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渓谷編 5
〜畑川橋梁〜
申瘤地区の入り口には橋が架かっている。
名は「猿瘤橋」。地名とちょっと違う名前は何故だろうか。
例によって質実剛健な作りだ。
営林署のプレートも他の橋と全く変わる所はない。
猿瘤橋の先の路面は石垣で路肩が固められていた。
石の大きさは大小様々だが、それらを見事に組み合わせて一つの面を作り出している。
申瘤地区を進むと道が二手に分かれている。
右に進むのは森林鉄道本線。左に進むのは「中丸木支線」だ。
中丸木支線(現中丸木林道)は山中を突っ切り、国道288号線まで通じている。
中丸木支線へ
中丸木支線の分岐から程無く行くと、道はT字路になっていた。
右が本線かと思いきや、実は「三程支線」の分岐点である。
左が森林鉄道本線である。本線はこの先の「見返り橋」で川を渡り、戻ってくるまで県道253号と別れる。
本線は高瀬川を鉄橋で渡る。
親柱には「かんとうばし」と書かれているが、これは後で付けられた名前だろう。
資料には「畑川橋梁」と書かれている。
橋の制限重量は2tしかない。
畑川橋梁を渡ると道が3つに分かれていた。
正面の山に登るのは「真草沢支線」
右に別れ、カーブを描く道が森林鉄道本線だ。
更に右に別れる道は 東北電力 高瀬川発電所へ通じる道だ。
畑川橋梁の全体を見る。
「デッキトラス構造」と呼ばれる形式のこの橋は、細身の鋼材を組み合わせて作られ、非常に優美な姿をしている。
発電所の建設工事に伴い、畑川橋梁は鉄橋に架け替えられたと考える。
高瀬川発電所の稼働開始が大正15(1926)年なので、大正14年頃の建造と考えられる。
発電所の工事資材等は森林鉄道で運搬されたのであろう。
齢80を越してなお、現役であり続ける橋なのだ。
浪江森林鉄道探訪はまだ半分もおわっていない。
この先にどんな景色が待ち受けているのだろうか?
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