新撰組異聞　〜　十月桜の下で逢う人は　〜


〜　第三版　〜


ある秋の日の事。


ここは、京の町。


空や景気が秋の気配を見せ始めた。


ここは、たくさんの紅葉と銀杏が植わっている場所。


辺りの紅葉と銀杏は、僅かに色付き始めている。


沖田総司と少女は、紅葉や銀杏が見える場所に座っている。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。生まれ変わりを知っている？」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。知っています。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私と近藤さんと土方さんと斉藤さんで、桜の花の咲く中で生まれ変わりの話しをしたんだ。私は生まれ変わってもみんなと逢いたいと話したんだ。斉藤さん達が、生まれ変わった後に逢うのは、春の季節の中で更に桜の花の咲く間なのかと質問したんだ。私は、みんなの想いが強ければ、桜の花は咲くから大丈夫だと返事をしたんだ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私は、季節に関係なく、桜の花の咲く木の下で、みんなと逢いたいんだ。」

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。春の季節以外に花が咲く桜を知っている？」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「秋に花が咲く桜を知っています。」

沖田総司は少女に嬉しそうに話し出す。

「鈴ちゃん！　秋に花が咲く桜について早く教えて！」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「秋に咲く桜の名前は、“十月桜”と言います。」

沖田総司が少女に嬉しそうに話し出す。

「十月桜という名前の桜なんだ！」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に嬉しそうに話し出す。

「十月桜の咲く場所を教えてくれるかな？！」

少女は考え込んだ。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「十月桜は珍しい桜なの？」

少女は沖田総司に考え込みながら話し出す。

「十月桜は余り見掛けない桜のようです。でも、私が十月桜を見るために出掛ける場所が在ります。十月桜の花が咲いているか確認をしてからお返事します。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　十月桜の花が咲いているか一緒に確認に行こうよ！」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は何かを思い出した表情になった。

少女は沖田総司を不思議そうに見た。

沖田総司は少女に慌てた様子で話し出す。

「鈴ちゃん！　屯所に戻らないといけないんだ！　十月桜の花が咲いているか確認するのは別な日に確認しよう！　鈴ちゃん！　家まで送るから一緒に帰ろう！」

少女は沖田総司を少し寂しそうに見た。

沖田総司は少女を不思議そうに見た。

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は元気良く立ち上がると、少女に手を伸ばした。

少女は沖田総司の手を取ると、微笑みながらゆっくりと立ち上がった。


沖田総司と少女は、微笑んで手を繋ぎながら去って行った。


それから数日後の事。


ここは、少女の家。


玄関。


沖田総司は笑顔で訪れた。


少女は沖田総司の前に微笑んで現れた。


沖田総司が少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　今日はよろしくお願いします！」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は楽しそうに出掛けて行った。

少女も楽しそうに出掛けて行った。


それから少し後の事。


ここは、綺麗な紅葉がたくさん植わっている場所。


沖田総司は綺麗な紅葉の木の下に微笑んで到着した。

少女も綺麗な紅葉の木の下に微笑んで到着した。


沖田総司は紅葉を笑顔で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を見ると、笑顔で話し出す。

「綺麗な紅葉だね！」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に不思議そうに話し出す。

「鈴ちゃん。十月桜はどこに咲いているのかな？」

少女は前を指すと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「あちらです。」

沖田総司は少女が指している方向を、不思議そうに見た。

少女は前を指すのを止めると、沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を見ると、笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　桜と紅葉が一緒に咲いているね！　凄いね！　綺麗だね！」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「この場所は、紅葉が綺麗で十月桜も見られます。楽しんで頂けると思います。」

沖田総司は紅葉と十月桜を笑顔で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を見ると、笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　もっと近くで見ようよ！」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。


沖田総司は紅葉と十月桜の近くへと笑顔で歩き出した。

少女は紅葉と十月桜の近くへと微笑んで歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、紅葉と十月桜の傍。


沖田総司は紅葉と十月桜の傍に笑顔で来た。

少女は紅葉と十月桜の傍に微笑んで来た。


沖田総司は十月桜を見ながら、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。十月桜が満開になるにはどれくらい掛かるのかな？」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「十月桜は、見頃になっても春に咲く桜のように満開にはなりません。」

沖田総司は十月桜を不思議そうに見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。秋に生まれ変わっても、みなさんに逢えますね。」

沖田総司は少女を見ると、嬉しそうに話し出す。

「鈴ちゃん！　ありがとう！　春だけでなく、秋にも安心して逢えるようになったよ！」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に嬉しそうに話し出す。

「私は、生まれ変わっても大切な友達と逢いたいんだ！　鈴ちゃんは物凄く大切な友達だから、生まれ変わっても逢いたいんだ！」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「私も生まれ変わっても総司さんやみなさんと逢いたいです。」

沖田総司は少女の手を取ると、嬉しそうに話し出す。

「鈴ちゃんも同じ想いなんだね！　嬉しいな！　鈴ちゃん！　生まれ変わっても必ず逢おうね！」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに頷いた。

沖田総司は少女から手を放すと、慌てた様子で話し出す。

「嬉しくて思い切り手を握ってしまった！　痛かったよね？！」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。」

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。本当に痛くないの？　無理をしていないの？」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。安心してください。」

沖田総司は少女を安心した様子で見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。座って話しをしようか。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を笑顔で見た。


それから暫く後の事。


ここは、屯所。


一室。


斉藤一は普通に居る。


沖田総司は部屋の中に嬉しそうに入ってきた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「斉藤さん！　秋に咲く桜を見付けました！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「近藤さんと土方さんを誘って十月桜を見に行きます！　もちろん斉藤さんも一緒です！　忘れないでくださいね！」

斉藤一が沖田総司に普通に話し出す。

「秋に咲く桜は、総司が一人で見付けたのか？」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「私が見付けたのではなく、鈴ちゃんに教えてもらいました！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司が斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「鈴ちゃんは本当に良い子です！」

斉藤一が沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「鈴ちゃんは物凄く大切な友達です！　生まれ変わっても逢いたいです！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「私は変な内容の話をしましたか？」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんはとても辛抱強い子だと思って尊敬したんだ。総司が生まれ変わった後に、美鈴さんと逢ったら、今以上に気を遣ってやれよ。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。


それから何日か後の事。


ここは、京の町。


空も景色も、秋の気配に包まれている。


ここは、たくさんの紅葉が見られる場所。


沖田総司は紅葉の木の下へと笑顔で走ってきた。


紅葉は綺麗に色付いている。


沖田総司は後ろを笑顔で振り向いた。


藤勇は沖田総司の元へと微笑んで歩いている。

土方歳三も沖田総司の元へと微笑んで歩いている。

斉藤一は沖田総司の元へと普通に歩いている。


沖田総司は、近藤勇、土方歳三、斉藤一に、笑顔で声を掛ける。

「近藤さん〜！　土方さん〜！　斉藤さん〜！　早く来てください〜！」


斉藤一は沖田総司の元に普通に来た。

土方歳三は沖田総司と斉藤一の元に微笑んで来た。

近藤勇も沖田総司と斉藤一の元に微笑んで来た。


沖田総司は、近藤勇、土方歳三、斉藤一を笑顔で見た。

斉藤一は紅葉を一瞥すると、沖田総司を普通の表情で見た。

近藤勇は紅葉を微笑んで見た。

土方歳三は紅葉を見ると、沖田総司に普通に話し出す。

「綺麗な紅葉だな。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「はい。綺麗な紅葉ですよね。」

土方歳三は沖田総司に不思議そうに話し出す。

「この紅葉を見せるために、俺達を誘ったのか？」

沖田総司は少し離れた場所を指すと、近藤勇、土方歳三、斉藤一に笑顔で話し出す。

「みなさんに見せたかったのは、“十月桜”という秋に咲く桜です！」

近藤勇は沖田総司の指す先を不思議そうに見た。

土方歳三も沖田総司の指す先を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司の指す先を普通の表情で見た。


たくさんの紅葉の中に、十月桜の花が咲く姿が見える。


近藤勇は十月桜を見ながら、沖田総司に不思議そうに話し出す。

「この場所で秋に咲く桜が見られるとは思わなかった。」

土方歳三は十月桜を見ながら、沖田総司に感心した様子で話し出す。

「紅葉と桜が一緒に見られる場所が近くに在るとは思わなかった。」

沖田総司は指すのを止めると、近藤勇と土方歳三に笑顔で話し出す。

「珍しい場所ですよね！」

斉藤一は十月桜を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一の耳元に微笑んで囁こうとした。

斉藤一は沖田総司に普通の表情で視線を動かした。

土方歳三は何かを思い出した表情になった。

斉藤一は土方歳三に普通の表情で視線を動かした。

土方歳三は沖田総司に意味有りげな微笑みで話し出す。

「総司。最近の出来事になるが、一所懸命に探し物をしていたな。もしかして、十月桜を探していたのか？」

沖田総司は斉藤一に囁くのを止めると、土方歳三を見て、微笑んで頷いた。


土方歳三は沖田総司に意味有りげな微笑みで近付いた。


沖田総司は土方歳三を不思議そうに見た。

土方歳三は沖田総司に意味有りげな微笑みで話し出す。

「斉藤が手伝っていた様子は無かったな。花に疎い総司が、珍しい十月桜を一人では見付けられないよな。総司。誰から十月桜について教えてもらったんだ？」

沖田総司は土方歳三を困惑した様子で見た。

土方歳三は沖田総司を意味有りげな微笑みで見た。

沖田総司は土方歳三から顔を赤くして視線を外した。


十月桜と紅葉が彩る季節。

近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一が過ごす時間も紅葉と十月桜が彩っている。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の加筆訂正版です。

改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら加筆訂正しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

「新撰組異聞　短編　十月桜」で、沖田総司さんが鈴ちゃんから十月桜を教えてもらった設定にしました。

沖田総司さんが土方歳三さんにからかわれている場面を書きました。

沖田総司さんは鈴ちゃんを直接的にも間接的にも土方歳三さんに会わせていませんが、土方歳三さんは沖田総司さんに気付かれないように鈴ちゃんに何度も会っている、という設定になっています。

今回の物語の時間設定時での沖田総司さんが生まれ変わっても逢いたい人は、近藤勇さん、土方歳三さん、斉藤一さん、鈴ちゃんになります。

「新撰組異聞　短編　十月桜」を再改訂したので、この物語も再改訂しました。

この物語で、近藤勇さん、土方歳三さん、沖田総司さん、斉藤一さんが十月桜を見ている場面は、「新撰組異聞　短編　十月桜」の冒頭部分の場面と重なっています。

そのため、近藤勇さん、土方歳三さん、沖田総司さん、斉藤一さんが、十月桜を見ている場面は、「新撰組異聞　短編　十月桜」の冒頭部分の場面と出来るだけ同じにしました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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