新撰組異聞　〜　寝待ちの月　月下の宴　〜


〜　第三版　〜


十五夜が終わり、十九日目の夜を迎えた。


ここは、京の町。


月の綺麗な夜が続いている。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋。


近藤勇は微笑んで居る。


土方歳三は部屋を微笑んで訪れた。


近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳と一緒に酒が飲みたくなった。歳に部屋に来てもらった。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「俺も近藤さんと酒が飲みたいと思っていた。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳も私と同じ気持ちなのか。直ぐに酒を飲もう。」

土方歳三は部屋の中を見ながら、近藤勇に不思議な様子で話し出す。

「近藤さん。酒の用意はしていないのか？」

近藤勇は土方歳三に苦笑して話し出す。

「歳が勘を働かせて、酒と肴を用意していると思った。私は準備をしなかった。」

土方歳三は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。

「俺は酒も肴も用意していない。」

近藤勇は土方歳三を残念な様子で見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「直ぐに誰かを呼んで酒と肴を用意させる。」

近藤勇は近藤勇に残念な様子で話し出す。

「今夜は歳と二人で酒を飲みたい。残念だが、次の機会にしよう。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「嘘だよ。」

近藤勇は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「酒を飲むと決めた時のために、酒と簡単な肴を用意した。豪華な酒と豪華な肴でなければ、直ぐに一緒に酒を飲めるぞ。」

近藤勇は土方歳三に苦笑して話し出す。

「歳。相変わらずだな。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「褒め言葉として受け取って良いかな？」

近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳が用意した酒と肴で、二人でゆっくりと酒を飲みたい。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「俺の部屋に酒と肴を取りに行く。少しだけ待ってくれ。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。


土方歳三は部屋を微笑んで出て行った。


少し後の事。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋。


近藤勇は微笑んで居る。


障子が開いた。


近藤勇は障子が開く様子を微笑んで見た。


土方歳三は、沢庵と二人で飲むには充分過ぎる量の酒を持ち、障子を開けたまま、部屋の中に微笑んで入ってきた。


開け放たれた障子からは、夜空に浮かぶ月が見える。


土方歳三は沢庵と酒を傍に微笑んで置いた。

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「酒の肴に沢庵。歳らしい選択だ。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「沢庵を肴にするのが嫌なのかな？　仕方が無い。別な肴を探してくる。暫く待ってくれ。」

近藤勇は土方歳三に苦笑して話し出す。

「嫌とは言っていない。歳。相変わらずだな。」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さんの了承を得たので、二人でゆっくりと宴を始めよう。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は近藤勇の杯に微笑んで酒を注いだ。

近藤勇は土方歳三の杯に微笑んで酒を注いだ。

土方歳三は杯を持ち、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇は杯の酒を持ち、土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は杯の酒を持ち、近藤勇に微笑んで頷いた。

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「お雪の件も含めて、歳はいつも気を配ってくれる。いつも感謝している。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「お雪さんの件には、総司、斉藤、あの子、も含まれているのかな？　俺の考えが合っているならば、俺はたいした内容の気配りをしていない。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「私とお雪の我がままから始まった状況になる。歳には迷惑をたくさん掛けている。歳に、すまないと思っている。総司と斉藤とあの子にも、すまないと思っている。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「総司と斉藤は、組長の役職を務めているから忙しい。総司と斉藤には、もっと楽しむ時間を作りたいと思っていた。方法と理由を考えている時に、お雪さんからの頼み事があった。俺は感謝している。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「斉藤にとっては楽しい出来事か分からないが、総司にとっては楽しい出来事だと思う。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「半分は当たっていると思う。半分は違うと思う。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「今夜は、今の内容の話は止めよう。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は杯の酒を微笑んで飲み終わった。

近藤勇も杯の酒を微笑んで飲み終わった。

土方歳三は近藤勇の杯に微笑んで酒を注いだ。

近藤勇も土方歳三の杯に微笑んで酒を注いだ。

土方歳三は杯の酒を持ち、近藤勇に微笑んで頷いた。

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「斉藤が、総司とあの子を、いろいろと助けているらしい。斉藤は総司より年下だが、斉藤が兄、総司が弟、のように感じる。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に苦笑して話し出す。

「斉藤は、総司とあの子だから、自分から進んで助けると思う。総司はある程度は放って置けるとしても、あの子は放って置けないと思う。総司とあの子以外の人物ならば、命令が下ってから行動するか、命令が下っても直ぐには従わずに様子を見る、と思う。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に苦笑して話し出す。

「乗りかかった船の状況になっているのかな？」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に苦笑して話し出す。

「上手な内容の喩えだ。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳に褒めてもらえた。嬉しい。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇も杯の酒を飲みながら、土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に苦笑して話し出す。

「二人のみで、酒を穏やかに飲んでいるのに、自分達に関する内容を話していない。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「私と歳にとって、大切な人物について話している。私と歳と二人のみ酒を飲みながら話している。私は嬉しい。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで頷いた。

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。

「歳。お雪とお雪が気にしている女の子を頼む。」

土方歳三は杯の酒を飲むのを止めると、近藤勇に微笑んで頷いた。

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三を微笑んで見た。


同じ頃。


ここは、屯所。


斉藤一の部屋。


斉藤一は普通に居る。


沖田総司が部屋を笑顔で訪れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に楽しく話し出す。

「私の部屋に酒と肴を用意ましました！　月を観ながら酒を飲みましょう！」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に嬉しく話し出す。

「斉藤さん！　早く私の部屋に行きましょう！」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は部屋を嬉しく出て行った。

斉藤一は部屋を普通に出て行った。


僅かに後の事。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋。


障子は完全に開け放たれている。


縁の傍。


沖田総司は笑顔で座っている。

斉藤一は普通に座っている。

沖田総司の傍と斉藤一の傍には、たくさんの酒と沢庵や塩などの簡単な肴が置いてある。


沖田総司は斉藤一の杯に笑顔で酒を注いだ。

斉藤一は沖田総司の杯に普通の表情で酒を注いだ。

沖田総司は杯を持ち、斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は杯を持ち、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一に嬉しく話し出す。

「鈴ちゃんが、みんなと月を観られて嬉しかったと話していました！」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一に嬉しく話し出す。

「斉藤さんと鈴ちゃんと一緒に過ごせました！　とても嬉しかったです！　鈴ちゃんの笑顔が見られました！　とても嬉しかったです！」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一に嬉しく話し出す。

「斉藤さんも嬉しいですよね！」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は杯の酒を笑顔で飲み終わった。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲み終わった。

沖田総司は斉藤一の杯に笑顔で酒を注いだ。

斉藤一は沖田総司の杯に普通の表情で酒を注いだ。

沖田総司は杯を持ち、斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は杯を持ち、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を笑顔で見ている。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲み終わった。


斉藤一は普通に立ち上がった。


沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を不思議な様子で見た。


斉藤一は部屋の外を普通の表情で見た。


沖田総司は不思議な様子で立ち上がった。


斉藤一は沖田総司を見ると、沖田総司に普通に話し出す。

「近藤さんと土方さんが、近藤さんの部屋の前の縁に一部だけ出て酒を飲んでいる。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「近藤さんと土方さんが二人で酒を飲んでいるのですか？！　早く確認しましょう！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「確認するだけで良いのか？」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「近藤さんと土方さんの二人のみならば、直ぐに参加しましょう！　他の人物が一緒ならば、様子を確認のみにして直ぐに戻りましょう！」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん！　早く行きましょう！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で頷いた。


沖田総司は部屋を嬉しく出て行った。

斉藤一は部屋を普通に出て行った。


僅かに後の事。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋から少しだけ離れた縁。


柱の陰。


沖田総司は柱の陰から、近藤勇の部屋を微笑んで見ている。

斉藤一は柱の陰から、近藤勇の部屋を普通の表情で見ている。


近藤勇と土方歳三は、邪魔にならない程度に縁に出て酒を飲んでいる。


沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで小さい声で話し出す。

「斉藤さん。私の部屋に戻って、杯や酒や肴を取ってから、近藤さんと土方さんの元に行きましょう。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に不安な様子で小さい声で話し出す。

「斉藤さんは四人で酒を飲みたくないのですか？」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で首を横に振った。

沖田総司は斉藤一に微笑んで小さい声で話し出す。

「安心しました。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで小さい声で話し出す。

「斉藤さん。早く私の部屋に戻りましょう。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は微笑んで静かに居なくなった。

斉藤一は普通の表情で静かに居なくなった。


僅かに後の事。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋。


沖田総司は嬉しく杯や酒や肴を持った。

斉藤一は普通の表情で杯や酒や肴を持った。


沖田総司は杯と酒と肴を持ち、部屋を嬉しく出て行った。

斉藤一は杯と酒と肴を持ち、部屋を普通に出て行った。


僅かに後の事。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋。


近藤勇は縁に少し出ながら、杯の酒を微笑んで飲んでいる。

土方歳三も縁に少し出ながら、杯の酒を微笑んで飲んでいる。


近藤勇の元と土方歳三の元に、元気の良い足音と静かな足音が聞こえてきた。


土方歳三は杯の酒を飲みながら、近藤勇に微笑んで話し出す。

「来た。」

近藤勇は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は杯の酒を微笑んで飲み終えた。

近藤勇も杯の酒を微笑んで飲み終えた。


沖田総司は杯と酒と肴を持ち、部屋の中に笑顔で入ってきた。

斉藤一は杯と酒と肴を持ち、部屋の中に普通に入ってきた。


近藤勇は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。

土方歳三も沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。

沖田総司は杯と酒と肴を持ち、近藤勇と土方歳三に嬉しく話し出す。

「一緒に酒を飲んでも良いですか？！」

斉藤一は杯と酒と肴を持ち、近藤勇と土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

近藤勇は沖田総司と斉藤一に微笑んで頷いた。

土方歳三も沖田総司と斉藤一に微笑んで頷いた。


斉藤一は杯と酒と肴を縁に置くと、近藤勇の傍に普通に座った。

沖田総司は杯と酒と肴を縁に置くと、斉藤一の横に笑顔で座った。


沖田総司は近藤勇と土方歳三と斉藤一に嬉しく話し出す。

「みんなで一緒に酒が飲めます！　嬉しいです！」

土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇も土方歳三を微笑んで見た。

沖田総司は近藤勇と土方歳三を不思議な様子で見た。

斉藤一は近藤勇と土方歳三を普通の表情で見た。

沖田総司は近藤勇と土方歳三に嬉しく話し出す。

「中秋の名月の日は、とても楽しかったです！」

近藤勇は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は近藤勇と土方歳三に笑顔で話し出す。

「笑顔を見ると、楽しくて嬉しい気持ちになりますね！」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。誰の笑顔を見た時を思い出して話しているのかな？」

沖田総司は土方歳三を赤面して動揺して見た。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司〜　顔が赤くなる程の気になる相手の笑顔が見られたのか〜　良いな〜　羨ましいな〜」

沖田総司は土方歳三に赤面して動揺して話し出す。

「土方さん！　変な内容を話さないでください！　みんなの笑顔が見られて嬉しいと話しただけです！」

土方歳三は笑いを堪えながら、沖田総司を見た。

沖田総司は土方歳三を赤面して見た。

近藤勇は土方歳三と沖田総司を微笑んで見た。

斉藤一は近藤勇を普通の表情で見た。

近藤勇は斉藤一の杯に微笑んで酒を注いだ。

斉藤一は杯を持ち、近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。

近藤勇は斉藤一に微笑んで囁いた。

「斉藤。お雪、総司、お雪や総司と仲の良い子、を頼む。」

斉藤一は杯を持ち、近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。


今夜は寝待ちの月の夜。


近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一は、寝待ちの月を見ながら、穏やかで楽しい宴の時間が続いている。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語の中の会話で登場する月見は、「新撰組異聞　短編　中秋の名月」が元になっています。

「寝待ちの月（ねまちのつき）」は「寝待月（ねまちづき）」ともいいます。

「月の出るのが遅いので寝て待つ」という意味から名付けられた呼び名です。

「陰暦十九日の夜の月。特に、陰暦八月十九日の月。」や「陰暦二十日以降の月」をいうそうです。

この物語は「陰暦八月十九日の月」を差してします。

ちなみに、「十五夜。中秋の名月。芋名月。お月見。」→「十六夜」→「十七夜。立ち待ち月。」→「居待ち月」→「寝待ち月」、となります。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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