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渓谷編 4
一ノ宮隧道の先にはまたも橋があった。
「熊之澤橋」と言う。
これも小丸橋、大平橋と同じく昭和34年の竣功だ。
上の画像の反対側では親柱とガードレールが一触即発の接近戦を展開していた。
「久満乃さわばし」…あまりにイカす当て字である。
何故か親柱に感謝したくなった。
熊之澤橋を過ぎると、辺りの静寂を切り裂く水音が聞こえた。
仮に名前を「熊之澤堰」としておこう。
堰自体は何のへんてつも無い様だが、奥の二つの穴が非常に気に掛かる。
恐らく繋がっている。何故に作られたのかは分からないが…
(参考)この画像を撮影した地点には「第3号隧道 北沢隧道」がかつて存在していた。
しかし10年程前、土砂崩れが起き、その回復工事の際、北沢隧道は削られてしまった。
草と木と岩に囲まれた県道の脇に出現したコンクリート構造物。
地図には「水路」として書かれている。
水路橋のようだ。
至るところのコンクリートが剥離し水が漏れている形跡がある。
「山荘 高瀬川」さんだ。
小丸地区を出てしばらくの間、民家は数えるほどしかなかったので、何故かホッとする。
シーズンになれば渓流釣りの人達が拠点にするのだろう。
(日を改めて)
山荘 高瀬川から先は焼築(やきじく)と呼ばれる地区に入る。
民家が県道脇に点在する。
3月の
焼築の集落を進むと、左手にお馴染みの造りの橋が見えてきた。
名は「安心橋」。何が安心なのかはよく分からないが、いい名前の橋だ。
これは「焼築支線」の入口でもある。
○ 焼築支線の基礎知識
開設 昭和27年(1952)
廃止 昭和35年(1960)
延長 1.6km
※ 焼築支線ではインクライン(ケーブルにより車両を移動させる施設、この場合ケーブルカーと同義)を使用し木材の搬出を行っていた。
※ インクラインは複線式で片側が木材搬出(下降)、もう片方は空車引き上げ(上昇)に使用されていたと思われる。
焼築の集落を過ぎ、更に奥に進む。
行く手にはご覧のような素敵な景色が広がっていた。
ここを駆け下りる運材列車を見てみたかった…
近年、県道253号沿線も整備が進んでいる。
ここ戸神山登山口も以前は駐車スペースが狭隘だったが、山肌を開き20台ほどが停車できるように整備された。
高さもお手頃なので、気軽に登山を楽しむには良い山である。
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