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新撰組異聞 〜 愛逢月 枝垂桜と鷺草の物語 夢の中 〜


〜 改訂版 〜


今は夏。


ここは、江戸。


暑い日が続いている。


今日は青空が広がっている。


ここは、一軒の家。


庭には、遅めに咲いた紫陽花が、夏の日差しの中で咲いている。


ここは、一室。


障子が半分ほど開いている。


沖田総司は床に横になって寝ている。


沖田総司の体調はかなり悪化している。

一日の多くの時間を横になって過ごしている。

寝ている時間が少しずつ増えている。


沖田総司は床に横になったまま、ゆっくりと目を開けた。


庭に咲く紫陽花が夏の日差しを受けて眩しいほどに輝いた。


沖田総司は床に横になったまま、ゆっくりと目を閉じた。


それから僅かに後の事。


沖田総司はゆっくりと目を開けた。


ここは、沖田総司の見知らぬ不思議な場所。


危険な雰囲気は感じない。

紫陽花の“墨田の花火”がたくさん咲いている。


沖田総司は以前通りの元気な姿で身なりも整っている。


沖田総司は自分も含めて辺りを不思議そうに見回した。


紫陽花の“墨田の花火”が淡く光った。


沖田総司は紫陽花の“墨田の花火”を見ながら、微笑んで呟いた。

「墨田の花火が淡く光って咲いている。綺麗だな。」


紫陽花の“墨田の花火”は淡く光りながら、静かに消えていった。


沖田総司は微笑んで歩き出した。


それから少し後の事。


ここは、沖田総司の見知らぬ不思議な場所。


危険な雰囲気は感じない。

一面に鷺草が咲いている。


沖田総司は微笑みながら、一面に咲く鷺草の中に静かに現れた。


一面に咲く鷺草は、今にも羽ばたきそうな姿で咲いている。


沖田総司は一面に咲く鷺草を見ながら、微笑んで呟いた。

「鷺草が咲いている。一面に雪が積もっているように感じる。綺麗だな。」


一面に咲く鷺草が飛んでいるかのようにゆっくりと揺れた。


沖田総司は一面に咲く鷺草を微笑んで見た。


幾千回以上も聞いた懐かしい女性の声が、沖田総司の元に聞こえてきた。

「総司さん。」


沖田総司は懐かしい女性の声の聞こえた方向を笑顔で見た。


懐かしい女性の声の姿は見えない。


沖田総司は辺りを不思議そうに見回した。


懐かしい女性の声が、沖田総司の元に聞こえてきた。

「総司さん。遅かったですね。」


沖田総司は懐かしい女性の声が聞こえた方向に向かって、微笑んで話し出す。

「確かに遅くなったね。ごめんね。」


懐かしい女性の声が、沖田総司の元に聞こえてきた。

「総司さん。最初に話したい方の元に早く行ってください。」


沖田総司は懐かしい女性の声の聞こえた方向に向かって、微笑んで話し出す。

「分かった。話しが終わったら直ぐに戻ってくるね。」


懐かしい女性の声が、沖田総司の元に聞こえてきた。

「私に遠慮せずにゆっくりと話してください。」


沖田総司は懐かしい女性の声の聞こえた方向に向かって、微笑んで話し出す。

「分かった。ゆっくりと話しをしてくるね。」


懐かしい女性の声は、沖田総司の元に聞こえてこない。


沖田総司は懐かしい女性の声の聞こえた方向に向かって、不思議そうに話し出す。

「先程から、声は聞こえるのに、姿は見えないね。不思議だね。」


懐かしい女性の声が、沖田総司の元に聞こえてきた。

「総司さんは夢の中に居ます。不思議な出来事はたくさん起きると思います。」


沖田総司は懐かしい女性の声に向かって、微笑んで話し出す。

「分かった。」


懐かしい女性の声は、沖田総司の元に聞こえてこない。


沖田総司は背中を勢い良く押された。


沖田総司は驚いた表情で、勢い良く前に出た。


それから一瞬の後の事。


ここは、沖田総司の見知らぬ不思議な場所。


危険な雰囲気は感じない。

枝垂桜が咲いている。


沖田総司は驚いた表情で、枝垂桜の傍に静かに現れた。


枝垂桜は凛とした雰囲気で咲いている。


沖田総司は枝垂桜を見ながら、微笑んで呟いた。

「枝垂桜が咲いている。綺麗だな。」


斉藤一の普通の声が、沖田総司の後ろから聞こえてきた。

「総司。久しぶりだな。」


沖田総司は後ろを笑顔で見た。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。


沖田総司は斉藤一の傍に笑顔で来た。


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。何か遭ったのか?」

沖田総司は何かを思い出した様子になると、斉藤一に心配そうに話し出す。

「斉藤さん。怪我をしたり病になったりしていませんか?」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。

「私と斉藤さんは、夢の中で逢っています。斉藤さんも私と同時に夢を見ているはずです。でも、今は夜ではありません。斉藤さんの状況で日中に夢を見ているので、何か遭ったと思って心配になりました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は、怪我をしていないし、病気にもなっていない。安心しろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「分かりました。斉藤さんは強い人です。斉藤さんの話を信じます。斉藤さんの身に何も起きていなくて安心しました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は相変わらず同じだな。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい! 私はいつも明るく過ごしています!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺に話しがあるのだろ。早く話しをしろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで頷いた。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「刀と美鈴さんについて頼みに来たのか?」

沖田総司は斉藤一を見ながら動きを止めた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は枝垂桜を寂しそうに見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一を見ると、真剣な表情で話し出す。

「刀については、斉藤さんに一任します。でも、彼女まで斉藤さんには頼めません。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に悲しそうに話し出す。

「彼女を危険な京に残したまま、私は江戸に着た状況になってしまいました。なぜ彼女を何としてでも江戸に連れてこなかったのかと後悔しています。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。美鈴さんについて頼みがあれば、遠慮せずに全て話せ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんにも縁の有る女性が現れるはずです。斉藤さんが彼女の面倒をみていたら、縁の有る女性と祝言を挙げられなくなるかも知れませんよ。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺よりも美鈴さんの心配をしろ。美鈴さんを一番に考えろ。」

沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。

「今の彼女は、時勢以外の状況も重なって、江戸に来られません。私の妻だと家族だと気付かれずに、無事に過ごせるようにと祈っています。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は枝垂桜を不安そうに見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一を見ると、寂しそうに話し出す。

「彼女と一緒に江戸に着たら、墨田の花火や輝く海を一緒に見ようと話をしました。他にも、彼女と一緒に見たい物や出掛けたい場所や食べたい物が、たくさんあります。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。

「戦などのために、私と彼女の関係を知る人達が次々に居なくなっています。斉藤さんが彼女と会った時に、姉さんや道場の人達に会いたいと言ったら、世の中が落ち着いてから彼女を会いたい人の元へ連れて行ってもらえないでしょうか? 私と彼女の関係について、私の代わりに説明してもらえないでしょうか?」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん。何が遭っても、何が起きたとしても、生き抜いてください。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「私が心配しなくても斉藤さんは大丈夫ですよね。余計な心配をして申し訳ありませんでした。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司はいつも俺の心配をしている。今になって謝る必要は無い。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「確かに私は斉藤さんの心配をいつもしていますね。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! また逢いましょう!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で頷いた。

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は斉藤一と枝垂桜を背にしながら、笑顔で歩き出した。

斉藤一は沖田総司と枝垂桜を背にしながら、普通の表情で歩き出した。


それから少し後の事。


ここは、沖田総司の見知らぬ不思議な場所。


危険な雰囲気は感じない。

たくさんの花菖蒲の美吉野とたくさんの鷺草が咲いている。


沖田総司は微笑みながら、静かに現れた。


沖田総司は辺りを見ながら、微笑んで呟いた。

「美吉野も鷺草も綺麗に咲いている。たくさんの美吉野とたくさんの鷺草が一緒に咲く姿を見られるとは思わなかった。」


懐かしい女性の穏やかな声が、沖田総司の後ろから聞こえてきた。

「総司さん。」


沖田総司は後ろを笑顔で見た。


懐かしい女性の声の主が、赤ん坊を抱きながら、沖田総司を微笑んで見ている。


沖田総司は女性と赤ん坊を微笑んで見た。


女性は赤ん坊を抱きながら、沖田総司の傍に微笑んで来た。


沖田総司は女性に微笑んで話し出す。

「元気で安心した。」

女性は赤ん坊を抱きながら、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は女性に申し訳なさそうに話し出す。

「幸せになって欲しくて、何度も逢って、祝言も挙げたのに、結果的には迷惑をたくさん掛けてしまった。他の人からは、分かりきっていたはずだと言われるよね。本当にごめんね。」

女性は赤ん坊を抱きながら、沖田総司に微笑んで首を横に振った。

沖田総司は女性を安心した様子で見た。

女性は赤ん坊を抱きながら、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は女性と赤ん坊を微笑んで見た。

赤ん坊は静かに寝ている。

女性は沖田総司に赤ん坊を微笑みながら丁寧に預けた。

沖田総司は女性から赤ん坊を微笑みながら丁寧に受け取った。

赤ん坊は静かに寝ている。

沖田総司は赤ん坊を抱きながら、微笑んで話し出す。

「初めまして。お父さんだよ。」

女性は沖田総司と赤ん坊を微笑んで見た。

沖田総司は赤ん坊を抱きながら、微笑んで話し出す。

「お父さんにとって大切な人の名前から一文字ずつもらって名付けたんだ。一人は、たくさんの人達に慕われていたんだ。一人は、剣術などが強くて生き抜く力もあるんだ。二人共に、優しくて頼りになる立派な武士なんだ。二人のように育って欲しくて名付けたんだ。」

女性は沖田総司と赤ん坊を微笑んで見ている。

沖田総司は赤ん坊を抱きながら、切ない表情で話し出す。

「父親らしい出来事を何も出来なくてごめんね。お父さんは生きられるところまで生きるからね。最期の最期まで諦めずに生きるからね。お父さんの分も長生きしてね。お父さんの生きられない時代をしっかりと生きてね。お母さんを大切にしてね。お父さんの代わりに守ってね。たくさんの願い事を話しているけれど、全て出来ると信じているよ。」

女性は沖田総司と赤ん坊を微笑んで見ている。

沖田総司は女性に赤ん坊を微笑みながら丁寧に預けた。

女性は沖田総司から赤ん坊を微笑みながら丁寧に受け取った。

沖田総司は女性に申し訳なさそうに話し出す。

「いつも一人だけに苦労をさせてしまってごめんね。」

女性は赤ん坊を抱きながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は一人ではありません。この子が一緒です。総司さんも一緒です。三人です。私とこの子の心配はしないでください。」

沖田総司は女性に微笑んで話し出す。

「この子と後の事は頼むね。」

女性は赤ん坊を抱きながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は女性と赤ん坊を微笑んで見た。

女性は赤ん坊を抱きながら、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は女性と赤ん坊に微笑んで話し出す。

「そろそろ行くね。」

女性は赤ん坊を抱きながら、沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は女性と赤ん坊を背にしながら、微笑んで歩き出した。


それから少し後の事。


ここは、沖田総司の見知らぬ不思議な場所。


夜空のような暗い空に、月と星が綺麗に輝いている。


危険な雰囲気は感じない。

月下美人が月と星の光を受けながら咲いている。


沖田総司は微笑みながら、月下美人の傍に静かに現れた。


月下美人が淡く光った。


沖田総司は月下美人を不思議そうに見た。


黒猫が沖田総司の元に静かに現れた。


沖田総司には、以前に会った“黄泉路”という名前の黒猫だと直ぐに分かった。


沖田総司は黒猫の黄泉路を抱き上げると、微笑んで話し出す。

「今の私の夢の中は月が輝いているけれど、私の住む場所は明るい日差しに包まれているんだ。挨拶は、こんにちは、で良いよね。」

黒猫の黄泉路は沖田総司を見た。


沖田総司の後ろから、以前に逢った“黄泉”という名前の男性の気配がした。


沖田総司は黒猫の黄泉路を抱きながら、後ろを微笑んで見た。


黄泉は沖田総司と黒猫の黄泉路を微笑んで見ている。


黒猫の黄泉路は黄泉を見た。

沖田総司は黒猫の黄泉路を微笑んでゆっくりと放した。


黒猫の黄泉路は黄泉の傍にゆっくりと来た。


黄泉は沖田総司と黒猫の黄泉路を微笑んで見ている。


沖田総司は黄泉に微笑んで話し出す。

「私は簡単には諦めませんよ。しぶといですよ。覚悟してください。」

黄泉は沖田総司に微笑んで頷いた。

黒猫の黄泉路は沖田総司と黄泉を見た。


それから僅かに後の事。


ここは、とある場所。


今の季節には珍しい爽やかな風が吹いた。


斉藤一は辺りを普通の表情で見回した。


辺りの桜が満開になって咲いている。


斉藤一にとって聞き慣れた明るい声が、後ろから聞こえてきた。

「私は簡単には諦めませんよ! しぶといですよ! 覚悟してください!」


斉藤一は後ろを普通の表情で見た。


桜は満開の姿で綺麗に咲いている。

人の姿はなく、気配も感じない。


斉藤一は満開の桜を見ながら、指で弾く仕草を見せた。


今の季節には珍しい爽やかな風が、僅かに強く吹いた。


斉藤一は普通の表情で辺りを見回した。


桜の姿は元に戻っている。

人の姿もなく、気配も感じない。


斉藤一は元の姿に戻った桜を見ると、普通の表情で呟いた。

「やはり姿が見えなければ、面白くない。」


爽やかな風が止んだ。


斉藤一は普通の表情のまま、僅かに急いだ様子で歩き出した。


ちょうど同じ頃。


ここは、京の町。


とある場所。


一軒の落ち着いた雰囲気の家。


一室。


縁の傍。


女性と赤ん坊が居る。


赤ん坊は静かに寝ている。

女性は赤ん坊を微笑んで見ている。


今の季節には珍しい爽やかな風が吹いた。


女性は辺りを不思議そうに見た。


女性の見える範囲の全ての桜が満開になって咲いている。


女性は桜を見ながら、不思議そうに呟いた。

「夏なのに桜が満開になって咲いている。」

赤ん坊が横になったまま、ゆっくりと目を開けた。

女性は赤ん坊を微笑んで見た。


今の季節には珍しい爽やかな風が僅かに強く吹いた。


女性は辺りを微笑んで見た。


辺りの様子は元に戻っている。


女性は辺りを不思議そうに見た。

赤ん坊の手が僅かに動いた。

女性は赤ん坊を見ると、微笑んで話し出す。

「お父さんは、お母さんをいつも心配してくれたの。お父さんは、怒りっぽくて、直ぐに後悔するの。お母さんは、お父さんを上手に励ませなくて、いつも申し訳ないと思っていたの。お父さんは、とても強い人で、とても優しい人で、どんなに辛い時もみんなの前では笑顔だったの。私達もお父さんのように、明るく笑顔で過ごしましょうね。」

赤ん坊の手が女性に微かに触れた。

女性は赤ん坊を微笑んで見た。


ちょうど同じ頃。


ここは、とある場所。


月と星の輝く夜空のような暗い空が、突然に青空になった。


月下美人はゆっくりと閉じていく。


沖田総司は黄泉を笑顔で見ている。

黄泉は沖田総司を微笑んで見ている。

黒猫の黄泉路は、沖田総司と黄泉を見ている。


沖田総司は黄泉に笑顔で話し出す。

「私の話しを聞いていますか?! 私はしぶといです! 時間の許す限り、諦めずに粘りますよ!」

黄泉は沖田総司を苦笑した表情で見た。

沖田総司は黄泉に笑顔で話し出す。

「私の話しを聞いていますか?! 何度でも言います! 私には、妻と子がいます! だから、私は、更にしぶとくなるし、時間の許す限り、更に諦めずに粘ります! 私は、新撰組一番組組長 沖田総司です! 今は笑顔ですが、怒ると怖いですよ! やはり、私の話しをしっかりと聞いていませんね! では、もう一度言います! 今度はしっかりと聞いてください!」




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承ください。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

沖田総司さんは、慶応四年五月三十日(1868年7月19日)に亡くなったと伝えられています。

慶応四年五月三十日は、快晴だったと伝えられています。

沖田総司さんが亡くなる頃の時間設定で、「愛逢月」が付いた題名の物語を幾つか書いています。

今回の物語は、その中でも最後の方の時間設定になります。

「新撰組異聞 短編 愛逢月に蓮華が咲いて」の中に、「黄泉」という名前の男性が、沖田総司さんに対して、「もう少し時間があるから逢いたい人がいるなら逢っておけ」という内容や「その時にもう一度、猫の黄泉路と一緒に沖田総司さんの元にくる。」という内容の話しをします。

今回の物語は、沖田総司さんが黄泉の発言を受けて、限られた時間の中で本当に逢いたい人と逢います。

沖田総司さんの体調や状況の関係で実際に逢えないために、今回の物語のような展開になりました。

夢の中のため、いろいろな季節の花がたくさん咲いています。

沖田総司さんと斉藤一さん、沖田総司さんと鈴ちゃんと二人の子供、それぞれの場面で、はっきりとした別れの場面も書きませんでした。

沖田総司さんと子供は、夢の中だけで逢った設定です。

今回の物語では、沖田総司さんと鈴ちゃんの子供の名前を書くのは止めました。

沖田総司さんには、時間が残っているかも知れないし、時間が残っていないかも知れないし、などと、いろいろと想像でかるように、亡くなる場面は書きませんでした。

沖田総司さんと鈴ちゃんに関する出来事の中で定まっていない部分があるため、悩みながら書いていました。

沖田総司さん、斉藤一さん、鈴ちゃん、辛い状況ではありますが、穏やかな雰囲気の物語にしました。

今回の物語の時間設定では、斉藤一さんは、「斉藤一」さん以外の名前を名乗っている可能性が非常に高いです。

「新撰組異聞」・「新撰組異聞外伝」の物語の展開や設定などの関係で、今回の物語は「斉藤一」さんで書きました。

ご了承ください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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