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新撰組異聞 〜 雪花 〜


〜 第三版 〜


今は冬。


ここは、京の町。


寒い日が続いている。


今日は朝から寒さが続いている。


ここは、一軒の家。


一室。


山南敬助、沖田総司、斉藤一、藤堂平助、家の主人達、他の客が居る。


部屋の中は和やかな雰囲気に包まれている。


沖田総司は斉藤一に小さな声で話し出す。

「斉藤さん。一緒に外に出ませんか?」

斉藤一は沖田総司を一瞥すると、部屋の中を普通の表情で見た。


部屋の中は和やかな雰囲気が続いている。


斉藤一は沖田総司を見ると、普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。


沖田総司は静かに部屋を出て行った。

斉藤一も静かに部屋を出て行った。


それから僅かに後の事。


ここは、庭。


寒椿が綺麗な姿で咲いている。


沖田総司は微笑んで来た。

斉藤一は普通に来た。


斉藤一は庭を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。寒くないですか?」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は空を微笑んで見た。

斉藤一は空を普通の表情で見た。


灰色の空が広がっている。


沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「斉藤さん。天気が良くないですね。」

斉藤一は沖田総司を見ると、普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。


沖田総司の目の前を白い物がゆっくりと落ちていった。


沖田総司は空を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司と空を普通の表情で見た。


空から雪がゆっくりと舞い落ちてくる。


沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「斉藤さん。雪が降っています。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「朝から寒いはずですよね。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「雪の降る様子が綺麗に見えますね。」

斉藤一は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「雪花。」

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「“雪花”は花を雪に喩えた言葉で、花が散るように美しく降る雪を言うそうだ。」

沖田総司は雪の降る様子を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「雪花。綺麗な言葉ですね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「花が散るように美しく降る雪とは、どのように降る雪だと思う?」

沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「今日の雪の降る様子は、花が散っているように見えます。私達は雪花を見ていると思います。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。雪花という言葉をいつ知ったのですか?」

斉藤一は雪の降る様子を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「覚えていない。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「雪花という言葉を誰に聞いたのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「覚えていない。」

沖田総司は斉藤一を少し拗ねた様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。不満なのか?」

沖田総司は斉藤一に慌てた様子で話し出す。

「不満はありません!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は慌てた様子で辺りを見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司の視線の先に寒椿が見えた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は寒椿を指すと、斉藤一に慌てながらも微笑んで話し出す。

「斉藤さん。見てください。寒椿が咲いています。雪花も積もり始めました。庭はたくさんの花に覆われています。綺麗ですよね。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は寒椿を指しながら、斉藤一に慌てながらも微笑んで話し出す。

「ねっ。斉藤さん。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。先程からなぜ慌てているんだ?」

沖田総司は寒椿を指しながら、斉藤一を苦笑した表情で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


空から雪花が静かに舞い落ちてくる。


雪花は庭に静かに舞い落ちてくる。

雪花は寒椿にも静かに舞い落ちてくる。

雪花は沖田総司にも静かに舞い落ちてくる。

雪花は斉藤一にも静かに舞い落ちてくる。


沖田総司は斉藤一と庭を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司と庭を普通の表情で見た。


それから僅かに後の事。


ここは、縁。


山南敬助は沖田総司と斉藤一を微笑んで見ている。

藤堂平助は沖田総司と斉藤一を不思議そうに見ている。


藤堂平助は沖田総司と斉藤一を見ながら、山南敬助に不思議そうに話し出す。

「沖田さんと斉藤さんが一緒に居る姿を見ると、いつも不思議に思います。」

山南敬助は藤堂平助を見ると、微笑んで話し出す。

「どのようなところを不思議に思うのですか?」

藤堂平助は山南敬助を見ると、不思議そうに話し出す。

「沖田さんは斉藤さんと楽しそうに話します。斉藤さんは沖田さんと話す時は普段と雰囲気が違うように感じます。」

山南敬助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「藤堂君は不思議に思うのですね。」

藤堂平助は山南平助に不思議そうに話し出す。

「山南さんは不思議に思わないのですか?」

山南敬助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「不思議に思いません。」

藤堂平助は沖田総司と斉藤一を不思議そうに見た。

山南敬助は、沖田総司、斉藤一、藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助は山南敬助を見ると、微笑んで話し出す。

「山南さん。庭に下りても良いですか?」

山南敬助は藤堂平助に微笑んで頷いた。


藤堂平助は微笑んで歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、庭。


雪花は静かに降り続いている。


藤堂平助は微笑んで来た。


藤堂平助は沖田総司と斉藤一の元へと微笑んで歩き出そうとした。


白くて小さな丸い物が、藤堂平助の胸元に勢い良く当たった。


藤堂平助は胸元を驚いた表情で見た。


藤堂平助の胸元に当たった物は、雪玉だった。


雪玉は藤堂平助の胸元に当たった途端に形を崩して地面へと落ちていった。


藤堂平助は剣術に優れている人物。

藤堂平助が雪玉に気付くのが遅れたのは、斉藤一が雪玉を隠す位置に居たのが理由になる。


藤堂平助は胸元と沖田総司と斉藤一を驚いた表情で見た。


沖田総司は藤堂平助の元に慌てて来た。


藤堂平助は沖田総司を驚いた表情で見た。

沖田総司は藤堂平助に慌てた様子で話し出す。

「平助! 大丈夫か?!」

藤堂平助は沖田総司に驚いた表情で軽く礼をした。


斉藤一は沖田総司と藤堂平助の傍に普通に来た。


沖田総司は斉藤一に怪訝そうに話し出す。

「斉藤さん。平助が来ると気付いたから、変な避け方をしたのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は俺に雪玉を当てようとして投げたのか?」

沖田総司は斉藤一を驚いた表情で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に困惑した様子で話し出す。

「それは〜 あの〜」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司はどの場所に当てるために雪玉を投げたんだ?」

沖田総司は斉藤一に困惑した様子で話し出す。

「え〜と〜 どこの場所に当てるために雪玉を投げたのか、私にも良く分かりません。斉藤さんの質問の返事になっていますか?」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

藤堂平助は胸元に残った雪を軽く払うと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田さん。私は大丈夫です。」

沖田総司は藤堂平助を見ると、安心した様子で話し出す。

「良かった〜!」

斉藤一は沖田総司と藤堂平助を普通の表情で見た。


山南敬助の穏やかな声が、沖田総司、斉藤一、藤堂平助の元に聞こえてきた。

「沖田君。斉藤君。藤堂君。戻る時間が近付いてきました。」


沖田総司は山南敬助の声の聞こえた方向を微笑んで見た。

斉藤一は山南敬助の声の聞こえた方向を普通の表情で見た。

藤堂平助は山南敬助の声の聞こえた方向を微笑んで見た。


山南敬助は、沖田総司、斉藤一、藤堂平助を縁から微笑んで見ている。


斉藤一は普通に歩き出した。

沖田総司は微笑んで歩き出した。

藤堂平助も微笑んで歩き出した。


それから暫く後の事。


ここは、京の町。


雪花は静かに降り続いている。


沖田総司と斉藤一は、並んで歩いている。

山南敬助と藤堂平助は、沖田総司と斉藤一の前を歩いている。


沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「次に子供達と遊ぶ時に、雪花の話をしたいと思います! 子供達も喜んで話しを聞いてくれますよね!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「子供達は雪花の話しを喜んで聞くと思うが、総司は雪花について詳しく知らないだろ。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さんが説明してくれるから大丈夫です!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺はいつの間に総司と一緒に子供達と会う約束をしたんだ?」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「今です!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


藤堂平助は山南敬助に微笑んで話し出す。

「二人共に凄い方ですよね。」

山南敬助は藤堂平助に微笑んで頷いた。

藤堂平助は山南敬助に微笑んで話し出す。

「二人にはどのようにしても敵いません。」

山南敬助は藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助も山南敬助を微笑んで見た。


沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さんは物知りですよね! また雪に関して教えてください!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司に教えるのは止めようと思う。」

沖田総司は斉藤一を驚いた表情で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「冗談だ。」

沖田総司は斉藤一を安心した表情で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「やはり総司に教えるのは止めようと思う。」

沖田総司は斉藤一を不安そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。本気にしたのか?」

沖田総司は斉藤一を不安そうに見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「気が向いたら何か話す。」

沖田総司は斉藤一を安心した表情で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は雪花の降る様子を笑顔で見た。

斉藤一の視線の先に、寒椿が咲く姿が見えた。


雪花は寒椿にも舞い落ちていく。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は雪花の降る様子を笑顔で見ている。

斉藤一は沖田総司と雪花の降る様子を普通の表情で見た。


山南敬助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「藤堂君。寒椿が咲いています。雪の降る中で咲く寒椿は更に綺麗に見えますね。」

藤堂平助は山南敬助に微笑んで話し出す。

「はい。」

山南敬助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「藤堂君は気付いたのですね。さすがです。」

藤堂平助は山南敬助に微笑んで話し出す。

「山南さんに褒めて頂けるのは嬉しいですが、斉藤さんも寒椿に気付いています。」

山南敬助は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「総司は寒椿に気付いていません。藤堂君と斉藤君は、気付いています。」

藤堂平助は山南敬助を微笑んで話し出す。

「沖田さんは斉藤さんと話すのが楽し過ぎて気付かないだけです。斉藤さんが寒椿の話しをすれば、直ぐに気付きます。」

山南敬助は藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助も山南敬助を微笑んで見た。


山南敬助、藤堂平助、斉藤一は、寒椿を一瞥しながら遠ざかっていく。

沖田総司は寒椿に気付かないまま遠ざかっていく。


雪花は京の町に静かに降り続いていく。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は、以前に同じ題名で掲載した物語を加筆訂正してHPに掲載して、更に再改訂しました。

物語の雰囲気や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのを止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正ながら書いていきます。

「新撰組異聞 短編 風花」を書いた後に、「雪花」の題名で物語を書きたくて考えました。

この物語を考えた時の当初の登場人物は、沖田総司さん、斉藤一さん、子供達でした。

しかし、山南敬助さん、沖田総司さん、斉藤一さん、藤堂平助さんを登場人物にして書く事にしました。

「“雪花”、または、“雪華”」は、「“ゆきばな”、または、“せっか”。」と読みます。

「雪を花にたとえた言葉で、花の散るように美しく降る雪。雪の結晶。」をいいます。

私が初めて知った時は、「雪花」の字で「ゆきばな」の読み方でした。

この物語も「雪花」の字で「ゆきばな」の読み方にしました。

花が散るような雪とは、どのように降る雪なのか、「風花」の「雪花」と呼んでも良いのか、などいろいろと考えたりしました。

雪が降る様子はたくさん見ました。

私が見た中に「雪花」はあったのか、なども考えました。

今回も斉藤一さんが「雪花」について説明しています。

この物語には「寒椿」が登場します。

イメージした色はありますが、好きな色を想像しながら物語を読んでください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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