このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
新撰組異聞外伝 ~ 蕎麦の香りが繋ぐ想い ~
今は秋。
ここは、多摩。
天気の良い日は過ごしやすいが、天気の悪い日は僅かに肌寒さを感じるようになってきた。
試衛館。
沖田惣次郎を始めとする塾生達が、日々の稽古に励んでいる。
道場からは、威勢の良い声と竹刀の交わる音が聞こえてくる。
少し後の事。
ここは、多摩。
試衛館。
稽古が終わった。
沖田惣次郎を始めとする塾生達は、汗を拭く、体を休める、武術に関する内容を話す、雑談など、様々に過ごし始めた。
ここは、多摩。
試衛館。
縁。
近藤勇は普通に歩いている。
土方歳三も普通に歩いている。
近藤勇は苦笑して止まった。
土方歳三は不思議な様子で止まった。
近藤勇は後を苦笑して見た。
土方歳三は後を不思議な様子で見た。
沖田惣次郎が、近藤勇と土方歳三から離れた柱の影に隠れて、近藤勇の様子と土方歳三の様子を、じっと見ている。
土方歳三は近藤勇を見ると、近藤勇に苦笑して話し出す。
「近藤さん。惣次郎に話し掛ける展開が良いと思う。」
近藤勇は土方歳三を見ると、土方歳三に苦笑して頷いた。
沖田惣次郎は、柱の影に隠れて、近藤勇と土方歳三に大きな声を話した。
「新蕎麦!」
土方歳三は近藤勇と沖田惣次郎を不思議な様子で見た。
近藤勇は沖田惣次郎を不思議な様子で見た。
沖田惣次郎は、近藤勇と土方歳三の居る方向とは逆に向かって、急いで走り出した。
近藤勇は土方歳三と沖田惣次郎を不思議な様子で見た。
土方歳三は近藤勇と沖田惣次郎を不思議な様子で見ている。
沖田惣次郎は直ぐに見えなくなった。
近藤勇は沖田惣次郎の去った方向を不思議な様子で見た。
土方歳三も沖田惣次郎の去った方向を不思議な様子で見た。
近藤勇の元と土方歳三の元に、沖田惣次郎の大きな声が聞こえた。
「新蕎麦~!」
近藤勇は土方歳三を見ると、土方歳三に考えながら話し出す。
「惣次郎の発言。想像通りで良いのかな。」
土方歳三は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。
「少し余裕がある。焦らずに様子を確認しよう。」
近藤勇は土方歳三に考えながら頷いた。
土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。
翌日の事。
ここは、多摩。
試衛館。
稽古が終わり、沖田惣次郎を始めとする塾生達は、汗を拭く、体を休める、武術に関する内容を話す、雑談など、様々に過ごし始めた。
ここは、多摩。
試衛館。
近藤勇の部屋。
近藤勇は普通に居る。
土方歳三は微笑んで居る。
部屋の外から、沖田惣次郎の元気な声が聞こえた。
「今は秋ですね!」
「新蕎麦の季節が近いです! 美味しい蕎麦がたくさん食べられますね!」
土方歳三は近藤勇を苦笑して見た。
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
部屋の外から、沖田惣次郎の元気な声が聞こえてきた。
「誰に新蕎麦がたくさん食べたい相談をすれば良いのでしょうか?!」
「近藤さんですよね!」
土方歳三は近藤勇に苦笑して話し出す。
「話し合いを連想する間を開けながら、一人で話している。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。
土方歳三は近藤勇に苦笑して話し出す。
「毎日のように、新蕎麦の内容を元気良く話す行為は大変だ。毎日のように、元気良く話す新蕎麦の内容を聞く行為も大変だ。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さん。今後の展開は?」
近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。
「塾生達と共に新蕎麦を食べるとなると、多くの量の新蕎麦が必要だ。知り合いに確認を取る。歳も知り合いに確認を取ってくれ。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「分かった。」
近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。
数日後の事。
ここは、多摩。
試衛館。
たくさんの新蕎麦が届いた。
新蕎麦を食べるための準備が進んでいる。
沖田惣次郎は新蕎麦を食べるための準備を嬉しく見ている。
他の塾生達も新蕎麦を食べるための準備を嬉しく見ている。
近藤勇は沖田惣次郎の元や他の塾生達の元に微笑んで来た。
沖田惣次郎は近藤勇を不思議な様子で見た。
他の塾生達は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで軽く礼をした。
近藤勇は沖田惣次郎と他の塾生達に微笑んで話し出す。
「皆で新蕎麦を食べるために、蕎麦打ちの得意な人物に頼んだ。蕎麦の出汁は、別の人物に頼んで分けてもらった。新蕎麦を食べる準備をする人物がいる。私達は多くの御好意によって新蕎麦が食べられる。感謝の気持ちを忘れないように。」
沖田惣次郎は近藤勇に笑顔で話し出す。
「はい!」
他の塾生達は近藤勇にしっかりとした声で話し出す。
「はい!」
近藤勇は沖田惣次郎と他の塾生達を微笑んで見た。
土方歳三が、近藤勇、沖田惣次郎、他の塾生達の傍に微笑んで来た。
土方歳三が、近藤勇、沖田惣次郎、他の塾生達に微笑んで話し出す。
「新蕎麦を食べる準備が出来た。」
沖田惣次郎は土方歳三に嬉しく話し出す。
「はい!」
他の塾生達は土方歳三にしっかりとした声で話し出す。
「はい!」
近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。
沖田惣次郎は嬉しく早く歩き出した。
他の塾生達は嬉しく歩き出した。
近藤勇は沖田惣次郎と塾生達を微笑んで見た。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さんが新蕎麦を食べないと、みんなが新蕎麦を食べられない。惣次郎が大騒ぎをする。早く行こう。」
近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。
近藤勇は微笑んで歩き出した。
土方歳三は微笑んで歩き出した。
僅かに後の事。
ここは、多摩。
試衛館。
沖田惣次郎は前に有る新蕎麦を嬉しく見ている。
他の塾生達は各自の前に有る新蕎麦を嬉しく見ている。
沖田惣次郎は新蕎麦を見ながら、嬉しく声を出す。
「今日の新蕎麦が食べられる時に感謝します! ありがとうございます! 頂きます!」
他の塾生達も新蕎麦を見ながら、はっきりとした声を出す。
「頂きます!」
沖田惣次郎は新蕎麦を嬉しく美味しく食べ始めた。
他の塾生達は新蕎麦を美味しく食べ始めた。
翌日の事。
ここは、多摩。
青空が広がっている。
草原のような場所。
沖田惣次郎は笑顔で走ってきた。
辺りには人の姿はない。
穏やかな雰囲気に包まれている。
沖田惣次郎は笑顔で空を見た。
白い雲が青空の中にゆったりと浮かんでいる。
沖田惣次郎は青空を見ながら、笑顔で声を出す。
「山口君! 昨日は新蕎麦を食べたんだ! 物凄く美味しかったよ! 近藤さんに美味しい食べ物について話したんだ! 京の町には美味しい食べ物がたくさんあるんだって! 京の町では蕎麦を食べる機会が少ないんだって! 私は、蕎麦が食べたいから、江戸の町か江戸の町の近くに、ずっと居たいな! 山口君! 何時になるか分からないけれど、新蕎麦を一緒に食べようね!」
白い雲は青空の中をゆっくりと動いている。
沖田惣次郎は青空を見ながら、笑顔で声を出す。
「完璧な発言だよね! 山口君に何時でも逢えるね!」
白い雲は青空の中をゆっくりと動いている。
沖田惣次郎は視線を笑顔で戻した。
沖田惣次郎は笑顔で元気良く走り出した。
同じ頃。
ここは、江戸の町。
青空の中に白い雲がゆったりと浮かんでいる。
町中。
山口一の兄の山口廣明が、普通に歩いている。
山口一も普通に歩いている。
山口一は普通に止まった。
山口廣明は不思議な様子で止まった。
山口一は青空を普通の表情で見た。
山口廣明は青空を不思議な様子で見た。
青空の中に白い雲がゆったりと浮かんでいる。
山口廣明は山口一を見ると、山口一に笑んで話し出す。
「綺麗な色の空だな。」
山口一は山口廣明を見ると、山口廣明に普通の表情で頷いた。
山口廣明は山口一に微笑んで話し出す。
「今日は新蕎麦が食べられるな。」
山口一は山口廣明に普通の表情で頷いた。
山口廣明は山口一に微笑んで話し出す。
「新蕎麦を幾度も食べたいと笑顔で話したいと思っているんだ。一が、頷くのみの場合、発言が少ない場合は、嬉しく見えない時があるんだ。新蕎麦が一回のみしか食べられないと寂しいだろ。俺と一で、父さんと母さんに、新蕎麦を食べたいと強く印象付けよう。」
山口一は山口廣明に普通に話し出す。
「分かった。」
山口廣明は山口一に微笑んで話し出す。
「一、予行演習を始める。気の利いた会話でなくて良いから、新蕎麦を食べた感想を話してくれ。」
山口一は山口廣明に普通に話し出す。
「新蕎麦が食べられて、とても嬉しい。新蕎麦はとても美味しい。新蕎麦を別な時にも食べたい。」
山口廣明は山口一に微笑んで話し出す。
「本番も同じ調子で頼むな。」
山口一は山口廣明に普通の表情で頷いた。
山口廣明は山口一に微笑んで話し出す。
「惣次郎君は新蕎麦を既に食べたかな?」
山口一は山口廣明に普通の表情で頷いた。
山口廣明は山口一に微笑んで話し出す。
「一、何故、惣次郎君が新蕎麦を既に食べたと思ったんだ?」
山口一は山口廣明に普通に話し出す。
「何となく。」
山口廣明は山口一に微笑んで話し出す。
「さすが。一だな。」
山口一は山口廣明を普通の表情で見た。
多摩に居る沖田惣次郎。
江戸の町に居る山口一。
沖田惣次郎と山口一を、新蕎麦が一瞬だけ繋いだ。
沖田惣次郎と山口一が再び逢う日は、暫く先の出来事になる。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
「蕎麦(そば)」が食べられる有名なお店や地域は、北日本側に多いような気がします。
「饂飩(うどん)」が食べられる有名なお店や地域は、西日本側に多いような気がします。
沖田総司さん達の生きていた時代も同じような状況のように思いました。
西日本側の京都に、有名な「鰊蕎麦(にしんそば)」があります。
「鰊蕎麦」は京都のお店の主人が考案したそうです。
「鰊蕎麦」を考案したお店は、沖田総司さん達が京都に居る時には商売を行っていたそうです。
「鰊蕎麦」を考案したのは、「明治十五年(1882年)」だそうです。
そのため、沖田総司さんの生きていた時代には、「鰊蕎麦」は無い事になります。
「蕎麦」についてです。
日本では、紀元前7000年ほど前の縄文土器から「蕎麦」を食べていたらしい痕跡が発見されているそうです。
14世紀頃には年貢として納められていたそうです。
15世紀頃には、寺院などで「蕎麦」を麺にして食べられるようになっていたそうです。
庶民も「蕎麦」を麺にして食べるのが広まるのは、江戸時代になるそうです。
江戸時代の「蕎麦」は、現在のファーストフードのような感覚で食べられていたそうです。
お菓子屋さんが副業で「蕎麦」や「うどん」を提供している事があったそうです。
人気のあるお店では、「蕎麦」や「うどん」を中心に提供するように鞍替える事があったそうです。
現在の「新蕎麦(しんそば)」が食べられる時期は、産地が海外などにも広がった関係で、長い期間になっているそうです。
日本国内で育つ「新蕎麦」が食べられる頃は、現在の暦で、9月末頃~11月頃だそうです。
一般的に考えられている「新蕎麦」が食べられる頃は、現在の暦で、10月下旬~11月頃だそうです。
沖田総司さん達の生きていた時代は、現在の暦の9月末頃に「新蕎麦」を食べるのは難しいようです。
「蕎麦湯(そばゆ)」についてです。
「蕎麦」のゆで汁です。
「蕎麦」は水に溶出する栄養分が多いので、「蕎麦」を食べ終えた後に「蕎麦湯」を飲む事があります。
だし汁に足して飲んだり、そのまま飲んだり、お酒で割ったりなど、いろいろな方法で飲まれています。
楽しんで頂けると嬉しいです。
←前
目次
次→
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |