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新撰組異聞 〜 雪花が舞い散る 〜


ある冬の日の事。

少女が京の町を一人で歩いている。

山南敬助が少女の方に向かって歩いてくる姿が見えた。

少女は立ち止まって山南敬助を見た。

山南敬助は少女のもとに歩いてくると、微笑んで話し掛ける。

「こんにちは。」

少女は微笑んで山南敬助に礼をした。

山南敬助が微笑んで少女に話し掛ける。

「もし時間があれば、一緒にお汁粉でも食べませんか?」

少女は微笑んで山南敬助を見ながら返事をする。

「はい。」

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「では、行きましょうか。」

少女は山南敬助を見ながら微笑んで頷いた。

二人は甘味処へと出掛けて行った。


ここは甘味処。

少女は、何かを気にしているような表情で、山南敬助を見ている。

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「遠慮はしないでください。」

少女は山南敬助を困った表情で見ている。

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「いつも総司や斉藤君が世話になっています。お礼だと思って食べてください。」

少女は恥ずかしそうに山南敬助に話し出す。

「私は総司さんや斉藤さんに、お礼と言われるほどの事はしていません。」

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「では、いつも総司は美鈴さんに迷惑を掛けていますよね。その詫びという事ならば、大丈夫でしょうか?」

少女は恥ずかしそうに山南敬助に話し出す。

「お詫びと言われると困ります。私の方が総司さんにいつも迷惑を掛けています。」

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「私が美鈴さんと一緒に食べたくて誘いました。あまり深く考えずに食べてください。」

少女は微笑んで山南敬助に話し出す。

「では、いただきます。」

山南敬助は微笑んで少女を見ながら頷いた。

少女はおいしそうにお汁粉を食べている。

山南敬助は少女の様子を微笑んで見ながら、お汁粉を食べている。

少女は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「おいしいです。」

山南敬助は微笑んで少女の様子を見ている。

少女は山南敬助に微笑んで話し掛ける。

「明里さんは元気ですか?」

山南敬助は微笑んで少女を見ながら頷いた。

少女は微笑んで山南敬助を見ながら話し出す。

「お元気なのですね。良かったですね。」

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「総司は粗忽者だから、一緒に居るといろいろと大変な事があると思う。総司も美鈴さんにいろいろと気を遣っているようだが、至らないところがたくさんあると思う。美鈴さんも困った時は、総司に隠さずに話しをしてあげて欲しい。」

少女は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「総司さんは優しい方です。山南さんも優しくて親切な方です。斉藤さんや他の方も、いろいろと気を遣ってくれます。みなさん優しい方だと思います。」

山南敬助は微笑んで少女を見ている。

少女は微笑んで山南敬助を見ている。

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「お汁粉が冷めてしまいます。食べてください。」

少女は微笑んで山南敬助を見ながら頷くと、残っているお汁粉を食べ始めた。

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「これから総司にもいろいろな事が起こると思います。総司に何か事が起こった時には、美鈴さんが支えてあげてください。美鈴さんはそれが出来る人だと思っています。」

少女は寂しそうに下を向いてしまった。

山南敬助は心配そうに少女を見た。

少女は下を向いたまま、山南敬助に寂しそうに話し出す。

「総司さんは何かを悩んでいます。辛そうにしている事があります。でも、私には何もお話ししてくれません。きっと私に話しをしても相談にのれない事だと思います。お仕事の事を聞きたくても、詳しい事を知っている方がいないので、聞く事が出来ません。良く聞くお話しは、乱暴者とか田舎者などというお話しばかりです。良いお話しを聞く事もあります。でも、良いお話しも悪いお話しも外から見ているものばかりです。悪いお話しを聞くと悲しくなります。」

山南敬助は少女を心配そうに見ている。

少女は顔を上げると、微笑んで山南敬助を見ながら話し出す。

「でも、良いお話しを聞くと嬉しくなります。」

山南敬助は少女の事を心配そうに見ている。

少女は申し訳なさそうに山南敬助に話し出す。

「お話しがそれてしまいました。すいません。」

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「気にしないでください。」

少女は微笑んで山南敬助を見た。

山南敬助は微笑んで少女を見た。


少女は再び下を向くと、寂しそうに話し出す。

「総司さんは私に何もお話しをしてくれません。何も話しをしない人に、支えてもらいたいと思うでしょうか? 私は、お仕事や武士の方の決まり事など、知らない事ばかりです。至らない事も多いと思います。だから、総司さんは私を頼る事は無いと思います。」

山南敬助は少女を心配そうに見ている。

少女は下を向いたまま、山南敬助に寂しそうに話し掛ける。

「総司さんが辛そうにしていると、私も辛くなります。総司さんに元気になって頂きたくて、総司さんに話し掛けたりします。総司さんのお好きなお菓子を作ったり、買ったりします。でも、逆に総司さんの機嫌を損ねてしまいます。迷惑ばかりかけています。」

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「総司は美鈴さんに心配を掛けたくないのだと思います。だから、何も言わないのかもしれません。美鈴さんは総司が辛そうにしていたら、傍に居てあげてください。総司が怒っても許してあげてください。美鈴さんはしっかりしています。優しい人です。美鈴さんは悪くありません。あまり自分を悪く言わないでください。もし、悪いと言うならば、総司の方かも知れませんね。総司は、怒りっぽいし、後先考えないで行動するし、粗忽物だし。一緒に居ると心配してしまう事が多いです。」

少女は微笑んで山南敬助を見た。

山南敬助は微笑んで少女を見ながら話し出す。

「そうです。美鈴さんの笑顔はとても良いです。総司は美鈴さんの笑顔を見ると、元気になっています。総司は幕府のために仕事をしていると言っています。同時に、美鈴さんが安心して生活できる場所も作りたいと言っていました。どちらも本心だと思います。」

少女は恥ずかしそうに山南敬助を見ている。

山南敬助は少女に微笑んで話し出す。

「美鈴さんは総司の前では笑顔でいてあげてください。美鈴さんの笑顔を見ていると、総司も笑顔になります。元気になります。勇気付けられています。」

少女は恥ずかしそうに山南敬助を見ている。

山南敬助は少女を微笑んで見ながら話し掛ける。

「総司は美鈴さんの事を大切に思っています。それだけは忘れないでくださいね。」

少女は顔を赤くしながら、恥ずかしそうに山南敬助を見ている。

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「長く話しをしていましました。お汁粉が冷めてしまいますね。すいません。早くお汁粉を食べましょう。」

少女は山南敬助を微笑んで見ながら頷いた。

二人はお汁粉を再び食べ始めた。


帰り間際の事。

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「送っていきます。」

少女は微笑んで山南敬助に話し掛ける。

「では、お言葉に甘えて、お願いします。」

山南敬助は少女を送っていく事になった。


その帰り道での事。

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「私は、総司にも美鈴さんにも幸せになって欲しいと思っています。その姿が見られるかどうかはわかりませんが、そう思っています。私はどこに居ても二人の味方です。それだけは忘れないでください。」

少女は不思議そうに山南敬助に話し掛ける。

「どこか遠くへお出掛けをするのですか?」

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「今のところ遠くへ出掛ける話しはありません。」

少女は不安そうに山南敬助に話し掛ける。

「遠くへお出掛けするお話しは、本当にでていないのですか? 長い間戻って来られないお話しも、でていないのですか? 山南さんが居ないと総司さんが寂しくなると思います。斉藤さんがお仕事で居ない時も寂しそうにしています。明里さんもきっと寂しいと思います。」

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「仮に、私が居なくても総司には斉藤君と美鈴さんがいます。斉藤君は頼りになる人です。斉藤君は自分が認めた人以外には気を許しません。そんな斉藤君が総司や美鈴さんとは、良く一緒に居ます。総司の事も良く理解しています。美鈴さんの事も気を配っています。斉藤君の事は頼りにしても良いと思います。」

少女は恥ずかしそうに山南敬助に話し掛ける。

「斉藤さんが私と一緒にお話しをしたり、気を遣ったりしているのは、総司さんと親しくしているからだと思います。」

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「斉藤君はあまり話しをしない人なので、わからない事も多いと思います。斉藤君は、美鈴さんをしっかりしている人だと、思っているはずです。」

少女は不思議そうに山南敬助に話し掛ける。

「斉藤さんは総司さんと一緒に居ると普通にお話しをしています。私とも普通にお話しをしています。私の話しをいつもきちんと聞いてくれます。」

山南敬助は少女に微笑んで話し掛ける。

「美鈴さんも楽しんでいるのですね。安心しました。」

少女は微笑んで山南敬助を見た。


二人は少女の家の前に来た。

山南敬助は微笑んで少女に話し掛ける。

「これからも総司や斉藤君と仲良くしてあげてください。」

少女は微笑んで山南敬助を見ながら頷いた。

山南敬助は去っていく。

少女は心配そうな表情で山南敬助の後姿を見ている。

山南敬助の姿は少しずつ小さくなっていく。

少女は山南敬助の後姿を気にしながらも、家の中へと入っていった。


そんな出来事があった日から数日後の事。

沖田総司は少女の家を笑顔で訪れた。

少女は微笑んで沖田総司を出迎えた。

沖田総司と少女は一緒に出掛けて行った。


沖田総司は苦笑しながら少女に話し出す。

「冬だから仕方が無いけど寒いね。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。

沖田総司は申し訳なさそうに少女を見ながら話し出す。

「子供達と遊ぶのに付き合わせてごめんね。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら首を横に振った。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さんも一緒なんだよ。二人で話しをしながら待っていてね。」

少女は微笑んで沖田総司を見ながら頷いた。


沖田総司と少女は寺の境内にやってきた。

沖田総司は子供達に笑顔で話し出す。

「みんな! こんにちは!」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「総司お兄ちゃん! こんにちは!」

子供達は少女を見ると笑顔で話し出す。

「お姉ちゃん! こんにちは!」

少女は微笑んで子供達に返事をする。

「こんにちは。」

沖田総司は子供達に笑顔で話し出す。

「何をして遊ぼうか?」

子供達は沖田総司にいろいろと話しをしている。

少女は少し離れた場所に動いた。

沖田総司と子供達は楽しそうに遊び始めた。

少女は沖田総司と子供達から少し離れた場所に立つと、微笑みながら遊んでいる様子を見て始めた。


斉藤一が少し遅れて寺にやってきた。

子供達は斉藤一に近寄ってくると、笑顔で話し出す。

「はじめお兄ちゃん! こんにちは!」

斉藤一は子供達を見ると黙って頷いた。

沖田総司も斉藤一に近寄ってくると、笑顔で話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんをよろしくお願いします。」

斉藤一は沖田総司を見ると黙って頷いた。

沖田総司は子供達に笑顔で話し掛ける。

「みんな! 続きをしよう!」

子供達は沖田総司を見ると笑顔で頷いた。

沖田総司と子供達は笑顔で居なくなった。


斉藤一は少女に近づくと、普通に話し出す。

「行くぞ。」

少女は微笑んで斉藤一を見ながら返事をする。

「こんにちは。よろしくお願いします。」

斉藤一は黙って頷いた。

二人は一緒に寺の中へと入っていった。


ここは寺の中。

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「寒いですね。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。

少女は申し訳なさそうに斉藤一を見ている。

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は斉藤一に申し訳なさそうに話し掛ける。

「楽しいお話しが出来なくてすいません。」

斉藤一は少女の様子を見ながら、普通に話し掛ける。

「俺の発言で、一々喜んだり落ち込んだりしなくても、良いだろ。」

少女は斉藤一を申し訳なさそうに見ながら話し出す。

「すいません。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「謝る必要は無いだろ。総司の事で一喜一憂。俺の事でも一喜一憂。身が持たないだろ。」

少女は斉藤一に不安そうに話し出す。

「総司さんも斉藤さんも優しい方です。私にはわからない事がたくさんあります。気が付かない事も多いです。総司さんとお話ししている時の斉藤さんは、普通にお話ししています。総司さんの様に楽しいお話しが出来ればよいのですが、私には出来ません。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司が一人で話しをしているだけだ。俺はほとんど話しをしていない。」

少女は考え込みながら斉藤一の話しを聞いている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「後は、俺の事を良く優しいと言うが、何を根拠にしているんだ?」

少女は不思議そうに斉藤一に話し出す。

「総司さんが斉藤さんは優しい方だと、良くお話ししています。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司が言う事は全部信じるのか?」

少女は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「総司さんのお話しする事は信じています。」

斉藤一は少女を黙って見ている。

少女は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「もし、総司さんが嘘を付いていたとしても、私は斉藤さんを優しい方だと思っています。斉藤さんは私の事を気遣ってくれます。普通だったら、私の事まで気遣ってくれないと思います。」

斉藤一は黙って立ち上がると、縁の所まで歩き出した。

少女は不安そうに斉藤一を見ていたが、縁の所まで歩き出した。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司が見えるぞ。」

少女は沖田総司が遊んでいる方向を、最初は微笑んで見ていたが、途中から寂しそうに見ている。

斉藤一は少女の様子を黙って見ている。

少女は沖田総司と子供達が遊んでいる様子を、寂しそうに見ている。

斉藤一は少女を見ながら、普通に話し出す。

「寂しいのか?」

少女は斉藤一を見ると微笑んで話し出す。

「大丈夫です。」

斉藤一は少女を見ながら普通に話し出す。

「本当はどう思っているんだ?」

少女は斉藤一を見ながら、困った様子で黙ってしまった。

斉藤一は少女の様子を黙って見ていたが、急に外に出て行った。

少女は不安そうに斉藤一の様子を見ている。


斉藤一は沖田総司と子供達のもとにやってきた。

子供達が笑顔で斉藤一のもとにやってきた。

「はじめお兄ちゃん! 何かあったの?!」

斉藤一は子供達を見ながら黙って頷くと、直ぐに沖田総司を見た。

沖田総司は不思議そうに斉藤一を見た。

斉藤一は沖田総司を黙って見ている。

沖田総司は不思議そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は何も言わずに少女のもとへと戻っていった。


斉藤一が少女のもとに戻ってきた。

少女は不安そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「悪いが先に帰る。総司が直ぐに来る。それまで一人で待っていろ。」

少女は不安そうに斉藤一を見ている。

斉藤一は普通に少女に話し掛ける。

「これから仕事なんだ。」

少女は微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「気を付けてください。」

斉藤一は少女を見て黙って頷くと、直ぐに去って行こうとした。

少女は斉藤一の背中越しに微笑んで話し掛ける。

「斉藤さん。」

斉藤一は立ち止まると普通に振り向いた。

少女が微笑んで斉藤一に話し掛ける。

「今日はありがとうございました。次は三人でゆっくりとお話ししたいです。」

斉藤一は少女を見て黙って頷くと、寺の外へと向かって歩き出した。


斉藤一は居なくなった。

少女は寺の中に一人で居る。

沖田総司が少女のもとに心配そうにやってきた。

沖田総司は周りを見ながら少女に不思議そうに話し掛ける。

「斉藤さんは?」

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「お仕事と言って先に帰りました。」

沖田総司は心配そうに少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。どこか調子が悪いとか、辛いところはない?」

少女は沖田総司を見ると微笑んで話し掛ける。

「私は元気です。大丈夫です。」

沖田総司は安心した様子で少女を見ている。

少女は微笑んで沖田総司に話し掛ける。

「総司さん。子供達との遊びは終わったのですか?」

沖田総司は微笑んで少女に話し掛ける。

「終わったよ。」


少女は微笑んで沖田総司を見ている。

沖田総司は少女を心配そうに見ている。

少女は縁の外を見ると、沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司さん。雪が降っています。」

沖田総司も外の雪の降る様子を微笑んで見ている。

少女は、最初は微笑んだ表情で雪を見ていたが、途中から寂しそうにも不安そうにも見える表情で雪を見ている。

沖田総司は心配そうに少女を優しく抱き寄せた。

少女は少し驚いて沖田総司の腕の中にいる。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。何を悩んでいるの?」

少女は沖田総司の腕の中で、微笑んで話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は少女を優しく抱きながら、不安そうに話し掛ける。

「なぜ何も話しをしてくれないんだ?」

少女は沖田総司の腕の中で、小さい声で話し掛ける。

「総司さんに心配をお掛けしてしまって申し訳ありません。何もありません。大丈夫です。」

沖田総司は少女を優しく抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「私には話せない事なのか?」

少女は沖田総司に抱き付くと、心配そうに話し出す。

「総司さんは遠くに行かないでくださいね。遠い所に行っても早く戻ってきてくださいね。」

沖田総司は少女を抱きながら、不安そうに話し掛ける。

「私は遠くに出掛ける予定は無いよ。誰かに何か言われたの?」

少女は沖田総司に抱きつきながら、小さく首を横に振った。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「私は遠くには行かないよ。鈴ちゃんの傍に居るよ。」

少女は何も言わずに沖田総司に抱き付いている。

沖田総司は少女を抱きながら、不安そうに話し掛ける。

「もし、誰か何か言ったとしても心配しなくていいよ。私は鈴ちゃんり傍にいるよ。安心していいよ。」

少女は黙ったまま沖田総司に抱き付いている。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん? 大丈夫?」

少女は沖田総司に抱きついたまま、小さい声で話し出す。

「私は総司さんにいつも心配ばかり掛けています。すいません。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話しかける。

「鈴ちゃんは心配を掛けたりしていないよ。大丈夫だよ。」

少女は沖田総司に抱きつきながら、小さく頷いた。

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。今も雪が降っているよ。綺麗だね。」

少女は沖田総司に抱き付いたまま、雪が降る様子を見て返事をする。

「綺麗です。」

沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し掛ける。

「雪花だね。」

少女は沖田総司に抱きつきながら、微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「寒くない?」

少女は沖田総司に抱きつきながら、小さく首を横に振った。

沖田総司は少女を安心した表情で抱いている。


暫く後の事。

沖田総司が少女を抱いたまま、微笑んで話し掛ける。

「そろそろ戻ろうか。」

少女は沖田総司に抱き付きながら、微笑んで頷いた。

沖田総司は少女をゆっくりと離した。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。


沖田総司と少女が寺の外に出ると雪は止んでいる。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「雪花が終わってしまいましたね。」

沖田総司は少女を見ながら微笑んで頷いた。

二人は話をしながら少女の家へと歩き出した。


この物語は、山南敬助が新撰組から逃亡する少し前の物語。

その後に起こる出来事を、沖田総司も斉藤一も少女も、知らない時の物語。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

タイトルの「雪花」ですが、「せっか、または、ゆきばな」と読みます。

「雪の結晶、または、雪の降る様子を花に例えたことば」です。

「雪花」は、「雪華」と書くこともあります。

山南敬助さんは、近藤勇さんや土方歳三さんとの意見の食い違いや考え方の違いから、少しずつ重要な任務などから外れていきます。

そういういろいろな事が重なって、山南敬助さんは新撰組を逃亡します。

山南敬助さんが新撰組を逃亡した時には、既に組から逃げたりすると切腹という決まりはありました。

しかし、山南さんは、もし捕まっても、総長という立場上、自分は切腹する事は無いだろうと考えて逃亡したという話しがあります。

後は、自分の辛い立場を周りに言えないために逃亡して、捕まった時には、辛い立場を話しをして理解してもらおうとしていたという話しもあります。

他にもいろいろと言われているそうです。

最終的には、山南敬助さんには、逃亡したという事で切腹という沙汰がくだります。

逃亡するある程度前から、山南敬助さんもいろいろと考える事があったと思います。

もし、その結果として逃亡する事を考え始めた場合、「新撰組異聞」の物語の山南敬助さんなら、実際に逃亡したり、何かが起こった時の事を考えると、鈴ちゃんに会っていろいろと話しをするかなと考えました。

この物語はそういう事を考えて作りました。

楽しんで頂ける嬉しいです。





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