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新撰組異聞 〜 愛逢月に蓮華が咲いて 〜
〜 第三版 〜
今は夏。
天気が良く暑い日が続いている。
沖田総司は隠れるように静養を続けている。
沖田総司は起きる時間が日を重ねる毎に少なくなり、床に着く時間が増えている。
ここは、沖田総司が療養中の家。
庭。
紫陽花の見頃は過ぎていて、少しずつ色褪せ始めている。
沖田総司の療養する部屋。
沖田総司の希望で、庭に咲く紫陽花を見られるように、障子が少し開いている。
沖田総司は床の中で横になって目を閉じている。
沖田総司は床の中でゆっくりと目を開けた。
ここは、静かな雰囲気に包まれた場所。
沖田総司は普通に立っている。
沖田総司は着物姿で腰に刀を差している。
沖田総司は辺りを不思議な様子で見た。
人の姿は見えない。
池に蓮の花が咲いている。
沖田総司は辺りを見ながら、不思議な様子で呟いた。
「夢の中に居る。」
沖田総司は蓮の花を見ると、不思議な様子で呟いた。
「蓮の花がたくさん咲いている。」
沖田総司は空を不思議な様子で見た。
見渡す限りの青空が広がっている。
沖田総司は青空を見ると、微笑んで呟いた。
「綺麗な青空だな。」
沖田総司は微笑んで気持ち良く体を伸ばした。
見渡す限りの青空が広がっている。
沖田総司は微笑んで普通の体勢になった。
見知らぬ男性が沖田総司に向かって微笑んで歩いてくる。
見知らぬ男性は白猫を抱いている。
沖田総司は男性を警戒して見た。
男性は白猫を抱えながら、微笑んで来た。
沖田総司は男性を警戒して見ている。
白猫が男性から離れた。
男性は白猫を微笑んで見た。
沖田総司は男性と白猫を普通の表情で見た。
白猫は静かに居る。
沖田総司は微笑んでしゃがみ込んだ。
男性は微笑んでしゃがみ込んだ。
沖田総司は白猫を微笑んで見た。
男性は沖田総司に微笑んで話し出す。
「可愛い猫だよね。」
沖田総司は男性を見ると、微笑んで頷いた。
男性は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「沖田さん。猫は何色に見えるかな?」
沖田総司は白猫を不思議な様子で見た。
黒猫が沖田総司の傍に静かに居る。
黒猫は沖田総司にゆっくりと擦り寄った。
沖田総司は警戒した表情で、慌てて立ち上がった。
男性は妖しい微笑みで、立ち上がった。
男性は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「沖田さん。猫は何色に見えるのかな? 早く教えて欲しいな。」
沖田総司は男性と黒猫を警戒して睨んだ。
男性は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「俺の名前は、“黄泉”。猫の名前は、“黄泉路”。よろしく。沖田さん。」
男性の名前は、“黄泉”になる。
白猫から黒猫に変化した猫の名前は、“黄泉路”。
沖田総司は黄泉と黒猫の黄泉路を警戒して睨んでいる。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「沖田さん。もしかして、黄泉路が黒色に見えるから質問に答えないのかな〜?」
沖田総司は黄泉を睨んで強い調子で話し出す。
「私は死なない! 何が何でも生き抜く! 地の底を這いつくばってでも生き抜くと決めた! だから絶対に死なない!」
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「俺は沖田さんが死ぬと一言も話していないよ。」
沖田総司は黄泉を睨んだ。
黄泉は沖田総司を見ながら、小さい声で笑い始めた。
黒猫の黄泉路が沖田総司の傍にゆっくりと擦り寄った。
沖田総司は刀を抜いて黒猫の黄泉路を斬ろうとした。
沖田総司の腰に差した刀が無い。
沖田総司は腰を僅かに驚いて見た。
黄泉は沖田総司に笑いを堪えながら話し出す。
「そういえば、刀は斉藤さんという方に、既に預けていたね。沖田さんの腰に差してあった刀は、幻だね。沖田さん。残念だね。」
沖田総司は黒猫の黄泉路を睨んだ。
黄泉は笑いを堪えながら、沖田総司を見た。
沖田総司は黄泉を睨んだ。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「沖田さん。沖田さんの腰に刀が差してある。沖田さんほどの人物でも気付かないんだ。」
沖田総司が黄泉を睨みながら、腰を一瞥した。
腰には刀が差してある。
沖田総司は黄泉を睨みながら、素早い動きで刀に手を掛けた。
黄泉は沖田総司を妖しい微笑みで見た。
沖田総司は黒猫の黄泉路を素早い動きで斬ろうとした。
黒猫の黄泉路は沖田総司を静かに見た。
黒猫の黄泉路は男の子に変わった。
男の子の黄泉路は沖田総司を笑顔で見た。
沖田総司は男の子の黄泉路を驚いて見ると同時に、斬るのを止めた。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「沖田さん。斬るのを止めた理由を教えて欲しいな。」
沖田総司は刀を持ちながら、男の子の黄泉路を驚いて見た。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「沖田さん。早く斬らなくて良いの?」
男の子の黄泉路は沖田総司に笑顔で話し出す。
「お父さん! 何か遭ったの?!」
沖田総司は刀を驚いて見ようとした。
刀が見付からない。
沖田総司は腰と手を驚いて見た。
男の子の黄泉路は沖田総司に笑顔で抱き付いた。
沖田総司は黄泉を睨んだ。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「もしかして、沖田さんは黄泉路が沖田さんの子供に見えているんだ。大変な状況だね。」
沖田総司は黄泉を睨んでいる。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「黄泉路は、不思議な力を持っている。沖田さん。黄泉路の不思議な力について知りたい?」
沖田総司は黄泉を睨んでいる。
黄泉は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は黄泉を睨んで強い調子で話し出す。
「早く教えろ!」
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「黄泉路が或る人物の姿に見えると、或る人物は、近い内に亡くなる。沖田さんの場合は、子供に見えるんだ。可哀想だね。」
沖田総司が黄泉を睨んで怒鳴った。
「ふざけるな!!」
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「嘘ではないよ。本当だよ。沖田さんの子供は、生まれて間もないよね。沖田さんと沖田さんの子供は、一度も逢っていないよね。子供が生まれて間もないのに亡くなったら、母親の生きる希望は無くなるね。母も子も可哀想だね。」
沖田総司は黄泉を睨んで怒鳴った。
「ふざけるな!! 早く本当の内容を話せ!!」
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「俺は本当の内容を話しているよ。」
沖田総司は黄泉を睨んだ。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「さすが、新撰組一番組組長 沖田総司さん。睨まれると物凄く怖いね。」
沖田総司は黄泉を睨んでいる。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「実は、或る人の頼みによって、沖田さんが特別に選べる内容があるんだ。結果、沖田さん以外の人物は決断が出来ない内容になったんだ。俺と黄泉路は、沖田さんが特別に選べる内容を伝えるために来たんだ。」
沖田総司は黄泉を睨んで怒鳴った。
「もったいぶらずに早く言え!!」
刀が男の子の黄泉路の前に静かに現れた。
刀は、沖田総司の刀と全く同じ姿をしている。
男の子の黄泉路は刀を持つと、沖田総司に微笑んで話し出す。
「お父さん。お父さんの決断を実行する時に使う刀だよ。」
沖田総司は男の子の黄泉路を怪訝な様子で見た。
男の子の黄泉路は沖田総司に刀を微笑んで渡した。
沖田総司は男の子の黄泉路から怪訝な様子で刀を受け取った。
男の子の黄泉路は沖田総司を微笑んで見た。
黄泉は沖田総司に妖しい微笑みで話し出す。
「黄泉路を斬ると、沖田さんの命は助かるが、沖田さんの子供は近い内に亡くなる。黄泉路を斬らなければ、沖田さんの子供の命は助かるが、沖田さんが近い内に亡くなる。沖田さんは何が何でも生き抜くと決めているから、良い申し出だね。」
沖田総司は刀を持ちながら、黄泉を睨んで怒鳴った。
「ふざけるな!! いい加減にしろ!!」
黄泉は沖田総司に真剣な表情でゆっくりと話し出す。
「再び言う。黄泉路を斬ると、沖田さんの命は助かる。黄泉路を斬らなければ、子供の命が助かる。沖田さんは選べる立場だ。俺の話は嘘ではなく事実だ。」
沖田総司は刀を持ちながら、黄泉を睨んで怒鳴った。
「ふざけるな!!」
黄泉は沖田総司に真剣な表情で話し出す。
「俺も嘘を言うほど暇ではない。再び言う。沖田さんは選べる立場だ。助ける命を早く決めてくれ。」
沖田総司は刀を持ちながら、黄泉に睨んで怒鳴った。
「嘘だ〜!!!」
黄泉は沖田総司を真剣な表情で見た。
沖田総司は素早い動きで刀を抜いた。
黄泉は沖田総司に真剣な表情で大きな声で話し出す。
「嘘ではない! 総司! 子供の命と総司の命が係っている! 斬る黄泉路を勢いで決めるな!」
沖田総司は驚いて刀を止めた。
黄泉は沖田総司を真剣な表情で見た。
沖田総司は刀を持ちながら、黄泉を見ると、黄泉に真剣な表情で話し出す。
「私が黒猫を斬らなければ、子供の命は助かるのだろ。」
黄泉は沖田総司に真剣な表情で話し出す。
「子供の命は助かる。」
沖田総司は真剣な表情で刀を鞘に仕舞った。
黄泉は沖田総司を真剣な表情で見た。
沖田総司は男の子の黄泉路に刀を真剣な表情で渡した。
男の子の黄泉路は沖田総司から刀を微笑んで受け取った。
沖田総司は男の子の黄泉路を真剣な表情で見た。
黄泉は沖田総司に真剣な表情で話し出す。
「総司の答えは、子供の命を助ける、で良いのか?」
沖田総司は黄泉に真剣な表情で頷いた。
黄泉は沖田総司に真剣な表情で話し出す。
「総司は、何としてでも生き抜くのだろ。答えを変える気持ちはないのか?」
沖田総司は黄泉に真剣な表情で頷いた。
黄泉は沖田総司に真剣な表情で話し出す。
「総司は、子供の黄泉路を斬り、総司の黄泉路を繋げた。本当に変える気持ちはないのか?」
沖田総司は黄泉に真剣な表情で話し出す。
「私の黄泉路を繋げる。私に幾度の確認をしても、答えは変えない。」
黄泉は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんの返事を受け取った。」
沖田総司は黄泉を真剣な表情で見た。
刀が消えた。
男の子の黄泉路は、黒猫に戻った。
黄泉は黒猫の黄泉路を微笑んで抱いた。
黄泉路は黄泉に抱かれた瞬間に白猫に戻った。
黄泉は黄泉路を抱きながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「先程の話と矛盾するが、沖田さんを迎えに来るのは、少しだけ先になる。逢いたい人がいるだろ。早く逢ってくれ。」
沖田総司は黄泉に真剣な表情で頷いた。
黄泉は黄泉路を抱きながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さんを迎えに来る時は、俺と黄泉路で来る。」
沖田総司は黄泉に真剣な表情で頷いた。
黄泉は黄泉路を抱きながら、沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は黄泉に真剣な表情で話し出す。
「或る人物に幾度か話し掛けられたように感じた。不思議で驚いた。」
黄泉は黄泉路を抱きながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「俺にも不思議な力があるんだ。俺の不思議な力は、当分の間は秘密にしておくよ。最も早く教える場合は、迎えにきた時になるかな。」
沖田総司は黄泉に普通に話し出す。
「先程、誰かに頼まれたと話したね。」
黄泉は黄泉路を抱きながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「幾日か経てば分かる内容だ。焦らずに待ってくれ。」
沖田総司は黄泉を普通の表情で見た。
黄泉は黄泉路を抱きながら、微笑んで歩き出した。
沖田総司は床の中でゆっくりと目を開けた。
沖田総司は床の中で、辺りをゆっくりと見た。
ここは、沖田総司の療養先の部屋の中。
変わった様子はない。
沖田総司は床の中で、辺りを見ながら、不思議な様子で呟いた。
「夢? 否、夢ではない。私の決断は、間違っていない。黒猫は何処に居るのだろうか?」
沖田総司は床の中で、ゆっくりと目を閉じた。
僅かに後の事。
沖田総司はゆっくりと目を開けた。
沖田総司は辺りを不思議な様子で見た。
ここは、色とりどりの紫陽花の咲く場所。
沖田総司は辺りを微笑んで見た。
斉藤一が紫陽花を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に笑顔で声を掛けた。
「斉藤さん〜!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は笑顔で走りだした。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は笑顔で走ってきた。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「良く来るな。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「それは、斉藤さんとたくさん話したいからです!」
斉藤一が沖田総司に普通に話し出す。
「何か遭ったのか?」
沖田総司が斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さんは勘が良いですね! さすがです!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司が斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さんと紫陽花が見たいです!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は笑顔で歩き出した。
斉藤一は普通に歩き出した。
暫く後の事。
ここは、色とりどりの紫陽花の咲く場所。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話しながら、歩いている。
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷きながら、歩いている。
沖田総司は笑顔で立ち止まった。
斉藤一は普通に立ち止まった。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さんは幾度も逢っても無事ですね! 嬉しいです!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺の心配より、先に心配する人が居るだろ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「私は、斉藤さんより先に心配する人と同じ程に、斉藤さんが心配です。斉藤さんは無茶をしない人ですが、戦が続くので心配です。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は大丈夫だ。俺の心配はするな。総司は、総司自身と大切な人だけについて考えろ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し掛ける。
「分かりました。でも、私は斉藤さんも大切な人です。今の話は忘れないでください。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に拗ねて話し出す。
「今の内容の話の時は〜 俺も同じだ〜 とか、総司を大切に思っているぞ〜 とか、言いますよね〜」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を拗ねて見た。
斉藤一は普通に歩き出した。
沖田総司は斉藤一を驚いて見た。
斉藤一は普通に歩いている。
沖田総司は慌てて来た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。
「斉藤さん! 私は冗談ではなく、真剣に話しました! 怒らないでください! 信じてください!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「怒っていない。安心しろ。先程の内容程度で、怒る訳がないだろ。」
沖田総司は斉藤一に安心して話し出す。
「良かった〜!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。紫陽花を見ながら話すのも良いが、次は別な花を見ながら話したいな。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で頷いた。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺も総司も戻る時間が近付いてきたな。」
沖田総司は斉藤一に残念な様子で話し出す。
「え〜! せっかく逢えたのに〜! もう終わりですか〜?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は忙しい。」
沖田総司は斉藤一に寂しく話し出す。
「私がこのような体でなければ、斉藤さんと一緒にたくさん過ごせるのに。悔しいです。」
斉藤一が沖田総司に普通に話し出す。
「今の総司の言葉は、俺だけに対しての言葉ではなさそうだな。」
沖田総司は斉藤一を驚いて見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。もっとしっかりしろよ。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「はい!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は笑顔で歩き出した。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は笑顔で歩いている。
斉藤一は普通に歩き出した。
斉藤一は普通の表情で目を開けた。
斉藤一は辺りを普通の表情で見た。
ここは、一本の木の下。
近くには紫陽花が咲いている。
斉藤一は辺りを見ながら、普通の表情で呟いた。
「寝ていた様子はない。幻を見たのか?」
斉藤一は紫陽花を見ると、普通の表情で呟いた。
「総司は何も言わなかった。総司は俺に気を遣い過ぎだ。だが、総司らしい。」
紫陽花に光が差した。
紫陽花が綺麗に輝いた。
斉藤一は紫陽花を見ながら、普通の表情で呟いた。
「総司。再び逢おう。」
斉藤一は普通に歩き出した。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承願います。
ここからは改訂前の物語の後書きを加筆訂正して書きます。
沖田総司さんが療養中に黒猫を斬ろうとする逸話は有名です。
「愛逢月」の題名が付く物語の中では、沖田総司さんが黒猫を斬ろうとする人には思えませんでした。
しかし、いろいろとあって、黒猫が関係する物語を一度だけでも形にした方が良いのではないか、と思いました。
「新撰組異聞 短編 愛逢月に願う事」の後書きでも一部は書きましたが、どうしても黒猫を斬ろうとするように思えない、私の個人的な感情ですが、猫を斬る場面が書けない事もあります。
そこで、沖田総司さんが、黒猫を斬ろうとした理由、黒猫を斬る事が出来なかった理由、を考えて物語を書きました。
「蓮華」は、「蓮の花」をいいます。
仏教用語では「蓮」の事を「蓮華(れんげ)」といいます。
極楽浄土を象徴する花です。
「黄泉(よみ)」は、「地下にあると言われているところ。人の死後、その魂が行くところ。あの世。」の意味があります。
「黄泉路(よみじ)」は、「黄泉へ行く道。冥土へ行く道。死後の世界。」をいいます。
この物語では、「黄泉へ行く道。冥土へ行く道。」の意味を重点に使っています。
物語の時間設定は、「新撰組異聞 短編 愛逢月が近づいて」→「新撰組異聞 短編 愛逢月の夢語り」→「新撰組異聞 短編 愛逢月に願う事」→「新撰組異聞 愛逢月 蓮華の花」(今回の物語)です。
「新撰組異聞」の中で、沖田総司さんが黒猫を斬ろうとした理由、黒猫を斬れなかった理由、沖田総司さんが最期に黒猫について話した理由を、私なりに考えて物語にしました。
物語として書くために、史実と違う部分があります。
史実の沖田総司さんと黒猫に関する内容は、いろいろな説があります。
様々な考えがあると思いますが、今回はこのような展開の物語にしました。
沖田総司さんは最期まで謎の多い人だったと思います。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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