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新撰組異聞外伝 〜 小寒の頃 〜
〜 第三版 〜
年が明けて新年になっている。
ここは、東京。
挨拶周りなど一通りの新年の行事は終わった。
人々は普段の生活に戻り始めている。
寒い日が続く。
ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。
食卓の有る部屋。
藤田五郎は普通に居る。
時尾は微笑んで居る。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「敬一君に手作りのお菓子を用意したいと思っています。」
藤田五郎は時尾に普通に話し出す。
「敬一に前回に逢った時の話の内容では、三日後に来る予定だ。」
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「分かりました。三日後にお菓子を用意します。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「敬一君はお菓子をいつも美味しく笑顔で食べます。敬一君の笑顔を想像しながらお菓子を用意しています。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「勉が、お菓子を食べる時や食事の時に、美味しいと笑顔で話す機会が増えています。敬一君の影響でしょうか?」
藤田五郎は時尾に普通に話し出す。
「敬一の影響はあると思う。時尾の用意する食べ物が美味しい理由もあると思う。」
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
同じ頃。
ここは、沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴の住む家。
食卓の有る部屋。
敬一は笑顔で居る。
美鈴は微笑んで居る。
敬一は美鈴に笑顔で話し出す。
「お母さん! 三日後に、斉藤さんの家に出掛けるね!」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「斉藤さんとご家族に迷惑を掛けないようにね。」
敬一は美鈴に笑顔で頷いた。
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「敬一と一緒にお菓子が食べたくなったの。良い機会だから、お菓子を作りたくなったの。食べたいお菓子を教えて。」
敬一は美鈴に微笑んで話し出す。
「お母さん。無理しないで。」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「無理していないわ。」
敬一は美鈴を微笑んで見ながら考えた。
美鈴は敬一を微笑んで見た。
敬一は美鈴に微笑んで話し出す。
「お母さんの作るお菓子は全て美味しいから、食べたいお菓子が思い浮かばない。」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「食べたいお菓子を思い付いたら教えてね。」
敬一は美鈴に微笑んで話し出す。
「お母さん。食べたいお菓子を思い出した。北窓が食べたい。」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「近い内に北窓を作るわ。楽しみに待っていてね。」
敬一は美鈴に微笑んで話し出す。
「お母さんの手作りの北窓を食べる日は楽しみだけど、忙しい時は無理しないでね。」
美鈴は敬一に微笑んで頷いた。
敬一は美鈴を微笑んで見た。
三日後。
敬一が藤田五郎の家に出掛ける日。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
玄関。
敬一は笑顔で居る。
美鈴は微笑んで居る。
敬一は美鈴に笑顔で話し出す。
「お母さん! 行ってきます!」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「行ってらっしゃい。」
敬一は美鈴に笑顔で頷いた。
敬一は笑顔で出掛けて行った。
少し後の事。
ここは、東京。
寒さを感じる。
敬一は笑顔で歩いている。
敬一は立ち止まると、空を笑顔で見た。
冬の青空が広がっている。
敬一は前を見ると、笑顔で歩き出した。
少し後の事。
ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。
藤田五郎、時尾、勉、が居る。
敬一は笑顔で訪れている。
食卓の有る部屋。
敬一は微笑んで居る。
時尾が焙じ茶を持ち、微笑んで来た。
時尾は敬一の前に焙じ茶を微笑んで置いた。
敬一は時尾に笑顔で話し出す。
「ありがとうございます!」
時尾は敬一に微笑んで頷いた。
敬一は焙じ茶を笑顔で美味しく飲み始めた。
時尾は敬一を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。
稽古場。
敬一は稽古着で竹刀を持ち、真剣な表情で居る。
藤田五郎は稽古着で竹刀を持ち、普通に居る。
敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。
「お願いします!」
藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は竹刀を真剣な表情で構えた。
藤田五郎は竹刀を普通の表情で構えた。
敬一は藤田五郎に竹刀を真剣な表情で打ち込んだ。
藤田五郎は敬一の竹刀を普通の表情で受けた。
敬一は竹刀を真剣な表情で押した。
藤田五郎は敬一の竹刀を普通の表情で受けている。
藤田五郎と敬一の鍔迫り合いが始まった。
藤田五郎は敬一と鍔迫り合いをして、敬一に普通に話し出す。
「今の程度の力で、俺と鍔迫り合いをしているつもりなのか?」
敬一は藤田五郎と真剣な表情で更に力強く鍔迫り合いをした。
藤田五郎は敬一と鍔迫り合いをして、敬一に普通に話し出す。
「加減をしているのか? 疲れているのか? 俺に加減をする理由は無い。早く力を込めて鍔迫り合いをしろ。」
敬一は藤田五郎と鍔迫り合いをして、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。
「加減はしていません! 疲れていません!」
藤田五郎は敬一と鍔迫り合いをして、敬一に普通に話し出す。
「俺の話に返事をした。加減をしている証拠だ。」
敬一は藤田五郎と真剣な表情で更に力強く鍔迫り合いをした。
藤田五郎は敬一と鍔迫り合いをして、敬一を普通の表情で見た。
敬一は藤田五郎と真剣な表情で更に力強く鍔迫り合いをした。
藤田五郎は敬一と鍔迫り合いをして、敬一を普通の表情で見ている。
敬一の藤田五郎と鍔迫り合いをする力が僅かに弱まった。
藤田五郎は敬一に向かって、竹刀を少し強く押した。
敬一は後ろに勢い良く尻餅をついた。
敬一の手から竹刀が放れた。
藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通に話し出す。
「疲れたのか?」
敬一は竹刀を取ると、真剣な表情で勢い良く立ち上がった。
藤田五郎は竹刀を普通の表情で構えた。
敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。
「疲れていません!」
藤田五郎は敬一に普通の表情で竹刀を構えている。
敬一は竹刀を構えると、藤田五郎に竹刀を真剣な表情で打ち込んだ。
藤田五郎は敬一の竹刀を普通の表情で受けた。
暫く後の事。
ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。
藤田五郎の部屋。
藤田五郎と敬一の稽古が終わっている。
藤田五郎は元の服に着替え終わった。
敬一も元の服に着替え終わった。
時尾は北窓と焙じ茶を持ち、部屋の中に微笑んで入った。
敬一は時尾に笑顔で話し出す。
「時尾さん! 僕に気遣いをしないでください!」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「遠慮するな。」
時尾は北窓と焙じ茶を置くと、敬一に微笑んで話し出す。
「遠慮しないで食べてね。」
敬一は藤田五郎と時尾に微笑んで話し出す。
「いつもありがとうございます。いただきます。」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
時尾は敬一に微笑んで頷いた。
敬一は北窓を笑顔で見た。
時尾は敬一を微笑んで見た。
藤田五郎は時尾と敬一を普通の表情で見た。
時尾は部屋を微笑んで出て行った。
敬一は北窓を笑顔で美味しく食べ始めた。
藤田五郎は焙じ茶を普通の表情で飲んだ。
敬一は北窓を美味しく食べながら、藤田五郎に笑顔で話し出す。
「美味しいです!」
藤田五郎は焙じ茶を飲みながら、敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は北窓を笑顔で美味しく食べた。
藤田五郎は焙じ茶を飲みながら、敬一に普通に話し出す。
「敬一。好きな菓子は何だ?」
敬一は北窓を美味しく食べながら、藤田五郎に笑顔で話し出す。
「アイスクリームはとても美味しかったです!」
藤田五郎は焙じ茶を飲みながら、敬一を普通の表情で見た。
敬一は北窓を美味しく食べながら、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「アイスクリームは、物凄く高いお菓子ですよね。」
藤田五郎は焙じ茶を飲みながら、敬一を普通の表情で見ている。
敬一は北窓を食べながら、藤田五郎に笑顔で話し出す。
「一番に好きなお菓子は、お母さんの作るお菓子です! お母さんの作るお菓子は、物凄く美味しいです!」
藤田五郎は焙じ茶を飲みながら、敬一に普通に話し出す。
「美鈴さんは菓子を良く作るのか?」
敬一は北窓を食べながら、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「お母さんは僅かでも余裕が出来ると、お菓子を作ってくれます。お母さんは難しいお菓子は作れないからと話して、お店でお菓子を買う時があります。お母さんがお店で買うお菓子も美味しいです。僕はお母さんに無理しないでと幾度も話しますが、幾度もお菓子を作って、幾度もお菓子をお店で買います。」
藤田五郎は焙じ茶を飲みながら、敬一を普通の表情で見た。
暫く後の事。
ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。
玄関。
藤田五郎は普通の表情で居る。
敬一は笑顔で居る。
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「今日もありがとうございました!」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は藤田五郎を笑顔で見た。
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「陽のある時間だが、気を付けて帰れ。」
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「はい!」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は笑顔で居なくなった。
時尾は微笑んで来た。
藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「敬一君は帰ってしまったのですね。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「敬一君は北窓を喜んで食べていました。安心しました。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は時尾に普通に話し出す。
「敬一が一番に好きな菓子は、美鈴さんの作った菓子と答えた。」
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「想像どおりの答えでした。私も勉が一番に好きなお菓子は母親の作るお菓子と答えるようになりたいです。」
藤田五郎は時尾に普通に話し出す。
「勉も成長したら、敬一のように、母親の作る菓子が一番に好きだと答えると思う。」
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「五郎さんの言葉に安心せずに努力します。」
藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。
時尾は藤田五郎を微笑んで見た。
幾日か後の事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
食卓の有る部屋。
敬一は笑顔で居る。
美鈴は微笑んで居る。
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「敬一。北窓を作ったの。一緒に食べましょう。」
敬一は美鈴に笑顔で話し出す。
「楽しみだな!」
美鈴は敬一を微笑んで見た。
敬一は美鈴に笑顔で話し出す。
「お父さんの分の北窓は作ったの?!」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「お父さんの分の北窓も作ったわ。お父さんには先に北窓を用意するわ。お母さんと敬一は、お父さんに北窓を用意した後に食べましょう。」
敬一は美鈴に笑顔で頷いた。
美鈴は敬一を微笑んで見た。
美鈴は微笑んで居なくなった。
少し後ろの事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
食卓の有る部屋。
敬一は笑顔で居る。
美鈴は北窓を持ち、微笑んで来た。
敬一は美鈴に笑顔で話し出す。
「いただきます!」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「いただきます。」
敬一は北窓を笑顔で美味しく食べ始めた。
美鈴は北窓を微笑んで食べ始めた。
敬一は北窓を美味しく食べながら、美鈴に笑顔で話し出す。
「お母さん! 美味しいよ!」
美鈴は北窓を食べながら、敬一に微笑んで話し出す。
「敬一に褒めてもらえて、とても嬉しいわ。北窓を再び作るわ。楽しみに待っていてね。」
敬一は北窓を美味しく食べながら、美鈴に微笑んで話し出す。
「お母さん。無理しないでね。」
美鈴は北窓を食べながら、敬一に微笑んで頷いた。
敬一は北窓を美味しく食べながら、美鈴を笑顔で見た。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承ください。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
「北窓」の名前のお菓子についてです。
「春は、“牡丹餅(ぼたもち)”」、「秋は、“お萩(おはぎ)”」と呼ぶお菓子があります。
「北窓」は、「お萩の冬の呼び方」だそうです。
一般的に知られていない呼び方だと思います。
私が「北窓」の呼び名を知ったのは、初稿版の掲載よりも少し前です。
「北窓」と呼ぶ理由についてです。
「お萩」は、餅付きのように杵でつかないので、ペッタンペッタンと音がしません。
そのため、何時ついたのか良く分かりません。
そこから、「搗(つ)き知らず」→「月知らず」となり、「月が見えないのは、北の窓」となり、「北窓」になったそうです。
以上の展開から、「(春)ぼたもち」、「(秋)おはぎ」、「(冬)北窓」、になります。
夏の呼び方もありますが、この物語では伏せます。
この物語の中に、アイスクリームの話題が登場します。
この物語の設定当時のアイスクリームは、物凄く高いお菓子でした。
「新撰組異聞外伝 短編 草露白」で、敬一君は藤田五郎さんと一緒にアイスクリームを食べるために出掛けて、敬一君はアイスクリームを食べます。
「小寒(しょうかん)」についてです。
二十四節気の一つです。
一月五日頃、及び、この日から「大寒」までの期間をいいます。
寒さが最も厳しくなる前の時期です。
この日を「寒の入り」といいます。
この日から節分(立春の前日)までを「寒中(寒の内)」といいます。
「寒中(寒の内)」の時期は、冬の寒さが一番厳しくなる季節です。
この日から「寒中見舞い」を出し始めます。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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