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新撰組異聞外伝 〜 穀雨の頃 〜


〜 改訂版 〜


今は春。


ここは、東京。


一重桜は全て散った。

一重の桜は葉桜となっている。

八重桜は見頃を過ぎて、散り始めている。

僅かだが、遅めに咲き始めた八重桜が、春の季節を感じさせてくれる。


数日の間の出来事になる。

藤田五郎の妻の時尾の体調が優れない。

藤田五郎の妻の時尾は寝込むほど体調は悪くない。

藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉は、普段と同じ生活が続いている。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


食卓の有る部屋。


時尾は微笑んで居る。

勉は笑顔で居る。


藤田五郎は普通に来た。


時尾は藤田五郎を微笑んで見た。

勉は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「今日も体調が優れないのだろ。医者に診てもらえ。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お気遣いありがとうございます。明日、お医者に診てもらいます。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


翌日の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


一室。


時尾は微笑んで支度をしている。

勉は時尾を笑顔で見ている。


勉は時尾に笑顔で話し出す。

「でかける。いっしょ。」

時尾は勉に微笑んで頷いた。

勉は時尾を笑顔で見た。


玄関から、沖田総司の息子の敬一の元気の良い声が聞こえた。

「こんにちは! 敬一です!」


時尾は勉に微笑んで話し出す。

「敬一君が来たわ。玄関に行くわね。」

勉は時尾に笑顔で話し出す。

「いっしょ。いく。」

時尾は勉に微笑んで頷いた。


勉は部屋から笑顔で出て行った。

時尾は部屋から微笑んで出て行った。


僅かに後の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


玄関。


時尾は微笑んで居る。

勉は笑顔で居る。

敬一は不思議な様子で居る。


敬一は時尾に不思議な様子で話し出す。

「何処かに出掛けるのですか?」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「今日は出掛ける予定があるの。」

敬一は時尾に寂しく話し出す。

「出掛ける予定があるのですね。帰ります。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君を直ぐに帰せないわ。家に上がって休んで。」

敬一は時尾を心配して見た。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君。遠慮しないで。大丈夫よ。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「お言葉に甘えて家に上がって休ませてもらいます。」

時尾は敬一に微笑んで頷いた。


勉は家の中に笑顔で入って行った。

敬一は家の中に微笑んで入って行った。

時尾は家の中に微笑んで入って行った。


僅かに後の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


食卓の有る部屋。


時尾は微笑んで居る。

勉は笑顔で居る。

敬一は焙じ茶を笑顔で美味しく飲んでいる。

食卓には、焙じ茶が載っている。


敬一は焙じ茶を笑顔で美味しく飲み終わった。

時尾は敬一を微笑んで見た。

敬一は時尾に笑顔で話し出す。

「ごちそうさまでした!」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「お代わりを用意するわ。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「僕が長居をすると出掛ける時間が遅くなります。お代わりは遠慮します。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「急いで出掛ける必要はないの。遠慮しないで。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「時尾さん。出掛ける予定を優先してください。」

時尾は敬一を申し訳なく見た。

敬一は勉に微笑んで話し出す。

「勉君。お母さんと一緒に出掛けるんだね。楽しみだね。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「おいしゃさん。出掛ける。」

敬一は勉を心配して見た。

時尾は敬一に僅かに慌てて話し出す。

「敬一君。勉は元気なの。心配しないで。」

敬一は時尾を心配して見た。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「数日前から、体調が少し悪い感じが続くの。今日はお医者に診てもらうために出掛けたいと思っていたの。」

敬一は時尾を心配して見ている。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「普段と同じ生活をしているわ。心配しないで。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「時尾さん。勉君と一緒にお医者まで行くと大変ですよね。僕が勉君と一緒に留守番します。」

時尾は敬一に申し訳なく話し出す。

「敬一君に留守番は頼めないわ。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「今日の僕は予定がありません。遠慮しないでください。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君。ありがとう。勉と一緒に留守番を頼むわ。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「はい。」

時尾は勉に微笑んで話し出す。

「勉。敬一君と一緒にお留守番をしてね。敬一君に迷惑を掛けないようにね。」

勉は時尾に笑顔で頷いた。

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「行ってらっしゃい。」

勉は時尾に笑顔で話し出す。

「いってらっしゃい。」

時尾は勉と敬一に微笑んで話し出す。

「行ってきます。」

敬一は時尾を微笑んで見た。

勉は時尾を笑顔で見た。


時尾は部屋から微笑んで居なくなった。


敬一は勉に微笑んで話し出す。

「勉君。お母さんが帰るまで、しっかりとお留守番しようね。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「しっかり。おるすばん。」

敬一は勉に微笑んで話し出す。

「勉君。少しだけ一緒に遊ぼう。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「おるすばん。あそばない。」

敬一は勉に微笑んで話し出す。

「勉君。お留守番しながら遊んでも大丈夫だよ。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「あそぶ。」

敬一は勉に微笑んで話し出す。

「お留守番をしながら遊ぶから、遊ぶ場所は家の中にしようね。」

勉は敬一に笑顔で頷いた。

敬一は勉を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


玄関。


時尾が微笑んで帰ってきた。


敬一は心配してきた。

勉は笑顔で来た。


勉は時尾に笑顔で話し出す。

「おかえり。」

時尾は勉に微笑んで話し出す。

「ただいま。」

敬一は時尾に心配して話し出す。

「時尾さん。大丈夫ですか?」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「お医者の診立ては、体調は暫く経つと落ち着く、だったの。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「安心しました。」

時尾は敬一を微笑んで見た。

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「時尾さん。帰ります。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君。ありがとう。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「ありがと。」

敬一は時尾と勉を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


食卓の有る部屋。


藤田五郎は普通に居る。

時尾は微笑んで居る。


時尾が藤田五郎に微笑んで話し出す。

「今日、お医者に診てもらいました。悪い内容の診立ではありません。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お医者の詳しい診立てを話す前に、別な内容を話しても良いですか?」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一君が家に遊びに来ました。私がお医者に出掛ける間、敬一君が勉と一緒に留守番をしてくれました。勉は敬一君と一緒の留守番を楽しんだ様子です。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「別な内容の話が長くなってしまいました。」

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「時尾にとって必要な内容の話だ。気にするな。」

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


数日後の事。


ここは、敬一と母親の美鈴の住む家。


食卓の有る部屋。


美鈴は微笑んで縫い物をしている。


敬一は考えながら来た。


美鈴は縫い物を止めると、敬一を不思議な様子で見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。時尾さんの体調の確認と時尾さんのお見舞いを兼ねて、斉藤さんの家に出掛けるね。」

美鈴は敬一に心配して話し出す。

「時尾さんの体調が悪い時は、短い時間で帰るのよ。時尾さんの体調が落ち着いているとしても、長居をしないでね。斉藤さんとご家族に、迷惑を掛けないでね。」

敬一は美鈴に微笑んで頷いた。

美鈴は時尾を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


玄関。


敬一は微笑んで来た。


時尾は微笑んで来た。

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「時尾さん。こんにちは。体調は大丈夫ですか?」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「心配してくれてありがとう。体調は大丈夫よ。」

敬一は時尾を安心して見た。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「五郎さんが少し経つと帰ってくるの。五郎さんは敬一君と過ごす時間を楽しみにしているの。勉も敬一君と過ごす時間を楽しみにしているの。時間に余裕があれば、遠慮しないで家に上がって。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「はい。」

時尾は敬一を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


食卓の有る部屋。


時尾は微笑んで居る。

敬一は微笑んで居る。

勉は笑顔で居る。

食卓には、焙じ茶が微笑んで載っている。


時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君にはいつもお世話になっているわ。敬一君が家に来たら直ぐに伝えたいと思っていた内容があるの。今から話しても良いかしら?」

敬一は時尾に不思議な様子で話し出す。

「はい。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「今年の間に、勉に弟か妹が出来るの。」

敬一は時尾に笑顔で話し出す。

「おめでとうございます!」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

敬一は勉に笑顔で話し出す。

「勉君! お兄ちゃんになるんだね! おめでとう!」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「ありがと。」

時尾は勉と敬一を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


玄関。


藤田五郎が普通に帰ってきた。


時尾は微笑んで来た。

敬一は笑顔で来た。


藤田五郎は時尾と敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! お帰りなさい!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。少し出掛けたい。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。

時尾は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。

敬一は藤田五郎と時尾を笑顔で見た。


少し後の事。


ここは、遅めに満開を迎えた八重桜の咲く場所。


藤田五郎は普通に居る。

敬一は笑顔で居る。


敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 八重桜が綺麗ですね!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は八重桜を笑顔で見た。


優しい風が吹いた。


八重桜の小枝と花が風に揺れた。


藤田五郎は八重桜の花と八重桜の枝が揺れる様子を普通の表情で見た。

敬一は八重桜の花と八重桜の枝が揺れる様子を笑顔で見た。

藤田五郎は敬一を見ると、敬一に普通に話し出す。

「敬一。礼を言う。」

敬一は藤田五郎を不思議な様子で見た。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎を笑顔で見た。


優しい風が吹いた。


八重桜の花と八重桜の小枝と花が風に揺れた。


花びらが風に乗って舞い落ちてくる。


藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。長居をすると帰る時間が遅くなる。美鈴さんが心配する。家まで送る。帰る途中で続きを話そう。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「一人で帰ります。大丈夫です。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一が帰る前に、空が暗くなり始めるかも知れない。家まで送る。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「陽が暮れても一人で帰れます。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「時尾は勉の時の経験がある。時尾は心配し過ぎないで欲しいと話している。」

敬一は藤田五郎を考えながら見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一を暗い中に一人のみで帰して万が一の出来事が起きた時は、総司にも美鈴さんにも、申し開きが出来ない。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「家まで送ってください。お願いします。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


藤田五郎は普通に歩き出した。

敬一は微笑んで歩き出した。


暫く後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓の有る部屋。


藤田五郎は普通に居る。

敬一は笑顔で居る。

美鈴は微笑んで居る。

食卓には、酒と簡単な肴が載っている。


敬一が美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 斉藤さんと時尾さんに赤ちゃんが出来たんだよ!」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。おめでとうございます。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、美鈴に普通の表情で頷いた。

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「産み月は何月になるのですか?」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、美鈴に普通に話し出す。

「九月か十月になる。」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「待ち遠しいですね。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、美鈴を普通の表情で見た。

美鈴は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、美鈴に普通の表情で頷いた。

美鈴は藤田五郎を微笑んで見ている。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、美鈴に普通に話し出す。

「美鈴さん。食事の支度が終わっているならば、俺に遠慮せずに食事を始めてくれ。食事の支度の途中ならば、俺に遠慮せずに食事の支度を続けてくれ。」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、美鈴に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎と美鈴を笑顔で見た。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎、時尾、勉の住む家。


玄関。


藤田五郎が普通に帰ってきた。


時尾は微笑んで来た。


時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お帰りなさい。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「食事の用意は出来ています。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


藤田五郎は家の中に普通に入って行った。

時尾は家の中に微笑んで入って行った。


僅かに後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓の有る部屋。


敬一は微笑んで居る。

美鈴も微笑んで居る。


敬一は外を微笑んで見た。


雨が降っている。


美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。雨が降っているよ。」

美鈴は外を微笑んで見た。

敬一は美鈴を微笑んで見た。

美鈴は敬一を見ると、微笑んで頷いた。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「温かい雨が降っているね。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴を微笑んで見た。

美鈴も敬一を微笑んで見た。

敬一は雨の降る様子を微笑んで見た。

美鈴も雨の降る様子を微笑んで見た。


八重桜の見頃が終わり、葉桜へと移っていく。

藤の花が咲き始め、藤の花の見頃へと移っていく。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開と雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後鍵を加筆訂正して書きます。

この物語は、時尾さんと敬一君が軸となって展開していきます。

藤田五郎さんが時尾さんの妊娠について積極的に話すように思えないので、このような物語になりました。

時尾さんが妊娠に気付いて医者などに診てもらう場合、時期的には少し前になると思いました。

この物語の設定時期に医者に診てもらっても問題は無いと考えて物語を書きました。

藤田五郎さんと時尾さんには、長男の勉さんが最初に生まれます。

勉さんが生まれてから数年後に、二人目のお子さんが生まれます。

男の子か女の子かは、この物語では秘密にします。

この物語は、藤田五郎さんが敬一君と逢ってから、約一年後を想定して書きました。

「穀雨(こくう)」についてです。

二十四節気の一つです。

四月二十日頃、または、この日から立夏までの期間を言います。

春の温かい雨が降って、穀類の芽が伸びて来る頃をいいます。

この頃は、雨の降る日が多くなり、穀類の種子の成長を促進するので、種蒔きの好期となるそうです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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