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新撰組異聞 〜 夢占 月下美人 〜


〜 第三版 〜


今は冬。


ここは、京の町。


陽が暮れる時間が近付いている。


空の色が橙色から藍色に染まり始めた。


土方歳三は普通に歩いている。


土方歳三の視線の先に、綺麗な女性が土方歳三を微笑んで見る姿があった。


綺麗な女性は、蓮華、だった。


蓮華は土方歳三に微笑んで軽く礼をした。


土方歳三は蓮華の傍に普通に来た。


蓮華は土方歳三に微笑んで抱き付いた。

土方歳三は蓮華に普通に話し出す。

「蓮華さん。久しぶり、の挨拶で良いのかな?」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方様。お久しぶりです。やっと逢えました。嬉しいです。」

土方歳三は蓮華に普通に話し出す。

「今回は近い内に誰が亡くなる?」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に微笑んで話し出す。

「私の大切な綺麗な白猫の“白”が何処かに行ってしまいました。困った猫ですよね。」

土方歳三は蓮華に普通に話し出す。

「今回の近い内に亡くなる人物を早く教えろ。」

蓮華が土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「白が居ないので、詳しい内容は分かりません。」

土方歳三は蓮華に普通に話し出す。

「蓮華さんの大切な白は、頻繁に居なくなるのか?」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「土方様の話すとおりです。」

土方歳三は蓮華を普通の表情で見た。

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に寂しく話し出す。

「私は白を探さなくてはなりません。土方様にやっと逢えたのにお別れしなければなりません。寂しいです。」

土方歳三は蓮華を普通の表情で見ている。

蓮華は土方歳三から寂しく放れた。

土方歳三は蓮華を普通の表情で見ている。

蓮華は土方歳三に寂しく話し出す。

「土方様の私に関する記憶が、私の姿が見える時のみしか戻りません。仕方が無いと分かりながらも、寂しいです。」

土方歳三は蓮華を普通の表情で見ている。

蓮華は土方歳三に寂しく話し出す。

「土方様。失礼します。」

土方歳三は蓮華を普通の表情で見ている。

蓮華は土方歳三に寂しく礼をした。

土方歳三は蓮華を普通の表情で見ている。


蓮華は寂しく、静かに居なくなった。


土方歳三は辺りを不思議な様子で見た。


変わった様子が無い。


土方歳三は辺りを不思議な様子で見た。

土方歳三は辺りを見ながら、不思議な様子で呟いた。

「突然に不思議な気持ちになった。考えても理由が分からない。」

土方歳三は前を見ると、静かに息をはいた。


土方歳三の近くから見知った人物と同じ気配を感じた。


土方歳三は辺りを見ると、不思議な様子で呟いた。

「今の時間、山南さんは屯所に居るのに、山南さんの気配を感じる。不思議だ。」

土方歳三は辺りを不思議な様子で見た。


山南敬助の姿は見えない。


土方歳三は不思議な表情で歩き出した。


直後の事。


ここは、土方歳三が不思議な様子で見た場所の一つ。


綺麗な白色の猫が居る。


蓮華が綺麗な白猫の傍に微笑んで、静かに現れた。


蓮華は綺麗な白猫に微笑んで話し出す。

「白。やっと見付けた。急に居なくなったから、心配して探したのよ。」


綺麗な白猫は、白、だった。


白は蓮華の元にゆっくりと歩いてきた。


蓮華は白を抱くと、白に微笑んで話し出す。

「白。居なくなると探すのが大変なの。勝手に居なくならないでね。」

白はじっとしている。

蓮華は白を抱いて、白を不思議な様子で見た。

白はじっとしている。

蓮華は白を抱いて、土方歳三の去る姿を見ると、妖しく微笑んで呟いた。

「山南様なのですね。」

白はじっとしている。

蓮華は白を抱いて、白を妖しく微笑んで見た。

白はじっとしている。


蓮華は白を抱いて、微笑んで、静かに居なくなった。

白は蓮華の腕の中で、じっとして、静かに居なくなった。


幾日もの日々が過ぎた。


今は夏になる。


ここは、京の町。


陽が暮れ始めて、星や月の光が分かる頃になっている。


土方歳三は普通に歩いている。


土方歳三は微笑んで呟いた。

「総司と斉藤は、今回も俺を待たずに酒を飲み始めるのかな?」


土方歳三は不思議な気配に包まれた。


土方歳三は不思議な様子で立ち止まった。


土方歳三は辺りを不思議な様子で見た。


蓮華が白を抱いて、土方歳三を微笑んで見る姿がある。


土方歳三は蓮華と白を見ながら、普通に歩き出した。


蓮華は白を抱いて、土方歳三を微笑んで見ている。


土方歳三は蓮華の傍に普通に来た。


蓮華は白を抱いて、土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方様。お久しぶりです。」

土方歳三は蓮華に普通に話し出す。

「良く現れるな。」

蓮華はしゃがむと、白を微笑んで静かに降ろした。

白は地面へと静かに降りた。

蓮華は微笑んでゆっくりと立った。

土方歳三は蓮華を普通の表情で見た。

蓮華は土方歳三に微笑んで抱き付いた。

土方歳三は蓮華に普通に話し出す。

「山南さんが亡くなった。」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「はい。」

土方歳三は蓮華に普通に話し出す。

「蓮華さんは俺の望みどおりになると話した。山南さんの亡くなる理由が分からない。」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「私は、土方様の思いどおりになる約束はしましたが、他の人物の命まで思いどおりになる約束はしていません。」

土方歳三は蓮華に辛い様子で話し出す。

「俺は山南さんに亡くなって欲しいと思っていない。俺は山南さんに生きて欲しかった。山南さんが亡くなった理由が知りたい。」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「土方様は、憂いを含む表情も、冷たい表情も、素敵です。土方様への想いが更に募ります。」

土方歳三は蓮華を冷たい表情で見た。

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「土方様の素敵な表情に見惚れて、質問に答えるのを忘れていました。山南様の命は、山南様ご自身の命です。当時の状況で山南様の命を助けられた人物は、限られた人物でした。当時の状況で山南様を助けられた人物は、全員が山南様を助ける言動を取りませんでした。」

土方歳三は蓮華を冷たい表情で見た。

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「土方様。黙る理由は何ですか? もしかして、私に答えを言って欲しいのですか?」

土方歳三は蓮華を冷たい表情で見ている。

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「土方様の希望です。答えを話します。」

土方歳三は蓮華を冷たい表情で見ている。

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「先ず、沖田様。沖田様は近藤様と土方様の命令を受けて、一人で山南様を探しました。沖田様は一人で探す中で、山南様を見付けました。沖田様は、山南様を逃がせる可能性がある時は逃がす命令を受けていませんでした。沖田様は、山南様を逃がせる可能性があるのに、山南様を逃がさず、山南様を連れ戻しました。山南様が沖田様と共に抵抗せずに戻ったのは、沖田様は嘘が苦手なためだと思います。山南様は切腹する可能性を少しは覚悟して戻ったと思います。私は山南様と沖田様がとても可哀想です。山南様と沖田様にご同情を申し上げます。」

土方歳三は蓮華を冷たい表情で見ている。

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「次に、近藤様。近藤様は新撰組の中で一番に偉いです。近藤様は沖田様に山南様を逃がす命令を密かに下せる人物です。近藤様は、山南様が新撰組から逃げる前に、山南様を助けられる場面は幾度もありました。近藤様は山南様を助けるための言動を取りませんでした。近藤様は山南様に切腹の沙汰を下しました。近藤様が悩んで苦しむのは当然の結果です。」

土方歳三は蓮華を冷たい表情で見ている。

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「最後に、土方様。土方様は山南様の立場が悪くなる前に、山南様を助けられる状況がありました。土方様は山南様を助けるための言動を取りませんでした。土方様は沖田様に山南様を見付けても逃がす命令を密かに下しませんでした。土方様は近藤様に山南様を助けるための相談をしなかった。土方様は近藤様の考えを変えられる可能性があります。近藤様と土方様が協力すれば、山南様は現在も生きていると思います。土方様は、近藤様に相談する状況が危険と判断した場合、独自の判断で、山南様を助ける方法を考えたと思います。土方様ならば、山南様を助けられる可能性がありました。」

土方歳三は蓮華に辛い様子で話し出す。

「俺は山南さんに生きて欲しかった。」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「策士と喩えられる土方様が、山南様を助ける言動を取らなかった理由は何ですか? 策士と喩えられる土方様が気付かない程に、周りの状況が突然に変わったのですか? 土方様は山南様に本当に生きて欲しいと思っているのですか? 土方様は沖田様が悩み続ける様子を黙って見ている理由は何ですか? 土方様は本当に辛いと思って過ごしているのですか?」

土方歳三は蓮華に辛い様子で話し出す。

「分からない。考えても答えが出ない。」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「苦しんで悩む土方様。とても素敵です。更に想いが募ります。」

土方歳三は蓮華を辛い様子で見た。

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しく微笑んで話し出す。

「土方様。私と交わした約束を覚えていますよね。私は悩みました。土方様は、沖田様と斉藤様を気遣う言動、沖田様とお相手を気遣う言動、をしています。いろいろと考えた結果、土方様の生き方を少し見たいと思いました。」

土方歳三は蓮華に辛い様子で話し出す。

「総司も斉藤も、若いのに危険な任務いている。俺は、総司も斉藤も、気になっている。斉藤には、特別な任務を何度も押し付けている。斉藤にしか出来ない任務だから、斉藤に頼んでしまう。俺は、任務を頼む度に、無事で戻って欲しいと思っている。」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三を妖しく微笑んで見た。

土方歳三は蓮華に辛い様子で話し出す。

「俺は、総司と斉藤に互いを斬る命令を絶対に下さない。総司も斉藤も、俺や近藤さんが命令を下せば従うと思う。総司も斉藤も、片方を斬った瞬間に、俺からも新撰組からも、離れてしまう。総司も斉藤も失った瞬間に、新撰組も俺も、駄目になる時だと思っている。副長としても、武士としても、耐えられない。何より、俺自身が耐えられない。」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三を妖しく微笑んで見た。

土方歳三は蓮華に辛い様子で話し出す。

「俺は、総司にも斉藤にも、幸せになって欲しい。総司の場合は、肩書きや剣術の強さで近寄る人物が多い。総司と一緒に良く居る女の子は違う。あの子は総司より年下で頼りない雰囲気があるが、総司よりしっかりとしている。あの子は、総司の肩書きに関係なく、総司の剣術の強さに関係なく、総司と一緒に居る。総司に一番に合う子だ。俺は総司とあの子で幸せになって欲しい。総司は、俺や近藤さんには、今までに起きた出来事のために何も言わない。俺は本当に必要な時には何でもする考えがある。」

蓮華は土方歳三に抱き付いて、土方歳三に妖しい微笑みで話し出す。

「さすが土方様。私がお慕いする男性。私が話した件は、私は知らない状況にします。土方様。今の土方様の話を忘れず、私と土方様で交わした約束を忘れず、約束をしっかりと守って過ごしてくださいね。」

土方歳三は蓮華に真剣な表情で頷いた。

蓮華は土方歳三から妖しく微笑んで放れた。

土方歳三は蓮華を真剣な表情で見た。

蓮華は土方歳三に綺麗な微笑で話し出す。

「私の姿が見えなくなると、土方様は私について忘れます。土方様は、私と今回までに話した内容を、私と今回の話した内容を、ご記憶の片隅に留める努力をしてください。」

土方歳三は蓮華を真剣な表情で見た。

蓮華は微笑んで静かにしゃがみ込んだ。


白は蓮華の傍に、静かに現れた。


蓮華はしゃがんで、白を微笑んで抱いた。

白は蓮華の腕の中でじっとしている。

蓮華は白を抱いて、微笑んでゆっくりと立った。

土方歳三は蓮華を真剣な表情で見ている。

蓮華は白を抱いて、土方歳三に微笑んで軽く礼をした。

土方歳三は蓮華を真剣な表情で見ている。


蓮華は白を抱いて、微笑んで、静かに居なくなった。

白は蓮華の腕の中で、じっとして、静かに居なくなった。


土方歳三は辺りを不思議な様子で見た。


先程まで歩いていた場所とは、違う場所に居る。


料亭の一室。


障子の傍に居る。


土方歳三は部屋の中を不思議な様子で見た。


土方歳三の前から、沖田総司の明るい声が聞こえた。

「土方さん! 待っていました!」


土方歳三は前を不思議な様子で見た。


沖田総司は土方歳三を笑顔で見ている。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。


土方歳三は沖田総司と斉藤一を見ながら、不思議な様子で呟いた。

「約束の店に着いていたのか。」

沖田総司は土方歳三を不思議な様子で見た。

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は沖田総司と斉藤一を不思議な様子で考えながら見た。

沖田総司は土方歳三と斉藤一を不思議な様子で見た。

斉藤一は土方歳三と沖田総司を普通の表情で見た。

土方歳三は沖田総司と斉藤一に普通に話し出す。

「待たせて悪かった。酒を飲もう。」

沖田総司は土方歳三に笑顔で話し出す。

「はい!」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。


沖田総司は笑顔で席に着いた。

斉藤一は普通に席に着いた。

土方歳三も普通に席に着いた。


暫く後の事。


ここは、京の町。


夜空には綺麗な月と星が浮かんでいる。


土方歳三は普通に歩いている。

沖田総司は微笑んで歩いている。

斉藤一は普通に歩いている。


沖田総司が斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。月下美人の名前の花を知っていますか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「夕方から朝方に掛けて、一日のみ咲く花。」

沖田総司が斉藤一に微笑んで話し出す。

「私が月下美人を見たいと話しました。月下美人の花が近い内に咲くかも知れないと教えてくれました。月下美人の花を見たいです。」

土方歳三が沖田総司に普通に話し出す。

「見に行けば良いだろ。」

沖田総司は土方歳三に苦笑して話し出す。

「月下美人の花が咲く様子を見るためには、夕方から朝方まで出掛ける必要があります。朝になって戻ると、切腹になってしまいます。」

土方歳三が沖田総司に普通に話し出す。

「俺が特別な用事を頼む方法がある。俺が特別な用事を頼む状況ならば、朝や昼に屯所に戻っても不思議に思う隊士はいない。」

沖田総司は土方歳三に驚いて話し出す。

「月下美人の花を見に出掛けて良いのですか?!」

土方歳三は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に嬉しく話し出す。

「斉藤さん! 土方さんから月下美人を見る許しをもらいました! 月下美人の花の咲く日を確認します! 嬉しいですよね! 楽しみですよね!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に普通の表情で小さい声で話し出す。

「斉藤。後は頼む。」

斉藤一が土方歳三に普通の表情で小さい声で話し出す。

「俺も出掛けて良いのですか?」

土方歳三が斉藤一に普通の表情で小さい声で話し出す。

「総司の喜ぶ様子を見ると、月下美人を共に見る人物が直ぐに分かる。今の時点の総司の喜び方を見ると、当日は更なる喜び方になるはずだ。総司は変な言動をしないと思うが、総司が盛り上がり過ぎた時は抑えて欲しい。斉藤ならば総司を抑えられる。総司とあの子は、斉藤が一緒に居ても嫌がらず、斉藤が居ると逆に喜ぶ。問題は無い。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 月下美人の花が咲く日が楽しみですよね! 贈り物を用意して訪ねたいです! 私は雅な物が選べません! 誰かに贈り物を選んでもらう方が良いですよね!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「月下美人の花が咲く日を確認してから、喜んで、考えろ。」

沖田総司は斉藤一に嬉しく話し出す。

「斉藤さん! 確認をしたら、一緒に喜んでください!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

土方歳三は沖田総司と斉藤一を普通の表情で見た。


直後の事。


ここは、土方歳三、沖田総司、斉藤一の歩く場所から少し離れた場所。


蓮華は白を抱いて、土方歳三と沖田総司と斉藤一を妖しく微笑んで見ている。

白は蓮華の腕の中でじっとしている。


蓮華は白を抱いて、白を微笑んで見た。

白は蓮華の腕の中でじっとしている。

蓮華は白を抱いて、白に微笑んで話し出す。

「白。綺麗な白色ね。」

白は蓮華の腕の中でじっとしている。

蓮華は白を抱いて、白に妖しく微笑んで話し出す。

「今回の土方様は優しいわね。沖田様や斉藤様や女の子を悲しませない言動が出来るかしら? 白。土方様の今後を、一緒に楽しみに見ましょうね。」

白は蓮華の腕の中でじっとしている。


蓮華は白を抱いて、微笑んで、静かに居なくなった。

白は蓮華の腕の中で、じっとして、静かに居なくなった。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語は「新撰組異聞 短編 夢占 白蓮華」の後日談です。

この物語の前半の時間設定は、山南敬助さんが切腹する前の冬です。

この物語の後半の時間設定は、山南敬助さんが切腹してから初めて迎える夏です。

土方歳三さんと蓮華は、三つの約束をしています。

土方歳三さんは、蓮華との約束の一つは守れなかったようです。

本来ならば、約束は終わりになりますが、土方歳三さんは一つの約束を守れなかった後の行動で免除されました。

蓮華は土方歳三さんに山南敬助さんが切腹した時の質問をします。

蓮華は、土方歳三さんに、別な意味で被害者になってしまった沖田総司さんについて、山南敬助さんの逃走や切腹を本当に止められなかったのか、策士と言われるのに本当に何も出来なかったのか、幾つも問い掛けます。

この物語の土方歳三さんは、「新撰組異聞 短編 花筏」の近藤勇さん、「新撰組異聞 短編 青空の下と月夜の下で」の斉藤一さん、に話していない内容を、蓮華に話します。

土方歳三さんの話す内容は、何処までの気持ちか不明ですが、本音が入っている、と思ってください。

「月下美人(げっかびじん)」についてです。

現在の暦の七月から八月頃に掛けての夏の頃に、夕方から朝に掛けて一日だけ咲きます。

月下美人は開花の後に数時間ほどでしぼみ始めます。

月下美人は、大正時代になってから日本に渡来したそうです。

新撰組の人達が京の町に居る時代には、見られない花になります。

大正時代の終わり頃に、「月下美人」の名前で紹介した人物がいるそうです。

この時の紹介した以降に、「月下美人」の名前で定着したそうです。

月下美人の名前の雰囲気から、月下美人の花の咲く様子から、題名に使用しました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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