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新撰組異聞外伝 〜 月の輝き 薄荷の香り 〜


夏が終わり、秋が始まっている。


ここは、東京。


夏の名残の暑さが続いている。


ここは、沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴の住む家。


硝子の風鈴が縁の傍に吊るしてある。


縁の傍。


敬一は本を微笑んで読んでいる。

美鈴は微笑んで縫い物をしている。


風が吹いた。


硝子の風鈴が涼しい音を鳴らした。


敬一は本を読むのを止めると、美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。秋になったけれど、夏のような暑さが続くよね。暫くの間は、風鈴を飾られるよね。」

美鈴は縫い物を止めると、敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴を微笑んで見た。


風が吹いた。


硝子の風鈴が涼しい音を鳴らした。


敬一は硝子の風鈴を微笑んで見た。

美鈴も硝子の風鈴を微笑んで見た。


幾日か後の事。


ここは、東京。


日中は暑さを感じるが、朝晩は涼しさを感じる。

秋の季節を少しずつ感じられるようになっている。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


硝子の風鈴が縁の傍に吊るしてある。


縁の傍。


敬一は硝子の風鈴を微笑んで見ている。


風が吹いた。


硝子の風鈴が涼しい音を鳴らした。


美鈴は微笑んで来た。


敬一は美鈴を見ると、美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。斉藤さんの家に出掛けるね。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「陽のある時間の外は暑いわ。気を付けて行ってらっしゃい。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「気を付けて行って来ます。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。


玄関


敬一は元気良く訪れた。


時尾は微笑んで来た。

勉は笑顔で来た。


敬一は時尾と勉に笑顔で話し出す。

「こんにちは!」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「こんにちは。」

勉は敬一を笑顔で話し出す。

「こんにちは。」

敬一は時尾と勉を微笑んで見た。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「五郎さんは部屋で敬一君を待っているわ。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「斉藤さんの部屋に直ぐに行きます。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「外は暑いわよね。飲み物を部屋に持っていくわ。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「話し忘れると困るから、先に話すわ。先日の出来事だけど、知り合いから薄荷を分けてもったの。少しだけになるけれど、薄荷を用意するわ。薄荷湯などで楽しんで。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「お気遣いありがとうございます。薄荷湯などで楽しみます。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君が帰るまでに薄荷を用意するわ。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

時尾は敬一を微笑んで見た。


敬一は家の中に微笑んで入って行った。

勉は家の中に笑顔で入って行った。

時尾も家の中に微笑んで入って行った。


僅かに後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋の前に在る縁。


敬一は笑顔で来た。


障子が普通に開いた。


藤田五郎は敬一を普通の表情で見ている。


敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! こんにちは!」


藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


敬一は部屋の中に笑顔で入った。


直後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


敬一は部屋の中に笑顔で入った。


藤田五郎は障子を普通に閉めた。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。時尾さんから薄荷を分けて頂けると聞きました。ありがとうございます。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「暑い日に薄荷湯に浸かると気持ち良いですよね。家に帰ったら、お母さんに薄荷湯で楽しみたいと話します。薄荷湯に浸かる時が楽しみです。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


部屋の外から、時尾の穏やかな声が聞えた。

「麦茶をお待ちしました。」


藤田五郎は障子を普通に開けた。


時尾は麦茶を持ち、部屋の中に微笑んで入った。


藤田五郎は障子を普通に閉めた。

敬一は時尾を微笑んで見た。

時尾は敬一の前に麦茶を微笑んで置いた。

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

時尾は藤田五郎の前に麦茶を微笑んで置いた。

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


時尾は部屋から微笑んで出て行った。


敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「いただきます。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は麦茶を美味しく飲んだ。

藤田五郎は麦茶を普通の表情で飲んだ。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


敬一は麦茶を美味しく飲んでいる。

藤田五郎は麦茶を普通の表情で飲んでいる。


敬一は麦茶を笑顔で飲み終わった。

藤田五郎は麦茶を普通の表情で飲み終わった。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「ごちそうさまでした!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。稽古の準備を始める。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


稽古場。


藤田五郎は稽古着を着て、竹刀を持ち、普通の表情で居る。

敬一は稽古着を着て、竹刀を持ち、真剣な表情で居る。


敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「お願いします。」

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で礼をした。

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は真剣な表情で竹刀を構えた。

藤田五郎は普通の表情で竹刀を構えた。

敬一は藤田五郎に竹刀を打ち込もうとした。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見ながら、竹刀を素早く避けた。

敬一は直ぐに振り向くと、藤田五郎に竹刀を打ち込もうとした。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見ながら、竹刀を素早く避けた。

敬一は竹刀を持ち、直ぐに振り返ると、藤田五郎を真剣な表情で見た。


藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見ている。


敬一は藤田五郎に勢い良く竹刀を打ち込もうとした。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見ながら、竹刀を素早く避けた。

敬一は竹刀を構えて、藤田五郎を真剣な表情で見た。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一に普通に話し出す。

「敬一。竹刀を打ち込んでいない。早く竹刀を打ち込め。」

敬一は竹刀を構えて、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さんに既に竹刀を打ち込んでいます!」

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一に普通に話し出す。

「敬一。竹刀を打ち込む意味を分かって返事をしているのか?」

敬一は竹刀を構えて、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見た。

敬一は竹刀を構えて、藤田五郎を真剣な表情で見た。


藤田五郎は敬一に普通の表情で素早く竹刀を打ち込もうとした。


敬一は竹刀を構えて、藤田五郎を驚いた表情で見た。

藤田五郎は敬一に普通の表情で竹刀を素早く強く打ち込んだ。

敬一は藤田五郎の竹刀を驚いた表情で受けた。

藤田五郎は敬一の竹刀を普通の表情で強く押した。

敬一は竹刀を放すと、後ろに勢い良く倒れた。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見た。

敬一は竹刀を持つと、真剣な表情で立ち上がった。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見ている。

敬一は藤田五郎に真剣な表情で竹刀を打ち込んだ。

藤田五郎は敬一の竹刀を普通の表情で受けた。


藤田五郎と敬一の鍔迫り合いが始まった。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


藤田五郎は稽古前と同じ服を着て、普通の表情で居る。

敬一は稽古前と同じ服を着て、残念な様子で居る。


敬一は藤田五郎に残念な様子で話し出す。

「斉藤さんの動きはとても早いです。突然に姿が消えるように感じます。突然に姿が現れるように感じます。今日の稽古の間の斉藤さんの動きは、更に早く感じました。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「今日は少し早く動いた。敬一は俺の動きが更に早いと気付いた。残念に思うな。」

敬一は藤田五郎に悔しく話し出す。

「斉藤さんの稽古中の動きが早いと気付いただけです。斉藤さんに竹刀が打ち込めませんでした。悔しいです。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。焦るな。」

敬一は藤田五郎に考え込んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。


部屋の外から、時尾の穏やかな声が聞えた。

「麦茶と薄荷を持ってきました。」


藤田五郎は障子を普通に開けた。


時尾は麦茶と薄荷の入った包みを持ち、部屋の中に微笑んで入った。


藤田五郎は障子を普通に閉めた。

敬一は時尾を微笑んで見た。

時尾は敬一の前に麦茶と包みを微笑んで置いた。

敬一は藤田五郎と時尾に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

時尾は敬一に微笑んで頷いた。

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎の前に麦茶を微笑んで置いた。

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


時尾は部屋を微笑んで出て行った。


敬一は包みを見ると、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「包みから薄荷の香りがします。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一。麦茶を飲め。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「いただきます。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は麦茶を美味しく飲んだ。

藤田五郎は麦茶を普通の表情で飲んだ。

敬一は麦茶を飲みながら、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。お父さんも薄荷湯に浸かって楽しんだと聞きました。」

藤田五郎は麦茶を飲みながら、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は麦茶を飲みながら、藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は麦茶を飲みながら、敬一を普通の表情で見た。

敬一は麦茶を飲みながら、包みを笑顔で見た。


暫く後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


玄関。


敬一は包みを持ち、笑顔で来た。


美鈴は微笑んで来た。


敬一は包みを持ち、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! ただいま!」

美鈴は敬一を不思議な様子で見た。

敬一は美鈴に包みを見せると、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 斉藤さんと時尾さんから、薄荷を別けて頂いたんだ! 暑い日が続くから、薄荷湯などで楽しんでくださいと話していたよ!」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「今日は薄荷湯を楽しみましょう。明日か明後日に、薄荷湯を再び楽しみましょう。」

敬一は包みを持ち、美鈴に笑顔で頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「薄荷湯に浸かったら、斉藤さんと時尾さんにお礼を伝えましょう。」

敬一は包みを持ち、美鈴に笑顔で頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一にお帰りなさいの挨拶を話していなかったわ。」

敬一は包みを持ち、美鈴に微笑んで話し出す。

「事前の話がなくて、包みを持って帰ってきたら、不思議に思うよ。気にしないで。」

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は包みを持ち、美鈴を微笑んで見た。


翌々日の事。


敬一と美鈴が、再び薄荷湯に浸かる日になる。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓の有る部屋。


敬一は微笑んで居る。


美鈴は微笑んで来た。


美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。薄荷湯の準備が出来たわ。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「僕はたくさん先に薬用風呂に浸かっているよ。今回は、お母さんから先に薄荷湯に浸かって。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんと時尾さんが、敬一への感謝を込めて用意した薄荷だと思うの。敬一が先に薄荷湯に浸かりなさい。」

敬一は美鈴に微笑んで頷いた。


少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


風呂場。


敬一は薄荷湯に微笑んで浸かっている。

薄荷の入った袋がゆったりと浮かんでいる。


薄荷の入った袋と湯から、薄荷の香りが広がる。


薄荷湯の香りは、とても心地好い。


敬一は薄荷の入った袋を取ると、薄荷の香りを微笑んで楽しんだ。


暫く後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓の有る部屋。


美鈴は微笑んで縫い物をしている。


敬一は微笑んで来た。


美鈴は縫い物を止めると、敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。薄荷湯はとても気持ち良かったよ。」

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「次はお母さんが薄荷湯で楽しむ番だよ。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、東京。


夜空には綺麗な月が浮かんでいる。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


敬一の部屋。


敬一は畳の上で気持ち良く寝ている。


美鈴は部屋の中に微笑んで入ってきた。


美鈴は敬一を心配して見た。

敬一は畳の上で気持ち良く寝ている。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。風邪をひくわ。起きなさい。」

敬一は畳の上で気持ち良く寝ている。


風が吹いた。


硝子の風鈴の涼しい音が聞えた。


美鈴は掛け布団を微笑んで用意した。


敬一は畳の上で気持ち良く寝ている。

美鈴は敬一に掛け布団を静かに掛けた。

敬一は畳の上に気持ち良く寝ている。


美鈴は部屋を静かに出て行った。


少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


縁の傍。


縁の傍に、硝子の風鈴が吊るしてある。


美鈴は硝子の風鈴を微笑んで見ている。


敬一は苦笑して来た。


美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に苦笑して話し出す。

「気付いたら寝ていた。薄荷湯が気持ち良かった関係かな?」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴を苦笑して見た。


風が吹いた。


硝子の風鈴が涼しい音を鳴らした。


季節は夏が終わり秋になっている。

秋の気配が増えているが、夏の名残の暑さを感じる時が有る。

薄荷の香りと硝子の風鈴の涼しい音が、夏の名残の暑さを和らげている。




*      *      *      *      *      *




ここからの後書きになります。

「薄荷(はっか)」についてです。

シソ科の多年草です。

料理、薄荷湯、ハーブティー、香料、駆風、芳香胃健康、などに利用しています。

葉には、メントールが多く含まれています。

薄荷は江戸時代より更に前の時代からあります。

日本に薄荷が着たのは、江戸時代よりかなり前になるそうです。

「薄荷湯(はっかゆ)」関連についてです。

江戸時代には、薬用のお風呂を専門に提供している銭湯があったそうです。

「菖蒲湯」や「柚子湯」は、既にあったそうです。

薄荷湯がいつからあるのかは分かりませんでした。

当時の薄荷の値段と当時の薬用の銭湯専門店で薄荷湯に入る時の値段は、分かりませんでした。

薄荷の値段、薄荷湯に浸かる値段、共に高価な可能性があります。

ご了承ください。

「薄荷湯」の入り方を簡単に説明します。

日陰干しした薄荷の葉を布袋に入れます。

桶などに袋を入れて、熱湯を掛け15〜20ほど蒸らします。

袋と煮出したお湯ごと浴槽に入れます。

詳細は各自でお調べください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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