総司は森成利に不思議な様子で話し出す。
「私は私の夢の中に居るのですか?」
森成利は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は森成利に不思議な様子で話し出す。
「以前に、何処かで会いましたか?」
森成利は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんと私は、初めて会いました。」
沖田総司は森成利を不思議な様子で見た。
森成利は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私を“森蘭丸”の名前で呼ぶ方が、幾人もいます。“森蘭丸”の名前を聞いた時があるかも知れません。」
沖田総司は森成利に不思議な様子で話し出す。
「森蘭丸さん?」
森成利は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は森成利を不思議な様子で見た。
森成利は沖田総司に苦笑して話し出す。
「私の幼名は、“森乱丸”です。私は、“本能寺の変”の時には、“森成利”と名乗っていました。詳しい経緯は分かりませんが、後の方達は、私を“森蘭丸”の文字と名前で呼び始めました。“森蘭丸”は、私の幼名を艶やかな花の名前に置き換えています。私を“森蘭丸”の名前のみで知る方が、私を見た時に困る時があります。」
沖田総司は森成利に微笑んで話し出す。
「私の知る名前も“森蘭丸”です。差し支えなければ、森蘭丸さんと呼んでも良いですか?」
森成利は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は森成利を微笑んで見た。
森成利も沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は、“森成利”から“森蘭丸”と呼ぶ了承を得た。
森蘭丸は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんもいろいろと大変ですね。」
沖田総司は森蘭丸を不思議な様子で見た。
森蘭丸は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんの時代には、写真と呼ぶ物があります。沖田さんの都合の良い時に、写真を撮ると良いと思います。」
沖田総司は森蘭丸に不思議な様子で話し出す。
「私が写真を撮ってもらうのですか?」
森蘭丸は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は森蘭丸を不思議な様子で見た。
遠くから、馬の嘶きが聞こえた。
森蘭丸は馬の嘶きの聞こえた方向を微笑んで見た。
沖田総司は馬の嘶きの聞こえた方向を不思議な様子で見た。
遠くから、沖田総司には聞き慣れない男性の大きな声が聞こえた。
「成利〜! 戻ってこい〜!」
森蘭丸は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さん。戻る時間になりました。」
沖田総司は森蘭丸を見ると、森蘭丸に微笑んで話し出す。
「逢えて嬉しかったです。話す時間が短くて残念です。森蘭丸さんと再び話せる日を楽しみに待っています。」
森蘭丸は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私も沖田さんと話す時間が短くて残念です。私も沖田さんと再び話せる日を楽しみに待っています。」
沖田総司は森蘭丸を微笑んで見た。
森蘭丸は沖田総司に微笑んで軽く礼をした。
沖田総司も森蘭丸に微笑んで軽く礼をした。
森蘭丸は微笑んで立ち上がった。
森蘭丸は微笑んで走り出した。
暖かい春の日差しが森蘭丸に差している。
沖田総司は森蘭丸を微笑んで見た。
森蘭丸は走りながら、静かに居なくなった。
沖田総司は辺りを不思議な様子で見た。
森蘭丸の姿は見えない。
春の暖かい日差しは辺りを差し続けている。
沖田総司は微笑んで寝転んだ。
沖田総司は横になり、微笑んで気持ち良くゆっくりと目を閉じた。
斉藤一の普通の声が、沖田総司の傍から聞こえた。
「総司。風邪をひくぞ。」
沖田総司は微笑んでゆっくりと目を開けた。
土方歳三が居る。
斉藤一も居る。
土方歳三は沖田総司を不思議な様子で見ている。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は不思議な様子で起きた。
土方歳三は沖田総司を不思議な様子で見ている。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は土方歳三と斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「土方さん。斉藤さん。何かありましたか?」
土方歳三は沖田総司に呆れた様子で話し出す。
「今日は暖かい日だが、今の時期は寒い日が続く。急に寒くなる可能性がある。障子を開けて、縁の傍で寝ていたら、風邪をひく可能性があるぞ。」
沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。
「今日は朝から暖かいです。寒くなる気配がありません。大丈夫です。」
土方歳三は沖田総司に呆れた様子で話し出す。
「朝から暖かく、寒くなる気配は無かったとしても、急に寒くならない保障は無い。」
沖田総司は土方歳三を苦笑して見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「夢を見ました。少し早い初夢になりますね。」
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。初夢の内容は何だ?」
沖田総司は土方歳三と斉藤一に考え込んで話し出す。
「初夢の内容を全く覚えていません。」
土方歳三は沖田総司を呆れた表情で見た。
沖田総司は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「話題を変えます。写真を撮って欲しいです。」
土方歳三は沖田総司に不思議な様子で話し出す。
「写真?」
沖田総司は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「はい。」
土方歳三は斉藤一を不思議な様子で見た。
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「土方さん。斉藤さん。写真を撮って欲しいと思いませんか?」
土方歳三は沖田総司を見ると、沖田総司に不思議な様子で話し出す。
「興味は有るが、今は写真を撮って欲しいと思わない。」
斉藤一は沖田総司を見ると、沖田総司に普通に話し出す。
「無い。」
沖田総司は土方歳三と斉藤一に笑顔で話し出す。
「土方さんの写る写真を見たいです! 土方さんの写る写真を見て喜ぶ人達は多いと思います! 写真を撮ってもらうと良いと思います!」
土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司の話を聞いて、写真を撮って欲しいと思った。機会があれば、写真を撮ってもらう。」
沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。俺が写真を撮る時に一緒に撮ってもらおう。」
斉藤一は土方歳三を見ると、土方歳三に普通に話し出す。
「遠慮します。」
沖田総司は土方歳三と斉藤一に笑顔で話し出す。
「私も写真を撮ってもらいたいです! 写真を撮る時は誘ってください!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「私は何か変な内容を話しましたか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。土方さんと二人のみで写真に写りたいのか。勇気があるな。」
土方歳三は沖田総司と斉藤一を苦笑して見た。
沖田総司は土方歳三と斉藤一を不思議な様子で見た。
土方歳三は斉藤一に苦笑して話し出す。
「斉藤に頼み事がある。斉藤の姿を見付けたので、斉藤に頼み事を話すために声を掛けた。総司の不思議な内容の話のために、斉藤に詳しい内容を話すのを忘れていた。」
斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。
「斉藤。気持ちを切り替えて話したい。俺の部屋に来てくれ。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は土方歳三と斉藤一を不思議な様子で見た。
土方歳三は普通に歩き出した。
斉藤一は普通に歩き出した。
沖田総司は土方歳三と斉藤一を不思議な様子で見た。
沖田総司は慌てて歩き出した。
沖田総司は土方歳三と斉藤一の傍に来た。
土方歳三は沖田総司を普通の表情で見た。
斉藤一も沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三に確認する様子で話し出す。
「土方さん。返事を教えてください。」
土方歳三は斉藤一を見ると、斉藤一に普通に話し出す。
「斉藤。総司を黙らせろ。俺の部屋に来るのは、総司を黙らせた後で良い。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は土方歳三と斉藤一に拗ねて話し出す。
「分かりました〜 返事はしなくて良いです〜 土方さんも斉藤さんも冷たいです〜」
土方歳三は沖田総司を僅かに呆れて見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三と斉藤一を拗ねた様子で見た。
暖かい日差しが、土方歳三、沖田総司、斉藤一を、優しく包んだ。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は以前に別な場所で掲載していた物語を、HPに掲載するため加筆訂正して、更に改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して再改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
「初夢」が関係する展開のため、不思議だけど長閑な雰囲気になるように書きました。
長閑な日があったら良いなと考えて、物語を書きました。
この物語には、新撰組隊士ではありませんが、「森蘭丸」が登場します。
「森蘭丸」の幼名は、「蘭丸」ではなく、「乱丸」、「乱法師」、などと資料に書いてある事が多いそうです。
そのため、「蘭丸」は後から広まった名前とする説があります。
「森蘭丸」の「諱(いみな)」は、「森長定」、「森長康」、「森成利」、のどれかのようです。
「本能寺の変」の時には、「森長定」、「森長康」、「森成利」、のどれかを名乗っていた事になります。
ドラマや小説の中では、「森蘭丸」の字、「もりらんまる」と呼ぶ、事が多いです。
「蘭丸」の文字で「らんまる」と呼ぶ理由が、幼名の頃から仕えている、幼い頃から仕えて成長して元服したけれど仕える主人や年上の親族が幼名で呼ぶ設定、若さや幼さを強調する設定、他に意図がある、いろいろな理由が考えられますが、詳細は分かりません。
この物語では、「森蘭丸」、「森乱丸」、「森成利」、の名前を使用しました。
この物語の森蘭丸は、明るい雰囲気です。
森蘭丸と沖田総司さんは、様々に想像する事が多い人物です。
土方歳三さんの写真は有名です。
土方歳三さんの写真をご存知の方も多いと思います。
新撰組と写真を合わせて連想すると、土方歳三さんの写真を想像する方が多いと思います。
土方歳三さんが現在に残る写真を撮影した場所は、函館と伝わっています。
土方歳三さんが函館で写真を撮影した時期は、この物語の時間設定より後の事になります。
「初夢(はつゆめ)」です。
「元々は、大晦日、元旦、正月二日、節分などに見る夢」です。
現在、一般的には、「正月二日の夜の夢」をさします。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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