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新撰組異聞 〜 芍薬めぐる物語 〜


〜 第三版 〜


ここは、京の町。


たくさんの花が咲いている。


穏やかで過ごしやすい季節を迎えている。


ここは、屯所。


土方歳三の部屋。


土方歳三は普通に居る。


斉藤一は部屋を普通に訪れた。


土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。気になる女性に似合う芍薬を探しているが、見付からなくて困っている。諸事情から、芍薬を探す時間が減ってしまった。斉藤ならば、俺の望む芍薬を見付けられると思って部屋に呼んだ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「自分で探してください。」

土方歳三は斉藤一に寂しく話し出す。

「斉藤しか頼める人物がいない。斉藤は総司とあの子を助けているだろ。俺も助けてくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さん。総司とあの子の組み合わせと同列にしないでください。総司にも、あの子にも、失礼です。」

土方歳三は斉藤一に寂しく話し出す。

「相手に想いを伝えたい気持ちは、方法は違うが一緒だ。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に残念な様子で話し出す。

「仕方がない。芍薬は都合を付けて、自分で探す。当日は一人で出掛けると目立つから、付き合ってくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。


数日後の事。


今は夜。


ここは、京の町。


綺麗な月が輝いている。


ここは、一軒の屋敷。


月の光が庭を照らしている。


縁。


土方歳三は庭を微笑んで見ている。

綺麗な女性も庭を微笑んで見ている。


土方歳三と女性から少し離れた縁。


斉藤一は土方歳三と綺麗な女性を普通の表情で見ている。


土方歳三は綺麗な女性の耳元で微笑んで囁いた。

「いつ観ても綺麗だ。」

綺麗な女性は土方歳三の耳元で微笑んで囁いた。

「土方先生。様々なお噂を幾度も聞きました。今までに幾人の女性に今の言葉を囁いたのですか?」

土方歳三は綺麗な女性の耳元で微笑んで囁いた。

「君が初めてだ。」

綺麗な女性は土方歳三の耳元で微笑んで囁いた。

「本当ですか?」

土方歳三は綺麗な女性の耳元で微笑んで囁いた。

「噂は噂だ。俺を信じてくれ。」

綺麗な女性は土方歳三の耳元で微笑んで囁いた。

「土方先生。今のお話を信じても良いのですね。」

土方歳三は綺麗な女性の耳元で寂しく囁いた。

「俺の話を信じていなのか。とても寂しい。」

綺麗な女性は斉藤一に微笑んで話し出す。

「少し離れた場所に居るお武家様。お名前は斉藤様でしたね。」


斉藤一は綺麗な女性に普通の表情で軽く礼をした。


綺麗な女性は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤様。土方先生のお話を信じても良いですか?」


斉藤一は綺麗な女性を普通の表情で見た。


綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方先生。私は、嘘を付いたと分かった時、とても怖いです。大丈夫ですか?」

土方歳三は綺麗な女性に真剣な表情で話し出す。

「俺は嘘を付かない。」

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方先生のお話を信じます。」

土方歳三は綺麗な女性を微笑んで見た。

綺麗な女性は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤様。土方先生の今のお話をしっかりと覚えていてくださいね。」


斉藤一は綺麗な女性に普通の表情で軽く礼をした。


土方歳三は斉藤一と綺麗な女性を苦笑して見た。

綺麗な女性は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は庭を見ると、庭を微笑んで指した。

綺麗な女性は庭を見ると、土方歳三に微笑んで話し出す。

「綺麗な芍薬ですね。」

土方歳三は庭を指すのを止めると、綺麗な女性を見て、綺麗な女性に微笑んで話し出す。

「君のために咲く芍薬だよ。」

綺麗な女性は土方歳三を見ると、土方歳三に微笑んで話し出す。

「私のために咲く芍薬。嬉しい喩えです。」

土方歳三は綺麗な女性の耳元で微笑んで囁いた。

「君に似合う芍薬を必死に探した。君の喜ぶ姿が観られた。嬉しい。」

綺麗な女性は土方歳三に微笑んで抱き付いた。

土方歳三は綺麗な女性を抱いて、綺麗な女性を微笑んで見た。

綺麗な女性は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方先生。芍薬の名前を教えてください。」

土方歳三は綺麗な女性を抱いて、綺麗な女性の耳元で微笑んで囁いた。

「暁。」

綺麗な女性は土方歳三に抱き付いて、芍薬を見て、土方歳三に微笑んで話し出す。

「暁。素敵な名前です。」

土方歳三は綺麗な女性を抱いて、綺麗な女性の耳元で微笑んで囁いた。

「陽の光の下で咲く暁も、月夜の下で咲く暁も、月の輝きも、君の美しさに敵わない。」

綺麗な女性は土方歳三に抱き付いて、土方歳三を見て、土方歳三に微笑んで話し出す。

「先生。お世辞でも本当に嬉しいです。」

土方歳三は綺麗な女性を抱いて、綺麗な女性の耳元で微笑んで囁いた。

「お世辞ではない。信じてくれ。」

綺麗な女性は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は綺麗な女性を抱いて、綺麗な女性を微笑んで見た。


僅かに後の事。


ここは、一軒の屋敷。


月の光が庭を照らしている。


一室。


卓が在る。


卓には、普段より豪華な酒と肴が載っている。


斉藤一は部屋の中に静かに入った。


斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲み始めた。


暫く後の事。


ここは、一軒の屋敷。


月の光が庭を照らしている。


一室。


卓が在る。

卓には、普段より豪華な酒と肴が載っている。


斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。


土方歳三が部屋の中に微笑んで入ってきた。


斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。ありがとう。楽しかったよ。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤と一緒に出掛けられて本当に助かった。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤は美味しい酒と美味しい肴を味わっている。一石二鳥だな。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通に話し出す。

「別れる時に他人を巻き込まなければ、本当の意味の一石二鳥になります。」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「俺は斉藤を巻き込んだ覚えは一度も無い。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通に話し出す。

「土方さんにとっての、巻き込まない、の意味を教えてください。」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「話の続きは、後日にしよう。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲み干した。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。少し経ったら、戻りたい。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。


翌日の事。


ここは、京の町。


青空が広がっている。


ここは、綺麗な芍薬が咲く場所。


沖田総司は笑顔で居る。

少女は微笑んで居る。


沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! 芍薬が綺麗に咲いているね!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は白い芍薬を指すと、少女に笑顔で話し出す。

「綺麗な白い芍薬は“初雪”だよね! 幾度も観ても鈴ちゃんと似ていると思うよ!」

少女は沖田総司を恥ずかしく見た。

沖田総司は白い芍薬を指すのを止めると、少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんは花について詳しいから、とても勉強になるよ! 今後もたくさん教えてね!」

少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を何かを思い出した表情で見た。

少女は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は少女に申し訳なく話し出す。

「鈴ちゃん。戻る時間が近付いている。」

少女は沖田総司を寂しく見た。

沖田総司は少女に心配して話し出す。

「私は鈴ちゃんに変な内容を話したのかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは変な内容を話していません。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「今は忙しくない日が続いているんだ。鈴ちゃんに直ぐに逢いに行くよ。たくさん話して過ごそうね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。


ここは、沖田総司と少女の居る場所から少し離れた場所。


一本の大きな木の下。


芹沢鴨は沖田総司と少女を普通の表情で見ている。


芹沢鴨の後ろから、土方歳三の穏やかな声が聞こえた。

「芹沢さん。何を観ているのですか?」


芹沢鴨は後ろを僅かに面倒な様子で見た。


土方歳三は微笑んで居る。


芹沢鴨は沖田総司と少女の様子を普通の表情で見た。

土方歳三は芹沢鴨を微笑んで見た。

芹沢鴨は沖田総司と少女を見ながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方。あの子は可愛いな。」

土方歳三は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「可愛いです。数年ほど経つと、可愛さが増して、魅力的な雰囲気も加わるはずです。」

芹沢鴨は土方歳三を見ると、土方歳三に微笑んで話し出す。

「俺も土方と同じ考えだ。同じ考えの人物が居る。更に嬉しくなる。」

土方歳三は芹沢鴨を微笑んで見た。

芹沢鴨は土方歳三に微笑んで話し出す。

「総司は任務と剣術関連から離れると、天才的な鈍さを発揮する。あの子を含めて、確実に苦労するな。」

土方歳三は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「はい。」

芹沢鴨は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方。あの子に興味があるのだろ。あの子に声を掛けないのか?」

土方歳三は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「今後の状況を考えると、あの子に声を掛けると、面倒な出来事が押し寄せます。俺は、実施したい出来事が、楽しみな出来事が、たくさんあります。何もしません。」

芹沢鴨は土方歳三に微笑んで話し出す。

「最近、とても暇だ。恋愛関係で面白い出来事を教えてくれ。」

土方歳三は芹沢鴨を微笑んで見た。

芹沢鴨は沖田総司と少女を微笑んで見た。

土方歳三は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「総司とあの子に何かをすると、物凄い出来事が起きます。」

芹沢鴨は土方歳三を見ると、土方歳三に興味深く話し出す。

「是非、教えてくれ。」

土方歳三は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「常に殺気を感じるとか、突然に斬られるとか、闇討ちに遭うとか、酒や食べ物に危険な物が入っているとか、他にもいろいろと考えられます。芹沢さん。希望の出来事があるのですか?」

芹沢鴨は土方歳三に苦笑して話し出す。

「全て嫌だな。」

土方歳三は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「危険な物の準備も、酒や食べ物に見付からずに危険な物を入れるのも、とても面倒ですよね。闇討ちは、準備、実行、闇討ちに係わる人物が見付からない、全て確実に出来る状況を考える、とても面倒ですよね。」

芹沢鴨は土方歳三を苦笑して見た。

土方歳三は少し離れた場所を指すと、芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「突然ですが、俺が指す場所に生える草の名前をご存知ですか?」

芹沢鴨は土方歳三と土方歳三が指す場所を不思議な様子で見た。

土方歳三は少し離れた場所を指すのを止めると、芹沢鴨を微笑んで見た。

芹沢鴨は土方歳三に苦笑して話し出す。

「今の土方の微笑み。物凄く怖い。」

土方歳三は芹沢鴨に微笑んで話し出す。

「俺は普段と同じです。」

芹沢鴨は土方歳三に微笑んで話し出す。

「仕方がない。当分は黙って様子を見る。」

土方歳三は芹沢鴨を微笑んで見た。

芹沢鴨は土方歳三に微笑んで話し出す。

「様子を見るだけでも、楽しいものが見られるな。」

土方歳三は芹沢鴨を微笑んで見ている。

芹沢鴨は沖田総司と少女を微笑んで見た。

土方歳三は芹沢鴨と沖田総司と少女を微笑んで見た。


夜の事。


ここは、京の町。


綺麗な月が輝いている。


ここは、屯所。


一室。


障子は開いている。


庭が見える。


月の光が庭を淡く照らしている。


沖田総司は杯の酒を微笑んで飲んでいる。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。


沖田総司は杯の酒を飲むのを止めると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。庭に咲く芍薬の名前を知っていますか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芍薬を見ると、沖田総司に普通に話し出す。

「暁。」

沖田総司は斉藤一に残念な様子で話し出す。

「斉藤さんは既に知っていたのですね。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんはとても良い子です。必ず逢ってください。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「俺が逢う理由は無い。」

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「私にとって、斉藤さんと鈴ちゃんは、物凄く大切な友達です! 必ず逢ってください!」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「機会があれば会う。心配するな。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんと逢ってくれるのですね! 鈴ちゃんも喜びます! 三人で楽しくたくさん話しましょう!」

斉藤一は杯の酒を飲み干すと、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一の杯に酒を笑顔で注いだ。

斉藤一は杯を持ち、沖田総司に普通の表情で頷くと、杯の酒を普通の表情で飲んだ。

沖田総司は杯の酒を飲むと、月夜を笑顔で見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司と芍薬を見て、普通の表情で呟いた。

「相手が総司か。物凄く大変な道のりだ。尊敬する。」

沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。何か話しましたか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲み干した。

沖田総司は杯の酒を飲み干すと、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司の額を思い切り指で弾いた。

沖田総司は額を痛い表情で押さえると、斉藤一に大きな声で話し出す。

「斉藤さん! 痛いです! 何をするのですか?!」

斉藤一は杯の酒を飲むと、芍薬を普通の表情で酒を見た。

沖田総司は額を痛い表情で押さえて、斉藤一を怪訝な様子で見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、芍薬を普通の表情で見ている。

沖田総司は額を痛い表情で押さえて、斉藤一を怪訝な様子で見ている。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司と芍薬と月を普通の表情で見た。

沖田総司は額から手を離すと、斉藤一を苦笑して見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は杯の酒を飲むと、斉藤一と月と芍薬を微笑んで見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司と月と芍薬を普通の表情で見た。


沖田総司と斉藤一の月と芍薬を酒の肴にした月夜の宴は、不思議な雰囲気の中で続く。

沖田総司と斉藤一の月と芍薬を酒の肴にした月夜の宴は、長く続く雰囲気に包まれている。




*      *      *       *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の雰囲気と展開を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

「芍薬(しゃくやく)」をめぐる物語です。

「土方歳三さんと斉藤一さん」、「土方歳三さん斉藤一さんと綺麗な女性」、「沖田総司さんと鈴ちゃん」、「芹沢鴨さんと土方歳三さん」、「沖田総司さんと斉藤一さん」の組み合わせで、恋物語などが登場します。

この物語の時間設定は、沖田総司さん達が京の町に着いて間もない頃です。

「芍薬」の「暁」が、新撰組の人達の時代にあったのか確認はとっていません。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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