このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ファイルナンバー002:げに悲しきは夕筋隧道なり

福島県双葉郡広野町夕筋)

 

 

ここは福島県双葉郡広野町夕筋。いわき市との境界は僅か200mほどの場所である。

 

画像の中央に見えるのは「夕筋トンネル」。この夕筋トンネルを始めとして、いわき市久之浜の江之網トンネルまで八個のトンネルが断続的に続く。

 

休日の今日も交通量は多い。上下線ともひっきりなしに車が通り過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

国道6号線から密やかに分岐する道がある。

 

密やかな道の先には密やかな隧道。これが今回紹介する「夕筋隧道」である。

 

まずは隧道周辺から見ていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何やら模型のような風景。

 

梅の木と小さな畑、所在無げな標識。そして隧道。

 

国道の喧騒をよそに、時間がゆったりと流れているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「道隧筋夕」…左書きの扁額がこの隧道の出自を物語る。

 

今でこそ一般的な町道の心寂しい隧道だが、かつては国道としての重責を担い、幾多の車両を通した隧道なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坑口の脇は苔生しており、コンクリートとの境目を曖昧なものとして、心寂しさを一層演出する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隧道の内部はどうだろう。

 

国道として一世を風靡した隧道だったはずなのだが、照明設備が一つも見当たらない。

 

夜間の隧道は闇に閉ざされ、その存在を抹消されてしまうのだろう。

 

傍らの国道の夕筋トンネルから聞こえる走行音が隧道内に反響し、えも言われない雰囲気を醸し出す。

 

 

 

 

 

 

隧道を抜け、いわき市側(まだ広野町内だが)の坑口を見る。

 

いわき市側の坑口は何故か意匠が凝っており、広野町側には無かった門柱が設えられている。

 

坑口右手の石積みにも注目したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隧道を出てすぐに道はほぼ直角に折れ曲がる。

 

今現在の基準では考えられない不親切な線形だ。

 

道の両脇を石積みが固めている。

 

旧国道の面目が現れている。

 

 

 

 

 

 

 

急カーブの後、道は緩やかに下り始める。

 

画像奥に数台の車が止まっている。

 

国道の夕筋トンネル出口のすぐ脇には、評判のうどん(そば)屋さんがある。

 

今日もご覧の通りの盛況ぶりだ。

 

 

 

 

 

 

 

道が下りきった所で国道6号線をアンダークロスする。

 

アンダークロスの後、道は二手に別れ、一方の道は国道6号線に収斂されていく。

 

もう一方の道は旧国道の役目を果たすべく山間に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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