新撰組異聞　〜　白木蓮の咲く頃に　〜


春の暖かさを感じるようになってきた。

白木蓮が咲き始めた。

白木蓮は純白の色をした孤高の花。


沖田総司は少女の家を訪れた。

少女は微笑んで沖田総司を出迎えた。

沖田総司は少女が持っている包みを見ると、微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。包みを持つよ。」

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「いつもありがとうございます。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「気にしないで。」

少女は沖田総司に包みを預けた。

沖田総司は少女から包みを受取ると、微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。早く出掛けよう。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司と少女は、楽しそうに話をしながら出掛けて行った。


沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。今日はね、出掛けたい所があるんだ。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃんが喜んでくれると良いな。」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司さんのお勧めの場所に、お出掛けするのですね。楽しみです。」

沖田総司は恥ずかしそうに少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。あまり期待しないでね。がっかりするかもしれないよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司さんが連れて行ってくださる場所です。がっかりする事なんてありません。」

沖田総司は微笑んで少女を見ながら歩いている。

少女は微笑んで沖田総司を見ながら歩いている。


それから少し後の事。

沖田総司と少女は、白木蓮が咲く場所に到着した。

不思議な事に、辺りには人がほとんど居ない。

静かで落ち着いた場所に、白木蓮は咲いている。

少女は微笑んで白木蓮を見ながら、沖田総司に話し掛ける。

「総司さん。白木蓮です。綺麗です。」

沖田総司は少女を見ながら微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を見ると微笑んで話し掛ける。

「総司さんが見つけられたのですか？」

沖田総司は恥ずかしそうに少女を見ながら頷いた。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司さん。ありがとうございます。」

沖田総司は少女を恥ずかしそうに見ている。

少女は白木蓮を微笑んで見た。

沖田総司は少女を微笑んで見ている。


少女は白木蓮を微笑んで見ている。

沖田総司は少女を見ると微笑んで話し掛ける。

「先日、この場所で斉藤さんとお雪さんと会ったんだ。」

少女は不思議そうに沖田総司を見た。

沖田総司は少女を不思議そうに見ている。

少女は考え込んでしまった。

沖田総司は少女を不思議そうに見ながら話し掛ける。

「鈴ちゃん。どうかしたの？」

少女は沖田総司に言いにくそうに話し出す。

「お雪さんと言う方は、斉藤さんとお付き合いされているのですか？」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「お雪さんと斉藤さんは付き合っていないよ。斉藤さんは付き合っている人は、いないと思うよ。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら話し出す。

「斉藤さんはしっかりとされている方です。お付き合いしている方がいても、おかしくないですよね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「確かに、斉藤さんはしっかりとしているし、付き合っている人がいてもおかしくないよね。でも、斉藤さんは仕事で出掛けたりする事が多いから、付き合っている暇がないのかもしれないよ。」

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し掛ける。

「すいません。」

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「どうかしたの？」

少女は沖田総司に申し訳なさそうに話し掛ける。

「総司さんもお忙しい方ですよね。私なんかのために、お休みの時間を割いて会ってくれています。いつも申し訳がないと思っています。」

沖田総司は少女を不機嫌そうに見た。

少女は沖田総司の様子を見て驚いた表情になると、下を向いてしまった。

沖田総司は不機嫌そうに少女を見ている。

少女は下を向きながら、沖田総司に小さい声で話し掛ける。

「すいません。」

沖田総司は不機嫌そうに少女に話し掛ける。

「鈴ちゃんは、なぜ、私なんかと言うんだ？　鈴ちゃんしっかりとしているよ。自分を低く言う必要はないだろ。」

少女は悲しそうに下を向きながら、沖田総司に小さい声で話し出す。

「すいません。」

沖田総司は不機嫌そうに少女に話し掛ける。

「だから・・・」

少女は両手で顔を覆うと、静かに泣き出してしまった。

沖田総司は話しの途中で、驚いた表情で黙ってしまった。

少女は両手で顔を覆いながら、静かに泣いている。

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。ごめん。言い過ぎた。」

少女は両手で顔を覆ったまま、静かに泣いている。

沖田総司は少女を心配そうに抱き寄せた。

少女は沖田総司の腕の中で、寂しそうに泣いている。

沖田総司は少女を心配そうに抱いている。


それから少し後の事。

少女は沖田総司の腕の中で泣き止んだ。

沖田総司は心配そうに少女を抱いている。

少女は沖田総司の腕の中で、小さい声で話し出す。

「総司さんにまた迷惑を掛けてしまいました。」

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃんは迷惑を掛けていないよ。」

少女は沖田総司の腕の中で、寂しそうに黙っている。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃんに強く言ってしまった。怖かったよね。」

少女は沖田総司の腕の中で、小さく首を横に振った。

沖田総司はゆっくりと少女を離した。

少女は不安そうな表情で沖田総司を見ている。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。白木蓮を見ようよ。」

少女は不安そうな表情で沖田総司を見ると、小さく頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。この包みは、何が入っているのかな？」

少女は不安そうに沖田総司を見ながら、話し掛ける。

「お菓子が入っています。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「座って白木蓮を見ながら、お菓子を食べようか。」

少女は沖田総司を微笑んで見ながら頷いた。

沖田総司と少女は、座って白木蓮が見られる場所を探し始めた。


沖田総司と少女は場所を決めると、一緒に座った。

少女は包みを広げると、沖田総司に心配そうに差し出した。

沖田総司は包みを覗くと、少女に微笑んで話し掛ける。

「お団子だ！　おいしそうだね！」

少女は包みを差し出しながら、微笑んで沖田総司を見た。

沖田総司は笑顔で包みからお団子を取ると、元気良く声を出した。

「いただきます〜！」

少女は微笑んで沖田総司を見ている。

沖田総司は笑顔で少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん！　おいしいよ！　ありがとう！」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「喜んで頂けて嬉しいです。」

沖田総司はおいしそうにお団子を食べている。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し掛ける。

「お団子を食べるのに真剣になってしまって、白木蓮を見ていなかった。」

少女は微笑んで沖田総司を見ている。

沖田総司は恥ずかしそうに少女を見ている。

少女は沖田総司から視線を外すと、白木蓮を寂しそうに見始めた。

沖田総司は心配そうに少女を見ながらも、話し掛ける事が出来なかった。


沖田総司は少女を家に送ると、直ぐに屯所に戻ってきた。

沖田総司はいろいろと考え込んでしまった。

斉藤一が沖田総司のもとを訪れた。

沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで話し掛ける。

「斉藤さん。こんにちは。」

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は落ち込んだ様子で、斉藤一に話し掛ける。

「またやってしまいました。」

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は斉藤一を寂しそうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「総司。俺の顔を切なそうに顔で見るな。」

沖田総司は斉藤一を見ると、寂しそうに話し出す。

「でも、斉藤さん・・・」

斉藤一は沖田総司の話しを遮ると、普通に話し掛ける。

「俺に愚痴っても何も変わらないぞ。」

沖田総司は斉藤一に寂しそうに話し出す。

「そうですよね。」

斉藤一は沖田総司を見ると黙って頷いた。

沖田総司は肩を落とすと、ため息をついた。

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は斉藤一に寂しそうに話し出す。

「鈴ちゃんの笑顔が見たくて白木蓮を探しました。鈴ちゃんに喜んで欲しくて白木蓮を一緒に見に行きました。それなのに、私が鈴ちゃんに上手に話しが出来なかったから、鈴ちゃんが気を遣ってしまいました。自分を低く言う鈴ちゃんを見るのが嫌で、きつい言葉を掛けてしまいました。鈴ちゃんに悲しい思いをさてしまいました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「もう一度、美鈴さんと一緒に、白木蓮を見に行ったらどうだ？」

沖田総司は斉藤一を寂しそうに見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「総司が先に美鈴さんの喜びそうな菓子を用意しておけ。喜ぶと思うぞ。」

沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで頷いた。


その翌日の事。

斉藤一は少女の家を訪れた。

少女は斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は少女を見ながら普通に話し出す。

「時間はあるか？」

少女は不思議そうに斉藤一を見ながら頷いた。

斉藤一と少女は出掛けて行った。


斉藤一と少女は、昨日に沖田総司と少女が訪れた、白木蓮の咲いている場所に居る。

白木蓮は昨日と同じ様に、ひっそりと咲いている。

今日も辺りには人がほとんど居ない。

静かで落ち着いた場所となっている。


少女は不思議そうに斉藤一を見た。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司が美鈴さんに、変な事をやったみたいだな。」

少女は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「総司さんは何もしていません。私がしっかりとしていないのが、いけなかったんです。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「美鈴さんはしっかりとしている。総司の言う事を一々気にするな。」

少女は不安そうに斉藤一を見た。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「気になる事があるんだろ？　言ってみろ。」

少女は心配そうに斉藤一に話し掛ける。

「斉藤さんはお忙しい方ですよね。」

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は心配そうに斉藤一に話し掛ける。

「総司さんが、斉藤さんはお忙しい方だと、お話ししていました。私なんかのために、時間を割いていても大丈夫なのですか？」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「仕事をしていれば、暇な訳がない。忙しいのは当たり前だろ。」

少女は申し訳なさそうに斉藤一に話し掛ける。

「すいません。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「いつも忙しい訳ではない。今日は時間があった。だから、ここに来た。あまり心配するな。」

少女は斉藤一を微笑んで見ながら頷いた。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「他に気になることは何だ？」

少女は心配そうに斉藤一に話し掛ける。

「今、お仕事で大変な事が起きたりしていませんか？」

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は心配そうに斉藤一に話し掛ける。

「何も起きてはないのですか？」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「仕事をしている以上、何も起こらない訳がない。」

少女は斉藤一を心配そうに見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「美鈴さんはいつも通りにしていろ。総司は辛い事があっても、美鈴さんの笑顔を見れば元気になれる。」

少女は斉藤一を微笑んで見ながら頷いた。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「まだ気になる事があるだろ。言ってみろ。」

少女は言いにくそうに斉藤一に話し出す。

「斉藤さんと女性の方が、ここで白木蓮を見ていたと、総司さんがお話しをしていました。」

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は言いにくそうに斉藤一に話し掛ける。

「その方は、総司さんや斉藤さんとも、お知り合いなのですよね。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。

少女は言いにくそうに斉藤一に話し掛ける。

「その方と斉藤さんは、お付き合いしていないのですよね。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。

少女は不安そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「相手の名前は聞いたのか？」

少女は不安そうに斉藤一を見ながら頷いた。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「詳しい事は言えないが、お雪さんは、ある人と付き合っている。」

少女は不安そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司とお雪さんは、関係ない。だから、心配するな。」

少女は不安そうに斉藤一に話し出す。

「私はお雪さんという名前の方のお話しを、初めて聞きました。」

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は不安そうに斉藤一に話し出す。

「総司さんとお雪さんは、何度も会っているような気がします。とても親しくしているような気もします。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「お雪さんは組の幹部の人と付き合っている。だから、他の幹部の人達も頼まれたりして、お雪さんと会ったり、出掛けたりしている人がいる。だから、あまり気にするな。」

少女は少しだけ安心した表情で斉藤一を見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司は美鈴さんに楽しんでもらおうと、いろいろな話しをする。お雪さんの事も既に知っていると思って、総司は話しをしていたはずだ。」

少女は斉藤一を黙って見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司は器用な奴じゃない。だから、あまり心配するな。」

少女は微笑んで斉藤一を見ながら頷いた。

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「いつもありがとうございます。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「総司が美鈴さんにきつく言ってしまったと心配している。美鈴さんに悲しい思いをさせてしまったと、落ち込んでいる。次に総司と会う時には、笑って会ってやれ。総司も美鈴さんの笑顔を見れば安心する。」

少女は斉藤一を微笑んで見ながら頷いた。

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は斉藤一に微笑んで見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「白木蓮を見てから帰るか？」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「今日は止めます。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「送っていく。」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「いつもありがとうございます。よろしくお願いします。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。

斉藤一と少女は白木蓮を背にして去っていった。


それから数日後の事。

沖田総司は京の町を一人で歩いている。

一軒のお菓子屋を訪れると、真剣な表情でお店の人に質問を始めた。

お店の人は沖田総司の質問に微笑んで答えている。

沖田総司はお菓子を決めると、お店の人に声を掛けた。

お店の人は沖田総司にお菓子の入った包みを手渡した。

沖田総司はお菓子の入った包みを受取ると、大事そうに抱えながら、少女の家へと向かった。


沖田総司は少女の家を訪れた。

少女は微笑んで沖田総司を出迎えた。

沖田総司と少女は一緒に出掛けて行った。


沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「あまり時間がないけれど、白木蓮を見に行こうよ。」

少女は沖田総司を見ると微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「お菓子を買ったんだ。」

少女は沖田総司を見ると微笑んで話し掛ける。

「お気遣い頂いてありがとうございます。」

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「たいした事ではないから、気にしなくて良いよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女の様子を嬉しそうに見ている。


沖田総司と少女は白木蓮が咲いている場所にやってきた。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「ここって、いつ来ても人があまり居ないね。」

少女は沖田総司を微笑んで見ながら頷いた。

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し出す。

「もう少ししたら、お菓子を食べながら白木蓮を見ようね。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。


少女は白木蓮を微笑んで見ている。

沖田総司はお菓子の入った包みを大事そうに抱えている。

少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し掛ける。

「総司さん。白木蓮が綺麗です。」

沖田総司は少女を微笑んで見ながら頷いた。

少女は再び白木蓮を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。お菓子を一緒に食べようか？」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司と少女は、白木蓮を見ながらお菓子を食べる場所を、探し始めた。


沖田総司と少女は、場所を決めると一緒に座った。

沖田総司は微笑んで少女に包みを差し出した。

少女は微笑んで包みを受取った。

沖田総司は少女の様子を微笑んで見ている。

少女は包みをひざの上に載せると、沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「綺麗な上生菓子ですね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃんみたいなお菓子を選んだんだ。」

少女は不思議そうに沖田総司を見た。

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し出す。

「可愛いお菓子を選んだんだ。」

少女は恥ずかしそうに下を向いてしまった。

沖田総司は顔を赤くしながら、少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。食べて。」

少女は恥ずかしそうに沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は顔を赤くしながら少女を見ている。

少女は上生菓子を一つ手に取ると、ゆっくりと食べ始めた。

沖田総司は心配そうに少女を見ている。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「おいしいです。」

沖田総司は嬉しそうに少女を見ている。

少女はおいしそうに上生菓子を食べている。

沖田総司は顔を赤くしながら少女に話し出す。

「鈴ちゃんは白木蓮に似ているね。」

少女は不思議そうに沖田総司を見た。

沖田総司は顔を赤くしながら少女を見ている。

少女は恥ずかしそうに下を向いてしまった。

沖田総司は顔を赤くしたまま下を向いてしまった。


白木蓮はひっそりと咲いています。

沖田総司と少女を見ながら、ひっそりと咲いています。

沖田総司の想いと少女の想いを見守りながら、ひっそりと咲いています。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

「白木蓮」です。

「はくもくれん」と読みます。

三月の下旬頃から四月の中旬頃に掛けて咲く花です。

白くて大きな花が咲きます。

沖田総司さんが鈴ちゃんにいきなり「お雪さん」という名前を言いました。

鈴ちゃんはこの時点では、「お雪さん」が誰なのかを知りません。

その結果、いろいろと考えてしまった鈴ちゃんです。

ちなみに、沖田総司さんと鈴ちゃんが白木蓮を見に来た場所ですが、「新撰組異聞　白木蓮にて」と同じ場所を設定して物語を考えました。

そういう事もあり、この物語は、「新撰組異聞　白木蓮にて」と少しだけ重なっています。

今回の物語の中に、斉藤一さんが忙しいという内容の話しが登場します。

斉藤一さんですが、諜報活動などを含めて、いろいろと忙しく活動していたようです。

実際に、伊東甲子太郎さんなどと隊士募集のために江戸に行ったり、幹部隊士の暗殺に関係していたりなど、表や影でいろいろと活動していました。

ちょうど、お雪さんが新撰組の中に登場して白木蓮が咲く時期は、山南敬助さんが新撰組を脱走して捕まって切腹の時期のいずれか、または、全部に重なります。

この場合は、山南敬助さんが脱走をする直前を想定して書きました。

少し早めに咲いた白木蓮を想像して読んでください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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