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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 十日町 −その7−

2006年7月30日撮影
2006年7月30日撮影

ノベール・フランシス・アタール [マルタ]
Norbert Francis Attard [Malta]

親しき物の貯蔵庫
Inventarium of the Intimate

本町通りの空き店舗に設置された作品。
雪を防ぐ時にも用いる半透明な波板の向こうに、スコップや防寒具などが見え、全体的に冬を連想させる。
モニターが設置された部屋では、アタール氏が、枯木又の集落で過ごされた記録映像が流れている。

白色のプラスチックを踏むと聞こえる、ザクザクといった音も、まるで降り積もった雪を踏みしめる音のようでした。
波板の向こうには、枯木又集落の「大切なもの」が収録されているという事です。

2006年作品
かじまや靴店(本町4丁目)
第3回期間中のみ

2006年7月30日撮影

2003年8月23日撮影
2003年8月29日撮影

小泉 雅生+東京都立大学小泉研究室 [日本]
Masao Koizumi+Tokyo Metropolitan University Koizumi Laboratory [Japan]

あかるいアキチ
a piece of land - bright & empty

ペットボトルで作られたいくつものオブジェ。
昼間はただそれだけの空き地に、夕方から灯かりが灯る。
その灯かりは、携帯電話に電話をかけることにより、灯すことができる。
その場にいなくてもいい。

この作品は、私が横を通るたびに必ず誰かが作品を見ていた、そんな人気の作品でした。
自分のかけた電話に連動して灯る灯かりは、空き地だけでなく、見る人の心も明るくしてくれました。
あのときの灯かりは、どこか遠くの人が灯してくれた灯かりだったのかもしれません。

2003年作品
駅通り商店跡地
第2回期間中のみ

2006年7月30日撮影
2006年7月30日撮影

譚 偉平(タム・ワイピン) [香港(中国)]
Tam Wai Ping [Hong Kong(China)]

階段
Stairs

市街地に設置された作品と、集落に設置された作品が対を成す作品。
十日町の中心部には、天へと上る階段が設置された。
また、十日町の奥にある塩ノ又には、地下から上ってくる階段が設置された。

初めに中心部で上り階段を見ました。
そのとき、作品名からは、まさにその階段こそが作品を意図したものなんだろうということしか浮かびませんでした。
そして、その2週間後、今度は塩ノ又で階段を見ました。
そこに現れたものは、上り階段ではなく、下り階段でした。
下り階段には、当日の朝に降った雨が溜まっていましたが、なんとなく、その先は本当に市街地の階段に繋がっているような、不思議な感覚を憶えました。
塩ノ又の下り階段を見てこそ、市街地の上り階段に対する想像が広がる、そんな気がしました。

2006年作品
繊労会館跡地(本町2丁目)・塩ノ又
第3回期間中のみ

2006年8月12日撮影
2006年8月12日撮影
2003年8月23日撮影
2003年8月23日撮影

サビーナ・カマール [ドイツ]
Sabine Kammerl [Germany]

出現−消失
APPEARING - DIS-APPEARING

夕方から夜にかけて、着物の形をしたスクリーンにさまざまな人が映し出される。
男性、女性、子供、大人、ゆっくりと現れては消えていく。

カメラを持って徒歩で、もしくは、仕事帰りの車の中から、作品が正面に見えるところで、しばらく眺めていました。
あわただしい世の中で、そんな移り変わりをゆっくり見てもいいのではないか、そんな意味も込められているような気がしました。

2003年作品
十日町商工福祉会館(本町3丁目)
第2回期間中のみ

2003年9月3日撮影

磯崎 道佳 [日本]
Michiyoshi Isozaki [Japan]

3年後に向けた伝言ゲーム2003(10年プラン)
手作り見張り塔でずい〜っと十日町
Finding Message in Echigo tsumari-10years plan, 2003
All along the Watchtower in Tokamachi

十日町商工福祉会館3Fのステージに作られた、ミニチュアの十日町中心地。
子供たちとのワークショップで作られたものだ。
窓際には、いくつもの双眼鏡があり、のぞくとその先には、ミニカーが置いてあったりする。

2003年作品
十日町商工福祉会館(本町3丁目)
第2回期間中のみ

2005年8月6日撮影
2005年8月6日撮影

原 高史 [日本]
Takafumi Hara [Japan]

小さな屋号のれん
Signs of Memory

家の軒先につるされた小さなのれん。
そこには大きくその家の屋号が書かれ、その下にメッセージが添えられている。

住民と一緒に作られたその「小さな屋号のれん」は、地域のまとまりと、歓迎の気持ちを表しているようでした。
屋号の下に書くメッセージや、また、屋号のない家については、屋号についても考えてもらうなど、この作品ができあがる過程で、参加された住民の方々の想像力を多いに掻き立ててくれたことは想像するに難くありません。
メッセージは、商店を宣伝するものから、家族や地域に対するもの、そして、震災の復興を願うものなど、心に残るメッセージもありました。
まるで一枚一枚ののれんが見る者に話し掛けているようで、とてもあたたかい作品でした。

2005年作品
学校町周辺
越後妻有2005夏 10days -真夏の里山体験- 期間中

2005年8月6日撮影
2005年8月6日撮影
2006年7月30日撮影
2006年7月30日撮影

原 高史 [日本]
Takafumi Hara [Japan]

Signs of Memory
十日町学校町一丁目の窓−窓から発するそれぞれの声
Signs of Memory

学校町の家々の窓に設置された作品。
黄緑色の紙には、メッセージが書かれ、イラストが添えられている。
家族のこと、十日町のこと、地震のこと、そして、戦争のことなど…。
老若男女、住民の「声」が、歩く人に語り掛けてくる。

ある一軒のお宅に設置されていた言葉、
「お父さん、お母さん、ありがとう。」
「おじいちゃん、おばあちゃん、元気でいてね。」
この家のお孫さんの言葉でしょうか。
そのほんの一言の純粋な言葉に、心が洗われるようでした。
そして、また、戦争にまつわる話など、柔らかな言葉で掛かれているにも関わらず、そのことが逆に辛さを物語っているようで、何度も何度も反芻して、その言葉を飲み込みました。
ゆっくりゆっくり、町内を歩きながら一つ一つ読んでまわりました。
とても心に残る作品となりました。

2006年作品
学校町周辺
第3回期間中のみ

2006年7月30日撮影
2006年7月30日撮影
2006年7月30日撮影
2006年7月30日撮影


大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
十日町 -その6-
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