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新撰組異聞外伝 〜 梅の咲く頃 梅見の宴 〜


〜 改訂版 〜


藤田五郎は幾つもの名前を名乗り生きてきた。

藤田五郎を名乗ったのは、明治と呼ばれる時代になってからになる。


藤田五郎が警視庁に入庁してから数年が過ぎている。


ここは、東京。


梅の花が咲き辺りに彩を添えている。


藤田五郎は普通に歩いている。


藤田五郎は歩きながら、辺りを普通の表情で見た。


梅の花が綺麗に咲いている。


藤田五郎は歩きながら、梅の花を普通の表情で見た。


数日後の事。


ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。


藤田五郎、時尾、勉は、家に居る。


食卓の有る部屋。


藤田五郎は普通に居る。

時尾は微笑んで居る。

勉は笑顔で居る。


時尾が藤田五郎に微笑んで話し出す。

「梅が綺麗に咲いていますね。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

勉が時尾に笑顔で抱き付いた。

時尾は勉を微笑んで抱いた。

藤田五郎は時尾と勉を普通の表情で見た。

時尾は勉を抱いて、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「勉と庭に出ます。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は勉を抱いて、勉に微笑んで話し出す。

「勉。庭に出ましょう。」

勉は時尾に笑顔で頷いた。


時尾は勉を抱いて、庭に微笑んで向かった。

勉は時尾を笑顔で見た。


藤田五郎は時尾と勉を普通の表情で見た。


幾日後の事。


ここは、東京。


警視庁。


一室。


藤田五郎は上司から警部補へ昇進する話を聞いた。


藤田五郎は自分の昇進の話を普通の表情で聞いた。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


玄関。


藤田五郎は普通に帰ってきた。


時尾は微笑んで現れた。


時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お帰りなさいませ。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お酒と肴を用意しています。着替えたら直ぐに召し上がりますか?」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


藤田五郎は家の中に普通に入って行った。

時尾は家の中に微笑んで入って行った。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


食卓の有る部屋。


藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

時尾は微笑んで居る。

食卓には、酒と肴が載っている。


藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通に話し出す。

「警部補への昇進の話がある。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「おめでとうございます。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通に話し出す。

「昇進の話を内々に聞いた。昇進が決定するのは後日になる。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お祝い用のご馳走を用意したいです。差し支えなければ、昇進の決定の日を教えてください。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通に話し出す。

「無理をするな。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「無理はしていません。安心してください。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通に話し出す。

「二月二十日。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「二月二十日は、五郎さんの帰りをご馳走の用意をして待ちます。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。


二月二十日になった。


ここは、東京。


梅の花は綺麗に咲いている。


ここは、警視庁。


藤田五郎は上司から警部補への昇進を普通の表情で聞いた。


明治十年二月二十日。

藤田五郎警部補が誕生した。


上司、同僚、関係者が、藤田五郎にいろいろな内容を話し掛ける。

藤田五郎は普通の表情で話を聞いている。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


玄関。


藤田五郎は普通に帰ってきた。


時尾は微笑んで現れた。

勉は笑顔で現れた。


藤田五郎は時尾と勉に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「おめでとうございます。」

勉は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「おめでと。」

藤田五郎は時尾と勉に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お食事の用意とお酒の用意をしています。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。


藤田五郎は家の中に普通に入って行った。

勉は家の中に笑顔で入って行った。

時尾は家の中に微笑んで入って行った。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


食卓の有る部屋。


藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

時尾は藤田五郎と勉を見ながら、微笑んで食事をしている。

勉は笑顔で食事をしている。

食卓には、藤田五郎の警部補昇進のお祝いのため、普段より豪華な食事が載っている。


藤田五郎は杯の酒を見ながら、時尾と勉を普通の表情で見た。

時尾は食事を止めると、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お酌をいたします。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通に話し出す。

「一人で酌は出来る。俺より勉を気にしてくれ。」

時尾は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾と勉を普通の表情で見た。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋の前に在る縁。


藤田五郎は普通に歩いてきた。


藤田五郎は夜空を普通の表情で見た。


星が綺麗に輝く様子が見える。


藤田五郎は普通に居なくなった。


僅かに後の事。


ここは、藤田五郎の家。


食卓の有る部屋。


時尾は微笑んで片付けている。


藤田五郎は普通に来た。


時尾は片付けを止めると、藤田五郎を普通の表情で見た。

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「酒が飲みたくなった。再びで悪いが、酒の用意を頼む。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「直ぐに用意をします。用意が出来たら、部屋にお持ちします。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。


藤田五郎は普通に居なくなった。

時尾は微笑んで居なくなった。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

藤田五郎の傍には、普段より豪華な酒と普段より豪華な肴が置いてある。


部屋の中が暖かい空気に包まれた。


藤田五郎は杯の酒を飲みながら、障子を普通に開けた。


桜が満開になって咲いている。

桜の花は淡い光りに包まれている。


藤田五郎は杯の酒を飲み干すと、障子を普通に閉めた。

藤田五郎は杯を傍に置くと、横を普通の表情で見た。


沖田総司が藤田五郎を微笑んで見ている。


藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 警部補昇進! おめでとうございます!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「新撰組では、三番組組長! 警視庁では、警部補! 凄いですね!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「騒ぐほどに凄いか?」

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「酒と肴の用意をした。」

沖田総司は藤田五郎を寂しい表情で見た。

藤田五郎は沖田総司を普通に話し出す。

「今も酒が飲める状況ではないのか?」

沖田総司は藤田五郎に寂しく頷いた。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。付き合うだけならば、大丈夫だろ。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。私の代わりに斉藤さんと酒を飲む人物を連れてきました。」


森蘭丸が微笑んで、静かに現れた。


藤田五郎は森蘭丸を普通の表情で見た。

森蘭丸は藤田五郎に微笑んで話し出す

「斉藤さん。お久しぶりです。森蘭丸です。」

藤田五郎は森蘭丸に普通の表情で頷いた。

森蘭丸は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。

藤田五郎は森蘭丸に普通に話し出す。

「酒は飲めるのか?」

森蘭丸は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「元服をしているので酒は飲めます。沖田さんや斉藤さんのように酒を飲めないかも知れません。迷惑を掛けないように、お付き合いします。よろしくお願いします。」

藤田五郎は森蘭丸に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 警部補昇進のお祝いです! 楽しく過ごしましょう!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

森蘭丸は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。杯を頂いてもよろしいですか?」

藤田五郎は森蘭丸に杯を普通に渡した。

森蘭丸は藤田五郎から杯を微笑んで受け取った。

藤田五郎は森蘭丸の杯に酒を普通に注いだ。

森蘭丸は杯の酒を飲むと、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「美味しいです。」

藤田五郎は杯に酒を注ぐと、森蘭丸に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎と森蘭丸を微笑んで見た。

森蘭丸は杯の酒を飲みながら、藤田五郎と沖田総司を微笑んで見た。

藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んだ。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。肴を食べても良いですか?」

藤田五郎は杯の酒を飲むのを止めると、千枚漬を取り、沖田総司に普通に渡した。

沖田総司は斉藤一から千枚漬を微笑んで受け取った。

藤田五郎は杯の酒を飲むと、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は千枚漬を美味しく食べると、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「美味しいです!」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。

森蘭丸は杯の酒を飲みながら、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さんが一人で、本人と沖田さんと私を気にしながら酒を飲んでいますね。大変ですよね。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、森蘭丸に普通に話し出す。

「今の総司と飲む時と同じ内容を、二人分しているだけだ。大変ではない。」

森蘭丸は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「安心しました。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、森蘭丸を普通の表情で見た。

森蘭丸は杯の酒を飲みながら、藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、肴を普通の表情で食べた。

沖田総司は藤田五郎と森蘭丸を微笑んで見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、森蘭丸に肴を普通に渡した。

森蘭丸は杯の酒を飲むのを止めると、藤田五郎から肴を受け取り、肴を微笑んで食べた。

沖田総司は森蘭丸を羨ましく見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に肴を普通に渡した。

沖田総司は藤田五郎から肴を受け取り、肴を美味しく食べた。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


沖田総司は微笑んで居る。

藤田五郎は普通に居る。

森蘭丸は微笑んで居る。

酒は僅かに残っているが、肴は全て食べた。


森蘭丸は沖田総司と藤田五郎に微笑んで話し出す。

「今日は楽しかったです。ありがとうございました。私は戻ります。」

沖田総司は森蘭丸に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

藤田五郎は森蘭丸に普通に話し出す。

「今日は総司のために来たんだ。」

森蘭丸は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと沖田さんと酒を楽しく飲むために来ました。楽しい時間が過ごせました。嬉しかったです。」

藤田五郎は森蘭丸を普通の表情で見た。

森蘭丸は沖田総司と藤田五郎に微笑んで話し出す。

「再び三人で酒が飲める日を楽しみに待っています。」

沖田総司は森蘭丸に微笑んで頷いた。

藤田五郎は森蘭丸に普通の表情で頷いた。

森蘭丸は沖田総司と藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。


森蘭丸は微笑んで、静かに居なくなった。


沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。警部補への昇進。凄いです。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「幾度も話す程の凄い内容ではない。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「新撰組三番組組長 斉藤一。警部補 藤田五郎。斉藤さんはたくさんの戦いを生き抜きました。今は藤田五郎として妻と子と生きています。凄いです。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと酒が飲める日が楽しみです。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「酒が飲める日は暫く先になるのか?」

沖田総司は藤田五郎に寂しく話し出す。

「暫く先になる可能性が高いです。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は気長に待つ。」

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。今夜も美鈴さんに逢いに行くのか?」

沖田総司は藤田五郎に寂しい微笑みで頷いた。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。大変なのは、総司ではなく、美鈴さんだ。寂しがるな。悲しむな。しっかりしろ。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで頷いた。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。いつもありがとうございます。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司が俺に迷惑を掛けるのは、毎回だ。気にしていたらきりがない。」

沖田総司は藤田五郎を苦笑して見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。酒が僅かですが残っています。お祝いとお礼を兼ねて、斉藤さんに酒を注ぎたいです。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は総司に注いで欲しいと思えば良いのか?」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで頷いた。

藤田五郎は杯を持つと、沖田総司に普通に差し出した。

沖田総司は藤田五郎の杯に酒を微笑んで注いだ。

藤田五郎は杯を持ち、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見ている。

藤田五郎は杯の酒を飲み干すと、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「酒も肴も全て無くなりましたね。酒宴は終わりですね。」

藤田五郎は杯を傍に置くと、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。再び呼んでください。楽しみに待っています。」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。


藤田五郎は障子を開けると、庭を普通の表情で見た。


桜の花は咲いていない。

先程まで満開に咲いた気配は全くない。


藤田五郎は障子を普通に閉めた。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語に登場する、藤田五郎さんが警部補として警視局に奉職したのは、明治十年(1877年)二月二十日だそうです。

この物語はその頃の出来事を元にして書きました。

今回の物語の終わり頃から約三ヵ月後に、藤田五郎さんは西南戦争で戦うために九州に向かいます。

藤田五郎さんは、明治十年より前に警視庁に入庁しているようです。

時尾さんと結婚する前の事になるようです。

この物語の時間設定時の藤田五郎さんは、敬一君の存在を知らず、敬一君に会っていない、美鈴さんの詳しい居場所を知らない、という設定です。

新撰組の時代ではありませんが、森蘭丸が登場しています。

森蘭丸の簡単な説明を書きます。

正しくは「蘭丸」ではなく、「乱丸。乱法師。乱。」の字や名前のようです。

亡くなった時の名前は「森成利」でした。

しかし、何故か「森蘭丸」の字と名前で後世の小説やドラマなどで伝わっています。

この物語では、現在で使用される字と名前にしたので、「森蘭丸」で登場しています。

「梅見(うめみ)」は、「梅の花を見て楽しむ事。観梅。」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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