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新撰組異聞 〜 雨月の闇 〜
〜 改訂版 〜
曇り空が広がっている。
沖田総司と少女は、一緒に居る。
沖田総司が突然に激しく咳き込んだ。
少女は沖田総司を心配そうに見た。
沖田総司の激しい咳きは止まらない。
少女は沖田総司を困惑した表情で見た。
沖田総司は激しく咳き込みながら、少女を辛そうに見た。
少女は沖田総司から怯えた表情で距離をとった。
沖田総司の咳きがやっと止まった。
少女は沖田総司から怯えた表情で離れていく。
沖田総司は少女に辛そうな表情で大きな声を出した。
「鈴ちゃん!」
沖田総司は慌てた様子で床から体を起こした。
直ぐに慌てた様子で周りを見回した。
沖田総司自身の部屋の中に居る。
部屋の中は暗闇に包まれている。
部屋の外からは雨の降る音が聞こえる。
沖田総司は安心した表情で呟いた。
「夢か。」
床から起き上がると、静かに障子を開けた。
暗闇のために、雨の降る音だけが、雨の降りを伝えている。
沖田総司は外を見ながら、不安そうに呟いた。
「夢だと良いな。」
障子を静かに閉めると、再び床に着いた。
僅かだが曇り空となっている。
沖田総司と少女は、良く訪れる寺の中に一緒に居る。
少女は沖田総司に心配そうに話し出す。
「私は総司さんが遅れても待ちます。だから無理をしないでください。」
沖田総司は少女に苦笑しながら話し出す。
「でも会う度に遅れるようになったら、鈴ちゃんに嫌われてしまうよね。」
少女は沖田総司に心配そうに話し出す。
「私は総司さんが遅れても嫌いになりません。」
沖田総司は少女に不安そうに話し出す。
「鈴ちゃんは私が何をしたら嫌いになるの?」
少女は沖田総司に困惑した様子で話し出す。
「考えた事がないので分かりません。お答えが出来なくてすいません。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんを悩ませてしまってごめんね。」
少女は沖田総司を不安そうに見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「例え話しだから気にしないで。」
少女は沖田総司に不安そうに頷いた。
沖田総司は少女の脇に置いてある包みを見ると、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。今日は団子を用意してくれたんだよね。早く一緒に食べよう。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は微笑んで包みを広げた。
沖田総司は包からお団子を手に取ると、美味しそうに食べ始めた。
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司はお団子を食べている途中で、苦しそうな仕草を見せた。
少女は沖田総司の背中を心配そうにさすろうとした。
沖田総司は少女の手を慌てた様子で払った。
少女は沖田総司を驚いた表情で見た。
沖田総司は慌てながらも、少女に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃん! ごめんね! 手は痛くない?! 私は大丈夫だから安心して!」
少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。
「すいません。」
沖田総司は慌てながらも、少女に心配そうに話し出す。
「鈴ちゃんが用意した団子は美味しいよ! 鈴ちゃんが用意してくれる物は全て美味しいよ! だから安心していいよ!」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「お気遣いありがとうございます。私は大丈夫です。安心してください。」
沖田総司は少女を安心した表情で見た。
曇り空となっている。
沖田総司は少女との待ち合わせの場所へと、慌てた様子で走っている。
少女は小さめの包みを持ちながら、沖田総司を待ち合わせの場所で心配そうに待っている。
沖田総司は少女の前に走りながら現れた。
少女は小さめの包みを持ちながら、沖田総司を笑顔で見た。
沖田総司は荒く息をはきながら、少女を笑顔で見た。
少女は小さめの包みを持ちながら、沖田総司を怯えた表情で見た。
沖田総司は少女を不安そうに見た。
少女は小さめの包みを抱えながら、沖田総司から怯えた表情で少し離れた。
沖田総司は少女を不安そうに見ている。
少女は小さめの包みを抱えながら、沖田総司に怯えた様子で話し出す。
「総司さんは病気ですよね。一緒に食べて病気がうつると困るので、私は帰ります。」
沖田総司は少女を悲しそうな表情で見た。
少女は小さめの包みを抱えながら、沖田総司の元から怯えた表情で去って行った。
沖田総司は少女に悲しそうな表情で大きな声を出した。
「鈴ちゃん! 行かないで!」
沖田総司は慌てた様子で床から体を起こした。
直ぐに不安そうに周りを見回した。
沖田総司自身の部屋の中に居る。
部屋の中は暗さに包まれている。
沖田総司は安心した表情でゆっくりと息をはいた。
沖田総司の息の音だけが部屋の中に聞こえた。
沖田総司は不安そうに呟いた。
「なぜ何度も嫌な夢を見るのかな?」
床から起き上がると、静かに障子を開けた。
夜空には星の輝きが見えない。
暗い夜空となっている。
沖田総司は夜空を見ながら、不安そうに呟いた。
「真っ暗だな。」
静かに障子を閉めると、再び床についた。
雨の降る心配はないが、重い雰囲気の曇り空となっている。
斉藤一と沖田総司は、一緒に京の町を歩いている。
斉藤一が沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「何かありましたか?!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 一緒に出掛ける事が出来て楽しいですよね!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。
僅かだが重い雰囲気の曇り空となっている。
沖田総司は少女の元へと笑顔で走っている。
少女は辺りを心配そうに見回している。
沖田総司は少女の前に来ると、笑顔で話し出す。
「鈴ちゃん!」
少女は沖田総司に怯えた表情で話し出す。
「総司さんは病気ですよね。」
沖田総司は少女を困惑した様子で見た。
少女は沖田総司に嫌そうな表情で話し出す。
「総司さんは、直ぐに怒るし優しくないし嘘を付くから大嫌いです。全てに関して大嫌いです。」
沖田総司は少女を悲しそうな表情で見た。
見知らぬ男性が沖田総司と少女の元に微笑んで現れた。
少女は見知らぬ男性を笑顔で見た。
見知らぬ男性は少女を微笑んで見た。
少女は見知らぬ男性の腕に笑顔で掴まった。
沖田総司は見知らぬ男性と少女を悲しそうな表情で見た。
少女は見知らぬ男性の腕に掴まりながら、沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。
「総司さん。私はこの方とお付き合いをします。この方は、怒らないし、優しいし、嘘を付きません。何より、総司さんと一番に違うのは、元気で丈夫なところです。この方は、総司さんと全てに関して違いますよね。総司さんと一緒に居るより楽しい時間を過ごす事が出来ます。」
見知らぬ男性は少女を微笑んで見ている。
少女は見知らぬ男性の腕に掴まりながら、沖田総司を幸せそうな笑顔で見た。
沖田総司は少女と見知らぬ男性を悲しそうな表情で見た。
少女は見知らぬ男性の腕に掴まりながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「私は、総司さんとは全く違う、温和で誠実で元気で丈夫な方と付き合います。総司さんとは二度と会う事はないと思います。」
沖田総司は少女を悲しそうな表情で見た。
少女は見知らぬ男性の腕に掴まりながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「さよなら。総司さん。」
見知らぬ男性は沖田総司を微笑んで見た。
少女と見知らぬ男性は、沖田総司に背を向けながら楽しそうに歩き出した。
沖田総司は少女に向かって、悲しそうな表情で大きな声を出した。
「鈴ちゃん!」
沖田総司は慌てた様子で床から体を起こした。
直ぐに不安そうに周りを見回した。
沖田総司自身の部屋の中に居る。
部屋の中は暗さに包まれている。
沖田総司は不安そうに呟いた。
「夢か。」
床からゆっくりと起き上がると、障子を静かに開けた。
夜空には月と星の輝きが見えない。
暗い夜空となっている。
沖田総司は悲しそうな表情で呟いた。
「なぜ辛い夢ばかり見るのかな?」
悲しそうな表情で軽く息をはいた。
暗い夜空を見ると、悲しそうな表情で呟いた。
「夢ではなく現実の出来事のような気がしてきた。」
悲しそうな表情で、ゆっくりと障子を閉めようとした。
斉藤一が沖田総司の傍に静かに現れた。
沖田総司が斉藤一を見ると、不思議そうに呟いた。
「これは夢?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「寝ぼけているのか?」
沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。
「夜分遅くに何をしているのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「何も無い。偶然に起きただけだ。夜空は月も星も見えなくて暗いから、部屋に戻って寝直そうとしたら、更に暗い総司が居た。面白くて様子を見ていた。」
沖田総司は斉藤一に苦笑しながら話し出す。
「夜空に月と星が見えないから、私の周りが暗く感じたのではないですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「今夜は闇のように暗いが、総司の周りは更に闇のように暗い。面白いから見ていた。」
沖田総司は斉藤一を苦笑しながら見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。夜分に申し訳ありませんが、私の話しを聞いてくれませんか?」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司の部屋の中へと静かに入っていった。
沖田総司は静かに障子を閉めた。
沖田総司の部屋の中は、天気と時間のために、闇のような暗さに感じる。
沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。
「最近の事ですが、鈴ちゃんの夢を良く見ます。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。
「夢の中の鈴ちゃんは、体調が悪い私を気味悪がり、元気な人と付き合うから私とは会わないと言って去って行きました。夢の中の鈴ちゃんは、私の知っている鈴ちゃんとは全く違います。夢の中の出来事だけでなく、本当の出来事になるように思えてきました。考えるだけで、怖いし不安になります。斬り合いの時には怖さや不安は感じないのに不思議ですよね。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。
「鈴ちゃんが私の元から去って行く事が、喩え夢だとしても辛くて耐えられません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が不安になるのは、美鈴さんに病気などの隠し事をしているからだろ。美鈴さんが総司の病気を知った時の事を勝手に想像しているからだろ。それだけ総司が強く考えているんだな。」
沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。
「私は鈴ちゃんに病気の事を隠している訳ではありません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんに病気の事を伝えていなければ、隠し事をしているのと同じだろ。」
沖田総司は斉藤一を困惑した様子で見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。
「斉藤さんも原田さんも、私の病気の事をある程度は知っていますよね。それでも以前と変わらずに付き合ってくれます。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「原田さんに関しては分からないが、俺は総司の病気についての詳細をほとんど聞いていない。」
沖田総司は斉藤一を困惑した様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺には総司の病気について詳しく説明しなくても構わない。総司が美鈴さんに病気に関する事を言わないのは、総司の体調が悪くなってから、急に態度を変えた人が何人もいるからだろ。その時の事を思い出して不安になるんだろ。」
沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。
「斉藤さんは、私の病気に関する詳しい事を知ったら、態度を変えますか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は総司への態度を変えるつもりはない。だが、総司の今の質問は、俺の事も信じていないという事だな。」
沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。
「私は斉藤さんの事を信じています。ただ・・・」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は話しの途中で困惑した表情になり黙ってしまった。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。
「斉藤さん。怒りましたか? 私は斉藤さんを信じています。ただ、嫌な夢を見てから、分からない事が増えました。分からない事が何かも分からなくなりました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は怒ってないから安心しろ。」
沖田総司は斉藤一を安心した表情で見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さんの言う通り、部屋の中が暗闇に包まれているように感じます。でも落ち着いて話しをする事が出来ます。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「暗い中で親しい人と一緒に居るから、思う事を言い易いかも知れない。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「子供の頃に暗闇の中で楽しく話しをした事があります。斉藤さんも同じ経験が有りませんか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「覚えていない。」
沖田総司は斉藤一に残念そうに話し出す。
「覚えていないのですか。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
部屋の中に、降る雨の音が聞こえてきた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「雨の降る音が聞こえてきましたね。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「話しを戻すが、総司が先に考える事は、総司自身ではなく美鈴さんの事だろ。美鈴さんは総司を信じている。美鈴さんを何度も悲しませていると、本当に夢の中と同じ事が起きるかも知れないぞ。」
沖田総司は斉藤一を真剣な表情で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「部屋に戻る。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「ありがとうございました。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は静かに立ち上がった。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見ている。
斉藤一は部屋を静かに出て行った。
沖田総司は安心した様子で、再び床についた。
斉藤一は沖田総司の部屋から出た。
自分の部屋へと戻るために、縁を静かに歩き出した。
雨の降りが僅かに弱まった。
斉藤一は立ち止まると、沖田総司の部屋を見て、普通の表情で呟いた。
「総司の気持ちは理解できるが、美鈴さんにとって辛い状況が続いているよな。」
視線を戻すと、自分の部屋へと戻るために、縁を静かに歩き出した。
曇り空だが晴れ間が見えそうな空になっている。
沖田総司は少女の家を楽しそうに訪れた。
少女は沖田総司の前に微笑んで現れた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。早く出掛けよう。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司と少女は、楽しそうに話をしながら出掛けて行った。
それから少し後の事。
沖田総司と少女は、良く訪れる寺に到着した。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんとの約束は必ず守るから、これからもたくさん出掛けようね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんと一緒にたくさん出掛けられる事は、とても嬉しいです。でも、総司さんはお仕事が忙しい方です。無理をしないでください。」
沖田総司は少女を苦笑しながら見た。
少女は沖田総司を不思議そうに見た。
沖田総司は少女の手を取ると、笑顔で話し出す。
「鈴ちゃん! 綺麗な花が咲いているね! 近くで見よう!」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた
沖田総司は少女の手を引きながら、笑顔で歩き出した。
少女は沖田総司に引っ張られるようにして、走るように歩き出した。
沖田総司は少女の手を取りながら立ち止まると、心配そうに様子を見た。
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女の手を取りながら、心配そうに話し出す。
「早く歩き過ぎた。大丈夫?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「大丈夫です。」
沖田総司は少女の手を取りながら、安心した表情になった。
少女は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は少女の手を取りながら、ゆっくりと歩き出した。
少女は沖田総司の横を微笑んで歩き出した。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承願います。
ここからは改訂前の後鍵を加筆訂正しながら書いていきます。
沖田総司さんと斉藤一さんが、星の輝きの見えない夜空と、灯りも無い部屋の中で、話しをしています。
暗闇での会話は、怖いと感じる方がいると思います。
私自身が大人になってからの話しになりますが、停電のために真っ暗な中で話した事があります。
停電になる事を忘れていて、突然に真っ暗になり驚きました。
相手の表情がはっきりと分からない状況での不思議な会話でした。
声の雰囲気で相手の様子を確認しながらの会話になりました。
その時の出来事は忘れられない思い出です。
「雨月(うげつ)」は、幾つか意味があります。
この物語では「陰暦五月の異称。」という意味で使用しています。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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