このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

新撰組異聞外伝 〜 小満の頃の青空の下 〜


〜 第三版 〜


今は初夏の頃。


ここは、東京。


今日は青空が広がっている。


ここは、沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴の住む家。


敬一は新しい矢を受け取りに出掛けているため居ない。

美鈴は普段どおり家事をしている。


一室。


美鈴は微笑んで掃除をしている。


玄関から、敬一の元気の良い声が聞こえた。

「お母さん! ただいま!」


美鈴は掃除を微笑んで止めた。


美鈴は部屋から微笑んで出て行った。


僅かに後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


玄関。


敬一は矢筒を持ち、笑顔で居る。


美鈴は微笑んで来た。


美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。お帰りなさい。」

敬一は矢筒を持ち、美鈴を笑顔で見た。

美鈴は敬一の手元を微笑んで見た。


敬一の手に包帯が巻いてある。


美鈴は敬一の手を取ると、敬一に心配して話し出す。

「敬一。手を怪我したの? 痛い? 辛い?」

敬一は矢筒を持ち、美鈴に僅かに慌てて話し出す。

「大丈夫だよ。斉藤さんの家で怪我の手当てをしてもらったんだ。安心して。」

美鈴は敬一の手を取り、敬一の手を心配して見た。

敬一は矢筒を持ち、美鈴に微笑んで話し出す。

「新しい矢を受け取りに行く途中で、気になって矢筒を開けたんだ。少し慌ててしまって、古い矢の折れた部分を持ってしまったんだ。折れた矢の一部が少し刺さってしまったんだ。斉藤さんの家で丁寧に怪我の手当てをしてもらったから、怪我の痛みはほとんど感じないし、辛くないよ。お母さん。安心して。」

美鈴は敬一の手を心配な様子で放した。

敬一は矢筒を持ち、美鈴を微笑んで見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一の怪我が治ったら、斉藤さんの家に怪我の手当てのお礼と今までのお礼を伝えるために出掛けたいわ。」

敬一は矢筒を持ち、美鈴に微笑んで話し出す。

「怪我の手当てのお礼は、僕が既に伝えたよ。お礼が必要だと思う時は、僕がしっかりとお礼を伝えているよ。お母さん。大丈夫だよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「分かったわ。今回は遠慮するわ。」

敬一は矢筒を持ち、美鈴を微笑んで見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。疲れているわよね。いつもより早くご飯を食べましょう。」

敬一は矢筒を持ち、美鈴に微笑んで頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「今は食事の支度中なの。少し待っていてね。」

敬一は矢筒を持ち、美鈴に微笑んで頷いた。


美鈴は家の中に微笑んで入って行った。

敬一は矢筒を持ち、家の中に微笑んで入って行った。


数日後の事。


ここは、東京。


町中。


敬一は微笑んで歩いている。

美鈴も微笑んで歩いている。


敬一と止まると、一軒の菓子屋を微笑んで見た。

美鈴は止まると、敬一と一軒の菓子屋を不思議な様子で見た。


美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。お菓子を買って家で食べましょう。」

敬一は美鈴を見ると、美鈴に微笑んで話し出す。

「家に帰れば、お母さんの作った美味しいご飯が食べられるよ。僕の分のお菓子は買わなくて大丈夫だよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「お母さんは敬一とお菓子が食べたいわ。敬一が嫌でなければ、お母さんとお菓子を食べてくれると嬉しいわ。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さんがお菓子を食べる時に付き合うよ。僕の分のお菓子は買わなくて大丈夫だよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「お菓子を買うのは次の機会にしましょう。」

敬一は美鈴を心配な様子で見た。

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に慌てて話し出す。

「お母さん! 僕もお菓子が食べたくなった! お母さんの食べたいお菓子を教えて!」

美鈴が敬一に微笑んで話し出す。

「近くに在るお店は、京都のお菓子を売っているのね。京都のお菓子が食べたいわ。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。京都のお菓子を買って、家で一緒に食べよう。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。


少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓の有る部屋。


敬一は微笑んで居る。

美鈴も微笑んで居る。

食卓の上には、菓子が載っている。


敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「いただきます!」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は菓子を美味しく食べ始めた。

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は菓子を食べるのを止めると、美鈴に心配して話し出す。

「お母さん。お菓子を食べないの? 体の調子が悪いの?」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「体の調子は悪くないわ。大丈夫よ。」

敬一は美鈴を心配して見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。お母さんの代わりにお菓子を食べてくれる?」

敬一が美鈴に微笑んで話し出す。

「僕とお母さんと一緒にお菓子を食べる約束をしたよね。お菓子を味わって楽しく食べようよ。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴を微笑んで見た。

美鈴は菓子を微笑んで食べ始めた。

敬一はお菓子を食べながら、美鈴を微笑んで見た。


数日後の事。


ここは、東京。


青空が広がっている。


敬一は元気良く歩いている。


少し後の事。


ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉が住む家。


玄関。


敬一は元気良く訪ねてきた。


時尾は微笑んで来た。

勉は笑顔で来た。


敬一は時尾と勉に笑顔で話し出す。

「こんにちは!」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「こんにちは。」

敬一は時尾と勉を微笑んで見た。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「手の怪我は辛い?」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「大丈夫です。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「おにいちゃん。げんき。」

敬一は勉に微笑んで話し出す。

「勉君も元気だね。」

勉は敬一に笑顔で頷いた。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「五郎さんは部屋に居るわ。遠慮せずに訪ねて。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「はい。」

時尾は敬一を微笑んで見た。


敬一は家の中に微笑んで入って行った。

勉は家の中に笑顔で入って行った。

時尾は家の中に微笑んで入って行った。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


藤田五郎は普通に居る。

敬一は微笑んで居る。

机の上に、麦茶が置いてある。


藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。怪我の確認をする。手を出せ。」

敬一は藤田五郎に微笑んで手を出した。

藤田五郎は敬一の手を取ると、敬一の手を普通の表情で見た。


怪我は治っている。


藤田五郎は敬一の手を放すと、敬一に普通に話し出す。

「怪我は治っている。稽古の準備を始める。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


稽古場。


藤田五郎は稽古着を着て、竹刀を持ち、普通の表情で居る。

敬一は稽古着を着て、竹刀を持ち、真剣な表情で居る。


敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「よろしくお願いします。」

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は竹刀を藤田五郎に向かって真剣な表情で構えた。

藤田五郎は竹刀を敬一に向かって普通の表情で構えた。

敬一は竹刀を藤田五郎に勢い良く打ち込んだ。

藤田五郎は竹刀を受けると、強い力で前に押した。

敬一は竹刀を放し、後ろに弾き飛ばされるように倒れた。

藤田五郎は竹刀を普通の表情で構えた。

敬一は直ぐに立ち上がり、竹刀を真剣な表情で構えた。

藤田五郎は竹刀を普通の表情で構えている。

敬一は藤田五郎に勢い良く竹刀を打ち込んだ。

藤田五郎は竹刀を普通の表情で受けた。

敬一は竹刀を押しながら、驚いた表情になった。

藤田五郎は竹刀を強い力で前に押した。

敬一は竹刀を放し、後ろに弾き飛ばされるように倒れた。

藤田五郎は竹刀を構え、敬一に普通に話し出す。

「敬一は竹刀を上手に打ち込めたのに、驚いた表情になった。明らかな隙が出来た。」

敬一は竹刀を持ち、考え込んで立ち上がった。

藤田五郎は竹刀を構えるのを止めると、敬一を普通の表情で見た。

敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に考え込んで話し出す。

「斉藤さんに竹刀を上手に打ち込めたので、驚いてしまいました。」

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通に話し出す。

「自分より勝る相手に竹刀を上手に打ち込めた程度で、驚いて隙を見せたら、相手に直ぐに倒される。刀を交える時は、冷静になれ。」

敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は竹刀を藤田五郎に向かって真剣な表情で構えた。

藤田五郎は竹刀を敬一に向かって普通の表情で構えた。

敬一は竹刀を藤田五郎に勢い良く打ち込んだ。

藤田五郎は竹刀を受けると、竹刀を直ぐに前に押した。

敬一は竹刀を放し、後ろに向かって勢い良く倒れた。

藤田五郎は竹刀を構え、敬一を普通の表情で見た。

敬一は直ぐに立ち上がると、竹刀を真剣な表情で構えた。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見ている。

敬一は藤田五郎に真剣な表情で勢い良く竹刀を打ち込んだ。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


藤田五郎は普段着に着替え終わった。

敬一も普段着に着替え終わった。


敬一は藤田五郎を見ながら考え込んだ。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に考え込んで話し出す。

「斉藤さんに就けてもらう稽古は、僕の知る稽古と全く違います。お父さんの学んだ天然理心流、斉藤さんの学んだ無外流、今まで見聞きした流派、全てと違います。」

藤田五郎が敬一に普通に話し出す。

「稽古の内容が難しいのか?」

敬一が藤田五郎に考え込んで話し出す。

「新しい内容を覚えるので大変です。でも、大変、難しい、の表現より、今までと違うので大変、の表現の方が、僅かだけど近いと思います。上手に説明できません。すいません。」

藤田五郎が敬一に普通に話し出す。

「俺の就ける稽古が違うと思う内容を、敬一の分かる範囲で話せ。」

敬一は藤田五郎に考え込んで話し出す。

「斉藤さんと竹刀を交えると、怖さを感じませんが、斬る、斬られる、を感じます。斉藤さんの竹刀を持つ姿は、刀を持つ姿に感じます。斉藤さんから、刀を持つ姿を感じて、斬る、斬られる、を感じるのに、斉藤さんから怖さを感じません。僕は刀を持った経験がほとんど無いから、感じる感覚なのでしょうか? 流派が関係しているのでしょうか? 斉藤さんに稽古を就けてもらっている関係なのでしょうか?」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一の話す内容は、敬一が剣術関連の精進を続ければ、分かる日が訪れる。」

敬一は藤田五郎を微笑んで見た。


部屋の外から、時尾の穏やかな声が聞こえた。

「遅くなって申し訳ありません。麦茶の用意が出来ました。」


藤田五郎は障子を普通に開けた。


時尾は麦茶と菓子を載せたお盆を持ち、部屋の中に微笑んで入ってきた。


藤田五郎は障子を普通に閉めた。

時尾は敬一の傍に麦茶と菓子を置くと、敬一に微笑んで話し出す。

「麦茶とお菓子を用意したの。お菓子が好みに合えば、遠慮しないで食べてね。」

敬一は藤田五郎と時尾に笑顔で話し出す。

「ありがとうございます!」

時尾は敬一を微笑んで見た。

時尾は藤田五郎の傍に麦茶を微笑んで置いた。

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


時尾はお盆を持ち、部屋の外へ微笑んで出て行った。


敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「いただきます!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は菓子を美味しく食べ始めた。

藤田五郎は敬一を見ながら、麦茶を普通の表情で飲んだ。

敬一は菓子を食べながら、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「美味しいお菓子をたくさん食べられて、とても嬉しいです! 勉君はいつも美味しいお菓子を食べられるのですね! 羨ましいです!」

藤田五郎が敬一に普通に話し出す。

「普段は菓子を食べないのか?」

敬一は菓子を食べながら、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「勉強や稽古や家の手伝いなどで忙しいので、お菓子は余り食べません。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一はお菓子を食べながら、藤田五郎を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


玄関。


藤田五郎は普通に居る。

時尾は微笑んで居る。

敬一も微笑んで居る。


敬一は藤田五郎と時尾に笑顔で話し出す。

「今日も美味しいお菓子と麦茶を用意して頂いてありがとうございました! 今日もたくさん気遣って頂いて、ありがとうございました!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

時尾は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は藤田五郎と時尾に笑顔で軽く礼をした。


敬一は元気良く居なくなった。


時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一君のお母様の美鈴さんから手紙を頂きました。手紙には、怪我の手当てのお礼、剣道の稽古のお礼、お菓子のお礼、敬一君が迷惑を掛けていたら申し訳ない、敬一君が迷惑を掛けていたら教えて欲しい、お礼が手紙のみになり申し訳ない、いつかお礼に伺いたい。以上の内容が書いてありました。」

藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一君は、とても良い子、迷惑な言動をしない、勉とたくさん遊んでくれる。敬一君は勉の成長に良い影響を与えてくれる。敬一君に関する心配は要らない。剣道の稽古のお礼やお菓子のお礼などの気を遣わないで欲しい。以上の内容の返事を書きました。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「五郎さん宛ての手紙も届いていました。私に関する至らない点が書いてあれば、教えてください。」

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「俺宛ての手紙の内容は、時尾の話す内容とほとんど同じだ。時尾を褒める内容が書いてあった。安心しろ。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一君の様子と美鈴さんの書く手紙の内容から想像すると、美鈴さんは優しく素敵な女性に感じます。」

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「以前に会った時の美鈴さんは、気配りの出来る優しい人物だ。敬一の様子を見ると、美鈴さんは今も過去と同じ気配りの出来る優しい人物だと思う。」

時尾が藤田五郎に微笑んで話し出す。

「勉も敬一君を慕っています。これからも良いお付き合いを続けたいです。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


玄関。


敬一は元気良く帰ってきた。


敬一は家の中に笑顔で声を掛ける。

「ただいま〜!」


美鈴は微笑んで来た。


美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。お帰りなさい。」

敬一は美鈴を笑顔で見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんやご家族の方に迷惑を掛けなかった?」

敬一は美鈴に笑顔で頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「麦茶を用意したの。一緒に飲みましょう。」

敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! ありがとう!」

美鈴は敬一を微笑んで見た。


敬一は家の中に笑顔で入って行った。

美鈴は家の中に微笑んで入って行った。


少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓の有る部屋。


敬一は麦茶を美味しく飲んでいる。

美鈴は麦茶を微笑んで飲んでいる。


美鈴は麦茶を飲みながら、敬一に微笑んで話し出す。

「稽古をしっかりと受けた?」

敬一は麦茶を飲みながら、美鈴に笑顔で頷いた。

美鈴は麦茶を飲みながら、敬一を微笑んで見た。

敬一は麦茶を飲みながら、美鈴に笑顔で話し出す。

「斉藤さんは物凄く強いよ! お父さんも物凄く強い人だよね!」

美鈴は麦茶を飲みながら、敬一に微笑んで頷いた。

敬一は麦茶を飲みながら、美鈴に笑顔で話し出す。

「早く強くなって、斉藤さんとの約束を守るんだ!」

美鈴は麦茶を飲みながら、敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと約束をしたの?」

敬一は麦茶を飲みながら、美鈴に笑顔で話し出す。

「男と男の約束だから秘密だよ!」

美鈴は麦茶を飲みながら、敬一に寂しく話し出す。

「男と男の約束だから、お母さんは約束の内容を知らずに過ごすのね。寂しいわ。」

敬一は麦茶を飲むのを止めると、美鈴に心配して話し出す。

「お母さん。ごめんね。」

美鈴は麦茶を飲みながら、敬一に微笑んで話し出す。

「冗談よ。敬一。誤解を与える言動をしてごめんね。」

敬一は麦茶を飲むと、美鈴に苦笑して話し出す。

「お母さん。演技が上手だね。気付かなかった。」

美鈴は麦茶を飲みながら、敬一を微笑んで見た。

敬一は麦茶を飲みながら、美鈴を微笑んで見た。


東京は青空が広がっている。

東京で梅雨が始まる日は、少し先に感じる。

東京は少しの期間になるが、穏やかな日が続くように感じる。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

物語の雰囲気や展開を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

「新撰組異聞外伝 短編 小満の頃」の続編として書きました。

敬一君が怪我をして家に帰ってきたら、美鈴さんは早めに気付く、と考えて書きました。

藤田五郎さんは敬一君に、競技としての剣ではなく、身を守るための剣を教えているため、実践的な部分も含めた剣術を教えている設定になっています。

そのため、敬一君が「斬る。斬られる。」という内容を話す場面があります。

敬一君がしっかりと過ごす姿が伝わると良いなと思いながら、日常生活も含めて物語を書きました。

「小満(しょうまん)」は「二十四節気の一つ」です。

「五月二十一日頃」、または、「五月二十一日頃から芒種までの期間」です。

万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来る頃だそうです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前            目次            次→


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください