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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 十日町 −その31−

2009年8月2日撮影
2009年8月2日撮影

丹下 公仁 [日本]
Kimihito Tange [Japan]

妻有の杜
The forest

稲作の神、「田の神」をモチーフにしたインスタレーション。
作品が展示されている部屋の中央には、籾の上に置かれた越後妻有の地図があり、この地域は稲作が築き上げてきた土地であるということを表しているようである。
また、その越後妻有の地図には、地域の神社の位置から天に向かって棒が伸びており、「田の神」と神社のつながりを表しているようでもある。
室内には、丹下氏が訪れた、越後妻有の神社の写真が展示されており、会期中もなお、その写真は増えていった。

確かに、自身の住んでいるところでも、各集落ごとに神社があり、何を祀っているかは別としても、神社と集落は密接に関係しているということを改めて感じました。

「第4回大地の芸術祭」会期最終盤の9月12日、再び作品を訪れました。
廊下に貼られていた越後妻有地域の地図には、丹下氏が訪れた神社に印がついており、自身の家の近くの神社にも、訪れた印が付いていました。
室内に入り、写真を探していると、その神社の写真もありました。
年に1〜2回くらいしか訪れない神社ですが、改めて、こういう形で見ると、うれしく思いましたし、大切にしたいと感じました。

2009年作品
東下組小学校 2階(漉野)
第4回期間中のみ

2009年9月12日撮影
2009年9月12日撮影
2009年8月2日撮影

山下 工美 [日本]
Kumi Yamashita [Japan]

椅子
Chair

ふと、作品の展示されている、かつての教室を覗くと、木製の椅子に座って、黒板を見つめる人のシルエットがある。
だが、その教室には誰もいない。
ただ、誰もいなくても、ここにいた誰かの面影を今に伝える。

初めはどうなっているかわからず、その人影に驚きました。
この静かな空間は、とても印象に残りました。

2009年作品
東下組小学校 2階(漉野)
第4回期間中のみ

2009年8月2日撮影
2009年8月2日撮影

水谷 一 [日本]
Hajime Mizutani [Japan]

隆起する部屋
The Erect Room

かつての音楽室に入ると、デコボコと、壁が隆起している。
白と黒の壁は、楽譜を連想する。
この音楽室が聞いてきた音楽の記憶のようでもある。

2009年作品
東下組小学校 2階(漉野)
第4回期間中のみ

2009年8月2日撮影

マギー・カルデルス [アメリカ/イタリア]
Maggie Cardelus [USA / Italy]

残すべきもの
Something to Have to Stay

カルデルス氏が出会った妻有の景色とともに、カルデルス氏のご子息がパフォーマンスをしている様子を撮影した写真を繋ぎ合せた映像作品。
住民にとっては何気ない景色も、新たな視点とパフォーマンスにより、違った景色に見えてくる。
その景色は、カルデルス氏にとって、「残すべきもの」と感じた景色である。

ガイドブックの作品欄を見たときから、この、いかにも真夏ではなく、プールに飛び込むには不釣り合いの姿をした少年の写真は、「いったいどんな作品なんだろう」と不思議に思っていました。
しかしながら、作品を訪れ、しばらく眺めていると、秋から冬に掛けての妻有で何かを感じ、パフォーマンスをしているという作品であるとわかりました。
カルデルス親子の感じた妻有の景色を楽しみました。

2009年作品
東下組小学校 3階(漉野)
第4回期間中のみ

2009年8月2日撮影

水谷 一 [日本]
Hajime Mizutani [Japan]

日没と日出
Dusk and Dawn

真っ暗な部屋に置かれたテレビでずっと流れるこの学校の姿。
この建物が建てられてきてから繰り返されてきた景色のほんのひと時をこの映像に封印した。

2009年作品
東下組小学校 1階(漉野)
第4回期間中のみ

2009年8月2日撮影
2009年9月12日撮影

松宮 喜代勝+大阪芸術大学 [日本]
Kiyokatsu Matsumiya + Osaka University of Arts [Japan]

地球と握手−復興から発展へ
Shake with Earth : from Restoration to Development

松宮氏により、2004(平成16)年より全国で行われている「地球と握手」ワークショップ。
土を握る、つまり、地球と握手をするというワークショップは、参加者が握った粘土を素焼きにし、オブジェにするというものである。
今回、まさにプロジェクトの始まった年に、大震災に見舞われたこの地で、連日、ワークショップが開催された。
多くの人々が参加したワークショップにより、震災からの復興と発展を願う、松宮氏のこの地でのワークショップが完結した。

「第4回大地の芸術祭」会期最終盤の9月12日、再び作品を訪れました。
作品のところに松宮氏がいらっしゃって、作品について説明して下さいました。
同じ震災の被害を受けた住民として、その趣旨に感激し、また、ワークショップに参加した方の多さに感激しました。

2009年作品
東下組小学校 グラウンド(十日町 漉野)

2009年9月12日撮影
2009年9月12日撮影
2006年8月27日撮影
2006年8月27日撮影

手塚 愛子 [日本]
Aiko Tezuka [Japan]

綛糸−雪綛
Kaseito - Yukikase

織物の「綛糸」を真っ白なLANケーブルで再現した。
綛糸が雪をかぶって太くなっているようにも見える。
手塚氏のこの地の伝統への尊敬を感じる作品。

2006年作品
二子 空家
第3回期間中のみ

2006年8月27日撮影
2006年8月27日撮影

山田 幸則 [日本]
Yukinori Yamada [Japan]

往ったり来たり−Come and go
地元民家・空家のほこり
Come and go
Dust from local private houses and empty houses

作品の展示されている部屋に入ると、小さな山脈があらわれる。
これらは、集落の家々から集められた「ほこり」でできている。
「ほこり」と言っても、家の中で生まれた「ほこり」もあれば、外から入ってきた「ほこり」もある。
また、家の中から外へ旅立っていく「ほこり」もある。
集められた「ほこり」は、普段は気にも止まらないが、家屋の記憶であり、集落の記憶でもある。

まさに、「塵も積もれば山となる」を表した作品です。
なお、奥の部屋にある真っ白な山脈と、東下組小学校の児童が作った山脈は、小麦粉で作られていました。

2006年作品
二子 空家
第3回期間中のみ

2006年8月27日撮影
2006年8月27日撮影





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十日町 -その30-
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