このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

浪江森林鉄道 三程支線 2

 

 

…何でしょうか、これ…どう見ても距離標ですね。

 

「街道Web」主宰のTUKA氏によりその存在が明らかにされていたものの、実際に目の当たりにするとびっくりする。

 

錆びきった鉄の上に「0.5」と白文字で記されている。

 

0.kmと言うのは恐らく県道253号線との分岐地点からの距離と予想される。

(TUKA氏は距離標は鉄道廃止後に設置されたものと推察されている)

 

 

 

 

 

 

距離標といえば「原町森林鉄道」(現 南相馬市)である。

 

左の画像は原町森林鉄道 本線(馬場〜バッカメキ)脇に存在する「五五〇〇」の距離標である。

 

上の画像の距離標と形がそっくりだ。

 

この距離標は森林鉄道廃止後に設置されたもの(原町森林鉄道の廃止は昭和34年)と言われている。

 

恐らくは三程支線の距離標も廃止後(昭和41〜42年頃?)に設置されたものと思われる。

 

 

 

 

 

 

距離標のある地点から先を見ると、軌道は一本調子の登り勾配で緩やかなカーブを描いている。

 

浪江森林鉄道の最初の支線というだけあり、丁寧かつ堅牢に作られているという印象だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軌道は続く。

 

三程地区の人にとってこの軌道は生活道路も兼ねていた。

 

森林鉄道の敷設によってこの地区に生活していた人々の暮らしも劇的に変わったのだろう。

トロッコに麓からの生活物資を載せて搬送したり、逆に野菜などの農作物を麓まで降ろしたりしていたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三程地区は「集落」と言うほど住宅は密接していない。

 

このような道路の先に開けた土地が広がり、家屋がポツポツと建っている…

 

町の喧騒とは無縁の素晴らしい土地である。

 

森林鉄道の探索を抜きにして日がな一日地区を探索してみるのも良いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

三程地区の家屋を横目に見つつ進むと、再び距離標が現れた。

 

2.0kmの距離標のようである。

 

今度は白い距離標(2代目か?)と寄り添うように設置されている

 

よく見ると500mの距離標と少し形が違うようだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

距離標を反対側から写してみる。

 

何も文字が書いていない。これでは単なる棒だ。

 

何故白い距離標が有るのに初代(と思われる)の鉄製の距離標を残しているのか?

 

モニュメントとして残しておいたのであろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

2kmの距離標から程無く、軌道は川に沿って現在の道から分岐する。

 

三程川沿いに石垣を設け、軌道はその上を通っていた。

 

右の画像では川の左岸に石垣が確認できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の画像の中央部分を拡大してみる。

 

軌道は川の外側をなぞる様に敷設されていた。水量が増した時には堤防の代わりも勤めたと思われる。

 

長年…100年近くに渡り徐々にダメージを蓄積させていった石垣は近年遂に崩壊を始めたようだ。

 

石垣の断面が見えているのも興味深い。

 

石垣の下側を削られてもなお上部は石垣としての形状を保っている。軌道敷設時の丁寧な仕事が伝わってくるようだ。

 

 

 

 

 

 

軌道は三程川に沿って弧を描く様に進んで行く。

 

木々に遮られよく見えないが、石垣は再度現道と合流するまで延々と続いている。

 

恐らく浪江森林鉄道の本線、支線含めて最長の石垣であろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三程川が再度現道に接近すると、軌道は橋で川を渡り合流する。

 

画像では木々に埋没しよく判らなくなっているが、中央部分に石垣が見えるだろうか。

 

これも見事な石積である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらが道路側の橋台である。中央部分に突き出たのがそうである。

 

三程支線の橋台は木橋、鉄橋どちらでも架設できるような設計に見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほどの距離標から計ると、この地点辺りが三程支線の終点であった地点と思われる。

 

道はこの先も続き、やがては国道114号線に達する。

 

この先は急カーブが連続するのでこの地点を終点にしたのは正解だったろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終点から右手をみると一軒の農家と山間にしては広大な土地があった。

 

木材を集積するにはうってつけの場所だ。

 

中央に見える農作業道は木材を仕分けるための作業道だったのかもしれない。

 

奥では男性が一人黙々と農作業に励んでいた。

 

 

 

 

 

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