このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 松代 −その21−

2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影

豊福 亮 [日本]
Ryo Toyofuku [Japan]

天竺
Tenjiku

道路沿いの家屋に入ると、いかにも仏教美術といった感じの金色(こんじき)の空間に包まれる。
作品名からも、反射的に、何となく「南無阿弥陀仏…」と、この空間に帰依したくなる。
しかしながら、金色の造形たちをよく見てみると、小さな仏像に混じり、恐竜やボーリングの玉、花や椅子なども…。
いかにも仏教といった先入観を持って入る空間をいかに打破するかを楽しむ空間。

作品の展示されている空家に入った時、作品名から受ける先入観もあり、金色の空間に怯みました。
しかしながら、よくよくそのパーツを見ていると、「あれ?これは恐竜?」「ボーリングの玉?」と、何だか急に不思議な楽しい空間に変わっていきました。
洋風の椅子も金色に塗られたりしていて、次第に、最初に先入観だけで怯んだ自身が滑稽に思えてきました。

2006年作品
室野 空家
第3回期間中のみ

2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影

杉浦 康益 [日本]
Yasuyoshi Sugiura [Japan]

風のスクリーン
Wind Screen

棚田の中を歩いていると、中腹に砦のようなものが現れる。
砦は、棚田の形に合わせて、うねるように伸びている。
そのうねりはまるで、風にたなびくカーテンのようでもある。

陶で作られているというブロックの4本の柱は、1本1本が違う形状で、人の手が加わっているということを強く感じます。
ここを流れる風は、この作品の間を抜けて吹くんだろうなと感じました。
ガイドブックのプランでは、真っ白な風のスクリーンが描かれていましたが、実際は、基本的には茶色で、様々な色合いの茶色で作られていました。
棚田に現れた砦という第一印象に、何となく、2003年の作品「盆景−Ⅱ」を思い出しました。

2006年作品
松代 木和田原

2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影

丸山 純子 [日本]
Junko Maruyama [Japan]

無音花畑
Soundless Flower Garden

峠集落のライスセンターの入口に、ゆらゆらと風に揺れるたくさんの花が咲いている。
その花は、階段の踊り場や、2階の床一面に咲き誇っている。
この年の4月で最後となった、味噌作りの場に、文字通り、花を添える作品。

ライスセンターの内部は、本当に見事なまでに花畑でした。
この花々は、スーパーのビニール袋で作られており、この花を「育てる」のも相当大変だったんだろうなと感じました。
このライスセンターでは、地域で収穫された大豆を使った味噌が作られており、「峠の我が家」と名付けられた味噌の糀室や熟成室にも咲いていました。
しかしながら、体力的な負担により、この年の4月をもって、味噌作りは卒業したとのことでした。
その奥の部屋は、この学校と、そして、この集落の思い出が詰まった教室で、この部屋にも、花が咲いていました。
決して艶やかではなく、あくまでもひっそりとその空間に群生する花々を見て、「無音花畑」という作品名とこの空間をしみじみ感じました。

2006年作品
峠ライスセンター
第3回期間中のみ

2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影
2006年8月26日撮影

















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