このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

新撰組異聞外伝 〜 嵐山につつじ咲く 〜


〜 第三版 〜


今は春。


ここは、東京。


桜やつつじが綺麗に咲いている。


今日は綺麗な青空が広がっている。


ここは、桜やつつじが咲く場所。


桜やつつじが綺麗に咲いている。


桜やつつじを見る人達は居るが、落ち着いた雰囲気になっている。


藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉、沖田総司の息子が居る。


勉と沖田総司の息子は楽しそうに遊んでいる。


藤田五郎は勉と沖田総司の息子を普通の表情で見ている。

時尾は勉と沖田総司の息子を微笑んで見ている。


勉は沖田総司の息子と手を繋ぎながら、藤田五郎と時尾の傍に笑顔で走ってきた。

沖田総司の息子は勉と手を繋ぎながら、藤田五郎と時尾の傍に笑顔で来た。


時尾は勉と沖田総司の息子を微笑んで見た。

藤田五郎は勉と沖田総司の息子を普通の表情で見た。


沖田総司の息子は勉を時尾に横に笑顔で座らせた。

勉は時尾の横に笑顔で座った。


勉は時尾を笑顔で見た。

時尾は勉を微笑んで見た。

藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。


沖田総司の息子は藤田五郎の横に笑顔で座った。


藤田五郎は沖田総司の息子を普通の表情で見た。

時尾は勉に微笑んで話し出す。

「勉。今度はお母さんと遊びましょう。」

勉は時尾に笑顔で頷いた。

時尾は藤田五郎を見ると、微笑んで話し出す。

「勉と遊んできます。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

沖田総司の息子は時尾と勉を微笑んで見た。


時尾は微笑んで歩き出した。

勉は笑顔で歩き出した。


藤田五郎は時尾と勉を普通の表情で見た。

沖田総司の息子は時尾と勉を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司の息子を見ると、普通に話し出す。

「話があるのだろ。」

沖田総司の息子は藤田五郎を見ると、微笑んで小さく首を横に振った。

藤田五郎は沖田総司の息子に普通に話し出す。

「話がないのなら、俺が幾つか質問する。」

沖田総司の息子は藤田五郎に不安そうに話し出す。

「はい。」

藤田五郎は沖田総司の息子に普通に話し出す。

「京都で生まれ育ったそうだな。なぜ東京に来たんだ?」

沖田総司の息子は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「京都では、母と僕の二人で過ごしていました。詳しい時期は分かりませんが、母と僕に東京に住むように勧める話があったそうです。母は、母と僕の安全、僕の勉強、などを考えて、東京に住むと決めたそうです。」

藤田五郎は沖田総司の息子に普通に話し出す。

「誰が東京に住むように勧めたんだ?」

沖田総司の息子は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「詳しい経緯は分かりませんが、松平容保様と連絡が取れたそうです。松平容保様と連絡を取る中で、京都より東京に住む方が安全という話が出たそうです。母も連絡を取り合う中で、京都より東京に住む方が安全だと思ったそうです。母は僕の勉強も含めると、東京に住む方が更に良いと思ったそうです。」

藤田五郎は沖田総司の息子を普通の表情で見た。

沖田総司の息子は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「東京には良い学校がたくさん在ると聞きました。学校に通うのなら、僕の学費の援助をしてくださる話があるそうです。母は仕事をしていて、いつも忙しく過ごしています。母のために早く仕事をしようと考えた時があります。母は母自身の心配より、僕自身の将来を考えなさいと言いました。僕は勉強を続けたいです。学費の援助をしてくださるならば、母の負担が少し軽くなります。僕は母の話に賛成して、母と東京に来ました。」

藤田五郎は沖田総司の息子に普通に話し出す。

「母親と二人で東京に住んでいるのか?」

沖田総司の息子は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は沖田総司の息子に普通に話し出す。

「俺に気兼ねや遠慮せずに話して構わない。」

沖田総司の息子は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お気遣いありがとうございます。」

藤田五郎は沖田総司の息子を普通の表情で見た。

沖田総司の息子は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お母さんから斉藤さんが東京に住んでいると教えてもらいました。お父さんの手紙には、斉藤さんについてたくさん書いてありました。お母さんからは斉藤さんについてたくさん教えてもらいました。気が付いたら、斉藤さんにどうしても逢いたいと思うようになっていました。斉藤さんに逢ったら、お父さんとお母さんが教えてくれた通りの人でした。斉藤さんだけでなく、時尾さんも優しい人でした。斉藤さんと居ると、とても楽しいです。勉君と遊ぶと、とても楽しいです。斉藤さんと時尾さんと勉君に迷惑が掛かると思いながらも、何度も出掛けていました。」

藤田五郎は沖田総司の息子に普通に話し出す。

「俺も時尾も勉も迷惑だと思っていない。遠慮せずに家に来て構わない。」

沖田総司の息子は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さんの言葉に甘えて、これからも斉藤さんの家に遊びに行きます。よろしくお願いします。」

藤田五郎は沖田総司の息子に普通の表情で頷いた。

沖田総司の息子は藤田五郎を微笑んで見た。


心地良い風が吹いた。


沖田総司の息子は気持ち良さそうな表情になった。

藤田五郎は沖田総司の息子を普通の表情で見た。

沖田総司の息子は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司の息子に普通に話し出す。

「名前が分からないのは不便だ。名前が分からないと何か起きた時に危険な状況になる可能性が高い。名前を教えてくれ。」

沖田総司の息子は藤田五郎を安そうに見た。

藤田五郎は沖田総司の息子に普通に話し出す。

「名前を教えないのなら、俺が適当に名前を付ける。時尾と勉には俺が適当に付けた名前で呼ぶように話す。後で名前を気に入らないと文句を言っても受け付けない。」

沖田総司の息子は真剣な表情で考え込んだ。

藤田五郎は沖田総司の息子を普通の表情で見た。

沖田総司の息子は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「僕の名前は、“敬一”です。」

藤田五郎が沖田総司の息子に普通に話し出す。

「敬一。」

沖田総司の息子は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「はい。」

藤田五郎は沖田総司の息子を普通の表情で見た。


心地良い風が吹いた。


桜の花びらが舞い始めた。


青空に浮かぶ白い雲が少しだけ早く動いた。


敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「お父さんが名付けてくれました。お父さんからの手紙には、お世話になった人と大切な人の名前から一文字ずつ頂いたと書いてありました。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「僕の名前は、山南敬助さんという方と斉藤さんから、一文字ずつ頂いたそうです。」

藤田五郎が敬一に普通に話し出す。

「総司らしい名付け方だな。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「最初は、“はじめ”という名前を考えたそうです。父は名前について考えている時に、僕が“はじめ”という名前だと幾つかの困る状況に気付いたそうです。僕が斉藤さんと逢った時に斉藤さんが“はじめ”を名乗っていたら、斉藤さんと僕は同じ名前になります。斉藤さんが別な名前を名乗っていたとしても、過去に“一”を名乗っていたので、何かの時に混乱する可能性があります。父はいろいろと考えて、僕の名前を“はじめ”ではなく“敬一”に決めたと手紙に書いてありました。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「総司らしい考えだな。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お父さんが僕の名前にお父さん自身の名前を使わなかったのは、僕やお母さんに危険が及ばないように、僕が病気にならずに元気で過ごして欲しい、僕が名前を頂いた人のように元気で強くて優しくて信頼される人になって欲しい、と書いてありました。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「山南さんは優しくて信頼の出来るとても素晴らしい人だった。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「お父さんからの手紙には、山南敬助さんを解釈したのはとても辛かった、斉藤さんとお母さんが傍に居てくれたから立ち直れた、という内容が書いてありました。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「剣道などの武術を学んでいるのか?」

敬一は藤田五郎に寂しそうに話し出す。

「京都に住んでいた時に、剣道を学んでいた時があります。東京でも剣道を学ばないかと勧められました。剣道を含めた武術を学び続けて良いのか分からなくて、はっきりした返事が出来ない状況が続いています。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「なぜ迷っているんだ?」

敬一は藤田五郎に寂しそうに話し出す。

「僕は、剣道の筋が良い、剣道を学び続ければ強くなると、何人もの人達が褒めてくれます。褒めてくれた人達は、必ずと言って良いほど、お父さんについて尋ねます。僕のお父さんは沖田総司だと答えられません。剣道を学び続ければ、お父さんを知る人と会うかも知れません。剣道を学び続けて良いのか分からなくなりました。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎から視線を外すと、寂しそうに息をはいた。


心地良い風が吹いた。


藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「心地良い風だな。」

敬一は藤田五郎を不思議そうに見た。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お父さんはとても強い人なんですよね。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「総司に逢いたいと思う時は無いのか?」

敬一は藤田五郎に静かに話し出す。

「お父さんに逢いたいと思った時は無いです。お父さんが居なくて、寂しいとか辛いとか思った時も無いです。僕の考えは親不孝なのでしょうか?」

藤田五郎は敬一を見ながら、普通の表情でゆっくりと首を横に振った。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「良かった〜 お父さんに対して失礼だと言われたら、どうしようかと思いました〜」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎を不思議そうに見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「剣道を本格的に学びたいのか?」

敬一は藤田五郎に悩みながら話し出す。

「はい。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一の考えが決まるまで、俺が稽古を就けようか?」

敬一は藤田五郎に僅かに動揺した様子で話し出す。

「斉藤さんが稽古を就けてくれるのですか? 嬉しい話ですが、僕は・・・」

藤田五郎は敬一の話しの途中で普通に話し出す。

「人の斬り方は教えない。安心しろ。」

敬一は藤田五郎に安心した様子で話し出す。

「良かった〜 斉藤さんに安心して稽古を就けてもらうお願いが出来ます。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。よろしくお願いします。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「最初に話しておく。俺の就ける稽古は厳しい。強いと感じる人物には、特に厳しい稽古を就ける。途中で稽古を逃げ出すのは許さない。俺の話を聞いて断りたいと思ったら、直ぐに断れ。今は稽古を始める前だから、断る返事をしても元に戻るだけだ。安心して返事をしろ。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「お父さんが強い人と認める斉藤さんから稽古を就けてもらえるのですね! 嬉しいです! 僕も強くなりたいです! 断る考えはありません! 斉藤さん! よろしくお願いします!」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に笑顔で軽く礼をした。

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎が敬一に普通に話し出す。

「敬一を見ていると、総司のように強いと感じる時がある。」

敬一は藤田五郎を不思議そうに見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「やはり総司に似ている。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さんに褒めてもらえてとても嬉しいです!」

藤田五郎は敬一に静かに話し出す。

「俺は人を斬るために剣を使った。俺はたくさんの人を斬って生きてきた。敬一には、人を斬るための剣ではなく、敬一と母親を守るための剣を教えたいと考えている。」

敬一は藤田五郎に不思議そうに話し出す。

「僕とお母さんを守るための剣?」

藤田五郎は敬一に静かに話し出す。

「敬一が総司の子供という事実は変わらない。敬一と母親が総司の家族という事実のために、敬一と母親に何か起きる可能性が考えられる。総司は、敬一と母親に何か起きても助けられない。俺は敬一と居る時間が少ないから、敬一と母親を助けられないかも知れない。敬一は敬一自身と母親を守らなければならない。敬一は敬一自身と母親のために、強くなる必要がある。」

敬一は藤田五郎を見ながら、真剣な表情考え込んだ。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎を見ながら、真剣な表情で考え込んでいる。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。俺と敬一の傍に在る桜の名前は、“嵐山”というんだ。」

敬一は桜を見ると、静かに呟いた。

「嵐山。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は桜を懐かしそうに見た。

藤田五郎は敬一に静かに話し出す。

「京都に戻りたいのか?」

敬一は藤田五郎を見ると、微笑みながら小さく首を横に振った。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に静かに話し出す。

「僕は京都で生まれ育ちました。お母さんも京都で生まれ育ちました。お母さんが僕に教えてくれたお父さんの思い出は、京都にたくさんあります。再び京都に住むか分かりませんが、いつか必ず京都に行きたいと考えています。今の僕は、お母さんと東京で過ごすと決めました。東京にもお父さんの思い出がたくさんあるはずです。東京には斉藤さんも居ます。だから、寂しさも辛さも感じません。」

藤田五郎は敬一に静かに話し出す。

「やはり総司に似ているな。」

敬一は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は前を指すと、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! つつじが咲いています! 綺麗ですね!」

藤田五郎は敬一の指すつつじの咲く場所を見ると、普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! つつじを一緒に見たいです!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


敬一は元気良く走り出した。

藤田五郎は普通に歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、つつじの咲く場所。


敬一は元気良く走りながら来た。


つつじは綺麗に咲いている。


敬一は藤田五郎を笑顔で見た。


藤田五郎は敬一の元へと普通に歩いている。


敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! つつじが綺麗に咲いています! 早く来てください!」


藤田五郎は敬一の傍に普通に来た。


敬一は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎とつつじを笑顔で見た。

藤田五郎は敬一とつつじを普通の表情で見た。


それから少し後の事。


ここは、つつじの咲く場所。


敬一は藤田五郎とつつじを笑顔で見ている。

藤田五郎は敬一とつつじを普通の表情で見ている。


敬一は藤田五郎に残念そうに話し出す。

「斉藤さん。そろそろ帰ろうと思います。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。帰る前に話したい内容がある。敬一は総司と母親からたくさんの物を受け継いでいる。剣道に関して筋が良いと言われたのだろ。総司から受け継いだ大切な物だ。総司から受け継いだ物を絶対に無駄にするな。剣道を続けろ。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん! これからもよろしくお願いします!」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。:

「俺の就ける稽古は本当に厳しいぞ。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さんに稽古を就けてもらえる大切な機会です! 断る考えはありません!」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「とは言いましたが、僕は子供なので適度に手加減をお願いします!」

藤田五郎は敬一に普通に話し出そうとした。

敬一は藤田五郎が話し出す前に、笑顔で話し出す。

「今日もたくさんありがとうございました! また来ます!」

藤田五郎は何も話さずに、敬一に普通の表情で頷いた。


敬一は元気良く走り出した。


藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。


敬一は元気良く走り続けている。


藤田五郎は敬一を見ながら、普通の表情で呟いた。

「総司と話したいが、今は近くに居ない。次に敬一が家を訪れるまで何日かの余裕がある。ゆっくりと考えよう。」


時尾の穏やかな声が、藤田五郎の後ろから聞こえてきた。

「お一人なのですか?」


藤田五郎は後ろを普通の表情で見た。


時尾は微笑んで居る。

勉は笑顔で居る。


藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「僅か前に笑顔で元気良く帰ったから、今は一人だ。」

時尾は勉に微笑んで話し出す。

「お兄ちゃんは家に帰ったそうよ。次にお兄ちゃんが来る日を楽しみに待ちましょうね。」

勉は時尾に笑顔で頷いた。

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「帰ろう。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。」

勉は藤田五郎と時尾を笑顔で見た。

藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。

時尾は勉に微笑んで話し出す。

「勉はお父さんにおんぶをしてもらいながら帰りましょう。」

勉は時尾に笑顔で頷いた。

藤田五郎は時尾と勉を普通の表情で見た。

勉は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「おんぶ。おねがい。」

藤田五郎は勉に普通の表情で頷いた。

勉は藤田五郎を笑顔で見た。


藤田五郎は勉を普通の表情でおんぶした。


藤田五郎は勉をおんぶしながら、普通に歩き出した。

勉は藤田五郎におんぶをされながら、藤田五郎と時尾を笑顔で見た。

時尾は藤田五郎と勉を見ながら、微笑んで歩き出した。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

藤田五郎さんが沖田総司さんの息子の名前を初めて知る物語です。

「新撰組異聞」関連の沖田総司さんが、息子に名付けそうな名前を考えました。

途中までは、名前を“はじめ(漢字未定)”にしようと考えていました。

しかし、藤田五郎さん(以前は“斉藤一”さんと名乗っていた)と敬一君は逢う設定だったので、“はじめ(漢字未定)”の名前は止めました。

考えた結果、“敬一”君になりました。

“敬一”君の名前は、“山南敬助”さんと“斉藤一”さんから一文字ずつ取りました。

藤田五郎さんと敬一君が逢う物語を書いた時は、何話もの物語を書く予定がなかったので、簡単な設定は決めていましたか、詳細な設定までは決めていませんでした。

敬一君の登場する物語を書き続けたいと思った時に、いろいろな事を考えました。

敬一君も母親の美鈴さんも京都で生まれ育っている設定の敬一君が東京に居る理由、敬一君は剣道の稽古を受けているのか、という事も考えました。

この二つの疑問について、僅かでも分かる物語を書きたいと考えました。

敬一君が東京に来た理由は、敬一君の勉強、敬一君と美鈴さんの身の安全、という理由から、東京に住む事を勧められた設定にしました。

「新撰組異聞外伝 短編 清明 染井吉野が舞い散る中で」の物語の中で、敬一君は松平容保さんからの手紙を預かって、藤田五郎さんに逢いに来ています、

美鈴さんが松平容保さんと何かの形で連絡を取った設定にしました。

出来るだけ無理のない設定にして物語を書きました。

藤田五郎さんが敬一君に剣道の稽古を就ける事になりました。

何か起きる予感を残しながら、藤田五郎さんと敬一君の剣道の稽古が始まります。

「桜(さくら)」の「嵐山(あらしやま)」についてです。

「嵐山」が作られた時期については確認が取れませんでしたが、物語の中に登場すると良い雰囲気になると考えて登場しています。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前            目次            次→


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください