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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 十日町 −その17−

2006年8月12日撮影
2006年9月10日撮影

行武 治美 [日本]
Harumi Yukutake [Japan]

再構築
restructure

背の高い草が、両脇に延びる小道を歩いていくと、一軒の小屋が現れる。
その小屋には、壁一面に円形の鏡が貼りつけられており、周囲の景色を映し込んでいる。
小屋の中も、同じように壁一面に鏡が貼りつけられている。
一軒の小屋に、鏡という素材を加えただけで、新たな空間が生まれた。

初めて作品を訪れた時は、太陽がオレンジ色に変わり始めた頃でした。
作品を正面に見ると、ちょうど作品の背後に太陽が隠れ、その太陽が照らす、自身の背後の景色が鮮やかに映り込んでいました。
作品の中に入ってみると、内部も一面に鏡が貼られており、床を覗き込むと奥深くに吸い込まれてしまいそうな錯覚を覚えました。
再び外に出て、今度は作品の背後にまわると、鏡が西日を受け、眩しく反射していました。

次に訪れたのは、第3回大地の芸術祭最終日の午前中。
このときは、周囲の景色と映り込む景色の濃淡がほぼ一緒で、作品を見る角度によっては、まるで周囲の自然と同化したようにも見えました。

2006年作品
当間高原リゾート(珠川)
常設

2006年8月12日撮影
2006年8月12日撮影
2006年9月10日撮影

2006年8月12日撮影
2006年8月12日撮影

ヘンリク・ハカンソン [スウェーデン]
Henrik Hakansson [Sweden]

音の波
The Waves of Sounds

サイクリングロードをそれ、林の中へと続く小道をしばらく歩くと、屋根付きの小さな観覧席のようなものが現れる。
訪れたものは、そこに座り、目の前に広がる自然を眺める。
その観覧席に備え付けられたヘッドフォンを耳に当てると、そこからは自然の音がダイレクトに聞こえてくる。
自然を見ながら自然に包まれるような感覚を憶える作品。

作品を訪れたとき、「本当にこの先に作品はあるのかな」と不安になりながら歩いていたので、辿りついたときは、ホッとしました。
まずは、観覧席に座り、景色を眺め、一息ついたところで、横にあったヘッドフォンを耳に当てると、水が流れ落ちる音が聞こえてきました。
「こんな音、していたかなぁ」と、ヘッドフォンを外すと、確かに、遠くのほうから微かな水の音が聞こえました。
改めてヘッドフォンを当てると、再び、心地よい水の音に包まれました。
「本当にこの辺りの音なのかなぁ」と、まだ少し疑いながら聞いていると、ブーンというヘリコプターの音、ヘッドフォンを外しても聞こえる、つまり、本当にこの辺りのライブの音だったということを実感しました。
目を閉じ、水の音に聞き入っていると、日常のどんな嫌なことも忘れて、穏やかな心になれました。
自身にとっては、かなり心地よく、離れ難い空間で、自宅に欲しいような作品でした。

2006年作品
当間高原リゾート(珠川)
第3回期間中のみ

2006年8月12日撮影
2006年8月12日撮影
2009年8月9日撮影
2009年8月9日撮影

ヘンリク・ハカンソン [スウェーデン]
Henrik Hakansson [Sweden]

音の波
The Waves of Sounds

当間高原リゾートへの道を逸れて、少し進むと、木製の真新しい小さな観覧席が現れる。
観覧席が向いているのは、当間高原の自然である。
すでに自然に包まれているにも拘らず、備え付けのヘッドホンを耳にすると、高精度集音機で集められた自然の音がダイレクトに耳に飛び込んでくる。
自然の音の多様さと繊細さを楽しむ作品。

前回の作品で、作品の素晴らしさを体感していたので、ガイドブックで今回も作品が展示されるとわかったときは、胸が躍りました。
そして、第4回会期中、作品を訪れました。
自然と調和したたたずまいの作品に、懐かしさとまた会えた喜びを感じました。
早速、ベンチに座り、音を楽しみました。
普段、耳にしていても気に留めることのない自然の音ですが、この作品を通すと、自然は次はどんな音を聞かせてくれるのだろうと、いつまでも自然の音を聞いていたくなりました。

2009年作品
珠川
第4回期間中のみ

2009年8月8日撮影
2009年8月8日撮影

斉藤 健+黒澤 清高 [日本]
Takeshi Saito + Kiyotaka Kurosawa [Japan]

みんなのくさむら
minna-no-kusamura

市ノ沢の神社の付近に現れた、大きな草むら。
すべてが人間サイズでできている。
草を表す真っ白な竹の下には、ベンチが設置されおり、そこで自由に空間を楽しむことができる。
虫たちが草むらにたたずむように、ここは、訪れた人々がたたずむための草むら。

2009年作品
市ノ沢

2009年8月8日撮影
2009年8月8日撮影
2006年7月23日撮影

ジョゼ・ド・ギマランイス [ポルトガル]
Jose de Guimaraes [Portugal]

妻有広域のサイン
Signs for Echigo-Tsumari

越後妻有地域への入口や、作品設置場所の近くなど、妻有広域に設置されたサイン。

大沢山トンネルの出口付近に設置されたサインです。

2003年作品
鍬柄沢
常設

2003年9月2日撮影
2006年7月23日撮影

日本工業大学 小川 次郎研究室+黒田 潤三 [日本]
Nipponn Institute of Technology Jiro Ogawa Laboratory + Junzo Kuroda [Japan]

モミガラ・パーク
Momigara Park

ブロックをいくつも重ね合わせてできている作品。
よく見ると、そのブロックを形成する樹脂には、籾殻が含まれている。
この土地で収穫された米の籾殻。
所々、時計や写真、メダルなど、住民の思い出の品が混ざっている。
住民の思い出は、籾殻とともに、制作に当たった学生の思い出とも混ざり合い、モミガラ・パークに残りつづける。

心が穏やかになれる、素敵な空間(パーク)です。
夜はライトアップもされます。

2003年の初雪の日に撮影に出かけました。
作品も少し雪をかぶっていましたが、ライトの光は雪も含めて作品を温かく照らしていました。

2003年作品
大沢山トンネル入口(鍬柄沢)
常設

2003年9月2日撮影
2006年7月23日撮影
2003年12月7日撮影
2003年12月7日撮影


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