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北海道へ旅立ち編

 10月21日

さぁ!旅行の日がやってきた!
昨日までの仕事の疲れもどこへやら!
今日から夢の1週間の始まりです。
いつもの北海道旅行なら朝はやーーく家を出て、モノレールに乗って羽田空港まで行く所だが、今回は寝台列車。出発は夕方です。
昨日夜遅くまで取材の原稿書きをしていたので、ゆっくり昼頃起床。
上野駅には夕方着けばいいので3時頃出れば間に合うのだが、旅行気分を盛り上げる為には少し早めに行ってやっておきたい事がある。

電化製品のコンセントを抜いて(留守中の電気代節約にね)忘れ物ないか指さし確認!!

「良し!」

ノートパソコンを鞄に詰めて最終準備完了!
「よっこらせ!と鞄を持ったはいいが、パソコンが重すぎる・・・肩が痛い」

ちょっと早いが1時前に連れの家へ向かい連れと合流。
「ちょっと早すぎない?」とか連れに言われながら駅に向かう。
「いいのいいの!途中なにがあるかわからないじゃん」と言っておく。

見慣れたオレンジの中央線で神田まで行き、そこから山の手線で上野に着いたのが2時半頃。

中央線です。地元の駅から神田まで

発車まで2時間半もある。
いくらなんでもちょっと早く着きかな?

上野といえば東北、北関東の東京への玄関口。
昔からちょっと古びた上野駅にくると旅情を感じたものです。
今でこそ東京駅からも新幹線が出ていますが昔はここから東北への旅は始まりました。

さて、時間もあることなので重たいバッグをひとまずロッカーに預け。
長い列車の旅に備えて駅の本屋(かなり大きい)で本を物色。
これぞという本が見あたらず、結局R25という無料配布している本だけ頂いてきました。
それにしても上野駅、久しぶりに来たけれどいろんなお店があって時間潰しにはもってこい。


そうそう、今日早く行ってやっておきたかった事がいくつかあって

「まず、駅といえば自分は「立ち喰いそば」。昔から自分はこれを食べなきゃ旅行が始まらない。飛行機で旅行の時も途中JRの駅で必ずそばを食べる。きっと冷静に食べればうまいかどうかあやしいもんだが、駅で立って食べると何故かうまい!!できればホームにあるそば屋で慌ただしい中、ネギをたっぷり乗せて七味も多めにかけて食べるのが一番雰囲気が出る。例えれば、ハイキングで素晴らしい景色を見ながら食べるおにぎりがうまいのと同じ原理。
次に、せっかくの電車の旅なので駅弁を買いたい。おそらく上野駅ともなれば何軒も売店があると思うので全部見てこれぞ!という駅弁を買う事。
それから北斗星は20分から30分前には上野駅に入線してくるので(調べ済み)入線してくる所を写真に収めたい。
最後に、上野駅には北斗星、カシオペア乗車の乗客専用待合い室があるのでそこで待ってみたい。(普段はせっかちで待つのは嫌いなんですけどね。ベンチに似て)」

との願望を全て叶える為には1時間半から2時間前には行く必要があったのでした。
客観的に考えるとどれもくだらない。早く行きたい理由を話すと却下されそうなので、連れには黙っておく。

さて、本屋も終わった事だし、そばを食べたい。
そこで・・・

自分
「腹減ったね〜そばでも食べない?」

連れ
「そば?もっとちゃんとしたのがいいな、腹減ってるし」

自分
「でも、せっかくの列車の旅だし夜は駅弁食べたりしたくない?だから軽めのがいいよ」

連れ
「それもそうか」

という会話をもって「立ち喰いそば」決定。


そばを食べ終え、(結構うまかった)。駅弁探しに!
駅弁は東京駅の方がいっぱいあるらしい。
よく行く北斗星関係のホームページで、そこの常連さんは東京駅で駅弁は買ってくる。と、ネットの掲示板に書いていた。
行ってみたいが面倒だし、上野駅内を探してみる事に。
広い構内には、おにぎり屋や駅弁屋が何軒かあって、その中で「北海道」って感じのする駅弁を売っているお店を見つける。
そこで自分は「うに」や「いくら」の乗った北海弁当に決め、連れはカニ寿司を購入。
でも、駅弁って何故か高いね。
ついでに朝飯用のおにぎりも購入して食料は確保。


さて、弁当も買ったので北斗星の発車するホームを確認しておこう!

小さくて見にくいけど
「寝台特急北斗星1号 16時50分 札幌」
と書いてあります

北斗星は上野駅1階の13番ホームから発車します。
13番ホームへ着くと昨日台風の影響で運休した同じく寝台特急のカシオペアの姿が。どうやら札幌から上野に回送運転された模様。
誰も乗っていない車両を見学していると最後尾の車両がすごい!
展望スイートという個室でベットが2つ並び、普通の電車では運転席がある場所にはゆったりとしたソファーが2つ、列車後方の景色が二人だけのものになる作り。
16時間二人でこの景色を眺めながら旅ができるなんてなんて贅沢なんだろう。
旅行のパンフレットに動くホテルという言葉が書いてあったがまさにその通り。しかも景色は常に変化して、夕方〜夜景。そして朝陽が昇ると北海道の雄大な景色が180度見られる。いつの日か是非乗ってみたい!!


さて、13番ホームといえば「5ッ星広場」なる北斗星とカシオペアの乗客が利用する専用の待合い室がある。「5ッ星」というネーミングが期待感を煽る、どんな所なのかな?期待して行ってみると・・・

五ツ星広場の案内と看板です
肝心の待合い室の写真は忘れました

たしかに看板は立派だが待合い室ってほどでもない。
テーブルと椅子がホームの端のスペースに用意してあるだけ。もっとちゃんとした待合い室かと想像していたのでちょっとがっかり。
まあ、でも普段の電車利用ではありえない事なんだから、こんな配慮をしてくれるJRに乾杯って所かな。

思い起こせば、列車での旅なんて修学旅行以来、何年振りだろう・・・
高校以来だから10数年か。
そんな事を考えていると13番ホームに青い列車が見えてきました。
お尻を向けてゆっくりゆっくり北斗星は13番ホームに収まります。

ホームに収まった北斗星の勇姿
みんな北斗星に急ぎます

深い青の車体はなんとも綺麗でまさにブルートレイン。
小さい頃憧れていた寝台特急が目の前に!!
「感無量です。銀河鉄道999の気分(わかってもらえるでしょうか?)」

先頭の機関車まで行き写真撮ってから、荷物をロッカーから引っ張りだして乗車です。


乗車の際行き先には当然ながら「札幌」の文字が。
本当に札幌まで行くんだね!電車で北海道なんて実感が沸かないけど。

行き先はもちろん「札幌」

3号車に乗車して通路を歩く、通路は結構狭い。
限られた客車のスペースだからしかたない所かな。
そんな事より、今日は電車の中に泊まる部屋がある。
この非現実的な感覚。
いつもは電車に乗ってもギュウギュウ詰めの満員電車で、自分のスペースなんてほんの30センチ、いや20センチ?くらいのもの。それが今日は個室ですよ、個室!

期待いっぱいで切符に書いてある部屋のドアを開ける。
「お邪魔しまーす」
部屋は2階部屋。ドアを開けると階段があり、階段を登るとベット兼椅子が二つ。
天井が低くてまっすぐに立つには困難。でもでもでも、とにかく嬉しい!!!
天井が低くたって、多少部屋が狭くたって関係無し。
今、自分は寝台列車の中にいる、それだけで十分幸せなのです。

個室内です
個室には音響装置、換気扇、何カ所かあるルームライトのスイッチがあります
布団は毛布が一枚、清潔感はまあまあかな

北斗星には食堂車、ロビーがあるロビーカー、シャワー室、自動販売機が完備されています。
シャワー室は食堂車でシャワーカードを購入する完全予約制。
なので、さっそく食堂車に行き8時から予約を入れる。

シャワーカードです
1枚310円

これまでの人生で電車での食堂車利用もないし、シャワーなど考えもしなかった。
初めてが今日はたくさん待っています。子供のようにワクワクです。

部屋は暗証番号式のカギもあり、外出中も安心。(外出と言っても客車の中ですが)
さっそくカギを掛けて探検です!
ロビーカーや洗面台、トイレ、他の個室、開放B寝台と見てきました。
自分達の部屋もB寝台だが、開放B寝台という寝台の方が自分の思っていた寝台列車。
2段ベットがズラリと並び廊下からも丸見え。グループで旅行するならこちらの方が楽しいかも。

こちらはA個室
写真左手方向にトイレとシャワールームもあります
窓も広い



部屋へ戻ると北斗星がゆっくりと動きだし、上野駅を後にします。
うす暗い空に街並みが見えては消えていきます。
さすがに首都圏だけあってネオンが賑やか。
すぐに大宮駅に到着です。
駅には夕方の通勤、通学の人達。
でも、自分は札幌行きの寝台列車!ちょっとした優越感。
たくさんの視線を感じつつ大宮を出発です。
大宮を過ぎた頃には辺りはだいぶ陽も落ち、暗くなってきます。
ネオンも減り、寝台列車乗るなら夏の陽が長い時期の方がいいかなって思いました。

景色も見れなくなったので駅弁タイムにする事に。
冷めた駅弁もそれなりにおいしかった。
なによりこれから北海道に行けるうれしさでいっぱいですから、多少冷めた御飯も関係無し。
量は少なかったけれど、今日は夜、食堂車でパブタイムを利用しようとたくらんでいるのでちょうどいいくらい。
食堂車でのディナーは完全予約制でフランス料理が7800円と北海道での1泊分ほどに相当してしまうのでパス。
そのかわり9時頃からパブタイムがあり、こちらは予約無しでアルコールやおつまみ。食事(2000円くらいかな?)もできます。
その為にシャワーを8時に予約しました。そうすると8時半にはシャワーも終わり、
部屋に戻ってちょっと休んでも9時にはさっぱりした身体でパブタイムに間に合う。
これも事前にネットで調べたおかげです。感謝感謝。

    ちなみにそのサイトは ここ (北斗星の家)


8時になり初めての列車の中のシャワーに向かいます。
シャワー室は2つあり、お湯の出る時間は6分と決まっています。
でも、ボタンで洗う時にはお湯を止められるので止めてる間は時間はカウントされません。
扉を開けると、脱衣場になっていて必要にして十分な広さです。
ドライヤーも設置されていて、鏡もあります。
機械にカードを入れ、シャワー室に。
シャワー室も脱衣場くらいの広さで時間カウントのデジタル表示があります。
シャワーボタンを押すと時間もカウントされていきます。
水量も普通でシャンプーして身体を洗っても3分ほどで全部足りてしまいました。
(帰りの北斗星2号ではシャワーの水量が少なくてちょっと焦りましたけど)
残りの3分でゆっくり温まり、快適。
多少揺れても転倒するような事はありませんでした。

こちらがシャワー室内

部屋に戻って9時ちょっと前に、パブタイムに出かけます。
まだ放送前なのに先客で席の半分くらい埋まっていました。
みんな結構知ってます。
いい雰囲気の中、ビールと海の幸サラダ、生ハムを注文して写真を撮りました。
いつもは早食いなのですが1時間かけてゆっくりと食べます。
普段飲まないワインも注文してチビチビ飲みながら、途中で誰もいない見知らぬ駅をいくつも走り抜け。列車の旅ならではの気分にさせてもらいました。

上の写真が食堂車
「グランシャリオ」です

下の写真料理は今回注文した
北海の幸サラダ

下の右はパブタイムメニューです
スパゲティ、生ハム、ソーセージ盛り合わせ、ピザなど

飛行機で行けばとっくに千歳について、もうホテルでチェックインしている時間。
普段は時間短縮の為にお金を使うけれど、今日は飛行機よりも高いお金を出してゆっくり旅している。
それがとても贅沢に感じられる時間です。
10時過ぎまで居座って十分堪能し、部屋に戻りました。

これで今日のイベントもほぼ終了。
あとは青函トンネルと函館で機関車の付け替えを見学したいけれど起きて見られるかどうか・・
結局、青森までは起きていたけれど青函トンネルでは寝てしまい見逃す事に。

しばらく熟睡・・・

連れに起こされて目を覚ますと、北斗星は停車していてどこかの駅。
よく見ると「函館」の文字が!!
寝ているうちに北海道に上陸していました。
いそいで着替えてホームに降りようとしまいしたが着替え中に列車は発車。
北海道内は機関車が変わります。
その付け替えを見学したかったけれどこれも見逃す事に・・・

北海道内を引っ張る機関車です
札幌に着いてから撮りました
札幌では先頭はホームからはみ出していて正面からは撮れません
残念・・・

寝ぼけていて北海道上陸の実感もなく。しばらく真っ暗な函館の景色を眺めてまた寝ました。

しばし熟睡していると再び連れに起こされる。
連れのテンションの高い声に起きて車窓を見ると・・・

そこは海!!!

すぐ目の前までせまる海のそばを北斗星は走行していました。
寝ぼけた頭もこれには感動。

朝陽が昇る中、北斗星は海沿いを走行

途中、秘境中の秘境駅「小幌駅」(電車か船でしか行けない駅)を通過。

おにぎりを食べながら、車内販売でコーヒーを買ってしばし車窓を眺めます。
北海道らしい景色が車窓を流れます。
北斗星で来て良かった!

朝9時を過ぎていよいよ札幌まであとわずか。
長い16時間の北斗星での旅も終わり、北海道の旅の始まりです。

ちょっと名残惜しいけれど北斗星とお別れです。
定刻通り札幌に到着し、北斗星に別れを告げ札幌駅に降り立ちました。

札幌に到着!!



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