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新撰組異聞 〜 愛逢月に願う事 〜


〜 第三版 〜


今は夏。


ここは、江戸。


毎日のように暑い日が続いている。


沖田総司は隠れるように療養を続けている。

沖田総司の病は治る見込みがない診立てになっている。

沖田総司は日を重ねる毎に、床に着く時間が長くなっている。


ここは、沖田総司が療養する家。


沖田総司が療養する部屋。


沖田総司は床の中で静かに横になっている。


沖田総司が床の中から庭が見られるように、部屋の障子が少し開いている。


沖田総司は床の中で、考えながら呟いた。

「文を書いた。手元に有るお金を送った。今の私に出来る内容が、他に有るかな?」

沖田総司は床の中で、庭を普通の表情で見た。

沖田総司は床の中で、庭を見ながら普通の表情で呟いた。

「今の私に出来る内容が有るはずなのに、考えても分からない。」

沖田総司は床の中で、部屋の中を普通の表情で見た。


沖田総司にとって大切な刀が見える。


沖田総司は床の中で、刀を見ながら、普通の表情で呟いた。

「刀が残っていた。」

沖田総司は床の中で、刀を普通の表情で見た。

沖田総司は床の中で、刀を見ながら、普通の表情で呟いた。

「今の状況では、刀を送れない。今は子供が生まれたばかりだ。生活に困る時が多く、お金が必要な状況も多いはずだ。刀を売ればお金になるが、今の私には、刀しか残っていない。今の私には、刀しか形に残せる物が無い。」

沖田総司は床の中で、刀を見ながら、普通の表情で軽く息をはいた。

沖田総司は床の中で、紫陽花を普通の表情で見た。


紫陽花は色褪せ始めているが、綺麗な色で咲いている。


沖田総司は床の中で、紫陽花を普通の表情で見ながら呟いた。

「良い方法や良い展開が分からなくなってしまった。夢の中では、以前の私には普通の言動が、今も以前も私には楽しい出来事が、たくさん経験できる。」

沖田総司は床の中で、紫陽花を普通の表情で見た。

沖田総司は床の中で、紫陽花を見ながら、普通の表情で呟いた。

「斉藤さんとたくさん話したいな。」

沖田総司は床の中で、軽く息をはくと、ゆっくりと目を閉じた。


少し後の事。


ここは、色とりどりの紫陽花がたくさん咲く場所。


沖田総司は紫陽花を微笑んで見ている。


紫陽花の咲く季節だが、心地良い空気に包まれている。


沖田総司は空を微笑んで見た。


綺麗な青空が広がっている。


沖田総司は周りを見ながら、笑顔で声を出す。

「紫陽花が綺麗だな〜! 青空も綺麗だな〜! 私は夢の中に居るんだ〜!」


沖田総司は周りを笑顔で見た。


斉藤一が紫陽花を普通の表情で見ている。


沖田総司は斉藤一に笑顔で声を掛ける。

「斉藤さん〜!」


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は笑顔で走り出した。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。


沖田総司は元気良く走ってきた。


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が俺を呼ぶ声は聞こえる。総司が来るまで待つ。焦るな。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さんを近くで見たくて、斉藤さんと早く話したくて、走ってきました!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺に雑談以外の内容を話すために走ってきたんだ。」

沖田総司は斉藤一に驚いて話し出す。

「私が話す前に分かったのですね! 斉藤さんは、いつも凄いです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は表情や仕草を見るだけで分かる。総司は分かり易い。総司と一緒に居ると楽だ。」

沖田総司は斉藤一を苦笑して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。黙るな。早く話せ。」

沖田総司に斉藤一に微笑んで話し出す。

「私の刀についての相談です。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「刀を売ってお金にして渡すか、刀のまま渡すか迷っています。考えても、一番に良い方法が分かりません。斉藤さんと話せば、一番に良い方法が分かると思いました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は武士だろ。総司にとって大切な刀だろ。刀を手放して後悔しないのか?」

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「私の刀は、私と共に幾度も戦いました。私の刀は、私と常に行動を共にしました。私の刀は、私の命を幾度も守ってくれました。私の刀は、私にとって大切な刀です。私にとって、或る人物は大切な人です。今の私は、本当に守りたいもののために、大切な刀を使いたいです。今の私にとって、刀を持つ行為は一番に重要な行為ではありません。私にとって大切な刀を使って、私にとって大切なものを守るための一番に良い方法を考えています。今の私には、大切なものが守れなければ、刀を持つ意味がありません。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は武士だ。総司と共に幾度も戦った大切な刀だ。最期まで共に居なくて良いのか?」

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「私が頼りなくて迷っていたために、大切な人達に迷惑を掛けました。大切なものが守れなければ、刀を持つ意味がありません。大切なものが守れるならば、私の傍に刀が無くても構いません。私は武士です。武士だから、大切なものを守りたいです。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を真剣な表情で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は既に答えが決まっている内容を話している。俺と話す前に、既に答えは決まっていただろ。」

沖田総司が斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと話したから、良い答えが見付かりました。斉藤さんは凄いです。斉藤さんは頼りになります。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。私の持つ刀について続きを話します。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「今の時点では、私の刀は至急に必要としません。しかし、私の刀が必要になる時が訪れます。斉藤さんならば、私の刀を安心して預けられます。今は無理ですが、いつか必ず、斉藤さんに刀を預けます。私の刀が必要になる時まで、私の刀を斉藤さんに預けたいです。良いですか?」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん。夢の中でも、私と斉藤さんは、直ぐに逢えるとは限りません。夢の中ですが、私の刀を斉藤さんに預けても良いですか?」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は刀を腰から真剣な表情で外した。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に刀を差し出すと、斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん。お願いします。」

斉藤一は沖田総司から刀を受け取ると、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「刀を預ける件は解決しました! 斉藤さんはとても頼りになります! 嬉しいです!」

斉藤一は刀を持ちながら、沖田総司に普通に話し出す。

「喜んでいるところを申し訳ないが、俺も総司も戻る時間が近付いたようだ。」

沖田総司は斉藤一に寂しく話し出す。

「え〜 せっかく逢えたのに戻るのですか〜 暫く話して過ごしましょう〜」

斉藤一は刀を持ちながら、沖田総司に普通に話し出す。

「総司。総司の大切な者を守るのだろ。総司の大切な者を放って置くのか? 総司の守りたい者は可哀想だな。」

沖田総司は斉藤一に寂しく話し出す。

「斉藤さんの話す意味は分かります。私が守りたいもののために、早く準備を進める費用がありますよね。」

斉藤一は刀を持ちながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 今日は斉藤さんと話しが出来て嬉しかったです! 斉藤さん! 元気で過ごしてください!」

斉藤一は刀を持ちながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は笑顔で歩き出した。


斉藤一は刀を持ちながら、沖田総司の反対の方向に普通に歩き出した。


直後の事。


ここは、一本の木。


近くに紫陽花が咲いている。


斉藤一は幹にもたれ掛かっている。


斉藤一は普通の表情で目を開けた。

斉藤一は辺りを見ながら、普通の表情で呟いた。

「寝ていたらしい。」

斉藤一は紫陽花を見ると、普通の表情で呟いた。

「総司。本当に守りたい者が見付かったんだ。俺はとても大事な物を預かる日が訪れるんだ。お互いに簡単には死ねないな。お互いに、生きて、生きて、生き抜こう。」


斉藤一は普通に立ち上がった。


斉藤一は普通に歩きだした。


直後の事。


ここは、沖田総司の療養する部屋。


沖田総司は床の中で静かに寝ている。


沖田総司は床の中で、ゆっくりと目を開けた。

沖田総司は床の上にゆっくりと体を起こした。


沖田総司は机の傍にゆっくりと来た。


沖田総司は文を書く準備をゆっくりと始めた。


暫く後の事。


沖田総司は文を書き終わった。


沖田総司は文を見ながら、少し辛い様子で息をはいた。

沖田総司は文を見ながら、少し辛い様子で呟いた。

「刀を預けなければ。」


沖田総司は文を大事に持ちながら、部屋をゆっくりと出て行った。


僅かに後の事。


ここは、療養先の家の縁。


沖田総司は文を大事に持ちながら、ゆっくりと歩いている。


療養先の人が普通に歩く姿を見た。


沖田総司は文を大事に持ちながら、ゆっくりと歩いた。


療養先の家の人は、立ち止まると、沖田総司を不思議な様子で見た。


沖田総司は文を持ちながら、ゆっくりと微笑んで来た。


療養先の家の人は沖田総司に不思議な様子で軽く礼をした。

沖田総司は文を大事に持ちながら、療養先の家の人に微笑んで話し出す。

「以前は斉藤一の名前を名乗っていた人物を、ご存知ですか?」

療養先の家の人は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は文を大事に持ちながら、療養先の家の人に真剣な表情で話し出す。

「私にもしもの出来事が起きた時は、斉藤さんに私の刀を預けてください。」

療養先の家の人は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は療養先の家の人を真剣な表情で見た。

療養先の家の人は沖田総司に微笑んで話し出す。

「承知しました。」

沖田総司は文を大事に持ちながら、療養先の家の人を微笑んで見た。

療養先の家の人は沖田総司に不思議な様子で話し出す。

「文を送らなくて良いのですか?」

沖田総司は文を大事に持ちながら、療養先の家の人に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さんに届けて欲しい大切な文です。斉藤さんには直ぐには届けずに、今の状況が落ち着いた後に届けてください。ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。」

療養先の家の人は沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田様の刀の件。沖田様の斉藤様宛ての文の件。共に承知しました。」

沖田総司は文を大事に持ちながら、療養先の家の人に真剣な表情で礼をした。

療養先の家の人は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は療養先の家の人に文を大事に渡した。

療養先の家の人は沖田総司から文を微笑んで受け取った。

沖田総司は療養先の家の人に真剣な表情で礼をした。

療養先の家の人は文を持ちながら、沖田総司に微笑んで礼をした。


療養先の家の人は文を持ちながら、微笑んで歩き出した。


沖田総司は微笑んでゆっくりと歩き出した。


僅かに後の事。


沖田総司は部屋の中に微笑んでゆっくりと入った。


沖田総司は障子を完全に閉めずに僅かに開けた。


沖田総司はゆっくりと床に着いた。


障子の開けた間から、庭に咲く紫陽花が見える。


沖田総司は床の中で、紫陽花を見ながら、微笑んで呟いた。

「とても疲れたな。」

沖田総司は床の中でゆっくりと目を閉じた。


少し後の事。


沖田総司はゆっくりと目を開けた。


ここは、色とりどりの紫陽花がたくさん咲く場所。


紫陽花の季節だが、涼しさを感じる。


綺麗な青空が広がっている。


沖田総司は周りを見ながら、笑顔で声を出す。

「再び夢の中に来た! 紫陽花が綺麗に咲いている! 嬉しいな!」

沖田総司は周りを笑顔で見た。


少し遠くで、子供達が元気良く遊んでいる。


沖田総司は子供達を微笑んで見た。


沖田総司は微笑んで歩き出した。


僅かに後の事。


ここは、色とりどりの紫陽花がたくさん咲く場所。


子供達が元気良く遊んでいる。


沖田総司は微笑んで来た。


子供達は沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「みんな。楽しそうだね。」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「楽しいよ!」

「お兄ちゃんも一緒に遊ぶ?!」

沖田総司は子供達に微笑んで頷いた。

子供達は沖田総司を笑顔で見た。


男の子が笑顔で走って来た。


沖田総司は男の子を笑顔で見た。

男の子は子供達に笑顔で話し出す。

「遅れてごめんね!」

子供達は男の子に笑顔で話し出す。

「今日はお兄ちゃんと遊んでいるんだ!」

男の子は沖田総司に笑顔で話し出す。

「はじめまして!」

沖田総司も男の子に笑顔で話し出す。

「はじめまして!」

男の子は沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司は男の子に微笑んで話し出す。

「お母さんは元気に過ごしているの?」

男の子は沖田総司に笑顔で頷いた。

沖田総司は男の子に微笑んで話し出す。

「お母さんは何処に居るの?」

男の子は沖田総司の後ろを笑顔で指した。

沖田総司は後ろをゆっくりと微笑んで見た。


沖田総司が逢いたくて愛おしく想う女性が微笑んで立っている。


沖田総司は女性を微笑んで見た。

男の子は女性を笑顔で見た。


女性は沖田総司と男の子を微笑んで見た。


子供達は沖田総司に笑顔で礼をすると、元気良く走って居なくなった。


沖田総司は女性に微笑んで近付いた。

男の子は女性に笑顔で近付いた。


女性は沖田総司と男の子に微笑んで近付いた。


女性は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。お久しぶりです。」

沖田総司が女性に微笑んで話し出す。

「鈴。文をありがとう。何も出来なくてごめん。苦労ばかり掛けてごめん。」

女性は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは私に大切な者を残してくれました。」

沖田総司は女性を不思議な様子で見た。

女性は男の子を微笑んで見た。

男の子も女性を微笑んで見た。

沖田総司は女性と男の子に微笑んで話し出す。

「私は両親を早くに亡くした。寂しい想いをした時がある。私は子供を授かったら、長生きして寂しい想いをさせたくないと考えていた。それなのに、子供に一度も逢えず、子供は生まれたばかりで父親を亡くそうとしている。私は父親失格だ。」

女性は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私の出来る範囲で、この子に総司さんについてたくさん話します。私の知らない出来事は、斉藤さんがこの子に話してくださると思います。総司さんは立派な父親です。安心してください。」

沖田総司は女性に微笑んで話し出す。

「私は子供の前で情けない内容を話している。私は立派ではないし、強い父親でもない。」

女性は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは強くて立派な父親です。体調が優れないのに、私達を気遣って、文を書いて、お金の用意をして、様々な気遣いをしてくださいました。」

沖田総司は女性と男の子に微笑んで話し出す。


「今の私に出来る精一杯をしただけだ。」

女性は男の子に微笑んで話し出す。

「お父さんの子供に生まれて嬉しいわよね。」

男の子は沖田総司に笑顔で頷いた。

沖田総司は男の子を微笑んで見た。

男の子は沖田総司に笑顔で話し出す。

「お父さん! 初めまして!」


沖田総司はしゃがみ込んで、男の子を微笑んで見た。

女性もしゃがみ込んで、男の子を微笑んで見た。


男の子は沖田総司と女性を微笑んで見た。

女性は沖田総司と男の子を微笑んで見た。

沖田総司は女性と男の子を微笑んで抱きしめた。


直後の事。


沖田総司はゆっくりと目を開けた。


ここは、沖田総司の療養する部屋。


沖田総司は床の中に居る。


沖田総司は床の中で、部屋の中を見ながら、普通の表情で呟いた。

「夢?」

沖田総司は床の中で、庭と紫陽花を微笑んで見た。


紫陽花は色あせ始めているが、綺麗な姿で咲いている。


沖田総司は床の中で、紫陽花を見ながら微笑んで呟いた。

「夢の中だが、二人共に元気だった。良かった。安心した。ずっと元気で過ごしてくれ。」

沖田総司は床の中で、紫陽花を微笑んで見た。

沖田総司は床の中で、紫陽花を見ながら微笑んで呟いた。

「死ねない。何が何でも生きる。二人に逢いたいから。二人の笑顔が幾度も見たいから。もっと生きなければ。もっと。」


沖田総司は床の中で、ゆっくりと目を閉じた。




*       *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は、既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語は、「新撰組異聞 短編 愛逢月が近づいて」と「新撰組異聞 短編 愛逢月の夢語り」の後の時間設定です。

沖田総司さんは段々と体力がなくなっていきます。

「新撰組異聞 短編 愛逢月が近づいて」と「新撰組異聞 短編 愛逢月の夢語り」を書いた後に、沖田総司さんの身に着けていた刀について考えました。

沖田総司さんが身に着けていた刀の本物は、現在は確認が出来ないそうです。

沖田総司さんは亡くなった後に、刀をどのようにしたかったのか、刀を譲りたいと考えていた場合は、刀を譲りたい人物、頼む人物、刀を預ける人物、などを考えました。

剣の道を生き続けた沖田総司さんは、斉藤一さんに刀を預けたいと考える設定にしました。

勘の良い斉藤一さんですが、沖田総司さんが漠然とした内容で話すため、刀を譲りたい人物が、はっきりと分からないかも知れないと思い、この物語の展開になりました。

夢の中ですが、沖田総司さんは斉藤一さんに刀を預けます。

この出来事の後に、斉藤一さんの元に沖田総司さんの本物の刀が届いたと考えください。

斉藤一さんが沖田総司さんの刀を受け取った年月日は不明です。

沖田総司さんは最期が分かる状況になりながらも、最期まで希望を捨てていません。

沖田総司さんと鈴ちゃんと子どもが、夢の中だけでも逢って欲しくて考えた物語です。

生まれて直ぐの子供が成長をしているのは、夢の中のためです。

沖田総司さんは、亡くなる前の療養中に、黒猫を斬ろうとした話が有名です。

この物語を書くと、黒猫を斬ろうとしたのは、いつなのか疑問に思うかも知れません。

沖田総司さんは亡くなる当日は、意識がほとんど無かった話があります。

沖田総司さんが黒猫を斬ろうとするのは、亡くなる前日より前になります。

沖田総司さんが亡くなる少し前頃から、意識がはっきりとしない事が多かったそうです。

「愛逢月」から始まる題名の物語を書く前に、黒猫が登場する物語を書いていれば、沖田総司さんが黒猫を斬る場面が登場したと思います。

しかし、この物語の沖田総司さんが黒猫を斬るように思えませんでした。

ならば、沖田総司さんが黒猫を斬るのは「新撰組異聞 短編 愛逢月近づいて」より以前の出来事にすれば、僅かでも納得が出来る部分があるかも知れません。

沖田総司さんが黒猫について話したのが正しい説の場合は、「黒猫を斬りたい」と話した訳ではないので、本当は斬っていない可能性があるかも知れないと思うようになりました。

私は、沖田総司さんが黒猫を斬ろうとしたのは、沖田総司さんの力が刀を使えるほどに残っているのか、黒猫を斬ろうとする態度を取った時の黒猫の行動が知りたかった、などの説を信じたいと思いました。

この物語の初稿版を掲載した後に、いろいろとあり、沖田総司さんと黒猫が登場する物語を書こうと思い、「愛逢月」から始まる題名の物語を書きました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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