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新撰組異聞 〜 秋の夜長の夢語り 眠り姫 〜


〜 改訂版 〜


今は秋。


ここは、京の町。


月がゆったりと浮かびながら輝いている。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋。


沖田総司は床の中で静かに寝ている。


部屋の中が不思議な空気に包まれた。


沖田総司は床に横になったまま、静かに目を開けた。


少女が沖田総司の顔を覆うようにして笑顔で見ている。


沖田総司は、夜の国の住人で少女と同じ姿の“夢”という名前の少女だと直ぐに分かった。


沖田総司は床に横になったまま、夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。こんばんは。」

夢は沖田総司から離れると、微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。秋の夜の国を楽しんでもらうために来ました。」

沖田総司は床の上に体を起しながら、微笑んで話し出す。

「楽しみだな。」

夢は沖田総司に微笑んで抱き付いた。

沖田総司は床の上に体を起したまま、顔を赤くして動きを止めた。


夢は沖田総司を微笑んで抱きながら、不思議な空気にゆっくりと包まれた。

沖田総司は顔を赤くして動きを止めながら、不思議な空気にゆっくりと包まれた。


それから一瞬の後の事。


ここは、夜の国。


夜空には、月と満天の星が輝いている。


ここは、草原が広がる場所。


心地良い空気が広がっている。

一本の木が在る。


夢は沖田総司を微笑んで抱きながら、静かに現れた。

沖田総司は顔を赤くして動きを止めながら、静かに現れた。


夢は沖田総司から放れると、微笑んで話し出す。

「では秋の夜の国を楽しんでください。」

沖田総司は夢に顔を赤くしながら頷いた。


夢は微笑みながら、静かに居なくなった。


沖田総司は不思議そうに辺りを見回した。


斉藤一は普通の表情で、沖田総司の傍に静かに現れた。

少女は微笑んで、沖田総司の傍に静かに現れた。


沖田総司は斉藤一と少女に微笑んで話し出す。

「こんばんは。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


小さな妖精が、沖田総司、斉藤一、少女の傍に、微笑んで飛んできた。


沖田総司は妖精を不思議そうに見た。

斉藤一は妖精を普通の表情で見た。

少女は妖精に微笑んで話し出す。

「はじめまして。私は美鈴といいます。」

妖精は少女に微笑んで話し出す。

「はじめまして。美鈴さん。私は生まれたばかりの妖精なので、名前がありません。」

少女は妖精に不思議そうに話し出す。

「名前がないと不便ではないの?」

妖精は少女に微笑んで話し出す。

「名前がないと不便です。名付けてくれる方を探している最中です。」

少女は妖精に微笑んで話し出す。

「私が名付けても良いの?」

妖精は少女に微笑んで話し出す。

「お願いします。」

少女は妖精を見ながら、微笑んで考え始めた。

妖精は少女を微笑んで見た。

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「鈴ちゃんは妖精という不思議な姿をした者を直ぐに受け入れましたね。やはり鈴ちゃんは凄い子です。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

妖精は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「私は妖精ですが、悪戯はしません。安心してください。」

沖田総司は妖精に不思議そうに話し出す。

「妖精は悪戯者なのか?」

妖精は沖田総司に微笑んで話し出す。

「夜の国には悪戯をする妖精はほとんど居ません。安心してください。」

沖田総司は妖精を不思議そうに見た。

少女は妖精に微笑んで話し出す。

「妖精さんは、秋の生まれよね。“あき”という名前はどうかしら?」

妖精は少女に微笑んで話し出す。

「季節の秋の“あき”ですね。素敵な名前を名付けて頂いてありがとうございます。」

少女は妖精を微笑んで見た。

妖精は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴さん。私は素敵な名前を名付けて頂いた報告に行きます。今夜はこれで失礼します。」

少女は妖精に微笑んで話し出す。

「あきちゃん。また逢いましょう。」

妖精は少女に微笑んで頷いた。

少女は妖精を微笑んで見た。


妖精は飛びながら、嬉しそうに居なくなった。


少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「あきちゃんと友達になりました。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。私達の近くに在る木の名前は何というのでしょうか?」

沖田総司は少女に不思議そうに話し出す。

「私にも分からない。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を恥ずかしそうに見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

少女は木の葉に微笑んで触った。


木の葉がゆっくりとお辞儀をするように閉じた。


少女は沖田総司と斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「木の葉を触ると、お辞儀をするように葉が閉じます。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。


辺りに涼しい風が吹いた。


少女が沖田総司に眠そうに話し出す。

「総司さん。眠いです。」

沖田総司は少女を心配そうに見た。

斉藤一は少女を普通の表情で見た。

少女は沖田総司に眠そうにもたれ掛かった。

沖田総司は少女を心配そうに抱いた。

少女はゆっくりと目を閉じた。


夢は慌てた様子だが、沖田総司、斉藤一、少女の傍に静かに現れた。


夢は沖田総司と斉藤一に慌てた様子で話し出す。

「総司さん! 斉藤さん! 大変です! 夜の国に眠り風が吹いています!」

沖田総司は少女を抱きながら、夢を不思議そうに見た。

斉藤一は夢を普通の表情で見た。

夢は少女を見ながら、沖田総司と斉藤一に心配そうに話し出す。

「眠り風が吹くと、眠気を感じる方や寝てしまう方がいます。夜の国の住人以外の方が眠り風に当たって長く寝てしまうと、元の世界に戻れなくなってしまう場合があります。」

沖田総司は少女を抱きながら、大きな声で話し出す。

「鈴ちゃん! 早く起きて!」

少女は静かに眠り続けている。

夢は沖田総司に困惑した様子で話し出す。

「総司さん。眠り風に当たって寝てしまうと、呼び掛けただけでは起きません。」

沖田総司は少女を抱きながら、夢に大きな声で話し出す。

「鈴ちゃんを起こす方法を早く教えてくれ!」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。落ち着いてください。美鈴さんが名付けた妖精のあきちゃんを呼んで、眠り風に当たった方が起きる薬をもらいます。薬があれば、美鈴さんは直ぐに起きます。総司さんは落ち着いて美鈴さんの傍に居てください。」

沖田総司は少女を抱きながら、夢に不安そうに頷いた。

夢は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「私の家で美鈴さんを横にして寝かせましょう。」

沖田総司は少女を抱きながら、夢に心配そうに頷いた。

斉藤一は夢に普通の表情で頷いた。


夢は微笑みながら、静かに居なくなった。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうな表情のまま、静かに居なくなった。

少女は眠りながら、静かに居なくなった。

斉藤一は普通の表情のまま、静かに居なくなった。


それから僅かに後の事。


ここは、夢の家。


一室。


沖田総司、斉藤一、夢、少女が居る。


沖田総司は少女を床に静かに寝かせた。

少女は床の中で静かに眠っている。

沖田総司は少女を心配そうに見た。

夢は沖田総司を心配そうに見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。


妖精のあきが小瓶を微笑んで抱えながら、静かに現れた。


夢は妖精のあきを微笑んで見た。

妖精のあきは夢に小瓶を微笑んで渡した。

夢は妖精のあきから小瓶を微笑んで受取った。

沖田総司は夢と妖精のあきを不安そうに見た。

夢は小瓶を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。美鈴さんは小瓶の中の薬を飲めば直ぐに起きます。」

沖田総司は夢と妖精のあきを安心した様子で見た。

夢は小瓶を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。美鈴さんに小瓶の中の薬をどのような方法で飲ませますか?」

斉藤一は夢に普通に話し出す。

「美鈴さんは寝ているから、薬は口移しで飲ますようになるな。」

夢は小瓶を持ちながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「私も斉藤さんの意見に賛成です。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は顔を赤くしながら、斉藤一と夢を見た。

夢は小瓶を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは照れ屋さんですね。」

沖田総司は顔を赤くしながらも、夢に不安そうに話し出す。

「私は体調が良くありません。鈴ちゃんの身に危険が遭ったら困ります。」

夢は小瓶を持ちながら、沖田総司に微笑んで話し出す。

「では、総司さんが元気ならば、美鈴さんに口移しで薬を飲ませられるのですね。」

沖田総司は顔を赤くしながら夢を見た。

夢は斉藤一に小瓶を差し出すと、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。照れ屋の総司さんの代わりにお願いします。」

斉藤一は夢から小瓶を普通の表情で受け取ろうとした。

沖田総司は顔が赤いまま、夢から慌てた様子で小瓶を取り上げた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は顔が赤いまま、小瓶を持ちながら、斉藤一と夢に慌てた様子話し出す。

「斉藤さんが鈴ちゃんに、そのような行動を取るのは絶対に駄目です! 斉藤さんが鈴ちゃんにそのような行動をとったら、絶交です!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺と総司は最初から友達ではない。総司が物凄く大切と表現する美鈴さんに危機が迫っている。総司はくだらない気持ちで俺に絶好と言う。俺は総司の申し出を了承する。」

沖田総司は顔が赤いまま、片手で小瓶を持ち、片手で斉藤一の袖を掴むと、慌てた様子で話し出す。

「斉藤さん! 本気ですか?! 絶好は嫌です!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

小瓶が沖田総司の手から放れて、床へと落ちた。

小瓶は床に落ちたと同時に割れた。

沖田総司は小瓶が割れた様子を驚いた表情で見た。

夢も小瓶が割れた様子を驚いた表情で見た。

妖精のあきも小瓶が割れた様子を驚いた表情で見た。

斉藤一は小瓶が割れた様子を普通の表情で見た。

沖田総司は夢と妖精のあきを不安そうに見た。

妖精のあきは沖田総司を見ると、困惑した様子で話し出す。

「今は小瓶の量の薬しかありません。薬は短時間で作れますが、薬を作るために必要な花を摘みに行くのに少し時間が掛かります。」

沖田総司は妖精のあきに真剣な表情で話し出す。

「私が薬を作るための花を摘みに行く。」

夢は沖田総司に心配そうに話し出す。

「薬を作るために必要な花は、鳴神月山に咲いています。鳴神月山は気軽に人が訪れないように、雷が頻繁に鳴ります。雷が頻繁に鳴る様子から、鳴神月山と呼ばれています。夜の国では数少ない危険な場所の一つです。」

沖田総司は夢と妖精のあきを動揺した様子で見た。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「鳴神月山は、訪れるべき人に対しては、雷の危険から守ってくます。美鈴さんは総司さんのとても大切な方だと聞きました。総司さんは強い人だとたくさんの方から聞きました。総司さんは雷の危険から守られる方のはずです。」

沖田総司は斉藤一の袖を不安そうに掴んだ。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「今の状況では、俺は鳴神月山を訪れるべき人物か判断できない。総司は雷の危険から守られても、俺は雷の危険から守られる保証はない。総司が一人で行くのが一番良い選択だ。総司。美鈴さんのために鳴神月山に一人で行けるよな。」

沖田総司は斉藤一の袖を掴みながら、緊張した様子で頷いた。

夢は沖田総司を心配そうに見た。

妖精のあきは沖田総司を不思議そうに見た。

沖田総司は斉藤一の袖を放すと、夢と妖精のあきを見て、緊張しながら話し出す。

「鈴ちゃんを助けるためなら、雷は怖くない。雷は怖くないから、一人で行ける。みんなは心配しないで待っていてくれ。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「鳴神月山には道案内が必要です。案内役は私が務めます。」

沖田総司は妖精のあきに緊張した様子で頷いた。

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は斉藤一に緊張した様子で話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんをお願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は少女を緊張した様子で見た。

少女は床の中で静かに寝ている。

沖田総司は妖精のあきを緊張した様子で見た。

妖精のあきは沖田総司を微笑んで見た。


沖田総司は緊張した様子で、静かに居なくなった。

妖精のあきは微笑んで、静かに居なくなった。


夢は斉藤一に心配そうに話し出す。

「鳴神月山は雷の他にもたくさんの危険があります。危険のほとんどない夜の国の中では珍しい場所です。薬を作るために必要な花を摘むのは大変だと思います。総司さんはとても緊張していました。大丈夫でしょうか?」

斉藤一は夢に普通の表情で頷いた。

夢は斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さんは、剣術も強いし、美鈴さんを想う気持ちも強いです。大丈夫ですよね。」

斉藤一は夢に普通の表情で頷いた。

夢は斉藤一を微笑んで見た。


ちょうど同じ頃。


ここは、鳴神月山。


麓。


沖田総司は緊張した様子で、静かに現れた。

妖精のあきは微笑んで、静かに現れた。


鳴神月山では、雷が鳴り響いている。


沖田総司は妖精のあきに不安そうに話し出す。

「雷が途切れずに鳴り響いているね。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは鳴神月山を訪れるべき人です。安心して花を摘みに行きましょう。」

沖田総司は妖精のあきを不安そうに見た。


斉藤一は普通の表情で、沖田総司と妖精のあきの傍に静かに現れた。


沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。

妖精のあきは斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。麓で余計な話しをする暇はないだろ。美鈴さんのために鳴神月山に早く行け。」

沖田総司は斉藤一に緊張した様子で話し出そうとした。

斉藤一は普通の表情のまま、沖田総司の背中を強く押した。

沖田総司は驚いた表情で勢い良く前に出た。


沖田総司は驚いた表情のまま、不思議な空気に包まれた。

妖精のあきは微笑んだ表情のまま、不思議な空気に包まれた。


それから一瞬の後の事。


ここは、鳴神月山。


たくさんの木々が繁る場所。


沖田総司は驚いた表情のまま、静かに現れた。

妖精あきは微笑んだ表情のまま、静かに現れた。


沖田総司と妖精のあきには、雷の鳴る音が聞こえない。


沖田総司は妖精のあきを真剣な表情で見た。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。薬を作るために必要な花の名前は、“薄紅葵”といいます。今から薄紅葵が咲く場所に案内します。」

沖田総司は妖精のあきに真剣な表情で頷いた。


妖精のあきは微笑みながら、ゆっくりと飛んだ。

沖田総司は妖精のあきの後を真剣な表情で歩き出した。


それから少し後の事。


ここは、鳴神月山。


草原のような場所。


たくさんの薄紅葵の花が咲いている。


妖精のあきは微笑みながら、ゆっくりと飛んできた。


沖田総司は真剣な表情で来た。


妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。薄紅葵の花がたくさん咲く場所に到着しました。」

沖田総司は薄紅葵の花を笑顔で摘もうとした。


芹沢鴨の大きな声が、沖田総司の後ろから聞こえてきた。

「総司! 酒を飲みに行くぞ! 付いて来い!」


沖田総司は怪訝そうに後ろを見た。

妖精のあきは沖田総司を心配そうに見た。


芹沢鴨と同じ姿の者が、沖田総司を笑顔で見ている。


沖田総司は芹沢鴨の姿の者から、真剣な表情で素早い動きで距離をとった。

妖精のあきは、沖田総司の傍に心配そうに来た。


芹沢鴨と同じ姿の者は、沖田総司を不機嫌そうに見た。


妖怪退治の刀が輝きながら、沖田総司の傍に静かに現れた。


沖田総司は妖怪退治の刀を取ると、芹沢鴨と同じ姿の者に睨みながら話し出す。

「やはりお前は妖怪! 私はとても大切な人のために花を摘むんだ! 邪魔をするなら遠慮なく斬る! 覚悟しろ!」


芹沢鴨と同じ姿の者は、沖田総司を不機嫌そうに見た。


沖田総司は芹沢鴨と同じ姿の者を見ながら、妖怪退治の刀を真剣な表情で構えた。


芹沢鴨と同じ姿の者は、素早い動きで走り出した。


沖田総司は妖怪退治の刀を持ちながら、芹沢鴨と同じ姿の者を真剣な表情で追い掛けた。


沖田総司の視界から、芹沢鴨と同じ姿の者が突然に消えた。


沖田総司は妖怪退治の刀を持ちながら、立ち止まると、真剣な表情で辺りを見回した。


芹沢鴨と同じ姿の者の気配は感じない。

草原が広がる様子は同じだが、薄紅葵の花は一輪も咲いていない。


沖田総司は妖怪退治の刀を持ちながら、困惑した様子で呟いた。

「もしかして、ではなくて、もしかしなくても、迷ったみたいだな。芹沢さんと同じ姿の妖怪に見付かると面倒だから、大きな声が出せない。」


沖田総司は妖怪退治の刀を持ちながら、困惑した様子で歩き始めた。


草原は広がっているが、薄紅葵の花は見付からない。


沖田総司は妖怪退治の刀を持ちながら、不安そうに呟いた。

「私が迷っていたら、鈴ちゃんを早く助けられない。鈴ちゃんを早く助けたいのに、薄紅葵の花が見付からない。私が戻れないと、鈴ちゃんが起きられなくなってしまう。」


辺りに心地良い風が吹いた。


沖田総司は妖怪退治の刀を持ちながら、立ち止まると、辺りを不思議そうに見回した。


草原が広がる様子は同じだが、薄紅葵の花がたくさん咲く姿が見える。


沖田総司は妖怪退治の刀を持ちながら、辺りを見回して小さい声で話し出す。

「元の場所にとても似ている。元の場所に戻ってきたんだ。」


妖精のあきは沖田総司の傍に、心配そうに飛びながら現れた。


沖田総司の手から妖怪退治の刀が静かに消えた。


沖田総司は妖精のあきを困惑した様子で見た。

妖精のあきは沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さんが突然に居なくなったので心配しました。」


沖田総司は妖精のあきを恥ずかしそうに見た。

妖精のあきは沖田総司に僅かに慌てた様子で話し出す。

「総司さん。薄紅葵の花を早く摘みましょう。」

沖田総司は妖精のあきに真剣な表情で頷いた。

妖精のあきは沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は薄紅葵の花を真剣な表情で摘んだ。

妖精のあきは沖田総司と薄紅葵の花を微笑んで見た。


沖田総司はたくさんの薄紅葵の花を真剣な表情で摘んだ。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「たくさんの薄紅葵の花を摘んで頂いてありがとうございます。早く戻りましょう。」

沖田総司はたくさんの薄紅葵の花を持ちながら、妖精のあきに真剣な表情で頷いた。


妖精のあきは微笑んで、静かに居なくなった。

沖田総司は薄紅葵の花を持ちながら、真剣な表情で静かに居なくなった。


それから一瞬の後の事。


ここは、鳴神月山。


麓。


沖田総司は薄紅葵の花を持ちながら、真剣な表情で静かに現れた。

妖精のあきは微笑んで、静かに現れた。


沖田総司と妖精のあきに、大きな雷の鳴る音が聞こえてきた。


沖田総司は薄紅葵の花を持ちながら、目を閉じた。

妖精のあきは沖田総司を不思議そうに見た。

沖田総司は薄紅葵の花を持ちながら、ゆっくりと目を開けた。

妖精のあきは沖田総司を不思議そうに見ている。

沖田総司は薄紅葵の花を持ちながら、妖精のあきに苦笑しながら話し出す。

「早く戻ろう。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は薄紅葵の花を持ちながら、真剣な表情で静かに居なくなった。

妖精のあきは微笑んで静かに居なくなった。


それから一瞬の後の事。


ここは、夢の家。


少女は床の中で静かに寝ている。

斉藤一は少女を普通の表情で見ている。
夢は少女を心配そうに見ている。


沖田総司は微笑んだ表情で、静かに現れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

夢は沖田総司を心配そうに見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「薄紅葵の花は摘みました。妖精のあきちゃんが薬を作っています。鈴ちゃんを守ってくれて、ありがとうございます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を見ると、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。妖精のあきちゃんと一緒に、薄紅葵の花を摘んできたよ。妖精のあきちゃんが薄紅葵の花から薬を作っているよ。もう少しだけ待っていてね。」

少女の床の中で静かに寝ている。


妖精のあきが小瓶を持ちながら、微笑んで静かに現れた。


沖田総司は妖精のあきを微笑んで見た。

夢も妖精のあきを微笑んで見た。

斉藤一は妖精のあきを普通の表情で見た。

妖精のあきは夢に小瓶を微笑んで差し出した。

夢は妖精のあきから小瓶を微笑んで受け取った。

沖田総司は夢を真剣な表情で見た。

夢は少女の頬に小瓶を微笑んで近づけた。


夢は微笑みながら、静かに居なくなった。


少女は床に横になったまま、ゆっくりと目を開けた。


沖田総司は少女を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

少女は床の上に体を起すと、部屋の中を不思議そうに見回した。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは疲れて眠ってしまったみたいなんだ。」

少女は床の上に体を起したまま、申し訳になさそうに話し出す。

「夜の国に招待して頂いたのに寝てしまったのですね。申し訳ありませんでした。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは悪くないから謝らなくて良いよ。」

少女は床の上に体を起しながら、沖田総司を安心した様子で見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「妖精のあきちゃんが、鈴ちゃんのために飲み物を作ったんだ。飲んであげて。」

少女は床の上に体を起しながら、傍に在る小瓶を不思議そうに手に取った。

妖精のあきは少女を微笑んで見た。

少女は床の上に体を起しながら、小瓶を持って、妖精のあきに微笑んで話し出す。

「あきちゃん。ありがとう。」

妖精のあきは少女を微笑んで見た。

少女は床の上に体を起したまま、小瓶を見ると、微笑んで呟いた。

「綺麗な青色。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は床の上に体を起しながら、微笑んで飲んだ。


妖精のあきは沖田総司と少女を微笑んで見た。


それから暫く後の事。


ここは、沖田総司が今回の夜の国を訪れた時に最初に居た草原。


沖田総司、斉藤一、少女が居る。

沖田総司、斉藤一、少女の傍には、一本の木が在る。


少女は沖田総司に不思議そうに話し出す。

「総司さん。葉を何度も触ってもお辞儀をします。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「はしゃぎすぎました。すいません。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは、はしゃいでいないよ。私も変わっていると思うよ。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さん。小瓶の飲み物を作ってくださったのは、あきちゃんだけですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私は詳しい状況を知らないんだ。」

少女は沖田総司を不思議そうに見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司を微笑んで話し出す。

「総司さん。ありがとうございました。」

沖田総司は少女を不思議そうに見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「たくさんの意味を込めたありがとうです。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。


触るとお辞儀する葉が繁る不思議な木。

眠り風。

綺麗な青色の飲み物。

夜の国には、たくさんの不思議とたくさんの楽しい出来事がある。




      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

夜の国の物語です。

「お辞儀草(おじぎそう)」についてです。

しゃがんだり座ったりした方が見やすい背丈の植物だと思います。

葉の部分を触ると葉が閉じて垂れ下がり、暫く経つと元に戻ります。

その様子がお辞儀をしているように見える事から、「お辞儀草」と名付けられたそうです。

ピンク色の小さい花が咲きます。

子供の頃に鉢植えで育てた事がありました。

お辞儀をする様子が珍しかったので、今でも印象に残っています。

今回の物語に登場する「触るとお辞儀をする葉を持つ木」は、お辞儀草を参考にしました。

「マロウブルー」、または、「マローブルー」についてです。

別名には「薄紅葵(うすべにあおい)」があります。

ハーブの一種です。

酸化によって色が変わる特徴をもつハーブです。

「マロウブルー」から抽出したハーブティーは、鮮やかな青色をしています。

例えば、レモン汁を数滴たらすと、鮮やかなピンク色に直ぐに変わります。

その様子から「夜明けのティザーヌ」という別名があります。

胃腸関係・咳きや痰の緩和などに効果があるようです。

詳しい効能や飲み方などについては、ハーブの専門店などで確認してみてください。

私が最初の頃に抽出していた時は、エメラルド色のようになったり、濃い青色になったりと、なかなか綺麗な青色になりませんでした。

綺麗な青色になった時は嬉しかったです。

沖田総司さんが鈴ちゃんのために採りに行った花は、「マロウブルー」を参考にしました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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