ドイツ調査 6
2012年10月31日() 6日目 <エンゲン→フライブルク→ベルリン>


<「環境首都」フライブルクへ>

 ドイツ6日目。7時起床で身支度を整えて朝食会場へ行くと、そこはサービスエリアの食堂のようなところでした。バイキングのパンとジュースに値段が付いていたけれど、ホテル宿泊者は無料らしい。卵焼きも目の前で作ってくれるタイプのもので、なかなか悪くありません。ただ本当に胃の調子がおかしくなってきていたので、朝食は肉類を排除したシンプルなものになりました。毎日の朝食写真を見ていただけると、朝食の変遷がお分かり頂けるかと思います。


<ホテルからの眺めは結構よかった>

<今日の朝食>

 9時にホテルを出発し、いつもの貸し切りバスで一路西へ。今日の最初の目的地は、フランスとの国境にほど近いフライブルクです。エンゲンからフライブルクまでは約2時間で、途中にうねうねとした山道を進みます。通訳さんが言うには、日本のいろは坂みたいに結構有名な場所らしい。伝説の鹿が飛び越えた岩があるとかないとかいうことでした。しかし僕は眠かったので、途中の説明をあまり聞いていないため、実際のところは良く分かりません。

 途中の複合施設のようなところでトイレ休憩。ホテルやレストラン、お土産屋、ちょっとした自然観察路が一緒になっているようなところでした。こういう場所でトイレを使うのに50セントが必要なことにはもう慣れたけれど、トイレの看板には少し驚きました。女の子がスカートをたくし上げておしり丸出しになっていて、何となく見ているこっちが恥ずかしくなります。


<ここでトイレ休憩>

<ホテルもある>

<裏手には鉄道の眼鏡橋が>

<何となくやらしい看板>

 トイレを済まし、少し時間があるということなのでお土産屋に入ってみると、そこはガラス細工専門店でした。どうやらバーデン=ヴュルテンブルク州のこの辺りはガラス細工が有名だそうです。最初はあまり買う気がありませんでしたが、皆が結構買うもんだから、ついつい釣られてワインのコルクわがりの栓のガラス細工を購入。9ユーロでした。まあ、実用性があって良い買い物をしたかと思います。


<ガラス細工店>

<可愛いサンタクロース>

 その後再びバスに乗ってフライブルクへ向かい、途中で交通事故の影響があったものの、フライブルクには11時過ぎに到着。


<フライブルクを走るトラム>

<自転車道がかなり整備されている>

 知っている人は知っている通り、フライブルクは1992年にドイツの自治体環境コンクールで優勝し、それ以降環境への先進的な取り組みをしている都市として「環境首都」を呼ばれています。その道の人であれば一度はその名前を聞いたことがある都市です。ただ環境首都に選ばれてから既に20年が経ち、紹介する日本語文献も数多くある中で、さすがに少し色褪せた感はあります。さらにフライブルクの取り組みは今回の調査の目的とは少しずれるため、別に訪れなくてもよいといえば良い場所でした。でもそれだと時間が余るので、せっかくだから環境首都に選ばれてから20年後の姿も見ておこうか、ということで見学することになったというわけです。何だかんだ言って僕も一度も来たことがなかったので、これまで文献で読んだことを確かめるにはちょうどよい機会でした。

 まず昼食まではフライブルクの環境政策の生き字引のような人のレクチャーを受け、それからヴォーバン団地というところに移動してレストランで昼食。


<ヴォーバン団地にあるレストラン>

<なかなか洒落ている>

 今日の昼からアルコールということで、フライブルクの地ビールであるガンターをいただきました。すっきりとした味わいでおいしい。あとは前菜として新鮮なサラダも。久しぶりに生野菜を食べたような気がします。


<ガンターを飲む>

<久しぶりの生野菜サラダ>

 メインは「肉」・「肉のみを使わない菜食」・「肉関連のもの(牛乳とかチーズとか)を全て使わない菜食」の三種類だったので、もう肉料理はこりごりではあるけれど、かといって野菜だけ出されてもそれはそれで困ると思ったので、「肉のみを使わない菜食」にしました。すると出てきたのは、かなり大きめのキノコとポテトのグラタン。上には大量のチーズにまみれたホワイトソースがこれでもかと掛けられ、さらには脂分が多いナッツ類がぱらぱらと振られています。正直これには参りました。おいしいけど本当に味が濃くて、二口くらいで十分腹一杯、という感じ。こんなに濃厚なものを毎日食べていたら、成人病で早死にしてしまいます。ちなみに「肉」はでかい豚のステーキ、「完全菜食」は水菜か何かのスパゲティだったので、完全菜食にしておけばよかった。


<ボリュームたっぷりキノコとポテトのグラタン>

<食後のデザート>

 食後は生き字引の方の案内により、ヴォーバン団地内外を見学。ヴォーバン団地がどんなところか気になる方は、検索して調べてみてください。


<団地にトラムが乗り入れる>

<太陽の動きに合わせて回転する家>

<建物の屋上に太陽光パネル>

<色遣いが激しいが環境的には先進的な家>

<なかなか凛々しい男の子>

<右の顔がリアルで怖い>

 見学後はトラムに乗ってフライブルク中央駅へ。トラムは市街地ではかなりきわどい場所を通っていて、よく事故が起こらないものだと感心します。


<トラムに乗って中央駅へ>

<トラム車内>

 4時半頃フライブルク中央駅に到着し、先回りしていたバスから荷物を出し、ここでニュルンベルク以降お世話になったバスとその運転手さんとお別れ。窓ガラスは汚かったけれど、一人当たり6席使えたので快適なバスの旅になりました。どうもありがとうございます。

<ICEに乗って首都ベルリンへ>

 これで南ドイツでの調査を終え、ここからはICEに乗って最終目的地の首都ベルリンへ。4時56分発のICEに乗り、ベルリン中央駅に到着するのが11時25分と、約6時間半の長旅です。6時間半と言えば、新幹線に乗って東京から鹿児島まで行けてしまう時間です。まあドイツの南西端から東北へと縦断するのだから、そのくらいの時間はかかっても仕方がないか。


<フライブルク中央駅>

<中央駅の駅前>

<中央駅構内>

<16:56分発のベルリン行きに乗る>

 初日からお世話になった熟練ガイド兼通訳さんとはICEの車内でお別れ。彼女の熟練技とも言えるコンダクトのお陰で、前半から中盤にかけての調査は本当にスムーズに進みました。ベルリン以降がアレだったので、帰国後の今は一層そう思います。

 ベルリン行きICE870号はかなりの混雑で、フライブルクに到着した時点で既に満席近くだったのが、フライブルクでさらに人が乗り込んだために、自分達が予約した席に座るまでに発車してから10分くらいかかりました。それくらい混雑しています。この列車は南にあるスイスのバーゼルからやってきたそうで、まさに国際列車です。ドイツのICEは予約制度があるものの、予約が入っていない区間は自由席として座ることができるので、自分が予約している席に先客が座っていることがあります。そこをどいてもらうのはドイツ語ができない人間にとってはかなりの手間です。まあ、僕はそういう交渉をしませんでしたが。先生すみません。


<ベルリン行きICEに乗車>

<ICEはかなりの混雑>

 何とか席について、疲れで寝たり寝なかったりの後、食堂車へ行って夕食。電車は初日に到着したフランクフルト国際空港を出たところです。人が多くてデッキにもたくさん人がいたので、食堂車に行くのも一苦労。最初は指定時間の7時に行ったのに、「まだ前の人達が詰まってるから、電車がフランクフルトを出た頃にもう一回来てくれ」とか。何だか落ち着く雰囲気の電車ではありませんでした。

 で、フランクフルトを出たところでもう一回食堂車へと行き、指定された席に着席。個人的には今回の調査で一番楽しみにしていたと言っても過言ではない、電車の食堂車での食事です。日本では既に食堂車は一部の寝台列車以外では廃止されており、新幹線でも食堂車を使ったことがない僕にとっては一種の憧れの的でした。ようやく食堂車でビールを飲みながら食事ができる、と。


<人生初の食堂車>

<席に座る>

 興奮を抑えつつ、まずは全員で5ユーロ程度の白ワインを注文。ところが何を間違えられたのか、出てきたのは8.5ユーロのスパークリングワインでした。何だか腑に落ちませんが、ドイツ語で反論することは絶望的なので、大人しくスパークリングワインを飲みました。おいしかったから良いけど。2杯目は白ビールのフランツィスカーナー。こちらは間違えられなかった。


<まずはスパークリングワイン>

<2杯目はフランツィスカーナー>

 食事は事前に委託していた旅行社が頼んでいたもので、サラダ、山烏茸と栗のグラーシュとクヌーデル、デザートでした。クヌーデルとはじゃがいも餅のようなもので、普通のレストランで出てくればさぞ美味しいことだろうと思います。ただ今回のはグラーシュも含め、どう考えても「レンジでチンしました!」という感じのもので、正直言ってあまりおいしくなかった。そもそもこの頃には胃がかなりおかしくなっていたので、グラーシュもあまり食べれらず、味の記憶もそんあにありません。


<サラダ>

<山烏茸と栗のグラーシュとクヌーデル>

 そんな感じなので、この後に出てきたデザートも食べられず、おまけに電車がかなり揺れるので若干酔ってしまい、さらには夜だから全く景色を見ることができずで、初めての食堂車体験はさんざんなものになってしまいました。今度は胃の調子が良い昼間にゆったりと過ごしたい。

 食後は席に戻り、うだうだして時間をやり過ごして11時30分にベルリン中央駅に到着。N君が車内に荷物を置きっぱなしにして電車が発車してしまい大変なことになるという、ピリピリしている調査にひと時のオアシスと言うか、ハートウォーミングな出来事もありましたが、まあそれは良いとして、荷物を追いかけて別行動になった数人以外は迎えに来ていたバスに乗ってベルリンでのホテルへ。


<ベルリン中央駅に到着>

<ハウプトバーンホフ=中央駅>

<広大なベルリン中央駅ホーム>

<まだ新しいベルリン中央駅>

 ホテルに到着したのは日付が変わる頃で、荷物を追いかけていたN君達がホテルに到着したのが1時前。ベルリンでのホテルの部屋は、ツインでもリビングとベッドルームがあるというかなり広々とした部屋で、リビングルームにもシングルベッドが置いてあったので、僕はリビングを使わせてもらうことになりました。事実上のシングル利用になり、ちょっと嬉しい。


<ベルリンでのホテルは変わったタイプ>

<ソファーもある>

 これまでのホテルではインターネット接続が有料だったり、そもそもネット環境がなかったりしましたが、ここのホテルは遅いけれど無料でネットを使えるということで、久々にネットに接続して必要最低限のことだけ片付けてこの日は終了。深夜3時半にようやく就寝。


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