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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 松之山 −その6−

2003年8月30日撮影
2003年8月30日撮影

マリーナ・アブラモヴィッチ [旧ユーゴスラビア]
Marina Abramovic [Former Yugoslavia]

夢の家
Dream House

上湯集落の一軒の民家が、アブラモビッチ氏によって「夢の家」として作り上げられた。
作品は宿泊施設となり、宿泊者を迎え入れる。
宿泊者は、青、黄、赤、緑のパジャマに着替え、それぞれ、青、緑、赤、紫の部屋で寝る。
そして翌朝、そこで見た「夢」を「夢の本」に書き綴っていく。
アブラモビッチ氏は、「夢の家」の運営、そして、宿泊者に喜びを与える役目を集落の住民に託した。
「夢の家」は、集落の住民が育て上げた、あたたかい家となった。

2005年夏の「10days」初日、約2年ぶりに、作品を訪れました。
2003年の会期中に訪れた時は、一通り部屋を見て周ったただけでしたが、今回は、こへび隊の方に色々と説明を頂くことができました。
「夢の本」は、それぞれの部屋の木のベッドに差し込まれており、前回は全く気が付きませんでした。
アブラモビッチ氏が壁に詩を書かれた部屋に「夢の本」が何冊か置いてあるのですが、一冊一冊、一頁一頁が、今まで訪れた方の夢で綴られているのでしょうね。
それにしても、各部屋、特に赤い部屋は鮮烈な印象を与えてくれます。
しかし、これら部屋を色づけているのは太陽光だけであるという事に気付かされた時、改めて自然の力の大きさを知ったような気がします。
夕方から夜にかけて、また、早朝などは、宿泊者しか体験できない移ろいを感じることができるのでしょうね。

2000年作品
上湯
常設

2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2003年8月30日撮影
2003年8月30日撮影
2005年7月31日撮影

ジャネット・ローレンス [オーストラリア]
Janet Laurence [Australia]

エリクシール/不老不死の薬
Elixir

「夢の家」の隣りにある小さな蔵、そこが、薬草で作られた「エリクシール(薬草酒)」のショットバーである。
古来より「酒は百薬の長」として、多くの薬草酒が作られてきた日本。
その風土と、生薬やそれらを用いた治療を調査しているローレンス氏が見事に調和した作品。
お酒が苦手な人、また、車の運転手などには、ノンアルコールの紫蘇ジュースもある。

2005年夏の「10days」初日、約2年ぶりに、作品を訪れました。
三角や丸底のフラスコが並ぶ部屋は、まるで化学の研究室のようです。
しかし、それらは、化学云々ではなく、代々伝えられてきた人々の知恵です。
入口付近に保存されている薬草主の中には、2003年の夏にこへび隊の方々も一緒に作られた薬草酒もありました。

2003年作品
上湯
常設

2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2003年8月30日撮影
2003年8月30日撮影

ローレン・バーコヴィッツ [オーストラリア]
Lauren Berkowitz [Australia]

収穫の家
Harvest House

「夢の家」のはす向かい、「収穫の家」と名付けられた家の1階にその作品はある。
家に入るとまず、はざ掛け(収穫した稲を乾燥させるために木の間に縄を張りそこに稲を干すこと)のような空間や、囲炉裏が出迎えてくれる。
真っ白なお米が敷き詰められた一角には、穀類の盛られた皿が並べられている。
また、色鮮やかな花々が木枠の中に敷き詰められている。
収穫にまつわる、この土地の物語を見ているかのような空間です。

2005年夏の「10days」初日、約2年ぶりに、作品を訪れました。
この作品も2003年の会期中に訪れた時は、一通り見て周ったただけでしたが、今回は説明を頂くことができました。
庭に敷かれた石も、水田を潤す川の流れを現していると初めて知りました。

2003年作品
上湯
常設

2003年8月30日撮影
2003年8月30日撮影
2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2005年7月31日撮影
2003年8月30日撮影

ロビン・バッケン [オーストラリア]
Robyn Backen [Australia]

米との対話
Rice Talk

「収穫の家」の1階からはしごを上った2階、そこは、農家として使われたであろうかつてのこの家のありのままを見ることができる。
スピーカーから繰り返される、小林一茶の句。
そして、その一番奥に作品はある。
光ファイバーが織り込まれた畳が妖しい光りを放っている。
その光りは、風になびく稲穂のようにも見える。
それとも、この家の記憶を伝えているのであろうか。

2005年夏の「10days」初日、約2年ぶりに作品を訪れました。
「収穫の家」の説明の後に作品の説明を頂きましたが、スピーカーから流れているのが一茶の句だと初めて知りました。
「きぬ 〜 や かすむ迄見る 妹が家」。
しっとりとした中にも力強さのある言葉…。
説明を頂いたことにより、その空間の不可思議さをより感じることができたような気がします。

2003年作品
上湯
常設

2003年8月30日撮影

マリア・マグダレーナ・カンポス=ポンス [キューバ/アメリカ]
Maria Magdalena Campos-Pons [Cuba/USA]

連想のフィールド
Remembrance Fields

天水越の棚田にタペストリーのような作品が並ぶ。
作品には、地域に伝わる「管領塚」の伝説が織り込まれ、この地域で最も美しいといわれる棚田にさらに彩りを添える。

とても素晴らしい眺めでした。
棚田の美しさだけでなく、それを全く邪魔することなく棚田と一体化している作品が心地よく、しばらくその場を離れることができませんでした。

2003年作品
天水越
第2回期間中のみ



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