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新撰組異聞 〜 小春の日和に想うこと 〜


〜 第三版 〜


暦は冬になる。


ここは、京の町。


お雪の家。


お雪の体調が少しずつ悪くなってきている。

お雪の床に就く時間が少しずつ増えている。


お雪の部屋。


お雪は床の中に普通に居る。


お孝は部屋を普通に訪れた。


お孝はお雪に普通に話し出す。

「姉さん。用事があるの?」

お雪は床の中で、お孝に微笑んで話し出す。

「明日、沖田さんと斉藤さんと美鈴さんが、来るの。みんなで過ごしましょう。」

お孝はお雪に普通に話し出す。

「明日は出掛ける予定があるの。」

お雪は床の中で、お孝に心配して話し出す。

「美鈴さんの訪ねる日は、いつも出掛けるのね。」

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「偶然よ。」

お雪は床の中で、お孝に寂しく話し出す。

「美鈴さんはとても良い子よ。お孝にも美鈴さんと仲良くなって欲しいの。都合を付けて、過ごせないかしら?」

お孝はお雪に普通に話し出す。

「お嬢様といえば、高飛車、気を遣わない、などを連想するわ。お嬢様には会うだけで疲れるわ。美鈴さんは、お嬢様だけど、優しくて気配りも出来る良い子だと思うわ。」

お雪は床の中で、お孝を微笑んで見た。

お孝はお雪に普通に話し出す。

「姉さん。美鈴さんに、体調の悪化を隠して、元気な姿に装ってまで、叶えたい思いがあるのよね。私が一緒に居ると、余計な気遣いが増えるわ。姉さんは、私の心配より、姉さん本人の心配と美鈴さんの心配をして。」

お雪は床の中で、お孝を寂しく見た。

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「京の町を巡っているの。楽しいのよ。私の心配はしないで。」

お雪は床の中で、お孝を寂しく見ている。

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「姉さんの願い事が叶ったら、美鈴さんに会うわ。」

お雪は床の中で、お孝に微笑んで話し出す。

「みんなのためにも、暫くは元気で過ごすように努力するわ。」

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「姉さん。“暫く”ではなくて、“ずっと”よ。」

お雪は床の中で、お孝を微笑んで見た。

お孝はお雪を微笑んで見た。


翌日の事。


沖田総司、斉藤一、お雪、少女、が逢う日になる。


ここは、京の町。


綺麗な青空が広がっている。


ここは、お雪の家の近く。


藤堂平助が目立たないように立っている。


お孝は藤堂平助の前に微笑んで来た。


お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「こんにちは。平助さん。」

藤堂平助はお孝に苦笑して話し出す。

「こんにちは。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「準備をした後に家を出たの。楽しんで過ごせるわ。」

藤堂平助はお孝を苦笑して見た。

お孝は藤堂平助の腕を掴むと、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。出掛けましょう。」

藤堂平助はお孝に苦笑して軽く礼をした。

お孝は藤堂平助の腕を掴んで、藤堂平助を不思議な様子で見た。

藤堂平助はお孝に不思議な様子で話し出す。

「何かありましたか?」

お孝は藤堂平助の腕を掴んで、藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「平助さん。もしかして、好きな女性がいるの?」

藤堂平助はお孝を僅かに驚いて見た。

お孝は藤堂平助の腕を放すと、藤堂平助に納得のいった様子で話し出す。

「好きな女性がいるのね。」

藤堂平助はお孝に僅かに慌てた様子で話し出す。

「好いた女性はいません。」

お孝は藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「平助さん。何故、隠すの?」

藤堂平助とお孝を僅かに動揺して見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「私は、京の町に知り合いが少ないし、他言して面倒な状況に巻き込まれると困るわ。私は誰にも話さないわ。」

藤堂平助はお孝に僅かに困惑して話し出す。

「先程も話しましたが、好いた女性はいません。」

お孝は藤堂平助を納得のいかない様子で見た。

藤堂平助はお孝を僅かに困惑して見た。

お孝は藤堂平助に笑顔で話し出す。

「分かった! 美鈴さんね!」

藤堂平助はお孝を驚いた表情で見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「手強い女性を好きになったわね。」

藤堂平助はお孝に僅かに困惑して話し出す。

「私は一言も返事をしていません。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。好きだってたくさん話しているわ。」

藤堂平助はお孝に僅かに困惑して話し出す。

「決め付けないでください。困ります。」

お孝は藤堂平助の顔を指すと、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「一つ目、顔が好きだとたくさん話しているわ。」

藤堂平助はお孝を困惑して見た。

お孝は藤堂平助の胸を指すと、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「二つ目、心がたくさん好きだと話しているわ。」

藤堂平助はお孝に不安な様子で話し出す。

「私は、美鈴さんに対して、お孝さんの話す感情は持っていません。美鈴さんが誤解する状況にはなっていなですよね?」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「美鈴さんは相手の気持ちを常に考える子よ。美鈴さんは困っているかも知れないわね。」

藤堂平助はお孝を不安な様子で見た。

お孝は笑いを堪えながら、藤堂平助を見た。

藤堂平助はお孝に僅かに不機嫌な様子で話し出す。

「美鈴さんが誤解して悩む状況は、楽しい状況になるのですか?」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さんの様子から考えると、平助さん本人の気持ちに気付いてからは、美鈴さんに近付かないようにしているわよね。私の知る限りでは、美鈴さんは平助さんの想いに気付いていないと思うわ。私の他に平助さんの想いに気付いた人物がいたとしても、美鈴さんに伝える挑戦者は、極一部の特別な人物になるわ。」

藤堂平助はお孝に僅かに困惑して話し出す。

「美鈴さんは無関係です。お孝さん。今の話は早く止めましょう。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「たくさん悩むならば、美鈴さんに平助さん本人の想いを伝えれば良いのに。もしかして、沖田さんや斉藤さんが、怖いの?」

藤堂平助はお孝を僅かに困惑して見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「言い方を変えるわね。平助さんの想い人が、美鈴さんでも、美鈴さん以外でも、構わないわ。何故、相手に想いを伝えないの?」

藤堂平助はお孝に寂しく話し出す。

「お互いの想いを伝えていない様子ですが、相思相愛だと思います。」

お孝は藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助はお孝に寂しく話し出す。

「私が、相手の女性に、私の想いを伝えれば、私は納得がいくかも知れません。相手の女性は、物凄く困って、物凄く悩む、はずです。私は、相手の女性人が辛い思いをする状況に出来ません。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さんは、噂だけでなく、本当にかっこ良い男性よ。」

藤堂平助はお孝を不思議な様子で見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「私から相手の女性に平助さんの想いを伝えようか?」

藤堂平助はお孝に睨んで話し出す。

「相手の女性に変な内容を話した時は、斬ります。」

お孝は藤堂平助を驚いた表情で見た。

藤堂平助はお孝を睨んだ。

お孝は藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「平助さんが怖くない。」

藤堂平助はお孝を怪訝な様子で見た。

お孝は藤堂平助に不思議な様子で話し出す。

「沖田さんが私に似た内容を話した時があるの。沖田さんは、沖田さん本人の話す内容を了承しなければ、本気で斬る覚悟だったみたい。斉藤さんとも似た状況になった時があるの。斉藤さんも私が了承しなければ迷わずに斬ると思ったわ。沖田さんも斉藤さんも、物凄く怖かったわ。平助さんの場合は、斬ると話しているだけで、実際に斬られる感じはなかったわ。」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「沖田さんも斉藤さんも、凄い人物です。私には敵わない人物です。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「以前に今の話した出来事が遭ったから、私は美鈴さんに面倒になる内容は話さないわ。平助さんも安心できるわよね。」

藤堂平助はお孝に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。長々と立ち話をしているわ。沖田さん達と鉢合わせをしたら困るわ。早く出掛けましょう。」

藤堂平助はお孝に微笑んで軽く礼をした。

お孝は藤堂平助の手を微笑んで握った。

藤堂平助はお孝を苦笑して見た。


お孝は藤堂平助の手を握り、微笑んで歩き出した。

藤堂平助は苦笑して歩き出した。


お孝は藤堂平助の手を握り、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「京の町で、食べたい物、出掛けたい所、たくさんあるの。今後も、たくさん付き合ってね。」

藤堂平助はお孝に苦笑して話し出す。

「幾度でもお供いたします。」

お孝は藤堂平助の手を握り、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

藤堂平助はお孝を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、お雪の家。


斉藤一が居る。

お雪が居る。

手伝いの人が居る。


玄関。


沖田総司が微笑んで来た。

少女も微笑んで来た。


僅かに後の事。


ここは、お雪の家。


お雪の家の縁。


斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。


お雪が微笑んで来た。

沖田総司が微笑んで来た。

少女が微笑んで来た。


斉藤一は酒を飲みながら、沖田総司、お雪、少女、を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。

「陽の高い時間から酒を飲んでいるのですか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。

「お酒を少しだけ用意しました。斉藤さんはお酒を少量しか飲まないそうです。一緒にお酒を飲みながら楽しんでください。」

沖田総司は空を見ると、斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「暖かくて、空が青いです。今の状況の時に飲む酒は、何酒と呼ぶのでしょうか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。

「知らない。」

沖田総司は斉藤一を苦笑して見た。

少女は斉藤一に不思議な様子で話し出す。

「綺麗な空を見ながらお酒を飲むと美味しいですか?」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、少女に普通の表情で頷いた。

少女は斉藤一を不思議な様子で見た。

沖田総司は少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。私達は、綺麗な空を見ながら、たくさん話そう。」

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司と少女を普通の表情で見た。


僅かに後の事。


ここは、お雪の家。


縁。


沖田総司は菓子を美味しく笑顔で食べている。

斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

お雪はお茶を微笑んで飲んでいる。

少女はお菓子を微笑んで食べている。


斉藤一の傍には、酒と肴が置いてある。

沖田総司の傍、お雪の傍、少女の傍、には、お茶と菓子が置いてある。


沖田総司はお菓子を笑顔で美味しく食べ終わった。

お雪はお茶を飲みながら、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司はお雪に笑顔で話し出す。

「美味しい菓子です! いつも美味しい菓子をありがとうございます!」

お雪はお茶を飲むのを止めると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田さんに褒めて頂いて嬉しいです。」

沖田総司は少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は傍に有る皿を笑顔で見た。


沖田総司の傍に有る皿が空になっている。


沖田総司は皿を残念な様子で見た。

少女は菓子を食べるのを止めると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。お腹がいっぱいになってしまいました。私の分のお菓子を食べてください。」

沖田総司は少女を見ると、少女に心配して話し出す。

「鈴ちゃん。調子が悪いの? 大丈夫?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「お腹がいっぱいになっただけです。大丈夫です。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「菓子を半分に分けて食べよう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。菓子を半分に分けてくれるかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は菓子を丁寧に半分に分けると、半分にした菓子を皿に微笑んで載せた。

沖田総司は少女を微笑んで見ている。

少女は沖田総司に皿を差し出すと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。お菓子を先に取ってください。」

沖田総司は半分の菓子を微笑んで見た。

少女は沖田総司に皿を差し出して、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は小さい菓子を笑顔で取った。

少女は皿を持ち、沖田総司を僅かに慌てて見た。

沖田総司は菓子を持ち、少女に笑顔で話し出す。

「いただきます!」

少女は皿を持ち、沖田総司を僅かに慌てて見ている。

沖田総司は菓子を一口だけ食べると、少女に笑顔で話し出す。

「大きく見えた菓子を取ったんだ! もしかして、私小さい菓子を取ったのかな?!」

少女は皿を脇に置くと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。ありがとうございます。」

沖田総司は菓子を持ち、少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃんも早く菓子を食べて!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は菓子を笑顔で美味しく食べた。

少女は菓子を取ると、菓子を微笑んで食べた。


少し後の事。


ここは、京の町。


藤堂平助は、お孝を一瞥しながら、微笑んで歩いている。

お孝も藤堂平助を一瞥しながら、微笑んで歩いている。


沖田総司と少女が、藤堂平助とお孝より少し離れた場所を歩く姿が見えた。


沖田総司は少女に笑顔で話しながら歩いている。

少女は沖田総司を見ながら微笑んで歩いている。


藤堂平助は普通に止まった。

お孝は不思議な様子で止まった。


藤堂平助は沖田総司と少女を寂しく見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。顔が好きだと話しているわ。」

藤堂平助はお孝を僅かに慌てて見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。早く行きましょう。」

藤堂平助はお孝を微笑んで見た。

お孝も藤堂平助を微笑んで見た。

藤堂平助は沖田総司と少女が居る方向を寂しく見た。

お孝は藤堂平助の顔を指すと、藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。今の表情は、相手に伝わる表情よ。黙っている意味が無いわ。」

藤堂平助はお孝を僅かに驚いた様子で見た。

お孝は藤堂平助に微笑んで話し出す。

「平助さん。早く行きましょう。」

藤堂平助はお孝を微笑んで見た。

お孝は藤堂平助の手を微笑んで握った。

藤堂平助はお孝を苦笑して見た。


お孝は藤堂平助の手を握り、微笑んで歩き出した。

藤堂平助は苦笑しながら歩き出した。


今日は空が青くて良い天気。

今日は小春の日和。

明日も良い日になると思う心地良い日になっている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

藤堂平助さんが鈴ちゃんを好きになっている内容の登場する物語は、「新撰組異聞 短編 白萩と小紫式部」です。

この物語は、「新撰組異聞 短編 白萩と小紫式部」を受けての後日談です。

お雪さんは、この時点も鈴ちゃんに体調について秘密にしています。

題名が「小春の日和(こはるのひより)」になっています。

普通ならば「小春日和(こはるびより)」と呼びます。

物語と題名の雰囲気から「小春の日和」にしました。

「小春(こはる)」についてです。

「初冬の穏やかで暖かい春の日に似た日和が続く頃の事。陰暦十月の異称。」を言います。

「日和(ひより)」についてです。

幾つか意味があります。

一般的には、「空模様。天気。」、または、「晴れた良い天気。または、何かをするのに、ちょうど良い天気。」、の意味で使われていると思います。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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