田島 征三 [日本]
Seizo Tashima [Japan] 鉢&田島 征三「絵本と木の実の美術館」
Hachi & Seizo Tashima
Museum of Picture Book Art 2005(平成17)年の3月をもって廃校となった旧真田小学校がリフォームされ、「絵本と木の実の美術館」として生まれ変わった。
館内は、最後の在校生となった3人の児童をモチーフにした田島氏の絵本「学校はカラッポにならない」の立体絵本として、作品が展開されている。
流木を使ったオブジェが、建物全体に、生き生きと物語を展開していく。
館内は、常設展示のほか、企画展示や、ショップ、地元の食材が楽しめる「Hachi Cafe」も併設されている。 第4回期間中、作品を訪れました。
玄関前では、早速、バッタの形をした鹿威しが、夏の暑い日に、心地よい水の音ともに出迎えてくれます。
玄関から体育館へと入ると、流木を使ったオブジェがたくさん並んでおり、それぞれが物語のワンシーンをつくっています。
ふと、「ギー」という何かきしむ音とともに、流木のオブジェが動いたように見えました。
しばらく見ていると、オブジェのうちの何体かが、時折、手を挙げたりと動いているのがわかりました。
その動力は?とよく見ると、オブジェにワイヤーが繋がっており、そのワイヤーが外へと伸びていることから、なるほど、あの鹿威しが動力源かとわかりました。 2階へと上がると、天井が取り外され、空間が縦に広くなっていました。
むき出しになった柱や梁の一本一本に歴史を感じます。
教室には、授業中でしょうか、3人の児童たちが元気に手を挙げるオブジェが展示されています。
隣りの部屋には、木の実を使った作品が展示されています。
その先の部屋へ行くには、木の実の部屋に隅に開いている穴を通って行くようです。
何だか、秘密基地を探検しているような気分にもなります。
その先に部屋には、流木のオブジェとともに、小学校に残されていた品々が置かれています。
おそらく、卒業生の方々にとっては、懐かしい品々なのでしょうね。
黒板には、最後の在校生となった3人の児童が書き残した落書きが、そのまま残されていました。 児童たちは空間を縦横無尽に駆け回り、ついには、教室の壁をも突き破ります。
教室の壁の向こうは…、後で外から見てみることにします。
1階には、田島氏の絵本のショップと、地元の食材を味わえる「Hachi Cafe」が営業しています。
訪れたときは、どの席も埋まっており、「またの機会に」という思いでした。
作品を楽しみ、旧真田小学校を後にしました。
早速、建物の南側へと回ってみると、教室の壁を突き破った3人の児童たちの姿が見えました。
旧真田小学校は、学校の記憶を残しつつ、見事に新たな空間へと生まれ変わったと思いました。 2009年作品
旧真田小学校(鉢)
常設 |