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新撰組異聞 〜 真夏の夜の夢 波にも磯にもつかぬ心地 〜


〜 改訂版 〜



今は夏。


ここは、京の町。


沖田総司と少女が良く訪れる寺。


寺の中。


縁の傍。


沖田総司と少女が居る。


沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんは海を見た経験がなかったよね!」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「海は、物凄く広くて、いろいろな所と繋がっているんだよ! 潮の香りも良いんだよ! 海面が陽の光に当たって輝く様子は綺麗だよ!」

少女は沖田総司を微笑んだ表情で見た。

沖田総司は少女に笑顔で話し出そうとした。

少女は沖田総司を僅かに寂しそうな表情で見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「私は鈴ちゃんを悲しませる話しをしてしまったんだね。気が付かなくてごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは私に謝る内容のお話しをしていません。私は大丈夫です。安心してください。」

沖田総司は少女を心配そうに抱き寄せた。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「海を見てみたいです。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんも海が見られると良いね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんと一緒に海が見てみたいです。」

沖田総司は少女を抱きながら、寂しそうな表情になった。

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「総司さん。ごめんなさい。今の話は忘れてください。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは私に謝る内容の話しはしていないから安心して良いよ。」

少女は沖田総司を安心した表情で見た。

沖田総司は微笑みながら、少女をゆっくりと放した。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司も少女を微笑んで見た。


それから暫く後の事。


ここは、京の町。


夜空には、月と星が綺麗に輝いている。


ここは、屯所。


斉藤一の部屋。


沖田総司は寂しそうに訪れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に寂しそうに話し出す。

「鈴ちゃんと海の話しをしている最中に、鈴ちゃんが悲しそうな表情になりました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に寂しそうに話し出す。

「鈴ちゃんは私と一緒に海が見たいと言いました。でも、叶う望みは低いですよね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんは、海を見た経験がないし、いつ海が見られるか分からない状況だ。美鈴さんの望みを聞いた総司が、叶う望みが低いという表情や話しをしたら、悲しいし辛いよな。」

沖田総司は斉藤一を寂しそうに見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


それから少し後の事。


ここは、沖田総司の部屋の前に在る縁。


月と星が夜空で綺麗に輝く様子が見える。


沖田総司は夜空を寂しそうに見ている。


沖田総司は夜空を見ながら、寂しそうに呟いた。

「鈴ちゃんの願いを叶えるにはどのようにすれば良いのかな?」


夜空では月と星は綺麗に輝き続けている。


沖田総司は視線を戻して軽く息をはくと、部屋の中に寂しそうに入って行った。


それから少し後の事。


ここは、沖田総司の部屋。


部屋の中には蚊帳が吊ってある。


沖田総司は蚊帳の中に敷いた床で静かに寝ている。


部屋の中が不思議な空気に包まれた。


沖田総司は床に横になったまま、ゆっくりと目を開けた。


少女が沖田総司の顔を覆うように笑顔で見ている。


沖田総司は、少女にとても似ている夜の国の“夢”という名前の少女だと直ぐに分かった。


沖田総司は床に横になったまま、夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。こんばんは。久しぶりと挨拶して良いのかな?」

夢は沖田総司から顔を離すと、微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。確かに久しぶりですね。」

沖田総司は床の上に体を起すと、夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「今夜は総司さんの願いを叶えるために来ました。」

沖田総司は床の上に体を起したまま、夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司に笑顔で抱き付いた。

沖田総司は床の上で顔を赤くすると、動きが止まった。


沖田総司と夢は、不思議な空気に包まれた。


それから一瞬の後の事。


ここは、夜の国。


夜空には、月と満天の星が輝いている。


ここは、砂浜。


潮の香りと波の音が、辺りを包んでいる。


沖田総司と夢は、抱き合いながら静かに現れた。


沖田総司は不思議そうに辺りを見回した。

夢は沖田総司から微笑んで放れた。

沖田総司は夢を見ると、不思議そうに話し出す。

「今回は最初に海に来たんだね。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「今回も総司さんの一番の望みの場所に最初に来ました。」

沖田総司は夢に不思議そうに話し出す。

「鈴ちゃんと斉藤さんはどこに居るの?」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと美鈴さんに会う前に練習をしましょう。」

沖田総司は夢を不思議そうに見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私を大切な人だと思って“好き”と言ってください。」

沖田総司は顔を赤くして下を向いた。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは照れ屋ですね。」

沖田総司は顔を赤くしたまま下を向いている。

夢は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「実は、私と美鈴さんは同じ姿をしている関係で、美鈴さんが幸せにならないと、私も幸せになれません。このままでは、私は好きな人と結婚が出来ません。」

沖田総司は顔を赤くしたまま顔を上げると、夢を困惑した様子で見た。

夢は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「私は、自分だけでなく、総司さんと美鈴さんにも、幸せになって欲しいと思っています。」

沖田総司は夢を心配そうに見た。

夢は沖田総司に悲しそうに話し出す。

「総司さん。大切な人を想いながら、“好き”と言ってくれますよね?」

沖田総司は顔を赤くすると、困惑した様子で下を向いた。

夢はため息をつくと、沖田総司に僅かに呆れた様子で話し出す。

「やっぱり駄目ですか。」

沖田総司は顔を赤くしたまま顔を上げると、夢を不思議そうに見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。何かありましたか?」

沖田総司は夢に不思議そうに話し出す。

「夢ちゃんが元気に見える。」

夢は沖田総司に笑顔で話し出す。

「はい! 私は元気です!」

沖田総司は夢に不思議そうに話し出す。

「もしかして、夢ちゃんは私を騙したの?」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私の話した内容は事実です。騙していません。」

沖田総司は夢を不思議そうに見た。

夢は横の方向を微笑んで指した。

沖田総司は夢の指す先を不思議そうに見た。


沖田総司と夢から少し離れた場所に、斉藤一と少女の姿が見える。


少女は斉藤一に微笑んで話し掛けている。

斉藤一は少女の話しを普通の表情で聞いている。


夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと美鈴さんは、総司さんが来るのを待っています。早く行ってください。」

沖田総司は斉藤一と少女を寂しそうに見た。

夢は沖田総司に不思議そうに話し出す。

「総司さん。何かありましたか?」

沖田総司は斉藤一と少女を見ながら、夢に不安そうに話し出す。

「私は鈴ちゃんにいつも迷惑を掛けている。最近の鈴ちゃんは、寂しそうな姿や辛そうな姿をする時が増えてしまった。それなのに、鈴ちゃんは辛くても寂しくても、私と逢っている時は笑顔を見せてくれるんだ。鈴ちゃんに嫌われないかと何度も不安になるんだ。」

夢は沖田総司を心配そうに見た。

沖田総司は斉藤一と少女を見ながら、夢に寂しそうに話し出す。

「私と逢っていない時の鈴ちゃんが、元気で過ごしているか、寂しい想いをしていないか、危険な目に遭っていないか、悪い出来事が起きていないか、などと考えてしまうんだ。」

夢は沖田総司を心配そうに見ている。

沖田総司は斉藤一と少女を見ながら、夢に不安そうに話し出す。

「私が体調を悪くしてから態度が変わった人達がいる。斉藤さんや鈴ちゃんは変わらずに私の傍に居てくれる。私にとって大切な人達なのに、私は迷惑を掛けてばかりいる。感謝しているのに、言葉や行動で表せずにいる。」

夢は沖田総司を心配そうに見ている。

沖田総司は斉藤一と少女を見ながら、夢に寂しそうに話し出す。

「鈴ちゃんはこんな私を心配して頼ってくれる。鈴ちゃんの笑顔を見ていると、私も笑顔になれる。鈴ちゃんのためにも、私はしっかりと過ごしたいと考えているんだ。」

夢は沖田総司の手を優しく掴むと、微笑んで話し出す。

「総司さん。悲しいお顔をしないでください。総司さんが悲しいお顔をすると、笑顔になって欲しくて、私に何が出来るかたくさん考えています。総司さんが悲しいお顔をすると、私も辛くて悲しくなります。総司さんの笑顔を見ると、私も嬉しくて笑顔になります。」

沖田総司は夢を不思議そうに見た。

夢は沖田総司の手を掴みながら、微笑んで話し出す。

「などと、美鈴さんはいつも思っているはずです。」

沖田総司は夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司の手を微笑みながら放した。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと鈴ちゃんの元に行くね。」

夢は沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は、斉藤一と夢の元に向かって、微笑んで歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、斉藤一と少女が居る砂浜。


潮の香りと波の音が、辺りを包んでいる。


斉藤一と少女は、一緒に居る。


斉藤一は少女を普通の表情で見ている。

少女は斉藤一と海を微笑んで見ている。


斉藤一は普通の表情で横を見た。

少女は斉藤一と同じ方向を不思議そうに見た。


沖田総司が斉藤一と少女に向かって、微笑んで歩いてくる姿が見える。


少女は沖田総司を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は斉藤一と少女の元に微笑んで来た。


少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

沖田総司は斉藤一と少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。斉藤さん。こんばんは。来るのが遅くなってごめんね。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは忙しい方です。斉藤さんが一緒に居てくださいました。安心してください。」

沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんを守ってくれてありがとうございました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「夜の国では危険な出来事は滅多に起きない。礼を言われる程の行動はしていない。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは強くて信頼できる人です。斉藤さんが鈴ちゃんの傍に居れば、私も鈴ちゃんも安心です。」

斉藤一は沖田総司と少女に普通に話し出す。

「これから酒を飲みに出掛けたい。後は総司と美鈴さんで過ごしてくれ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで頷いた。

少女も斉藤一に微笑んで頷いた。


斉藤一は沖田総司と少女の元から、普通の表情で静かに居なくなった。


少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「潮の香りと波の音を実際に経験できました。総司さんの言う通りでした。総司さんと同じ経験が出来て嬉しいです。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「総司さんと一緒に海が見られました。嬉しいです。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は寂しそうに下を向いた。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫?」

少女は顔を上げると、沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「すいません。はしゃぎ過ぎました。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは、はしゃいでいないよ。大丈夫だよ。」

少女は沖田総司に寂しそうな微笑みで話し出す。

「総司さん。斉藤さんと一緒にお酒を飲みたいですよね。私は一人で海を見ています。斉藤さんの元にお出掛けしてください。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「私は斉藤さんと二人だけで楽しみたいと思っていないよ。私と斉藤さんが二人だけで楽しんだら、鈴ちゃんが一人になってしまう。心配だよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「夜の国では危険な出来事は起こりません。私は一人でも大丈夫です。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「幾ら夜の国が安全だとしても、何が起きるか分からないよ。鈴ちゃんが一人で居たら、私も斉藤さんも心配になるよ。鈴ちゃん。私と一緒に居よう。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで手を差し出した。
少女は沖田総司の手を微笑んで握った。


沖田総司と少女は、手を繋ぎながら、砂浜を微笑んで歩き出した。


ちょうど同じ頃。


ここは、海辺の近くに在る家。


縁側。


波の音が聞こえてくる。


斉藤一と若い男性が座っている。

斉藤一と若い男性の傍には、酒や肴が置いてある。


男性は斉藤一の杯に酒を注ぎながら、微笑んで話し出す。

「斉藤さんと一緒にお酒が飲めて嬉しいです。」

斉藤一は杯を持ちながら、男性に普通の表情で頷いた。

男性は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲み始めた。

男性は斉藤一に微笑んで話し出す。

「今夜の酒の肴はたこ焼きです。遠慮せずにたくさん食べてください。」

斉藤一は酒を飲み終わると、たこ焼きを普通の表情で食べ始めた。

男性は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一はたこ焼きを食べ終わると、男性を普通の表情で見た。

男性は斉藤一の杯に酒を注ぎながら、微笑んで話し出す。

「沖田さんはいろいろと大変そうですね。」

斉藤一は杯を持ちながら、男性を普通の表情で見た。

男性は杯に酒を注ぎ終わると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「二人は大切な友達なんですよね。」

斉藤一は杯を持ちながら、男性に普通に話し出す。

「総司は俺を友達だと言うが、俺は総司を友達だと思っていない。」

男性は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「友達ではないと言いますが、とても仲が良いですよね。」

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んだ。

男性は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は杯の酒を飲み終わると、男性に普通に話し出す。

「俺と総司は違う。」

男性は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと沖田さんは、正反対の生き方をしているように見えますが、同じ生き方をしていると思います。例えば、剣術に関する才能に非常に優れているところ、強過ぎるために一人でいたところ、などです。」

斉藤一は男性に普通に話し出す。

「総司には美鈴さんがいる。やはり俺と総司は違う。」

男性は斉藤一に微笑んで話し出す。

「沖田さんと美鈴さんが一緒になっても、二人にとって斉藤さんは特別で大切な人です。三人での付き合いは続きますよ。」

斉藤一は普通の表情で杯に酒を注いだ。

男性は斉藤一に微笑んで話し出す。

「良い仲間が見付かって良かったですね。」

斉藤一は男性を見ながら、杯の酒を普通の表情で飲んだ。

男性は杯に酒を注ぐと、斉藤一を見ながら、微笑んで酒を飲んだ。


ちょうど同じ頃。


ここは、沖田総司と少女が居る砂浜。


波の音と潮の香りが、辺りを包んでいる。


沖田総司と少女は、手を繋ぎながら歩いている。


少女は沖田総司と手を繋ぎながら立ち止まると、海を微笑んで見た。

沖田総司は少女と手を繋ぎながら立ち止まると、少女を不思議そうに見た。


少女は沖田総司と手を繋ぎながら、沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「総司さんは陽の光が当って輝く海を見られたのですよね。」

沖田総司は少女と手を繋ぎながら、微笑んで話し出す。

「陽の光に当たって輝く海は綺麗なんだよ。夜の海では陽の光に当たって輝く海が見られないね。残念だよね。」

少女は沖田総司と手を繋ぎながら、海を寂しそうに見た。

沖田総司は少女と手を繋ぎながら、心配そうに様子を見た。

少女は沖田総司と手を繋ぎながら、沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「陽の光に当たって輝く海を見を見る時に、総司さんと斉藤さんが一緒だと嬉しいです。」

沖田総司は少女と手を繋ぎながら、微笑んだ表情になった。

少女は沖田総司と手を繋ぎながら、申し訳なさそうに話し出す。

「すいません。我がままを言ってしまいました。」

沖田総司は少女と手を繋ぎながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは我がままではないよ。私も斉藤さんや鈴ちゃんと一緒に陽の光に当って輝く海を見たいよ。」

少女は沖田総司と手を繋ぎながら、微笑んで話し出す。

「総司さんはお忙しい方です。無理をしないでください。私は京の外に出掛ける機会はないかも知れません。陽の光に当たって輝く海は見られないかも知れません。総司さんと一緒に夜の海が見られました。とても嬉しいです。ありがとうございます。」

沖田総司は少女を抱き寄せると、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんはいつも私に気を遣い過ぎだよ。」

少女は沖田総司の手を放すと、微笑んで話し出す。

「気を遣っていません。安心してください。」

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し出す。

「無理している鈴ちゃんを見ていると、辛くなるんだ。鈴ちゃん。無理をしないでね。」

少女は沖田総司に寂しそうに話し出す。

「私が頼りないから、総司さんに心配ばかり掛けています。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんはしっかりしているよ。一緒に居ると元気になるし楽しい気持ちになるよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「実は、鈴ちゃんと一緒に海を見た時に、一緒にしたい内容が幾つかあるんだ。」

少女は沖田総司を不思議そうな表情で見た。

沖田総司は少女をゆっくりと放すと、微笑んで話し出す。

「海はしょっぱいんだよ。鈴ちゃんは知っていた?」

少女は沖田総司から放れると、微笑んで話し出す。

「以前に聞いた事があります。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「斉藤さんと居る時に、夜の国の海は綺麗だと聞いたので、一口だけ飲んでみました。しょっぱいと思いました。」

沖田総司は少女を残念そうに見た。

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「一人で勝手にいろいろとしてしまいました。ごめんなさい。」

沖田総司は少女を笑顔で抱き寄せた。

少女は驚いた表情になった。

沖田総司は少女を抱きながら、笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! 可愛い!」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は少女を抱きながら、顔を赤くした。

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見ている。

沖田総司は少女を抱きながら、顔を赤くして話し出す。

「夜の国には暫く居られるから、たくさん楽しもうね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んだ表情になった。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。波の音が聞こえます。潮の香りを感じます。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。もう少しだけこのままで居ても良いですか?」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


沖田総司、斉藤一、少女は、月と満天の星の輝き、波の音、潮の香り、たくさんのものに包まれながら、夜の国での穏やかな時間を過ごしていく。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

題名の一部の「波にも磯にもつかぬ心地」は、「平家物語」に登場します。

「どっちつかずの気持ち。中途半端な気持ち。落ち着かない気持ち。」という意味だそうです。

鈴ちゃんは京の町の人なので、海を見ていない設定にして物語を書きました。

実際の夜の海は、暗くて怖い時があります。

今回の物語は夜の国の海が舞台のため、不思議な事が起きても当然という設定や、月と満天の星が輝いているため明るいという設定になっています。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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