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2007年8月10日(金) 四日目 <色川村散策(鶏をしめる、仙人滝)>
<朝のドライブ>
6時起床。今日も朝早いですが、昨日までの連日5時起きに比べれば6時は相当遅いような気がします。
今日は朝食前に、昨日作った混ぜご飯のおにぎりをご近所の皆さんに配るため、Hさんのお母さんの車で集落内を回ることになりました。僕は関係ないですが、家にいても暇なので一緒についていくことに。朝日に照らされた棚田が美しい。
<棚田> |
おにぎりを配るのはすのさんなので、すのさんが配っている間は車の中でHさんのお母さんと待ってました。待っている間はHさんのお母さんによる絶え間ない色川講義が展開され、地域の説明から今配りに行っている家の内情まで、様々な深い話を聞くことができました。というかすごい情報通でびっくりした。まあ田舎っていうのは情報の伝播スピードが半端じゃないからね。配達が終わるまでの1時間で、僕は少しこの地域について詳しくなりました。
<本州最南端 潮岬>
予定では今日色川を出て、和歌山市内の24時間サウナにでも泊まろうかと思っていましたが、あまりにも色川の居心地がよかったのでもう一泊させてもうらことにしました。ということで、今日は時間ができたので、すのさんとともに麓まで下りて、本州最南端の地、潮岬に行ってみようかと。僕は最近岬/灯台/端っこマニアになりつつあるので、本州最南端には是非とも行っておきたかったところです。
朝食を済ませ、1日3便あるうちの2便目のバス(9時半)に乗って那智勝浦の市街地へ。スーパーのAコープ前で降りて所用を済ませてから、紀伊勝浦駅まで海沿いをとことこと歩いていきました。今日も相変わらず暑いですが、海越しに見える那智山の眺めは抜群。この距離からでも那智の滝が見えて、その存在感は圧巻です。
<那智山方面> | <アップすると那智滝が見える> |
さらに海岸沿いを進むと弁天島。ここは勝浦市街地から結構離れているので、すのさんも来るのは初めてだったらしい。市街地から外れているので、他に観光客もいなくて静かです。
<弁天島> | <弁天島の鳥居> |
そして紀伊勝浦駅に到着。暑いんだからわざわざ歩かずにバスでここまで来ればよかった気もしますが、串本へ向かう電車の本数が少ないので、バスで来ていたら1時間半くらい時間を持て余してしまっていたことでしょう。この紀伊半島の東部地域は、特急は結構走っているけど普通電車が2時間に1本の割合だったりします。とても交通の便は悪いです。。だからこそ自然が多く残っているのだとは思いますが・・・。
紀伊勝浦11時41分発の電車に乗って本州最南端の串本へ。12時24分、串本着。本州最南端の駅にやってきました。
<串本は本州最南端> | <紀伊田辺行き普通列車> |
早速串本駅でレンタサイクルを借りて潮岬へ繰り出します。ちなみに串本駅のレンタサイクルは2時間300円、4時間600円の先払い制でしたが、まあ2時間くらいあれば全て回れるだろうとの予想のもと、2時間でレンタル。JR利用者は1割引になるらしく、270円でOKでした。しかも自転車はかなり新品。JRもなかなか粋なことをしてくれるものです。
潮岬は陸繋島で、本州の串本の繁華街と一本の砂州で結ばれています。だから潮岬サイクリングは島をぐるっと一周する感じです。1周約12キロ。今日の朝、Hさんのお父さんが「潮岬は平坦だから自転車でもこぎやすい」と言っていたので、まあ気楽なサイクリングだろうと。
ところが漕ぎ出してみるとこれがなかなかの坂道で、行けども行けどもなだらかな上り坂でした。平坦じゃないじゃん!しかも空からは日中の強い太陽光が降り注ぎ、暑いったらありゃしない。汗は噴出し、腕はみるみるうちに黒くなっていきました。持ってきた水を飲むも、太陽にさらされた水はお湯みたいに温かくなってます。終いにはあまりのきつさについにギブアップし、僕一人自転車を押していくはめに。もうダメ。対してすのさんは「こんな坂、大したことない」と言って、自転車から降りることもなくスイスイ漕いで行きました。さすがに毎日きつい坂を自転車で行き来しているだけのことはある。でもこれじゃまるで僕がダメ男みたいじゃないか。。
やがてようやく道は平坦になり、頑張ったご褒美とも言える景色が目の前に広がりました。海風に吹かれながら潮岬灯台を眺める。これは気持ちがいい。
<潮岬灯台を望む> |
そして潮岬灯台に到着。日本の灯台50選にも選ばれているこの灯台。灯台好きとしてはたまりません。150円払って高さ22mの灯台を上ると、そこからの景色はなかなかの絶景。地球が丸いというのがよく分かります。そして風が涼しい。その後1階の展示室に寄ってみたものの、クーラーが効いてなくて蒸し風呂状態の上に、結構ありふれた展示内容だったので、さらっと見て退散しました。「潮岬の歴史」とかが詳しくあったら面白かったんだけど。
<潮岬灯台> | <灯台からの眺め> |
さらに進むと本州最南端の碑。いやー、ついにここまで来ました。波照間島の「日本(有人)最南端の碑」を見たときよりも感動が大きいのは、暑い中しゃこしゃこ自転車を漕いでここまでやって来たからに違いありません。ここの休憩所で、本州最南端からさらに南を眺めながらながら昼食。昨日の混ぜご飯おにぎりともらいもののおはぎをいただきました。日向だと暑いですが、日陰に入ってしまえば結構涼しいです。この日の東京の最高気温は36度だったそうですが、串本は30度ということで、数字的にはそんなに暑くなかったのかもしれません。でもやっぱり外で運動すると、30度でも相当暑い。
<ついにやってきた> | <最南端から南を眺める> | |
<のどかな海> | <ゆずソフトを食べつつ> |
昼食を食べたあとは、売店で売っていた「柚子ソフト」を食べてみました。柚子はこの辺の名産らしいです。冷たくて味がしっかりしていておいしかった。あと「本州最南端到着証明書」というのがあって気になったけど・・・何か恥ずかしいので買うのやめました。
本州最南端の碑の側には「潮岬タワー」がありましたが、どうみても昭和の香りがするので今回はパスし、再びサイクリング。ここまで上り坂が多かったので、あとは下りが多く楽になりました。やっぱりサイクリングは楽に限る。楽になると周りの風景を見る余裕も出てくるわけで、潮岬の起伏に富んだ海をみながらサイクリング。思ったよりも多くの大型船が行き来しているのには驚きました。海上交通の要所みたいです。
潮岬を一周するのに思ったより時間がかかってしまい、自転車の返却予定時間である2時50分に。仕方がないので4時間に延長することにして、ゆっくりとサイクリングすることにしました。1999年に開通した、串本と紀伊大島を結ぶ「くしもと大橋」を通り、紀伊大島の手前まで。紀伊大島も見所が多いので、島に入ってじっくり見たいところですが、島は潮岬よりも広いので時間がかかりすぎてしまいます。紀伊大島はまたいつか。
<潮岬の海> | <くしもと大橋> |
潮岬のサイクリングを終え、自転車のレンタル延長を申告しに串本駅へ。駅員さんに4時間に延長してほしいことを告げると、「あぁいいいですよ、今までの2時間分の料金でいいから好きに使ってください」と、思ってもみない回答が返ってきました。ありがたいありがたい。ちょっとJRを見直した。
JRの気前のよさに気分をよくして、串本のもう一つの見所である橋杭岩へ。紀伊大島へ向かって850m、大小40の岩がそそり立っているところです。岩が一列にそそり立っている姿はなかなかすごい。なんでこんな地形が生まれたのか、とても気になります。ちなみに伝承は以下の通りです。弘法大師とあまのじゃくが、串本から沖合いの島まで一夜で橋を架けることができるかどうかの賭けを行った。弘法大師は橋の杭をほぼ作り終えたが、このままでは賭けに負けてしまうと思ったあまのじゃくは、鶏の鳴きまねをし、弘法大師にもう朝が来たと勘違いさせた。朝が来たと思った弘法大師は、橋を作りかけのままでその場を立ち去った、と。
<橋杭岩> |
串本観光の終わりは温泉へ。駅近くにある「サンゴの湯」へ行ってきました。時間がなかったので入浴時間20分という慌しさでしたが、今日一日の汗を洗い流してさっぱり。でも入浴料300円って聞いてたんだけど、400円に値上がりしてたぞ・・・?
<サンゴの湯> | <串本駅前> |
駅に自転車を返し、4時10分の電車に乗って那智駅まで。那智駅に5時2分に着いた後は、那智駅の交流センターで色川茶を飲みながらゆっくりとし、5時半のバスで色川へと戻りました。
<熱中症っぽくなる>
帰ってからは早速夕食。今日は炭火で秋刀魚と茄子を焼いていただきました。秋刀魚は塩秋刀魚でちょっと塩辛かったけど、ナスはみずみずしくておいしかった!
<秋刀魚> | <茄子> |
さて食後。帰りの電車に乗ったときからどうも頭が痛かったのですが、まあすぐに治るだろうと放っておきました。でも夜になるにつれて頭の痛さは増すばかり。人の声を聞いただけでも横になろうとした振動だけでも痛い。これはたまらんと離れで横になっていると、Hさんの息子さんが血圧計と聴診器を持って来てくれました。Hさんの息子さんは看護師をなさっているということで、僕を診察してくれたのでした。
血圧を測ってみると、いつもの僕の血圧よりもかなり低いらしい。そして今日の行動からして、だから恐らく熱中症だろうと。今日は水分をとってゆっくり休みなさい、ということでした。確かに今日はあまり水分をとらなかったし、飲んでもスポーツドリンクじゃなくて水だったので、体の中の電解質がかなり不足している感はありました。やっぱり水分はまめに取らないといけませんね。以後気をつけます。
少し横になっていると体調がよくなったので、色川最後の夜は星を見に行くことに。Hさんの家から歩いて5分もすると、街灯も何もない真っ暗な世界になります。今日は3日間の中で一番いい天気だったので、星も本当に綺麗に見えました。人工衛星が動くのや、流れ星も。空から星が降ってきそうというのはまさににこのことか。僕の人生の中では、西表島で見た星空の次にすごかった。
11時、就寝。
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