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新撰組異聞 〜 花菖蒲の咲く頃に 〜
〜 第三版 〜
ここは、京の町。
曇り空が広がっている。
ここは、町中。
芹沢鴨は普通に歩いている。
芹沢鴨は少し離れた場所を普通の表情で見た。
沖田総司が一緒に良く遊ぶ子供達が、楽しく歩く姿が見えた。
芹沢鴨は子供達を普通の表情で見た。
芹沢鴨は普通に止まった。
子供達は不思議な様子で止まった。
芹沢鴨が子供達に普通に話し出す。
「今日も総司と遊ぶのか?」
子供達は芹沢鴨に小さく首を横に振った。
芹沢鴨が子供達に普通に話し出す。
「今は暇か?」
子供達は芹沢鴨に小さく頷いた。
芹沢鴨が子供達に普通に話し出す。
「付いて来い。」
子供達は芹沢鴨に小さく頷いた。
芹沢鴨は普段より僅かにゆっくりと歩き出した。
子供達は普通に歩き出した。
少し後の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
一室。
障子は開け放たれている。
芹沢鴨は微笑んで絵を描いている。
子供達は芹沢鴨の描く絵を笑顔で見ている。
幼い男の子は芹沢鴨に笑顔で話し出す。
「芹沢のおじちゃん! 僕の絵を描いて!」
芹沢鴨は絵を書き終えると、幼い男の子に微笑んで話し出す。
「分かった。」
幼い男の子は芹沢鴨を嬉しく見た。
芹沢鴨は幼い男の子を見ながら、絵を微笑んで描き始めた。
子供達は芹沢鴨を笑顔で見た。
芹沢鴨は幼い男の子の絵を微笑んで描き上げた。
子供達は芹沢鴨を笑顔で見た。
芹沢鴨は幼い男の子に幼い男の子の絵を微笑んで渡した。
幼い男の子は芹沢鴨から絵を笑顔で受け取った。
少し幼い男の子が芹沢鴨に楽しく話し出す。
「総司お兄ちゃんの絵を描いて!」
芹沢鴨は少し幼い男の子に微笑んで頷いた。
子供達は芹沢鴨を笑顔で見た。
芹沢鴨は沖田総司の絵を微笑んで描き始めた。
子供達は芹沢鴨を笑顔で見た。
芹沢鴨は沖田総司の絵を微笑んで描き終わった。
子供達は芹沢鴨を笑顔で見た。
芹沢鴨は少し幼い男の子に沖田総司の絵を微笑んで渡した。
少し幼い男の子は芹沢鴨から絵を受け取ると、芹沢鴨に笑顔で話し出す。
「総司お兄ちゃんに物凄く似ているよ!」
芹沢鴨は子供達に微笑んで頷いた。
子供達は絵を楽しく見た。
芹沢鴨は境内を微笑んで見た。
子供達は絵を楽しく見ている。
芹沢鴨は子供達を見ると、子供達に微笑んで話し出す。
「みんなで楽しんでくれ。気に入った絵があったら、持って帰って良いぞ。」
子供達は芹沢鴨に笑顔で話し出す。
「はい!」
芹沢鴨は子供達に微笑んで頷いた。
子供達は絵を楽しく見た。
芹沢鴨は部屋から普通に出ていった。
僅かに後の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
境内。
少女は花菖蒲を抱えて、微笑んで居る。
少女の後ろから、芹沢鴨の僅かに明るい声が聞こえた。
「何をしている?」
少女は花菖蒲を抱えて、後ろを不思議な様子で見た。
芹沢鴨は少女を普通の表情で見ている。
少女は花菖蒲を抱えて、芹沢鴨に小さい声で話し出す。
「以前に、お寺の住職さんに、私がお花を活ける内容を話しました。住職さんの知り合いのご好意で、花菖蒲を分けて頂ける話がありました。花菖蒲を受け取りに来ました。」
芹沢鴨が少女に素っ気無く話し出す。
「花を活けると普通に話す。お嬢様の発言だ。総司と釣り合わない。」
少女は花菖蒲を抱えて、芹沢鴨に僅かに困惑して話し出す。
「私はお嬢様ではありません。」
芹沢鴨は少女を普通の表情で見た。
少女は花菖蒲を抱えて、芹沢鴨を悲しく見た。
芹沢鴨は少女に微笑んで話し出す。
「総司が多摩に居る時に、婚約話が持ち上がりかけた。総司は修行中を理由に、断る返事をした。知っているか?」
少女は花菖蒲を抱えて、芹沢鴨に不安な様子で小さく首を横に振った。
芹沢鴨は少女に微笑んで話し出す。
「総司は、武士の子として生まれ、武士として過ごしている。総司の上役の近藤とも違う。総司の上役の土方とも違う。お嬢様とも違う。お嬢様なら俺の話す意味が分かるだろ?」
少女は花菖蒲を抱えて、芹沢鴨に不安な様子で頷いた。
芹沢鴨は少女に微笑んで話し出す。
「お嬢様が総司と仲良くする。苦労の連続だ。先程、お嬢様ではないと返事をしたな。訂正する。普通の女の子が総司と仲良くする。苦労の連続だ。」
少女は花菖蒲を抱えて、芹沢鴨を悲しい表情で見た。
芹沢鴨は少女を意地悪い微笑みで見た。
僅かに後の事。
ここは、町中。
沖田総司は普通に歩いている。
沖田総司の居る場所から少し離れた場所。
子供達が沖田総司を確認するように歩いている。
沖田総司は子供達の傍に不思議な様子で来た。
沖田総司は子供達に不思議な様子で話し出す。
「何か遭ったのかな?」
子供達は沖田総司に不思議な様子で話し出す。
「芹沢のおじちゃんが僕達に絵を描いてくれたんだ。」
「芹沢のおじちゃんは、途中で居なくなって、総司お兄ちゃんと良く一緒に居るお姉ちゃんと話し始めたんだ。」
「心配になって、芹沢のおじちゃんとお姉ちゃんの様子を見ていたんだ。話すだけだったから、住職さんにお姉ちゃんと芹沢のおじちゃんが一緒に居ると伝えて帰ったんだ。」
沖田総司は子供達に真剣な表情で話し出す。
「芹沢さんが居る寺を教えてくれ。」
子供達は沖田総司に心配して話し出す。
「直ぐ近くのお寺だよ。」
沖田総司は真剣な表情で走り出した。
子供達は沖田総司を驚いた表情で見た。
少し後の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
境内。
芹沢鴨は微笑んで居る。
少女は花菖蒲を抱えて、困惑した様子で居る。
芹沢鴨の後ろから、鋭い視線と殺気を感じた。
芹沢鴨は後ろを困惑した様子で見た。
沖田総司は芹沢鴨に鋭い視線と殺気を向けて見ている。
芹沢鴨は沖田総司に素っ気無く話し出す。
「何か遭ったのか?」
沖田総司は芹沢鴨に大きな声で話し出す。
「芹沢さん!! 今回は何を話しているのですか?!!」
芹沢鴨は沖田総司に意地悪い微笑で話し出す。
「総司が多摩に居る時に婚約を破毀した話。総司と総司の大切な友達が釣り合わない話。いろいろな内容の話。」
沖田総司が芹沢鴨に不機嫌な様子で話し出す。
「芹沢さん! 何故、彼女をいじめるのですか?!」
芹沢鴨は沖田総司に意地悪い微笑みで話し出す。
「俺は総司の大切な友達をいじめていない。俺は事実を話しただけだ。」
沖田総司は芹沢鴨を不機嫌な様子で見た。
少女は花菖蒲を抱えて、沖田総司に小さい声で話し出す。
「いつもご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」
沖田総司は少女を見ると、少女に心配して話し出す。
「鈴ちゃんは悪くないよ。鈴ちゃんが謝る理由はないよ。」
少女は花菖蒲を抱えて、沖田総司を悲しく見た。
沖田総司は少女を心配して見た。
芹沢鴨は沖田総司の腕を素早く掴むと、沖田総司を意地悪い微笑みで見た。
少女は花菖蒲を抱えて、寂しい様子で居なくなった。
沖田総司は少女の去った方向を寂しく見た。
芹沢鴨は沖田総司の腕を掴み、沖田総司に意地悪い微笑みで話し出す。
「総司とあの子は、友達の関係だろ。話の続きは後日でも構わないだろ。今は任務に就いていないのだろ。酒を飲みに行く。付き合え。」
沖田総司は芹沢鴨を見ると、芹沢鴨を睨んで低い声で話し出す。
「低次元の話を聞く暇はないです。早く私の腕を離してしてください。」
芹沢鴨は沖田総司の腕を驚いた表情で直ぐに放した。
沖田総司は走りながら居なくなった。
少し後の事。
ここは、町中。
芹沢鴨は普通に歩いている。
芹沢鴨は前を普通の表情で見た。
斉藤一が芹沢鴨に向かって普通に歩く姿が見えた。
芹沢鴨は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。
芹沢鴨は斉藤一の傍に微笑んで来た。
斉藤一は芹沢鴨に普通の表情で軽く礼をした。
芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。今は暇か?」
斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。
芹沢鴨は斉藤一に微笑んで話し出す。
「面白い時間が過ごせると思って、総司達と近くの寺で話した。或る出来事が起きて、総司達との話しが途中で終わった。後を頼む。」
斉藤一は芹沢鴨を僅かに睨んだ。
芹沢鴨は斉藤一に困惑して話し出す。
「変な内容は話していない。睨むのを止めてくれ。」
斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。
芹沢鴨は僅かに早く歩いて居なくなった。
斉藤一は普通に居なくなった。
少し後の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺の近く。
沖田総司は少女を探しながら、落ち着かない様子で歩いている。
斉藤一は沖田総司の傍に普通の表情で来た。
沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に不安な様子で話し出す。
「芹沢さんが鈴ちゃんに辛い内容を話した様子です。鈴ちゃんが悲しい様子で居なくなりました。鈴ちゃんを探しています。鈴ちゃんが見付かりません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「家を訪ねろ。」
沖田総司は斉藤一を不安な様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。落ち着け。」
沖田総司は斉藤一に不安な様子で話し出す。
「とても心配です。鈴ちゃんの笑顔を見るまで落ち着けません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「動揺しても解決しない。直ぐに家を訪ねるぞ。」
沖田総司は斉藤一を不安な様子で見た。
斉藤一は沖田総司の腕を普通の表情で掴んだ。
沖田総司は斉藤一を困惑して見た。
斉藤一は沖田総司の腕を掴み、普通に歩き出した。
沖田総司は困惑した様子で歩き出した。
少し後の事。
ここは、少女の家の傍。
斉藤一は普通に来た。
沖田総司は困惑した様子で来た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。落ち着け。しっかりしろ。」
沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。
「はい!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は少女の家へと真剣な表情で歩き出した。
僅かに後の事。
ここは、少女の家。
玄関。
沖田総司は普通に来た。
少女の家の人が現れた。
沖田総司は少女の家の人に普通の表情で軽く礼をした。
少女の家の人は家に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は後ろを安心した表情で見た。
斉藤一が普通に歩いて去る姿が見えた。
沖田総司は前を普通の表情で見た。
少し後の事。
ここは、花菖蒲が綺麗に咲く場所。
沖田総司は心配な様子で居る。
少女は困惑した様子で居る。
沖田総司は少女に心配して話し出す。
「芹沢さんが鈴ちゃんに話した内容を教えてくれるかな?」
少女は沖田総司に不安な様子で話し出す。
「先程の芹沢さんの話したとおりの内容です。」
沖田総司は少女を心配して見た。
少女は沖田総司に不安な様子で話し出す。
「沖田さんの年齢ならば、縁談話があっても不思議ではありません。芹沢さんは、沖田さんと縁談話のお相手の女性は、婚約しなかったと話しました。今は状況が変わっています。私は気にしていません。」
沖田総司は少女を心配な様子で見た。
少女は沖田総司に不安な様子で話し出す。
「私は沖田さんと釣り合いません。芹沢さんの話すとおりです。」
沖田総司は少女に心配して話し出す。
「私と鈴ちゃんは、変わらないよ。」
少女は沖田総司を不安な様子で見た。
沖田総司は少女に心配して話し出す。
「芹沢さんが他に話した内容を教えてくれるかな?」
少女は沖田総司に不安な様子で話し出す。
「沖田さんは上役の近藤さんと違って、総司さんの上役の土方さんとも違って、生れた時から武士だと話しました。私とも違うと話しました。」
沖田総司は少女に心配して話し出す。
「私は武士ではないと言われる人物と共に任務に就く時がある。鈴ちゃんは女の子だよ。武士か、武士ではないか、関係ないよ。」
少女は沖田総司に不安な様子で話し出す。
「本当に関係ないのでしょうか?」
沖田総司は少女に心配して話し出す。
「鈴ちゃんは、鈴ちゃんだよ。私は鈴ちゃんと仲良くしているんだよ。鈴ちゃんの気遣いに物凄く感謝しているのに、鈴ちゃんへの礼を返せなくて本当に申し訳ないと思っているんだよ。」
少女は沖田総司に不安な様子で話し出す。
「私は何もしていません。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「芹沢さんの話す内容は気にしないで。今後も笑顔で話そう。」
少女は沖田総司を不安な様子で見た。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。花菖蒲が綺麗に咲いているね。笑顔で話しながら、花菖蒲を見よう。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女に嬉しく話し出す。
「鈴ちゃんの笑顔が見られた! 鈴ちゃんの笑顔を見ると、私は元気になるんだよ!」
少女は沖田総司を恥ずかしく見た。
沖田総司は少女を嬉しく見た。
僅かに後の事。
ここは、屯所。
芹沢鴨の居る部屋。
芹沢鴨は普通に居る。
斉藤一は部屋を普通に訪れた。
斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。
芹沢鴨は斉藤一に僅かに動揺して話し出す。
「もしかして、駄目だったのか?」
斉藤一は芹沢鴨に普通に話し出す。
「駄目だった場合、芹沢さんは既に誰かに斬られています。」
芹沢鴨は斉藤一に僅かに困惑して話し出す。
「屯所内には、怖い人物がたくさん居たな。」
斉藤一は芹沢鴨を普通の表情で見た。
芹沢鴨は斉藤一を困惑して見た。
斉藤一は部屋を普通に出て行った。
芹沢鴨は安心した表情で軽く息をはいた。
数日後の事。
ここは、町中。
少女が花菖蒲を抱えて、微笑んで歩いている。
芹沢鴨が少女の傍に普通に来た。
少女は花菖蒲を抱えて、不思議な様子で止まった。
芹沢鴨は少女に詰まらない様子で話し出す。
「しぶとい。面白くない。」
少女は花菖蒲を抱えて、芹沢鴨を不思議な様子で見た。
芹沢鴨は少女に畳んだ紙を差し出すと、少女に素っ気無く話し出す。
「受け取れ。」
少女は花菖蒲を片手で抱えて、芹沢鴨から畳んだ紙を片手で不思議な様子で受け取った。
芹沢鴨は少女に普通に話し出す。
「再び逢おう。」
少女は花菖蒲を片手で抱いて、畳んだ紙を片手で持ち、芹沢鴨に不思議な様子で軽く礼をした。
芹沢鴨は普通に居なくなった。
少女は花菖蒲を片手で抱いて、畳んだ紙を不思議な様子で丁寧に広げた。
少女は花菖蒲を片手で抱いて、紙を笑顔で見た。
少女は花菖蒲を片手で抱いて、紙を丁寧に畳んで、紙を丁寧に懐に仕舞った。
少女は花菖蒲を抱いて、微笑んで歩き出した。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
改訂前の雰囲気と展開を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承ください。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
少しだけ早く咲く花菖蒲の物語です。
山南敬助さん、土方歳三さん、沖田総司さん、斉藤一さん、などの強敵を避けて、芹沢鴨さんは鈴ちゃんと話しました。
沖田総司さんが芹沢鴨さんに再び怒ります。
芹沢鴨さんは沖田総司さんの怒り方が想像を超えていたので、再び驚きます。
芹沢鴨さんが何かを思って、鈴ちゃんに一枚の紙を渡します。
鈴ちゃんはその紙を嬉しい様子で見ます。
物語に登場する、沖田総司さんの多摩時代の婚約というか許婚という話は、幾つかの説が伝わっています。
沖田総司さんを好きだった女性か許婚がいたのですが、沖田総司さんが修行中か京に行く事を理由に断ったと伝わっています。
その女性には後にいろいろと遭ったのですが、今回は省略します。
芹沢鴨さんが子供達に絵を描いた出来事は、この物語の状況とは違いますが、似た内容の逸話が伝わっているそうです。
芹沢鴨さんの優しい一面を伝える逸話だと思いました。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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