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新撰組異聞 〜 歳末 正月 薯蕷で大騒動 〜
〜 改訂版 〜
今は歳末。
ここは、京の町。
寒い日が続いている。
歳末のため慌しさを感じる時がある。
ここは、屯所。
近藤勇の部屋。
近藤勇は微笑んで居る。
土方歳三も微笑んで居る。
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「会津には、食べ物に関する正月の言葉がある。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”、だろ。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「さすが歳。既に知っていた。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「会津は新撰組にとって大切な土地だ。俺も近藤さんも、同じ気持ちだ。既に知っていて当然だ。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「さすが歳。」
土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「会津に尊敬と感謝の気持ちを込めて“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を行ないたい。大晦日に年越し蕎麦を用意する。元旦も蕎麦を用意したい。良いかな?」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「隊士達は、お節料理の他に蕎麦も食べられると知ったら喜ぶ。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「歳。お節料理の用意の他に、大晦日は蕎麦、元旦も蕎麦、二日は餅、三日はとろろ、の用意を頼む。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「了解。」
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
部屋の外から、勢い良く走る数人の足音が聞こえた。
土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。
「近藤さん。予想より早い展開で盛り上がる。」
近藤勇は土方歳三を微笑んで頷いた。
土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。
僅かに後の事。
ここは、屯所。
縁。
沖田総司は笑顔で居る。
原田左之助も笑顔で居る。
原田左之助は沖田総司に笑顔で話し出す。
「総司! 俺は今からおまさちゃんに逢う! おまさちゃんに、“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を説明する!」
沖田総司は原田左之助に笑顔で話し出す。
「私は斉藤さんに“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を説明します!」
原田左之助は沖田総司に笑顔で話し出す。
「総司! 後で打ち合わせをする! 忘れるな!」
沖田総司は原田左之助に笑顔で話し出す。
「はい!」
原田左之助は笑顔で勢い良く走り出した。
沖田総司は笑顔で勢い良く走り出した。
僅かに後の事。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司が部屋を勢い良く訪ねた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 元旦に蕎麦です! 二日は餅です! 三日はとろろです! 楽しみですね!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 当日は気合を入れてたくさん食べましょう!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。会津の正月の風習の“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を話しているのか?」
沖田総司は斉藤一に普通に話し出す。
「斉藤さんは既に知っていたのですね! さすがです!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「以前に、偶然に知った。さすがに該当する内容ではない。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「鈴ちゃんに“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を教えたいです!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「三日とろろは無病息災も願って食べる。美鈴さんに教える考えは良い。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「近藤さんと土方さんは、無病息災も願って三日とろろを食べる内容を話しませんでした!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「近藤さんも土方さんも、無病息災も願って三日とろろを食べる内容を知っていると思う。話の展開の関係で登場しなかったと思う。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「鈴ちゃんと一緒に、“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を楽しみたいです!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。美鈴さんに“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を説明した後に、美鈴さんと共に“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を楽しみたいと話す。美鈴さんや家族は、総司が“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を食べたいから説明したと思う。」
沖田総司は斉藤一の袖を掴むと、斉藤一に動揺して話し出す。
「斉藤さん! 私は鈴ちゃんに正月の三日間は逢えないのですか?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「正月の挨拶のみで帰るか、“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”について念を押さなければ、美鈴さんに逢える。」
沖田総司は斉藤一の袖を掴んで、斉藤一に動揺して話し出す。
「私は“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”が食べられないのですか?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。近藤さんと土方さんは、“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を用意するのだろ。美鈴さんと共に“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を食べられない可能性は高いが、総司は俺と共に“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を食べられる。」
沖田総司は斉藤一の袖を掴んで、斉藤一に恥ずかしく話し出す。
「良く考えたら、斉藤さんの話すとおりですね。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「良く考えなくても分かる内容だ。」
沖田総司は斉藤一の袖を掴んで、斉藤一を恥ずかしく見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。何時までも恥ずかしがるな。着物の袖を早く放せ。」
沖田総司は斉藤一の袖を恥ずかしく放した。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に恥ずかしく話し出す。
「明日、鈴ちゃんに“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を説明します。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”は、会津の正月の風習だ。場所によっては、元旦に餅、二日に蕎麦、三日にとろろを用意するらしい。三日とろろは無病息災も願って食べる。美鈴さんにしっかりと説明しろ。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「はい!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。
数日後の事。
ここは、沖田総司と少女が良く訪れる寺。
本堂。
沖田総司は微笑んで居る。
少女も微笑んで居る。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんから教えて頂いた“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”について、家族に話しました。家族は喜んで話を聞いていました。大晦日は年越し蕎麦を用意します。元旦と二日は普段どおりで、三日にとろろを用意する話になりました。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「楽しみだね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。とろろをたくさん食べて無病息災を祈願してね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。三日にとろろを食べに来ますか?」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私は鈴ちゃんに“元旦そば、二日にもち、三日とろろ”を説明しただろ。斉藤さんが、鈴ちゃんに説明したのに正月三日の食事の時間に出掛けたら、三日とろろを催促したと思われると説明したんだ。斉藤さんの話すとおりだから、遠慮するよ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんも斉藤さんも、優しくて気配りが出来ます。」
沖田総司は少女に恥ずかしく話し出す。
「斉藤さん。優しいよね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私は屯所でとろろをたくさん食べるよ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「お正月の三日は、家族で三日とろろを楽しみます。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女も沖田総司を微笑んで見た。
幾日か後の事。
今は正月。
三日とろろを食べる日。
季節は春。
ここは、京の町。
寒い日が続いている。
今は朝。
ここは、屯所。
だし汁を作る姿やとろろを作る姿が見える。
隊士達が三日とろろを楽しみに待つ姿が見える。
斉藤一の部屋。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司が部屋を元気良く訪ねた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! とろろ汁を食べるためのだし汁の香りが届きます! お腹が空きました!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。朝から物凄く元気だな。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「今日は三日とろろの日です! とろろ作りもだし汁作りも、普段より丁寧です! 今から張り切らなければ、何時、張り切るのですか?!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 気合を入れてください!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 早く気合を入れてください!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 気合を入れましたね! 早く行きましょう!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は部屋を笑顔で出て行った。
斉藤一は部屋を普通に出て行った。
僅かに後の事。
ここは、屯所。
庭。
幾人もの隊士達の姿が見える。
三日とろろを用意する人達の姿が見える。
「三日とろろをたくさんください! ご飯は丼に山盛りでお願いします! とろろ汁もご飯を美味しく食べられるように、たくさんお願いします!」
「俺も総司と同じ量で頼む!」
「斉藤さんの分も先程の私の説明と同じ量でお願いします!」
「総司。原田。丼に山盛りのご飯を残さずに食べられるのか?」
「勿論です!」
「私も斉藤さんも、残さずしっかりと食べます! 安心してください!」
「斉藤。大丈夫なのか?」
「斉藤さんは頷きました! 安心してください!」
「斉藤。本当に頷いたのか?」
「土方さん! 近藤さん! 話が長いから、三日とろろが食べられません!」
「土方さん! 近藤さん! 三日とろろを食べる時間が遅くなります! 細かい話は後でお願いします!」
「元旦そば、二日にもち、三日とろろ」は、正月を過ごすための風習の一つ。
本日は、正月三日。
三日とろろを食べる日になる。
屯所内を和やかで賑やかで楽しさが暫く包む状況が確実になった。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
「三日とろろ」についてです。
会津地方では「元旦そば、二日にもち、三日とろろ」という言葉があるそうです。
朝食時のお節料理と一緒に、元旦に蕎麦、二日に餅、三日にとろろ汁、を食べる風習をいうそうです。
地方や家庭によっては、元旦に餅を食べて、二日に蕎麦、三日にとろろ、を食べる事があるようです。
三日とろろには、無病息災の祈願も込められているそうです。
この物語は、三日とろろを中心に書きました。
この物語は、内容と雰囲気から、題名は「薯蕷」、物語の中は「三日とろろ」・「とろろ」にしました。
会津の食文化は奥深いです。
興味がある方は、各自でお調べください。
「歳末(さいまつ)」についてです。
「歳の暮れ。年末。」です。
冬の季語です。
「正月(しょうがつ)」についてです。
「一年の最初の月。年の初めを祝う行事が行なわれる期間。」です。
新年の季語です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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