新撰組異聞　〜　山茶始開　〜


〜　第四版　〜


ここは、京の町。


寒さを感じるようになってきた。


ここは、季節の花が綺麗に咲く場所。


沖田総司は微笑んで座っている。

斉藤一は普通に座っている。

お雪は微笑んで座っている。

少女も微笑んで座っている。


少女は山茶花の花の咲く場所を微笑んで見た。

お雪は山茶花の花の咲く場所を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「山茶花が少し早く咲いたのね。離れた場所から見ても、綺麗に咲く様子が分かるわ。」

少女は、沖田総司、斉藤一、お雪、を見ると、沖田総司、斉藤一、お雪、に微笑んで話し出す。

「みんなで山茶花を近くで見ませんか？」

お雪は少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「私と斉藤さんは、今の居る場所から山茶花を見るわ。美鈴さんは沖田さんと一緒に山茶花をゆっくりと見て。」

少女はお雪を不思議な様子で見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。私と一緒に山茶花を近くで見よう。」

少女は斉藤一とお雪に微笑んで話し出す。

「総司さんと一緒に山茶花を近くで見てきます。」

お雪が少女に微笑んで頷いた。

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。


沖田総司は微笑んで歩き出した。

少女も微笑んで歩き出した。


お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。

斉藤一は、沖田総司、お雪、少女、を普通の表情で見た。

お雪は下を向くと、辛く息をはいた。

斉藤一はお雪を普通の表情で見た。

お雪は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「美鈴さんが居なくなったので、隠さずに話します。長い距離を歩くのが、少し辛くなりました。近い内に、長い距離の外出は出来なくなると思います。次からは、私の家で逢う予定でお願いします。」

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「沖田さんと美鈴さんの慶びに関する話題を聞く時を楽しみに待っています。沖田さんと美鈴さんの慶びに関する話題は聞けませんね。」

斉藤一はお雪を普通の表情で見た。

お雪は斉藤一に心配して話し出す。

「沖田さんは深い悩みを抱えている様子に感じます。沖田さんの悩みの解決する日が、早く訪れると良いですね。」

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「いろいろと遭っても、沖田さんと美鈴さんは、今の時間を楽しく過ごしていますね。斉藤さん。今後も、沖田さんと美鈴さんの楽しい想い出をたくさん作る手伝いをお願いします。」

斉藤一はお雪を見ると、お雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。


僅かに後の事。


ここは、斉藤一とお雪の居る場所。


沖田総司は微笑んで来た。

少女も微笑んで来た。


斉藤一は沖田総司と少女に普通の表情で頷いた。

お雪は沖田総司と少女に微笑んで話し出す。

「お帰りなさい。」

少女は斉藤一とお雪に微笑んで話し出す。

「ただいま。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

沖田総司は、斉藤一、お雪、少女、を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、沖田総司、斉藤一、お雪、少女、の居る場所。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。家まで送るね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「お願いします。」

沖田総司は斉藤一とお雪を見ると、斉藤一とお雪に微笑んで話し出す。

「私と鈴ちゃんは、一緒に帰ります。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

お雪は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴さん。気を付けて帰ってね。次に逢う時もたくさん話しましょう。」

少女はお雪に微笑んで話し出す。

「はい。」

お雪は少女を微笑んで見た。


沖田総司は微笑んで歩き出した。

少女も微笑んで歩き出した。


お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。


沖田総司の姿は見えなくなった。

少女の姿も見えなくなった。


お雪は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。お願いします。」

斉藤一はお雪を見ると、お雪に普通の表情で軽く礼をした。


斉藤一はお雪を支えて、ゆっくりと立ち上がった。

お雪はゆっくりと立ち上がった。


お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

斉藤一はお雪から離れると、お雪に普通の表情で軽く礼をした。


お雪は微笑んでゆっくりと歩き出した。

斉藤一は普通の表情でゆっくりと歩き出した。


少し後の事。


ここは、屯所。


沖田総司の部屋。


沖田総司は普通の表情で居る。


斉藤一は普通に訪れた。


沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。自分の部屋に戻らずに私の部屋に来たのですか？」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「お雪さんの体調が少しずつ悪くなっている。お雪さんは美鈴さんに出来るだけ逢いたいと思っている。次からは、お雪さんの家で逢う予定を希望している。近藤さんにも報告する。」

沖田総司は斉藤一を心配して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。お雪さんや美鈴さんの前で、心配する表情になるな。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで頷いた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


斉藤一は部屋から普通に出て行った。


僅かに後の事。


ここは、屯所。


近藤勇の部屋。


近藤勇は机に普通に向かっている。


斉藤一は普通に訪れた。


近藤勇は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は近藤勇に普通に話し出す。

「今日、お雪さんと二人で話す機会がありました。お雪さんが俺に話した内容を伝えます。」

近藤勇は斉藤一に僅かに心配して頷いた。

斉藤一は近藤勇を普通の表情で見た。


翌日の事。


ここは、お雪の家。


近藤勇はお雪に逢うために訪れている。


客間。


近藤勇は微笑んで居る。

お雪も微笑んで居る。


近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「お雪。いろいろな場所に出掛けているそうだな。無理はしていないか？　出掛けている最中に辛くなっていないか？」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤先生。お気遣いありがとうございます。私の体調は大丈夫です。安心してください。」

近藤勇はお雪を微笑んで見た。

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「一人で過ごす時間が長いと、いろいろと考えてしまいます。お孝が家に居てくれるので、話し相手になってくれますが、身内のためか日常的な話題が多くなります。親しくなった女の子は優しい子です。親しくなった女の子と一緒に居ると穏やかな気持ちになります。沖田様は明るい人物です。沖田様と一緒に居ると楽しくなります。斉藤様はたくさん話しませんが、さり気なく気遣ってくださる人物です。斉藤様と一緒に居ると落ち着きます。みなさんと一緒に過ごせて楽しいです。」

近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。

「お雪と仲の良い女の子は、お雪の体調について知っているのか？」

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「沖田様の気遣いと斉藤様の気遣いのおかげで、私の体調には気付いていない様子です。」

近藤勇はお雪を微笑んで見た。

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「私は過去に美雪太夫と呼ばれていました。楽しんで頂くための仕事をしていました。美雪太夫からお雪の名前に戻った今も、みなさんに出来るだけ長く楽しんで頂く気持ちは忘れていません。」

近藤勇はお雪を不安な様子で見た。

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「先生が女の子と話す機会があったとしても、私の体調は今までどおり秘密にしてください。女の子が私の病気を知ったら、物凄く気を遣います。女の子が私のために無理をする姿は見たくありません。私が亡くなった時は、少しの間で構わないので、女の子には黙っていてください。少し経って落ち着いた頃に、女の子を理解している人物から話してください。」

近藤勇はお雪に微笑んで頷いた。

お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

近藤勇はお雪を微笑んで見た。

お雪も近藤勇を微笑んで見た。


数日後の事。


ここは、お雪の家。


お孝と手伝いの人が、沖田総司と少女を迎えるための準備を終わらせた。


お雪の部屋。


お雪は微笑んで居る。

お孝は普通に居る。


お孝はお雪に普通に話し出す。

「私は出掛けるね。」

お雪はお孝に不思議な様子で話し出す。

「沖田さんと美鈴さんが、直ぐに来るわ。出掛けるの？」

お孝はお雪に普通に話し出す。

「私が居ると落ち着かないわよね。私の心配はせずに、みんなで楽しく過ごして。」

お雪はお孝を心配な様子で見た。

お孝はお雪に普通に話し出す。

「姉さん。早く笑顔になって。美鈴さんが心配するわよ。」

お雪はお孝を微笑んで見た。

お孝はお雪を普通の表情で見た。

雪はお孝に微笑んで話し出す。

「お孝。行ってらっしゃい。」

お孝はお雪に微笑んで話し出す。

「行ってきます。」

お雪はお孝を微笑んで見た。


お孝は部屋の外に普通に出て行った。


僅かに後の事。


ここは、お雪の家。


お雪と手伝いの人は、居る。

お孝は出掛けているために居ない。


玄関。


斉藤一が普通に到着した。


少し後の事。


ここは、お雪の家。


客間。


障子は開いている。


沖田総司は微笑んで居る。

斉藤一は普通に居る。

少女は微笑んで居る。


少女はお雪に微笑んで話し出す。

「お庭に山茶花が咲いていますね。」

お雪は少女に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。庭で山茶花を見ながら話そう。」

お雪は少女に微笑んで話し出す。

「沖田さんと美鈴さんで、庭で山茶花を見ながら楽しんでください。」

少女は沖田総司とお雪に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

お雪も少女を微笑んで見た。


沖田総司は客間から微笑んで出て行った。

少女も客間から微笑んで出て行った。


お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。

斉藤一はお雪を普通の表情で見た。

お雪は沖田総司と少女を見ながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「楽しい様子に見えます。」

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。


ここは、お雪の家。


庭。


沖田総司は山茶花を微笑んで見ている。

少女も山茶花を微笑んで見ている。


少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「お雪さんと斉藤さんと、たくさん逢えます。とても嬉しいです。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に恥ずかしく話し出す。

「総司さんと更にたくさん逢えます。とても嬉しいです。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に申し訳なく話し出す。

「総司さんと斉藤さんは、お雪さんを守るお仕事に就いています。私は総司さんとたくさんお話しをしています。私はお仕事の邪魔をしています。気を付けます。」

沖田総司は少女に慌てて話し出す。

「鈴ちゃんは迷惑を掛けていないよ！　お雪さんは鈴ちゃんの笑顔が見たいと話しているだろ！　私と斉藤さんは、お雪さんを警護する任務の他に、鈴ちゃんの話し相手も兼ねているんだよ！　私も鈴ちゃんとたくさん逢えて嬉しいよ！　鈴ちゃんが嫌でなければ、たくさん話そう！」

少女は沖田総司を申し訳なく見た。

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「私も斉藤さんもお雪さんも、鈴ちゃんの笑顔がたくさん見たいんだ！」

少女は沖田総司を申し訳なく見ている。

沖田総司は少女を笑顔で抱いた。

少女は沖田総司を驚いた表情で見た。

沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。

「少し経つと、お雪さんは忙しくなると思う。みんなで逢う回数は、かなり減ると思う。お雪さんにたくさん楽しんでもらうために、お雪さんの前では常に笑顔で居よう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は少女を抱いて、少女を微笑んで見た。


ここは、お雪の家。


客間。


障子は開いている。


お雪は沖田総司と少女を微笑んで見ながら、瞳に涙を浮かべた。

斉藤一はお雪を普通の表情で見た。

お雪は瞳に浮かんだ涙を拭くと、斉藤一を見て、斉藤一に微笑んで話し出す。

「私も近藤さんと今の光景のように過ごしたかったです。沖田さんと美鈴さんには、絶対に幸せになって欲しいです。」

斉藤一はお雪を普通の表情で見ている。

お雪は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。

お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。

斉藤一は、沖田総司、お雪、少女、を普通の表情で見た。


少し後の事。


ここは、お雪の家。


玄関。


沖田総司は微笑んで居る。

斉藤一は普通に居る。

お雪は微笑んで居る。

少女も微笑んで居る。


少女はお雪に微笑んで話し出す。

「今日も楽しかったです。ありがとうございました。」

お雪は少女に微笑んで話し出す。

「私も楽しかったわ。」

少女はお雪を笑顔で見た。

お雪は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴さん。少しずつ寒くなってくるわ。風邪をひかないように、体調を悪くしないように、気を付けてね。」

少女はお雪に微笑んで話し出す。

「はい。お雪さんも、風邪をひかないように、体調を悪くしないように、気を付けてください。」

お雪は少女に微笑んで頷いた。

沖田総司はお雪と少女を微笑んで見た。

斉藤一はお雪と少女を普通の表情で見た。

お雪は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴さんの笑顔に元気付けられる人物は、たくさんいるの。美鈴さんは沖田さんと斉藤さんに、素敵な笑顔をたくさん見せてあげてね。」

少女はお雪を恥ずかしく見た。

お雪は少女を微笑んで見た。

少女はお雪に恥ずかしく話し出す。

「はい。」

お雪は少女を微笑んで見ている。

少女は沖田総司を恥ずかしく見た。

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

斉藤一は、沖田総司、お雪、少女、を普通の表情で見た。


僅かに後の事。


ここは、お雪の家。


玄関。


お雪は微笑んで居る。


沖田総司の歩く姿が見える。

斉藤一の歩く姿も見える。

少女の歩く姿も見える。


お雪は、沖田総司、斉藤一、少女、を微笑んで見た。


沖田総司の姿は見えなくなった。

斉藤一の姿も見えなくなった。

少女の姿も見えなくなった。


お雪は、沖田総司、斉藤一、少女、が去った方向に向かって、微笑んで深く礼をした。


お雪はゆっくりと微笑んで顔を上げた。


お雪は家の中にゆっくりと微笑んで入って行った。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の雰囲気や展開を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願いします。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

お雪さんの病状が少しずつ悪くなっていきます。

鈴ちゃんはお雪さんの病気について知りません。

沖田総司さんと斉藤一さんは、お雪さんの病気について知っていますが、鈴ちゃんの前では普段どおりの言動です。

近藤勇さんは、お雪さんの体調を心配しながらも、自由に過ごせるように気遣っています。

みんなで協力してお雪さんの病気を隠しているので、鈴ちゃんは僅かな不安や複雑な思いを抱きながらも、普段と同じ言動をしています。

「山茶始開（つばきはじめてひらく）」についてです。

二十四節気の「立冬（りっとう）」の期間の七十二候の初候の言葉です。

「山茶花が開き始める」という意味です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前 　　　　　　　　　　 目次 　　　　　　　　　　 次→