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新撰組異聞 〜 鷺草の咲く頃 〜


〜 改訂版 〜


今は夏。


ここは、京の町。


朝の早い時間のため、静かな雰囲気となっている。


ここは、屯所。


屯所も静かな雰囲気になっている。


ここは、沖田総司の部屋。


沖田総司は微笑んで身支度をしている。

机の上には、小さな植木鉢に植わった鷺草が飾ってある。


斉藤一が普通に訪ねてきた。


沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。おはようございます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。鷺草に水をあげたか?」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「夕方に水をあげます。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「急な予定が入ったら、水をあげるのを忘れるかも知れない。朝の内に水をあげろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「分かりました。今から水をあげます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は部屋から元気良く出て行った。


斉藤一は鷺草を普通の表情で見た。


鷺草は白い羽を広げたような姿で咲いている。


沖田総司は急須を持ちながら、微笑んで入ってきた。


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。何度も説明しているが、小さい鉢植えだから、水は少しずつあげろ。」

沖田総司は急須を持ちながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は急須を使いながら、鷺草に真剣な表情で水をあげた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は急須を持ちながら、斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。夕方も鷺草の確認をしろ。」

沖田総司は急須を持ちながら、斉藤一に笑顔で頷いた。


斉藤一は部屋を普通に出て行った。


沖田総司は急須を机の上に置くと、鷺草を笑顔で見た。


その翌日の事。


ここは、京の町。


綺麗な青空が広がっている。


沖田総司と少女が良く訪れる寺。


沖田総司と少女が居る。


沖田総司が少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんが譲ってくれた鷺草は元気に咲いているよ!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さん。お仕事が忙しいですよね。鷺草を育てるのは大変ではありませんか?」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鷺草が元気に咲いている姿を見ると、鈴ちゃんの笑顔を見ている時と同じように楽しくなるんだ! 鷺草に水をあげるのがとても楽しいんだ! 植物の世話をするのは不慣れだけど、斉藤さんがいろいろと教えてくれるから大丈夫だよ!」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。いつも困る話しをしてしまってごめんね。」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「総司さんに楽しい気持ちになると言って頂けて嬉しいです。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「やった〜! 鈴ちゃんが喜んでくれた!」

少女は沖田総司を恥ずかしそう見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。調子が悪いの?」

少女は沖田総司を見ながら、微笑んで首を横に振った。

沖田総司は少女を安心した様子で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。鷺草をもう少しだけ分けてもらうのは可能なのかな?」

少女は考え込む仕草を見せた。

沖田総司は少女に僅かに慌てた様子で話し出す。

「鈴ちゃん。無理しないで。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「大丈夫です。鷺草を用意します。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ありがとう。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。


その翌日の事。


ここは、京の町。


少女の家。


玄関。


沖田総司が微笑んで訪れている。


少女は鷺草の植わった小さい鉢植えを持ちながら、微笑んで現れた。


少女は沖田総司に鷺草の小さい鉢植えを微笑んで差し出した。

沖田総司は少女から鷺草の小さい鉢植えを受け取ると、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ありがとう。」

少女が沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は鷺草の小さい鉢植えを持ちながら、少女を微笑んで見た。


それから数日後の事。


ここは、京の町。


川原の近く。


木の傍。


沖田総司と少女は、座りながら話しをしている。


少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。川の傍に行きたいです。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「日差しは強いし川の傍は危ないから止めようよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんが傍に居ます。大丈夫です。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「分かった。川を近くで見よう。辛くなったら直ぐに声を掛けてね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。


それから少し後の事。


ここは、川原。


沖田総司と少女が居る。


少女はしゃがみ込みながら、川を微笑んで見ている。

沖田総司はしゃがみ込みながら、少女を微笑んで見ている。


沖田総司は少し離れた場所を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。子供達が遊びに来ているよ。」

少女は沖田総司と同じ方向を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を見ると、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。子供達と少しだけ話しをしてくるね。川の変化には気を付けてね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は子供達の元へと微笑んで歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、川原。


川の傍。


子供達が楽しそうに遊んでいる。


沖田総司は子供達の傍に笑顔で来た。


子供達は沖田総司を見ると、笑顔で話し出す。

「総司お兄ちゃん! こんにちは!」

沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。

「こんにちは。大人は一緒に来ていないの?」

子供達は沖田総司に微笑んで話し出す。

「僕達だけで来たけれど、いつも気を付けて遊んでいるから大丈夫だよ。」

「川には入らないし、川の様子が普段と違えば近付かないし、いつも無理はしていないから大丈夫だよ。」

「今日はこれで帰るから、心配しないで。」

「総司お兄ちゃん。さようなら。」

沖田総司は子供達に微笑んで頷いた。


子供達は元気良く去って行った。


沖田総司は子供達の去って行く様子を微笑んで見た。


聞き覚えのある女性の声が、沖田総司の後ろから聞こえてきた。

「沖田様。こんにちは。」


沖田総司は振り向くと、女性に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

女性は沖田総司に微笑んで話し出す。

「先日は鷺草を頂きましてありがとうございました。」

沖田総司は女性に恥ずかしそうに話し出す。

「私への礼は要りません。鷺草を喜んで頂けて嬉しいです。」

女性は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は女性を恥ずかしそうに見た。

女性は沖田総司から少し離れた場所を微笑んで見た。

沖田総司は女性を不思議そうに見た。

女性は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「では、失礼いたします。」

沖田総司は女性に微笑んで頷いた。


女性は微笑みながら去って行った。


沖田総司は女性が見ていた場所を不思議そうに見た。


少女は沖田総司を寂しそうに見ている。


沖田総司は少女の前に心配そうに来た。


少女は沖田総司に寂しそうに話し出す。

「一人で居るのが寂しくなってしまって、総司さんの近くに来てしまいました。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出そうとした。

少女は沖田総司が話し出す前に、寂しそうに話し出す。

「私が総司さんに差し上げた鷺草は、あの方が持っているのですね。」

沖田総司は少女に困惑した様子で話し出す。

「鈴ちゃん。違うんだ・・・」

少女は沖田総司の話しの途中で、寂しそうに話し出す。

「あの方は総司さんにお礼を言いました。総司さんはお礼が要らないと言いました。私が総司さんに差し上げた鷺草は、お礼を言われる物ではないのですね。」

沖田総司は少女に困惑した様子で話し出す。

「鈴ちゃん。言い方が悪くてごめんね。」

少女は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「あの方は鷺草を楽しんで見られます。私は鷺草が無いので来年まで見られません。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんが鷺草を譲るために、悲しい思いをしているとは思わなかったんだ。気付かなくてごめんね。」

少女は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「私は総司さんに喜んで欲しかったから・・・」

沖田総司は少女の話の途中で、僅かに不機嫌そうに話し出す。

「私は鈴ちゃんが大切にしている鷺草だと知っていたら受け取らなかった。今頃になって悲しいと言われても困るよ。」

少女は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「ごめんなさい。」

沖田総司は少女に僅かに慌てた様子で話し出す。

「私が無理を言ったから、鈴ちゃんが無理をしたんだよね。私の気遣いが足りなくてごめんね。」

少女は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「私は総司さんに迷惑を掛けています。総司さんの言う通りです。」

沖田総司は少女に悲しそうに話し出す。

「鈴ちゃんは私に迷惑を掛けていないよ。鈴ちゃんはしっかりとしているよ。」

少女は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「総司さんが私のために悲しい思いをしています。迷惑を掛けてごめんなさい。」

沖田総司は少女に悲しそうに話し出す。

「私は鈴ちゃんと一緒に居ると楽しいよ。大切な友達を心配するのは当然の行動だよ。」

少女は沖田総司を悲しそうに見た。

沖田総司も少女を悲しそうに見た。

少女は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「総司さんに更なるご迷惑をお掛けする訳にはいきません。帰ります。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。送っていくよ。」

少女は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんが一人で帰るのはとても心配だよ。お願いだから、一緒に帰ろう。」

少女は沖田総司に小さく頷いた。

沖田総司は少女を心配そうに見た。


少女は寂しそうに歩き出した。

沖田総司は少女を気遣いながら歩き出した。


それから暫く後の事。


ここは、京の町。


夜空には月が浮かんでいる。


ここは、屯所。


斉藤一の部屋。


沖田総司は不安そうに訪れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。

「鈴ちゃんと逢っている時に、少しだけ離れた場所に子供達が居ました。少しだけしか離れていなかったので、私が一人で子供達の元に行きました。子供達に川の近くに居る時は気を付けるように言いました。子供達は直ぐに帰りました。子供達が帰った直後に、鈴ちゃんから譲ってもらった鷺草を贈った家族の人に会いました。鈴ちゃんは私と家族の人の話を聞いてしまったために落ち込んでいました。私は鈴ちゃんに事情を説明しようとしましたが、上手に説明できなくて機嫌が悪くなってしまいました。鈴ちゃんが更に落ち込んでしまいました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんが落ち込んだ総司の発言を教えろ。」

沖田総司が斉藤一に悲しそうに話し出す。

「家族の人が鷺草の礼を言った時に、私への礼は要らないと返事をしました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「確かに総司への礼は必要ないが、美鈴さんは違うよな。総司は美鈴さんが近くに居るのを知っているのだから、家族に鷺草を譲ってもらった状況を伝えるべきだったな。」

沖田総司は斉藤一に悲しそうに頷いた。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんは殴られて怪我をしてから日数も余り経っていないだろ。完治していないか気持ちが落ち着かない頃だと思う。それに、美鈴さんは、総司が人を斬る様子、斬られた相手が息を引き取る様子、斬殺死体を見ている。美鈴さんには相当な負担になっているはずだ。総司が気遣いや配慮をせずに話しをすれば、美鈴さんは落ち込むだろ。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「鈴ちゃんの怪我は、ほぼ完治しているそうです。少し前の鈴ちゃんは辛そうな時がありましたが、今の鈴ちゃんは笑顔で話しています。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。山南さんの介錯の時の様子を覚えているよな?」

沖田総司は斉藤一を驚いた表情で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に僅かに不機嫌そうに話し出す。

「なぜそのような話しをするのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺も覚えているから、総司は更に覚えているよな。美鈴さんも総司と同じく簡単に忘れられない出来事があると思わないか?」

沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。

「鈴ちゃんは、鷺草が家に無いので、来年にならないと見られないと話していました。鈴ちゃんは私に迷惑を掛けていると感じています。私に喜んでもらうために、鈴ちゃんの家に有った最後の鷺草を無理して譲ったのだと思います。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。

「鈴ちゃんのために鷺草を手に入れたくて探しましたが、手に入る場所は見付かりませんでした。斉藤さん。鷺草が手に入る場所を知りませんか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「京の町の鷺草の見頃も季節も終わり始めている。美鈴さんへの贈り物に出来るほどの綺麗に咲く鷺草が手に入る場所は知らない。」

沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。

「私が鈴ちゃんから分けてもらった鷺草は綺麗に咲いています。鈴ちゃんが譲ってくれた鷺草は綺麗に咲いていました。斉藤さん。本当に知らないのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんの家の鷺草は、京の町の中では遅めに咲いた方になる。総司が美鈴さんから分けてもらった鷺草は、総司がまめに手入れをしているから長く咲いている。今も鷺草が咲いているから手に入る場所はあるかも知れないが、俺には分からない。」

沖田総司は落ち込んだ様子で軽く息をはいた。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。諦めずにもう少し探してみろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「分かりました。鷺草が手に入る場所をもう少しだけ探してみます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は部屋から微笑んで出て行った。


その翌日の事。


ここは、屯所。


出入り口の傍。


子供達が恐る恐る訪ねてきた。


一人の隊士が子供達を不思議そうに見た。


子供達は隊士に恐る恐る話し出す。

「沖田総司さんか斉藤一さんは居ますか? お話しがしたいです。」

隊士は子供達を不思議そうに見ている。

子供達は隊士を恐る恐る見ている。


原田左之助が隊士と子供達の傍に不思議そうに現れた。


隊士は原田左之助に普通の表情で軽く礼をした。

子供達は原田左之助に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

原田左之助は隊士に頷いてから、子供達を見て、微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

子供達は原田左之助に真剣な表情で話し出す。

「総司お兄ちゃんに話しがあります。総司お兄ちゃんが居なければ、はじめお兄ちゃんと話したいです。」

原田左之助は子供達に微笑んで話し出す。

「分かった。一緒に来てくれ。」

子供達は原田左之助に真剣な表情で頷いた。


原田左之助は微笑んで歩き出した。

子供達は真剣な表情で歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、沖田総司の部屋。


沖田総司は机に向かいながら、真剣な表情で任務をしている。


原田左之助の穏やかな声が聞こえてきた。

「総司。部屋の中に入っても良いか?」


沖田総司は不思議そうに障子を開けた。


原田左之助は沖田総司を微笑んで見ている。

子供達は沖田総司を真剣な表情で見ている。


沖田総司は原田左之助と子供達を不思議そうに見た。


原田左之助は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司に話しがあるそうだ。後は頼むな。」

子供達は原田左之助に真剣な表情で話し出す。

「ありがとうございました。」

原田左之助は子供達に微笑んで頷いた。


沖田総司は原田左之助に不思議そうに軽く礼をした。


原田左之助は微笑みながら去って行った。


沖田総司は子供達に不思議そうに話し出す。

「詳しい話は部屋の中でしよう。」


子供達は真剣な表情のまま、部屋の中に入ってきた。


沖田総司は不思議そうに障子を閉めた。


沖田総司は子供達に不思議そうに話し出す。

「屯所には出来るだけ来ないように話していたわね。何か遭ったのかな?」

女の子は沖田総司に木箱を差し出すと、心配そうに話し出す。

「総司お兄ちゃんに鷺草を返しに来ました。今日もしっかりと咲いています。安心して受け取ってください。」

沖田総司は女の子に不思議そうに話し出す。

「せっかく鷺草が手に入ったのに、なぜ返そうと思ったのかな?」

女の子は沖田総司に木箱を差し出したまま、真剣な表情で話し出す。

「私は元気になりました。総司お兄ちゃん。お姉ちゃんを早く元気にしてあげてください。」

沖田総司は女の子から木箱を受け取ると、微笑んで話し出す。
「心配してくれてありがとう。鈴ちゃんに早く鷺草を渡すね。」

子供達は沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司は木箱を持ちながら、子供達に微笑んで話し出す。

「みんなもありがとう。屯所の出入り口まで送っていくね。」

子供達は沖田総司に微笑んで話し出す。

「僕達は大丈夫です。総司お兄ちゃんは任務を続けてください。」

沖田総司は木箱を持ちながら、子供達に微笑んで話し出す。

「みんなを屯所の出入り口まで送るのも立派な任務だから、遠慮しなくて良いよ。」

子供達は沖田総司に微笑んで話し出す。

「よろしくお願いします。」

沖田総司は木箱を持ちながら、子供達を微笑んで見た。


斉藤一が普通に部屋に入ってきた。


沖田総司は木箱を持ちながら、斉藤一を微笑んで見た。

子供達は斉藤一に微笑んで話し出す。

「はじめお兄ちゃん。こんにちは。」

斉藤一は子供達に普通の表情で頷いた。

沖田総司は木箱を持ちながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「子供達が私や鈴ちゃんを気遣って鷺草を返しにきてくれました。子供達を屯所の出入り口まで送ったら、直ぐに部屋に戻ってきます。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「子供達は総司と美鈴さんのために鷺草を返しにきたんだろ。総司の任務は、ほとんど終わりだろ。俺が残りの任務を引き継ぐ。総司は子供達への感謝と子供達の思いに応えるために、もう少し遠くまで送った後に、美鈴さんに鷺草を届けろ。」

沖田総司は木箱を持ちながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。ありがとうございます。子供達を送った後に、鈴ちゃんに鷺草を届けに行きます。」

子供達は斉藤一に微笑んで話し出す。

「はじめお兄ちゃん。さよなら。」

斉藤一は沖田総司と子供達に普通の表情で頷いた。


沖田総司は木箱を持ちながら、部屋を微笑んで出て行った。

子供達は部屋を微笑んで出て行った。


それから暫く後の事。


ここは、少女の家。


沖田総司は木箱を持ちながら、微笑んで訪れた。


ここは、少女の部屋。


沖田総司と少女が居る。

沖田総司の傍には木箱が置いてある。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。体の調子は大丈夫? 突然に訪ねてきてごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は元気です。総司さんとお話しが出来て嬉しいです。私に気を遣わないでください。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私のために自分を低くして話す必要はないよ。いつも無理をさせてしまってごめんね。」

少女は沖田総司を見ながら、微笑んで首を横に振った。

沖田総司は少女の前に木箱を置くと、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。受け取って。」

少女は木箱を不思議そうに見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は木箱を開けると、驚いた表情になった。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「この前の逢った時に上手に説明が出来なくてごめんね。今から事情を説明するね。いつも遊んでいる子供の妹が病気になったんだ。妹は鷺草が好きだから、鷺草を見せて元気付けたいと話していたんだ。それで、私が鈴ちゃんから鷺草を譲ってもらったんだ。家族全員で鷺草を喜んで見ていたよ。でも、子供達が私と鈴ちゃんを心配して鷺草を返しにきたんだ。私が鈴ちゃんに事情を説明しなかったために、鈴ちゃんや子供達に迷惑を掛けてしまった。」

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「私は総司さんや子供達にたくさん迷惑を掛けてしまったのですね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんが丁寧に鷺草を育てたから、家族全員で鷺草を丁寧に育てたんだよ。子供達は鈴ちゃんの怪我を心配しているよ。子供達は妹が元気になって家族も喜んでいるから、次は鈴ちゃんに元気になって欲しくて鷺草を返しに来たんだよ。」

少女は沖田総司を申し訳なさそうに見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。自分を責めないで。鈴ちゃんは私や子供達をいつも心配してくれる。子供達も感謝しているから、鈴ちゃんを心配するんだよ。」

少女は沖田総司に小さい声で話し出す。

「ありがとうございます。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「今回も変な言い方をしたのかな? いつも言い方が悪くて悲しい思いをさせてしまってごめんね。」

少女は沖田総司を見ながら、微笑んで首を横に振った。

沖田総司は少女の手を取ると、微笑んで話し出す。

「良かった〜 鈴ちゃんが笑ってくれた〜」

少女は沖田総司を僅かに驚いた表情で見た。
沖田総司は少女の手を慌てた様子で放した。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。総司さん。気を遣わないでください。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女も沖田総司を微笑んで見た。


それから暫く後の事。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋。


沖田総司は微笑んで部屋の中に入ってきた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。ありがとうございました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんの笑顔が見られて良かったな。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。


机の上の小さな植木鉢に植わった鷺草は、白い羽を広げたような姿で綺麗に咲いている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

子供の頃に鷺草を育てた事があります。

今回の物語に登場するような小さな植木鉢で育てていました。

年齢などの関係で、親の助けを借りて育てていました。

今回の物語は「新撰組異聞 中編 鷺草」から余り日付が経っていない設定で考えました。

鈴ちゃんは「新撰組異聞 中編 鷺草」で怪我をしているため、普段よりもみんなが心配をし

ていると思ってください。


楽しんで頂けると嬉しいです。





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