このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
古河好間炭鉱専用鉄道 5
〜好間川橋梁とその周辺〜
国道49号平バイパスの暗渠をくぐり、専用鉄道跡の探訪を再開する。
鉄道跡は画面中央の草薮と思われる。
鉄道跡は、とある建設会社の私有地然としており、立ち入りははばかられる。
画面中央奥の白い民家の辺りに隅田川炭鉱の石炭積替え所があったと思われる。
隅田川炭鉱はこの地点までガソリン機関車を用いて炭車を運び、専用鉄道に積み替えていた。
築堤は建築会社の駐車場として使われている。
駐車場にはダンプや大型建築機械、建築資材などが置かれている
専用鉄道は画像中央辺りに敷設されていた。
上の画像を撮影した地点から振り返ると、専用鉄道の跡にコンクリートブロックが舗装面に埋め込まれていた。
この奥に古河好間炭鉱専用鉄道最強の遺構がある。
はやる気持ちを抑えつつ近づいてみる。
これが古河好間炭鉱専用鉄道…いや、
鉄橋は現役当時そのままの姿で、平成の今も存在し続けている。
鉄橋を詳しく見ていこう。
鉄橋自体はごくオーソドックスなものなのだが、廃線であるにも関らず鉄橋の上には枕木が並び、あろうことかレールまで存在する。
橋脚は緻密な煉瓦積みで作られており、好間川の水流に対抗できるように四隅を石材で補強されている。
このまま向こう岸から運炭列車がやってくるのではないかと錯覚を覚えるほどだ。
鉄橋の全体像を撮影する。
橋台が両岸に一つずつ、橋脚は好間川に2本立っている。
レールと枕木を見る。
レールは原型を留めている。犬釘は一部欠落しているのもあるようだが、大部分が現存しレールを支えている。
もはや渡る列車も無いのに何故レールと枕木が残されたのだろうか。
橋脚を見る。
煉瓦積みの素晴らしい姿をしている。
御台境鉄橋跡や鬼越第一隧道と同じように、その施工は芸術的でさえあり私の心を捉えて離さない。
国道49号バイパスからこの好間川橋梁を見ることは難しい。
手前の市道の鉄橋にその姿を隠蔽され、その姿を見ることは困難だ。
交差点が近いので運転しつつ見るという訳にはいかない。
好間川橋梁と常磐自動車道いわき中央ICは驚くべき程の至近距離にある。
高速道路からこの鉄橋を視認することも困難だ。
高速道路特有の高いフェンスに遮られて普通の自動車からではまず見えないだろう。
ハイデッカーやダブルデッカーのバスからならば見えるかもしれない。
鉄橋の背後には広大な空き地が広がる。
現在はクリナップ㈱が管理する土地だ。
クリナップは
この土地は発電所(4枚目の画像に見える三角形の建物)で発生した石炭の燃えカス(フライアッシュ)を集積する場所だったと言う。
ノスタルジイだけで廃線の鉄橋が存在できるほど世の中は甘くない。
この好間川橋梁にも存在する理由があるのだ。
配水管を通す為の橋として好間川橋梁の存在意義はある。
期間は平成21年の3月末までと記されている。
許可期限まであと1年を切っている。来年(21年)の4月にこの鉄橋はどのような処遇を受けるのだろうか。
引き続き配水管鉄橋として生き長らえるのか、それとも解体か…それとも観光資源となるのか。
好間川橋梁から少し離れた所に役目を終えた橋の跡が見える。
自動車を通す為には狭すぎるような気もする。
これは恐らく先程の発電所からフライアッシュを運ぶ為の小規模なトロッコ線の跡ではないかと考えるのだが…
本体は木橋だったのかも知れない。
残された橋脚を見ると、不思議な物が見えた。
コンクリートの芯にレールが使われている。
鉄筋コンクリートならぬレール筋コンクリート(…)だろうか?
地震に弱そうな気がする。
芯にレールを使うと言うことは、専用鉄道廃止後に造られた橋なのかも知れないが…正体は何であろうか。
好間川の向こう岸には古めかしい建物が見える。
これは古河好間炭鉱の発電所だった建物だ。
次頁では発電所とその先を訪ねていく。
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